砂糖の毒性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 22:52 UTC 版)
果糖を摂取した時の血糖値の上昇は、ブドウ糖を摂取した時に比べて緩やかではあるが、肝臓が果糖をすべて脂肪に変えて内臓脂肪として蓄積させる。「果糖を代謝できるのは、人体の中では肝臓だけ」であるため。肝臓が炭水化物を材料にして脂肪を合成する過程は「脂肪生成」(De Novo Lipogenesis, 「De Novo」はラテン語で「再び」「もう一度」の意)と呼ばれる。果糖を摂取し続けることで肝細胞に脂肪が蓄積していき、飲酒の習慣が無い人間でも脂肪肝を患う。脂肪肝を患って間もない時点ではまだ治る余地はあるが、進行すると炎症を起こして肝炎が発生し、最終的には肝硬変を惹き起こす。カリフォルニア大学のロバート・ラスティグも「砂糖は脂肪肝の原因になる」と主張している。また、ラスティグは果糖を「Alcohol Without the Buzz」(「酔わせる作用の無いアルコール」)と表現している。 砂糖・果糖はほんの僅かな期間で肝臓に脂肪を有意に蓄積させる。 砂糖・果糖は中性脂肪(Triglyceride)を有意に増加させ、空腹時の脂肪酸の酸化を低下させる(脂肪の燃焼を抑制・妨害し、身体から脂肪が減らない)。 砂糖の摂取は、中性脂肪の数値を高め、高血圧を惹き起こし、内臓脂肪の蓄積を促し、インスリン抵抗性、糖尿病、メタボリック症候群を惹き起こす。砂糖を摂取し続けることで脂肪肝を患うと、心血管疾患を惹き起こして死亡する確率が上昇する。 砂糖を摂取することで、体内でAGEs(Advanced Glycation End Products, 「最終糖化産物」と呼ばれる)が作られやすくなる。これは身体の老化を強力に促進する物体で、タンパク質に糖が結合することでタンパク質が変性する。AGEsができやすくなる確率は、ブドウ糖を摂取した際の10倍にまでなる。 砂糖および果糖はインスリン感受性を低下させ、内臓脂肪の蓄積を促進し、空腹時の血糖値とインスリンの濃度を上昇させ、肝臓に脂肪を蓄積させ、ミトコンドリアの機能を妨害し、炎症の誘発を刺激し、脂質異常症、インスリン抵抗性を惹き起こし、糖尿病発症を促進する。 砂糖および果糖の摂取は痛風を惹き起こす。心疾患、痛風、メタボリック症候群に砂糖が関わっていることは以前から知られていた。 砂糖・果糖は衝動性と攻撃性を増加させ、多動性の採餌反応、双極性障害、注意欠陥・多動性障害を惹き起こし、さらには鬱病の原因にもなる可能性がある。 砂糖は膵臓癌 を初めとする各種の癌を患う可能性を高める。これの摂取を断つことが、癌の予防や治療への取り組みとなりうることを示唆している。 砂糖および果糖は脳においてもインスリン抵抗性を惹き起こし、脳の神経組織を破壊し、アルツハイマー病を惹き起こす。 砂糖および果糖は「虫歯の大いなる原因である」と結論付けられている。砂糖が入っている飲み物の販売の禁止、砂糖の摂取に対する警告ラベルの商品への貼り付け、砂糖税の導入は、砂糖の摂取を減らせる取り組みとなりうる。 砂糖の摂取を減らすことで、脂肪肝、肥満、各種疾患を防げる可能性がある。 砂糖および果糖の摂取は肝臓への脂肪の蓄積を促すが、炭水化物および砂糖が少ない食事を摂ると、蓄積した脂肪が急速に減少することが確認された。外部からの資金提供を受けることなく書かれた研究論文の著者は、「身体の健康を守るために砂糖の摂取を制限すべきである」と結論付けている。 1775年、イングランドの医師で生理学者、マテュー・ドブスン(Matthew Dobson)は、糖尿病患者の尿が甘いこと、その甘みの物質の正体は砂糖であることを突き止めた。1776年、ドブスンは自身の臨床経験について発表した。スコットランド出身の軍医、ジョン・ロロ(John Rollo)はドブスンの研究を参考に、糖尿病患者のための食事療法を考案し、糖尿病を患っていた陸軍将校2人に、肉と脂肪が多く、炭水化物が少ない食事を処方した。ロロは、「糖尿病を治療するにあたって炭水化物が少ない食事を奨励した最初の人物である」と説明されている。1797年、ロロは『An Account of Two Cases of the Diabetes Mellitus』(『糖尿病における2つの症例の説明について』)を出版した。2つの事例のうちの1つでは、この食事を処方された結果、232ポンド(約105㎏)あった体重が減少し、症状が解消され、血糖値と尿糖の濃度が低下したという。
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砂糖の毒性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 04:37 UTC 版)
果糖を摂取した時の血糖値の上昇は、ブドウ糖を摂取した時に比べて緩やかではあるが、肝臓が果糖をすべて脂肪に変えて内臓脂肪として蓄積させる。「果糖を代謝できるのは、人体の中では肝臓だけ」であるため。肝臓が炭水化物を材料にして脂肪を合成する過程は「脂肪生成」(De Novo Lipogenesis, 「De Novo」はラテン語で「再び」「もう一度」の意)と呼ばれる。果糖を摂取し続けることで肝細胞に脂肪が蓄積していき、飲酒の習慣が無い人間でも脂肪肝を患う。脂肪肝を患って間もない時点ではまだ治る余地はあるが、進行すると炎症を起こして肝炎が発生し、最終的には肝硬変を惹き起こす。カリフォルニア大学のロバート・ラスティグも「砂糖は脂肪肝の原因になる」と主張している。また、ラスティグは果糖を「Alcohol Without the Buzz」(「酔わせる作用の無いアルコール」)と表現している。 砂糖・果糖はほんの僅かな期間で肝臓に脂肪を有意に蓄積させる。 砂糖・果糖は中性脂肪(Triglyceride)を有意に増加させ、空腹時の脂肪酸の酸化を低下させる(脂肪の燃焼を抑制・妨害し、身体から脂肪が減らない)。 砂糖の摂取は、中性脂肪の数値を高め、高血圧を惹き起こし、内臓脂肪の蓄積を促し、インスリン抵抗性、糖尿病、メタボリック症候群を惹き起こす。砂糖を摂取し続けることで脂肪肝を患うと、心血管疾患を惹き起こして死亡する確率が上昇する。 砂糖を摂取することで、体内でAGEs(Advanced Glycation End Products, 「最終糖化産物」と呼ばれる)が作られやすくなる。これは身体の老化を強力に促進する物体で、タンパク質に糖が結合することでタンパク質が変性する。AGEsができやすくなる確率は、ブドウ糖を摂取した際の10倍にまでなる。 砂糖および果糖はインスリン感受性を低下させ、内臓脂肪の蓄積を促進し、空腹時の血糖値とインスリンの濃度を上昇させ、肝臓に脂肪を蓄積させ、ミトコンドリアの機能を妨害し、炎症の誘発を刺激し、脂質異常症、インスリン抵抗性を惹き起こし、糖尿病発症を促進する。 砂糖および果糖の摂取は痛風を惹き起こす。心疾患、痛風、メタボリック症候群に砂糖が関わっていることは以前から知られていた。 砂糖・果糖は衝動性と攻撃性を増加させ、多動性の採餌反応、双極性障害、注意欠陥・多動性障害を惹き起こし、さらには鬱病の原因にもなる可能性がある。 砂糖は膵臓癌 を初めとする各種の癌を患う可能性を高める。これの摂取を断つことが、癌の予防や治療への取り組みとなりうることを示唆している。 砂糖および果糖は脳においてもインスリン抵抗性を惹き起こし、脳の神経組織を破壊し、アルツハイマー病を惹き起こす。 砂糖および果糖は「虫歯の大いなる原因である」と結論付けられている。砂糖が入っている飲み物の販売の禁止、砂糖の摂取に対する警告ラベルの商品への貼り付け、砂糖税の導入は、砂糖の摂取を減らせる取り組みとなりうる。 砂糖の摂取を減らすことで、脂肪肝、肥満、各種疾患を防げる可能性がある。 砂糖および果糖の摂取は肝臓への脂肪の蓄積を促すが、炭水化物および砂糖が少ない食事を摂ると、蓄積した脂肪が急速に減少することが確認された。外部からの資金提供を受けることなく書かれた研究論文の著者は、「身体の健康を守るために砂糖の摂取を制限すべきである」と結論付けている。 1775年、イングランドの医師で生理学者、マテュー・ドブスン(Matthew Dobson)は、糖尿病患者の尿が甘いこと、その甘みの物質の正体は砂糖であることを突き止めた。1776年、ドブスンは自身の臨床経験について発表した。スコットランド出身の軍医、ジョン・ロロ(John Rollo)はドブスンの研究を参考に、糖尿病患者のための食事療法を考案し、糖尿病を患っていた陸軍将校2人に、肉と脂肪が多く、炭水化物が少ない食事を処方した。ロロは、「糖尿病を治療するにあたって炭水化物が少ない食事を奨励した最初の人物である」と説明されている。1797年、ロロは『An Account of Two Cases of the Diabetes Mellitus』(『糖尿病における2つの症例の説明について』)を出版した。2つの事例のうちの1つでは、この食事を処方された結果、232ポンド(約105㎏)あった体重が減少し、症状が解消され、血糖値と尿糖の濃度が低下したという。
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砂糖の毒性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 13:56 UTC 版)
果糖を摂取した時の血糖値の上昇は、ブドウ糖を摂取した時に比べて緩やかではあるが、肝臓が果糖をすべて脂肪に変えて内臓脂肪として蓄積させる。「果糖を代謝できるのは、人体の中では肝臓だけ」であるため。肝臓が炭水化物を材料にして脂肪を合成する過程は「脂肪生成」(De Novo Lipogenesis, 「De Novo」はラテン語で「再び」「もう一度」の意)と呼ばれる。果糖を摂取し続けることで肝細胞に脂肪が蓄積していき、飲酒の習慣が無い人間でも脂肪肝を患う。脂肪肝を患って間もない時点ではまだ治る余地はあるが、進行すると炎症を起こして肝炎が発生し、最終的には肝硬変を惹き起こす。カリフォルニア大学のロバート・ラスティグも「砂糖は脂肪肝の原因になる」と主張している。また、ラスティグは果糖を「Alcohol Without the Buzz」(「酔わせる作用の無いアルコール」)と表現している。 砂糖・果糖はほんの僅かな期間で肝臓に脂肪を有意に蓄積させる。 砂糖・果糖は中性脂肪(Triglyceride)を有意に増加させ、空腹時の脂肪酸の酸化を低下させる(脂肪の燃焼を抑制・妨害し、身体から脂肪が減らない)。 砂糖の摂取は、中性脂肪の数値を高め、高血圧を惹き起こし、内臓脂肪の蓄積を促し、インスリン抵抗性、糖尿病、メタボリック症候群を惹き起こす。砂糖を摂取し続けることで脂肪肝を患うと、心血管疾患を惹き起こして死亡する確率が上昇する。 砂糖を摂取することで、体内でAGEs(Advanced Glycation End Products, 「最終糖化産物」と呼ばれる)が作られやすくなる。これは身体の老化を強力に促進する物体で、タンパク質に糖が結合することでタンパク質が変性する。AGEsができやすくなる確率は、ブドウ糖を摂取した際の10倍にまでなる。 砂糖および果糖はインスリン感受性を低下させ、内臓脂肪の蓄積を促進し、空腹時の血糖値とインスリンの濃度を上昇させ、肝臓に脂肪を蓄積させ、ミトコンドリアの機能を妨害し、炎症の誘発を刺激し、脂質異常症、インスリン抵抗性を惹き起こし、糖尿病発症を促進する。 砂糖および果糖の摂取は痛風を惹き起こす。心疾患、痛風、メタボリック症候群に砂糖が関わっていることは以前から知られていた。 砂糖・果糖は衝動性と攻撃性を増加させ、多動性の採餌反応、双極性障害、注意欠陥・多動性障害を惹き起こし、さらには鬱病の原因にもなる可能性がある。 砂糖は膵臓癌 を初めとする各種の癌を患う可能性を高める。これの摂取を断つことが、癌の予防や治療への取り組みとなりうることを示唆している。 砂糖および果糖は脳においてもインスリン抵抗性を惹き起こし、脳の神経組織を破壊し、アルツハイマー病を惹き起こす。 砂糖および果糖は「虫歯の大いなる原因である」と結論付けられている。砂糖が入っている飲み物の販売の禁止、砂糖の摂取に対する警告ラベルの商品への貼り付け、砂糖税の導入は、砂糖の摂取を減らせる取り組みとなりうる。 砂糖の摂取を減らすことで、脂肪肝、肥満、各種疾患を防げる可能性がある。 砂糖および果糖の摂取は肝臓への脂肪の蓄積を促すが、炭水化物および砂糖が少ない食事を摂ると、蓄積した脂肪が急速に減少することが確認された。外部からの資金提供を受けることなく書かれた研究論文の著者は、「身体の健康を守るために砂糖の摂取を制限すべきである」と結論付けている。 1775年、イングランドの医師で生理学者、マテュー・ドブスン(Matthew Dobson)は、糖尿病患者の尿が甘いこと、その甘みの物質の正体は砂糖であることを突き止めた。1776年、ドブスンは自身の臨床経験について発表した。スコットランド出身の軍医、ジョン・ロロ(John Rollo)はドブスンの研究を参考に、糖尿病患者のための食事療法を考案し、糖尿病を患っていた陸軍将校2人に、肉と脂肪が多く、炭水化物が少ない食事を処方した。ロロは、「糖尿病を治療するにあたって炭水化物が少ない食事を奨励した最初の人物である」と説明されている。1797年、ロロは『An Account of Two Cases of the Diabetes Mellitus』(『糖尿病における2つの症例の説明について』)を出版した。2つの事例のうちの1つでは、この食事を処方された結果、232ポンド(約105㎏)あった体重が減少し、症状が解消され、血糖値と尿糖の濃度が低下したという。
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砂糖の毒性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:52 UTC 版)
独立行政法人農畜産業振興機構は、砂糖の悪影響について 「いろいろな食品をほどよく摂取することが大切であるという原則を忘れて、特定の食品や食品成分を悪者に仕立て、それを一方的に排斥しようとすることは食生活教育をゆがめるもの」「米国食品・医薬局(FDA)は1986年に「糖質系甘味料に含まれる糖類の健康面の評価」という報告書を発表しました。(中略)虫歯の発生に砂糖が関与することは認めたものの、その他の「砂糖疑惑」は、現在の消費水準及び使用法で有害であることを示す証拠はないと結論した」「確かに過剰摂取すれば悪影響が生ずる可能性はありますが、そういう問題は砂糖に限ったことではありません。」 「砂糖のエネルギーは、他の糖質と同様に1g当たり4Kcalで特別に肥満になる要因はありません。疫学的研究でみれば、砂糖摂取と肥満は逆の相関を示しています。さらに、一国の食糧供給量における砂糖供給量の割合と肥満発生率とは何の関係もありません。」「糖質と肥満に関する最近の研究では、砂糖を含めて糖質に富む食事よりも脂肪の豊富な食事の方が太りやすいというデ-タの方が優勢です。」 「日本人の食事による摂取カロリーは減り続けている。砂糖は肥満の原因ではない」「砂糖は脳に欠かせない」「アルツハイマー病患者に砂糖を与えた場合と与えない場合を比較すると、砂糖を摂取したほうが記憶が大きく改善する」「砂糖の制限は『食の楽しみ』を奪う」「バランスのよい食事が大事だ」 と、砂糖の安全性を強調しているが、砂糖の摂取と疾患や行動の変容との相関を示す数々の調査結果が出ている。 ハーバード大学の研究者が、アメリカ合衆国の男女約12万人のデータを分析した結果では、砂糖の入った清涼飲料の消費が増えるほど心疾患による死亡リスクが高まり、乳がんと大腸がんのリスクも少し高まったことが分かった。がんでは増加はなく、人工甘味料では1日4杯以上に限り心臓疾患のリスクが高まった。 砂糖は気分を不安定にさせる。砂糖は血糖値を急上昇させ、インスリンが放出されると血糖値は急降下する。その際に空腹感を覚えたり、眠気が襲ってきたり、イライラしたり、怒りっぽくなる場合がある。 アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のドクター・ヤンは、「アメリカ人の多くは砂糖を摂り過ぎている。砂糖を最も多く摂取する人では、最も少なく摂取する人に比べて、心臓病で死亡する人が2.75倍も多い」という調査結果を発表した。虚血性心疾患に関しては、アメリカ心臓協会が2006年に発表した生活指針で、砂糖の含有量が多いものを減らすよう勧めており、砂糖の摂取量について、「女性は1日に25g以下、男性は1日に37.5g以下」にするよう勧告を出している。 高カルシウム尿症の尿路結石症患者は、砂糖の過剰摂取をしないよう勧告されている。 注意欠陥・多動性障害 (ADHD) と、砂糖の摂取との関連を示す、小規模な研究報告が継続的に報告されている。2006年には、5000人以上と規模の大きい研究で砂糖の多いソフトドリンクの摂取量とADHDとの相関関係が観察された。ただし、J字型の相関であり単純に比例関係にあるというわけではない。 果糖を摂取した時の血糖値の上昇は、ブドウ糖を摂取した時に比べて緩やかではあるが、肝臓が果糖をすべて脂肪に変えて内臓脂肪として蓄積させる。「果糖を代謝できるのは、人体の中では肝臓だけ」であるため。肝臓が炭水化物を材料にして脂肪を合成する過程は「脂肪生成」( De Novo Lipogenesis, 「De Novo」はラテン語で「再び」の意 )と呼ばれる。果糖を摂取し続けることで肝細胞に脂肪が蓄積していき、飲酒の習慣が無い人間でも脂肪肝を患う。脂肪肝を患って間もない時点ではまだ治る余地はあるが、進行すると炎症を起こして肝炎が発生し、最終的には肝硬変を惹き起こす。カリフォルニア大学のロバート・ラスティグも「砂糖は脂肪肝の原因になる」と主張している。また、ラスティグは果糖を「Alcohol Without the Buzz」(「酔わせる作用の無いアルコール」)と表現している。 砂糖・果糖はほんの僅かな期間で肝臓に脂肪を有意に蓄積させる。 砂糖・果糖は中性脂肪(Triglyceride)を有意に増加させ、空腹時の脂肪酸の酸化を低下させる(脂肪の燃焼を抑制・妨害し、身体から脂肪が減らない)。 砂糖の摂取は、中性脂肪の数値を高め、高血圧を惹き起こし、内臓脂肪の蓄積を促し、インスリン抵抗性、糖尿病、メタボリック症候群を惹き起こす。砂糖を摂取し続けることで脂肪肝を患うと、心血管疾患を惹き起こして死亡する確率が上昇する。 砂糖を摂取することで、体内でAGEs( Advanced Glycation End Products, 「最終糖化産物」と呼ばれる )が作られやすくなる。これは身体の老化を強力に促進する物体で、タンパク質に糖が結合することでタンパク質が変性する。AGEsができやすくなる確率は、ブドウ糖を摂取した際の10倍にまでなる。 砂糖および果糖はインスリン感受性を低下させ、内臓脂肪の蓄積を促進し、空腹時の血糖値とインスリンの濃度を上昇させ、肝臓に脂肪を蓄積させ、ミトコンドリアの機能を妨害し、炎症の誘発を刺激し、脂質異常症、インスリン抵抗性を惹き起こし、糖尿病発症を促進する。 砂糖および果糖の摂取は痛風を惹き起こす可能性が示唆されている。心疾患、メタボリック症候群に砂糖が関わっていることは以前から知られていた。 砂糖は膵臓癌を初めとする各種の癌を患う可能性を高める。これの摂取を断つことが、癌の予防や治療への取り組みとなりうることを示唆している。 砂糖および果糖は脳においてもインスリン抵抗性を惹き起こし、脳の神経組織を破壊し、アルツハイマー病を惹き起こす。 砂糖および果糖は「虫歯の大いなる原因である」と結論付けられている。砂糖が入っている飲み物の販売の禁止、砂糖の摂取に対する警告ラベルの商品への貼り付け、砂糖税の導入は、砂糖の摂取を減らせる取り組みとなりうる。 砂糖の摂取を減らすことで、脂肪肝、肥満、各種疾患を防げる可能性がある。 砂糖および果糖の摂取は肝臓への脂肪の蓄積を促すが、炭水化物および砂糖が少ない食事を摂ると、蓄積した脂肪が急速に減少することが確認された。外部からの資金提供を受けることなく書かれた研究論文の著者は、「身体の健康を守るために砂糖の摂取を制限すべきである」と結論付けている。 1775年、イングランドの医師、マテュー・ドブスン(en:Matthew Dobson)は、糖尿病患者の尿の甘みが、グラニュー糖のような物質によるものであることを発見し、翌年それを発表した。その研究は1790年代ににスコットランド出身の軍医、ジョン・ロロ(John Rollo)によって引用され、糖尿病の食事療法の基礎を確立するのに貢献した。 フランスの法律家で美食家、ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン(Jean Anthelme Brillat-Savarin)は、著書『Physiologie du gout』の中で、「肉食動物は決して太らない」「デンプン質が豊富なものを常食している動物は、いずれも例外なく、強制的に脂肪が蓄積していく。ヒトもまた、この普遍的な法則から逃れられはしない」と書いた。また、「デンプンは、砂糖と組み合わせることにより、より迅速に、より確実にその効果が発揮される」との記述を残している[信頼性の低い医学の情報源?]。 1856年、フランスの医師で生理学者、クロード・ベルナール(Claude Bernard)は、パリで糖尿病についての講演を行っていた。イングランドの医師ウィリアム・ハーヴィー(William Harvey)は、ベルナールによる講演を聴いていた。ベルナールは肝臓の機能について、肝臓がブドウ糖を産生して分泌することや、糖尿病患者の血中ではブドウ糖の濃度が異常に上昇している趣旨を説明した。また、ベルナールはブリア=サヴァランの著書を読み、肥満の治療法を発見した、と述べた。 ベルナールの講演を聴いたハーヴィーは、糖やデンプンを含まない動物性食品による食事を取ると、糖尿病患者の尿中への糖の排泄が抑制される事実に考えを巡らせ、これが体重を減らす食事法としても機能するかもしれない、と考えた[信頼性の低い医学の情報源?]。ハーヴィーは、「糖やデンプンを含む食べ物は動物を太らせるために使われる。糖尿病になると身体から脂肪が急速に減っていくことが分かる。肥満の進行の仕方はさまざまであれ、その原因は糖尿病に行き着く点に思い当たった。もしも動物性食品が糖尿病に対して有効であるなら、動物性食品および糖やデンプンを含まない植物性食品との組み合わせが、過剰な量の脂肪の生成を抑制するのに役立つ可能性がある」と記述した[信頼性の低い医学の情報源?]。ハーヴィーは、自身の友人の1人で、ロンドンで葬儀屋をやっていたウィリアム・バンティング(William Banting)に、砂糖やデンプンを含まない食事法を教えた。バンティングは自身が太り過ぎていただけでなく、身体の随所で発生していた深刻な不調にも悩まされていた。ハーヴィーからこの食事法を教わり、実践したバンティングは、体重を減らし、身体の不調も回復していった。1863年、バンティングは公開書簡『Letter on Corpulence, Addressed to the Public』(『市民に宛てた、肥満についての書簡』)を出版した。この公開書簡はまもなくベストセラーとなり、複数の言語に翻訳された。のちにバンティングの名前から、「Bant」は「食事療法に励む」を意味する動詞として使われるようになった。「Banting」という言葉はウィリアム・バンティングの名にちなんで使われるようになり、スウェーデン語にも輸入されて使われるようになった。英語辞典のメリアム・ウェブスター(Merriam Webster)では「Banting」について、「肥満体策としての食事療法で、炭水化物や甘い味付けの食べ物を避ける」と定義している。 アメリカ合衆国アリゾナ州に住む先住民族、ピマ族(Pima Indian)は、肥満や糖尿病の患者数がとても多い民族である。1850年代までのピマ族は狩猟採集生活を送っていた。獲物を捕らえて殺してその肉を食べ、領内を流れるヒラ川に生息する魚を食べていた。カリフォルニア州にてゴールドラッシュが始まると、アメリカ連邦政府は、ピマ族に対して食料を提供するよう依頼した。ピマ族は、サン・タフェの馬車道を通ってカリフォルニアに向かう旅行者数万人に、自分たちの食料を提供し続けた。だが、イギリスからの白人の移民とメキシコ人が移住し始めると、彼らはヒラ川の水流を、自分たちの畑に引いて迂回させた。ピマ族たちの獲物であるシカやアンテロープといった動物たちは、この移住者たちによってほぼ絶滅させられた[信頼性の低い医学の情報源?]。1850年以降、ピマ族の居留地には6つの交易所が開設された。狩猟採集生活が不可能となったピマ族は、その交易所から砂糖、コーヒー、缶詰を購入するようになった。彼らはアメリカ連邦政府からの配給食に頼るようになるが、この配給食の大部分は小麦粉であった。少なくとも、100年前までのピマ族にとってはかなりの摂取量となる砂糖を含んでいた。ピマ族の大多数は肥満になり、糖尿病を患うようになった[信頼性の低い医学の情報源?]。 1901年から1905年にかけて、フランク・B・ラッセル(Frank B. Russell)とアロイス・フェルディナント・ハルドリチカ(Alois Ferdinand Hrdlička)、それぞれ2人の人類学者がピマ族の元を訪れた。ラッセルとハルドリチカが訪問したころのピマ族は、作物を可能な限り育ててはいたが、この時点で政府からの配給食に頼っていた。「彼らが食べているものの中には、明らかに太らせるものがあるようだ」とラッセルは記録した。ハルドリチカは、ピマ族が心許ない状態にある点を考慮すれば、彼らは痩せているはずだ、と考えた。ハルドリチカは「彼らの肥満の原因について、食べ物は明らかに間接的なものだ」と記録し、ピマ族が太っているのは運動不足が原因だ、と考えた。一方で、同地域に住むプエブロ族(Pueblo Indian)は「昔から座りがちの生活を送っていて、痩せている」点に気付いたハルドリチカは困惑していた[信頼性の低い医学の情報源?]。 狩猟採集生活を送っていたころのピマ族は食料が豊富にあり、1日の労働時間は現在よりも少なかった。政府からの配給食に頼るようになってからのほうが運動量は多く、労働時間は長く、食べる量もはるかに少ない。19世紀半ばのピマ族の健康状態について、1846年にアメリカ陸軍部隊がピマ族の土地を通過した際、部隊に従軍していた外科医のジョン・グリフィン(John Griffin)は、「活発で良好」「素晴らしい健康状態」と評し、「貯蔵庫が溢れるほどに、食料が豊富にある」と記録した。アメリカ国境委員会長官のジョン・バートレット(John Bartlett)は、1852年に「ピマ族において、女性は胸が発達し、身体は細身であり、男性においては、身体はひょろ長く、四肢は細く、胸板は狭い」と記録した[信頼性の低い医学の情報源?]。 北極圏に住むエスキモーたちは、動物の肉と魚、およびその脂肪を食べて生活してきた。西洋との交易が始まり、小麦粉と砂糖を食べ始めるようになってから、彼らは肥満や糖尿病を患うようになっていった[信頼性の低い医学の情報源?]。
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砂糖の毒性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 02:57 UTC 版)
「アトキンスダイエット」の記事における「砂糖の毒性」の解説
果糖を摂取した時の血糖値の上昇は、ブドウ糖を摂取した時に比べて緩やかではあるが、肝臓が果糖をすべて脂肪に変えて内臓脂肪として蓄積させる。「果糖を代謝できるのは、人体の中では肝臓だけ」であるため。肝臓が炭水化物を材料にして脂肪を合成する過程は「脂肪生成」(De Novo Lipogenesis, 「De Novo」はラテン語で「再び」「もう一度」の意)と呼ばれる。果糖を摂取し続けることで肝細胞に脂肪が蓄積していき、飲酒の習慣が無い人間でも脂肪肝を患う。脂肪肝を患って間もない時点ではまだ治る余地はあるが、進行すると炎症を起こして肝炎が発生し、最終的には肝硬変を惹き起こす。カリフォルニア大学のロバート・ラスティグも「砂糖は脂肪肝の原因になる」と主張している。また、ラスティグは果糖を「Alcohol Without the Buzz」(「酔わせる作用の無いアルコール」)と表現している。 砂糖・果糖はほんの僅かな期間で肝臓に脂肪を有意に蓄積させる。 砂糖・果糖は中性脂肪(Triglyceride)を有意に増加させ、空腹時の脂肪酸の酸化を低下させる(脂肪の燃焼を抑制・妨害し、身体から脂肪が減らない)。 砂糖の摂取は、中性脂肪の数値を高め、高血圧を惹き起こし、内臓脂肪の蓄積を促し、インスリン抵抗性、糖尿病、メタボリック症候群を惹き起こす。砂糖を摂取し続けることで脂肪肝を患うと、心血管疾患を惹き起こして死亡する確率が上昇する。 砂糖を摂取することで、体内でAGEs(Advanced Glycation End Products, 「最終糖化産物」と呼ばれる)が作られやすくなる。これは身体の老化を強力に促進する物体で、タンパク質に糖が結合することでタンパク質が変性する。AGEsができやすくなる確率は、ブドウ糖を摂取した際の10倍にまでなる。 砂糖および果糖はインスリン感受性を低下させ、内臓脂肪の蓄積を促進し、空腹時の血糖値とインスリンの濃度を上昇させ、肝臓に脂肪を蓄積させ、ミトコンドリアの機能を妨害し、炎症の誘発を刺激し、脂質異常症、インスリン抵抗性を惹き起こし、糖尿病発症を促進する。 砂糖および果糖の摂取は痛風を惹き起こす。心疾患、痛風、メタボリック症候群に砂糖が関わっていることは以前から知られていた。 砂糖・果糖は衝動性と攻撃性を増加させ、多動性の採餌反応、双極性障害、注意欠陥・多動性障害を惹き起こし、さらには鬱病の原因にもなる可能性がある。 砂糖は膵臓癌 を初めとする各種の癌を患う可能性を高める。これの摂取を断つことが、癌の予防や治療への取り組みとなりうることを示唆している。 砂糖および果糖は脳においてもインスリン抵抗性を惹き起こし、脳の神経組織を破壊し、アルツハイマー病を惹き起こす。 砂糖および果糖は「虫歯の大いなる原因である」と結論付けられている。砂糖が入っている飲み物の販売の禁止、砂糖の摂取に対する警告ラベルの商品への貼り付け、砂糖税の導入は、砂糖の摂取を減らせる取り組みとなりうる。 砂糖の摂取を減らすことで、脂肪肝、肥満、各種疾患を防げる可能性がある。 砂糖および果糖の摂取は肝臓への脂肪の蓄積を促すが、炭水化物および砂糖が少ない食事を摂ると、蓄積した脂肪が急速に減少することが確認された。外部からの資金提供を受けることなく書かれた研究論文の著者は、「身体の健康を守るために砂糖の摂取を制限すべきである」と結論付けている。
※この「砂糖の毒性」の解説は、「アトキンスダイエット」の解説の一部です。
「砂糖の毒性」を含む「アトキンスダイエット」の記事については、「アトキンスダイエット」の概要を参照ください。
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