気候・動植物とは? わかりやすく解説

気候・動植物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 15:58 UTC 版)

日本」の記事における「気候・動植物」の解説

気候 詳細は「日本の気候」を参照 ケッペンの気候区分によると、本州以南沖縄諸島大東諸島以北大半温帯多雨高温気候 (Cfa)、宮古諸島八重山列島石垣島西表島与那国島波照間島)・沖大東島などでは熱帯雨林気候 (Af))に属す一方北海道などが亜寒帯湿潤冷涼気候 (Dfb) を示す。内陸部にも標高が高いために寒冷な気候となる地区があり、避暑地として利用されている。モンスーン影響を受け四季の変化はっきりしているものの、全般的に海洋性気候のため大陸比較して冬の寒さそれほど厳しくなく温和な気候である。飛び地海外領土などを別にすれば、一国領土内に熱帯から亜寒帯までを含む国家は珍しい。北半球では他にアメリカ合衆国中華人民共和国ぐらいである。(標高の高さによる寒冷地域は除く) 冬季は、シベリア高気圧優勢となり北西季節風が吹くが、その通り道である日本海で暖流対馬海流から大量水蒸気蒸発するため、大量降らせる。そのため、日本海側中心に国土の約52%が世界で有数豪雪地帯となる。併せて日本海側起き冬季世界で稀な自然現象である。太平洋側では、空気乾燥した晴天の日が多い。 夏季は、太平洋高気圧影響強く高温多湿の日が続く。台風も多い。但し、北部中心にオホーツク海高気圧影響強くなる低温となり、しばしば農業影響与える。 比較的、降水量の多い地域である。主な要因は、日本海側での冬季降雪6、7月(沖縄・奄美地方5、6月)に前線停滞して起こる梅雨夏季から秋季にかけて南方海上から接近上陸する台風など。また、地球温暖化に伴い、元からある季節性大雨以外にも、春から秋にかけて不規則に線状降水帯現れ極端にい集豪雨西日本中心に多発するようになった年間降水量は、約1700ミリメートル地域差大きい。南鳥島を除く日本全域モンスーン地域で、山がちな日本列島西岸および南岸周り暖流流れている為に発達しやすく、日照時間は約1800時間程度世界の他の温帯地域比べて少なめである。 生態系 南北長くまた、森林限界越え高山帯や広い海洋四季の変化により、面積広さ比べ生息する動物植物の種類が豊富である。津軽海峡以北北海道生態系沿海州生態系似ており、ブラキストン線という境界提唱されている。屋久島南西諸島の間には、温帯亜熱帯生態系分布境界線である渡瀬線提唱されている。このほか海峡を主に複数分布境界線提唱されている。 四方が海で囲まれているため、外部から新し生物侵入してくる可能性低かった。それに加え多く離島があるため、その島独自の生態系維持されてきた土地多数ある。特に小笠原諸島南西諸島は、古くから本土比べて孤立した生態系築いてきたため、その島に固有の動植物多く生息している。小笠原諸島は、「東洋ガラパゴス」と呼ばれるほど特殊な生態系を持つ。南西諸島でも、西表島イリオモテヤマネコ奄美大島徳之島アマミノクロウサギをはじめ、固有生物が島ごとに生息している例がある。だが、近年の開発人間持ち込んだ外来生物により、生態系激変し固有の動植物生息脅かされている場所が多い。 植物・森林 熱帯のものから亜寒帯のもの、さらには高山ツンドラ生育する高山植物に至るまで植物の種類が豊富で多様性に富む。降水恵まれ高湿度適した植物多く分布している。コケ植物シダ植物などが特に豊富。大陸から離れた地形から、スギなどの日本固有種広く分布する慣習的に国花同等扱いを受ける。この他各自治体でも独自の木や花を制定している。 陸地の約3分の2森林森林率66%・森林面積:2,512ヘクタール2009年現在)である。亜熱帯から亜寒帯に渡る、どの地域でも年間雨量が十分で、森林成立が可能である。平地植生は、南の約3分の2常緑広葉樹林いわゆる照葉樹林という型であり、北の約3分の1落葉広葉樹林ブナ林を代表とする森林である。標高の高い地域では、更に常緑針葉樹林一部落葉針葉樹林がある。南西諸島一部熱帯属し沿海干潟にはマングローブ発達する。 この森林面積の内訳は、天然林53%(1335ヘクタール)、人工林41%(1036ヘクタール)、その他(標高などの条件未生育の森林など)が6%、となっている。内、人工林は、第二次世界大戦後拡大造林影響受けたことから、スギ林多数452ヘクタール)を占める。これは、高度経済成長期木材需要逼迫から大量天然林伐採され木材生産効率のみを考えたスギ・ヒノキ更新されたためである。その後海外からの輸入量が急増し一転して木材価格暴落した結果採算取れない人工林多く取り残される結果となった放棄されスギ林では、下層植生発達せず貧弱な生態系となり、防災水源涵養の面でも問題が多い。また、スギヒノキ大量植樹時に国民病」とも呼ばれる花粉症蔓延招いている。 春の福島県三春町 三春滝桜与那覇前浜沖縄県宮古島市秋の紅京都府京都市 嵐山宝厳院) 冬の樹氷山形県山形市動物 哺乳類 詳細は「日本の哺乳類一覧」を参照 100種強が生息しその内固有種が3割を超え、7属が固有属である。日本哺乳類相は、北海道本州との間にあるブラキストン線また、南西諸島のうち、トカラ列島奄美群島との間にある渡瀬線区切られ、これらを境に異な動物群生息している。 大型哺乳類では、北海道ヒグマエゾシカ本州ツキノワグマニホンジカニホンカモシカなどがいる。 固有種であるニホンザルのうち、下北半島に住む個体群は、世界で最も北方棲息するサルである。ニホンオオカミエゾオオカミニホンアシカ日本ラッコ個体群、および、ニホンカワウソ絶滅鳥類 詳細は「日本の野鳥一覧」を参照 500種を越え鳥類観察される四方の海加え水源豊富な日本では河川や池、湖が多く、それに棲む水鳥の種類が豊富である。日本列島シベリア繁殖する越冬地であり、東南アジアなど南方越冬した繁殖する地であり、さらに北方から南方に渡る渡り鳥通過する中継地としても重要で、季節によって多彩な渡り鳥観察することができる。近年乱開発による干潟減少や、東南アジア森林破壊が、日本見られる鳥類存続脅威となっている。水鳥の生息地として国際的に重要な37湿地が、ラムサール条約登録され保護されている。 渡りをしない留鳥としては、国鳥キジなどがあげられる人家近くには、カラススズメハトツバメハクセキレイなどが生息し古来より文化の中で親しまれてきた。最近ではヒヨドリムクドリ人家周辺に多い。 固有種は、メグロなどがある。トキ個体群は、絶滅。現在、佐渡市人工的に繁殖されているトキは、中国個体群から借り入れたのである爬虫類・両生類 いずれも亜熱帯種類多く南西諸島半分以上の種が集中する。これは、島ごとの種分化進んでいるためでもある。本土における島ごとの種分化は、さほど見られない例外は、サンショウウオ類で、南西諸島見られないが、本土各地方での種分化進み多くの種を産することで世界的に知られるまた、現存する世界最大両生類であるオオサンショウウオは、日本代表する両生類として世界的に知られる魚類 詳細は「日本の淡水魚一覧」を参照 近海魚類は、種類、数、共に豊かで、三陸海岸沖から千島列島掛けて世界三大漁場一つ数えられる近海暖流と寒流とが流れ、これらの接点である潮境プランクトン発生しやすいことや、周辺に広い大陸棚多様複雑な海岸を持つこと、などが好条件となっている。淡水魚の種は、大陸比べて河川規模小さいため、多くない古代湖である琵琶湖などに多彩な種が棲息するものの、アユなど食用供される種の人為的な放流外来勢力拡大により、希少種絶滅淡水魚類相の激変問題となっている。他方雨量の多い気候のために河口域汽水域出来やすく、貝類も豊富である。 また、2010年海洋生物センサス (Census of Marine Life) が出した報告により、日本近海は、世界25箇所代表的な海の中で最多となる、約33000種の海洋生物生息していることが明らかとなった。これは日本の気候南北渡って非常に多彩であり、同時に大きな海流恵まれ海水多く栄養持っていることを示している。例え北海道流氷の南限であるのに対し南西諸島および小笠原諸島サンゴ生育北限である。 昆虫 亜熱帯のものから亜寒帯のものまで種類が豊富で多様性に富む。森林が多いため、数も多い。都市部でも多く昆虫見られる多く湿地水田各地にあるため、特にトンボ種類が多い。また、カブトムシなど里山に暮らす昆虫多く見られたが、暮らし変化と共に少なくなった。江戸時代頃からスズムシコオロギ鳴き声を楽しむために飼育が行われてきた。愛玩対象として昆虫を飼う文化は、世界的にも珍しい。オオムラサキ国蝶

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