加藤機関
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日本の歴史を影から動かしてきたとされている、日本最古の秘密結社。世界征服を目的としており、ハイファン島を消滅させるというテロ行為の際には、全世界に対して宣戦布告を行った。テロ行為やマキナ・アルマを使用した作戦を実行する私設部隊を有しており、一番隊から八番隊までが確認されている。 2020年、ヒトマキナの進攻が始まってから三年後の2023年にはそれに対抗できるほぼ唯一の存在とされるが、それでもその存在を危険視する意見は少なくない。隊長が死亡、ないし離脱した二、三、四、八番隊は合流したJUDA組(森次と道明寺、中島、桐山)が就任している。 テレビアニメ版では、1999年(本編の20年前)から表立った活動を始めている。久嵩曰く、「向こう側の軍勢」の尖兵。しかし実際は、地球人をセントラルに対抗させるために作られた組織である。 加藤 久嵩(かとう ひさたか) 声 - 福山潤 【誕生日:2月1日 / 性別:男 / 血液型:A型 / 身長:187センチメートル / 体重:63キログラム / 出身地:京都府(テレビアニメ版では不明)/ 好きな食べ物:米 / 嫌いな食べ物:パン / 趣味:テレビゲーム】 加藤機関総司令で、シャングリラのファクター。シャングリラは巨大すぎるため、専用のアルマ・ツクヨミも使用する。 全世界に向け、「世界征服」を宣言する。かつてアメリカに取り入り、協力するフリをして火器管制システム「リンク17」や衛星兵器を開発し、着々と準備を進めていた。 自身によると、2052年の世界から生きのびて来た人類の生き残りの1人で、「想像力の喪失による人類の滅亡」を阻止するために世界征服を行おうとしている。 かつては天児の部下でもあり教え子でもあった。その当時は少々抜け気味な天児を補佐する闊達な青年だったが、身寄りがなく孤児だったことが明かされている。天児を殺害したのも、彼からの頼みで銃弾を放ったのであり、決して彼自身が望んで殺したわけではない。 最終的に計画の全ては天児の遺志とラインバレルを受け継いだ浩一、真実を知っていた石神によって瓦解。すべきことを知った後は旧特務室の面々と合流し、本格的にヒトマキナへの反攻を開始した。月面における最終決戦を生き延び、その後確立した技術でファクターではなくなるが、長年の心労から健康を害し、療養中。 作者によれば、石神と同じく「浩一の父親的存在」であり、作者達が「カッコイイ、一番強いと思う敵」のイメージを集約したキャラクターとのこと。 【テレビアニメ版のみの設定】本名は「城崎久嵩」。絵美の兄で、高蓋然性世界の出身。側近であるマサキにしか、「スフィア」の設置理由を教えていない。テレビゲーム(『ローグ』)を楽しんでいたり、カレーカステラやホタテガイを浩一と食べていたりする場面もある(実際の飲食描写こそなかったが、クリスマスケーキとシャンパンを準備していた場面もある)。原作とは一部配色が異なっており、より「白」が強調されたものとなっている。なお、「加藤」の姓は母親の旧姓。テルミノ・クレメンティアの際にグラン・ネイドルへ特攻し、戦死した。 菅原 マサキ(すがわら マサキ) 声 - 千葉進歩 【誕生日:9月9日 / 性別:男 / 血液型:A型 / 身長:180センチメートル / 体重:59キログラム / 出身地:不明 / 好きな食べ物:なし / 嫌いな食べ物:なし / 趣味:なし】 加藤機関私設部隊一番隊隊長で、久嵩の側近。グラン・ネイドルおよびネイキッドのファクター。カウボーイファッションで身を包んでおり、常に冷静沈着で無表情。石神の後を継ぎ、一番隊を率いる。久嵩の懐刀とでも呼ぶべき存在で、他隊と行動する際は仕切ることが多い。運転手を務めたり、普段とは異なる服装で「集まり」に同行したりと、常に久嵩の傍に控えている。 久嵩を罵倒した浩一に対して殺意を露にするなど(直後に久嵩によって制止されてはいるが)、久嵩への心酔は非常に深い模様。久嵩や石神、真田に対しては敬語を使う。 絵美とラインバレルの関係を知っていたり、久嵩や石神と同じく年齢不詳であったり、加藤機関のメンバーで唯一出身地が不明であるなど、謎が多い。浩一からは「ロン毛野郎」と呼ばれ、嫌われている。 1959年12月の北海道で、加藤機関に発見されたネイキッドにファクターとして乗り込んでいたところを石神に保護された。保護されたときには半泣きの状態だったことから、偶発的要因ないし、他者の手でファクターになったと見られる。 石神に育てられ、石神が自分と同じファクターになると聞いたときは喜んでいたが、その後に石神が何も明かさずに姿を消したことによって「捨てられた」と感じるようになり、かつて父親のように慕っていた石神に対して報復しようと考えている。また、石神が加藤機関を去る前は石神と同じスーツ(現JUDA特務室のもの)を着用していた。 元は、作者が過去に描いた漫画のキャラクターだったが、担当に「あのキャラ出そうよ」と言われ、登場させたとのこと。 戦闘スタイルは様々でグランネイドルの形態により大きく異なり、第12巻ではネイキッドによる格闘戦も披露した。 【テレビアニメ版のみの設定】久嵩をたしなめることもしばしばで、彼の秘書のような役割も兼任している。「スフィア」を久嵩以外で唯一知る人物であり、設置する役割を持つ。浩一からは「御託野郎」と呼ばれる。 実は、久嵩や絵美と同じく高蓋然性世界出身。ただし、普通の人間ではなくマキナ人間であり、久嵩の監視役でもあるが、自我を持っているような描写もあるため、詳細は不明。最終局面では巨大マキナとネイキッドを融合させてラインバレルを追い詰めたが、ラインバレルのエグゼキューターによって撃墜され、戦死した。 真田 八十介(さなだ やそすけ) 加藤機関私設部隊二番隊隊長。テレビアニメ版には登場しない。アルマ・ツラナギを駆ってペインキラー確保のために、マサキと共に島根へ向かう。年老いていながらもアルマを操り、美海と激戦を繰り広げる。 ロマンチストで、久嵩の意志とはいえ「神々がいた地だから必要以上に荒らすな」とマサキに念を押している。 浩一・ラインバレル確保作戦において浩一操るラインバレルに挑むものの敗北し負傷する。続くJUDA総攻撃時、加藤機関を裏切った沢渡を追撃するが、起動した最後のマキナにツラナギごと握り潰され死亡した。 デミトリー・マガロフ(Demitry Magaloff) 声 - 志村知幸 【誕生日:1988年12月26日 / 年齢:31歳 / 性別:男 / 血液型:O型 / 身長:188センチメートル / 体重:93キログラム / 出身地:ロシア / 好きな食べ物:ロシアの家庭料理 / 嫌いな食べ物:ホットドッグ / 趣味:レスリング】 加藤機関私設部隊三番隊隊長。火力を強化したアルマ・カグツチを駆る。沢渡からは「旦那」と呼ばれている。基地を突如強襲してきた3機の黒い迅雷と交戦するも敗北し、戦死。 【テレビアニメ版のみの設定】交戦の際は、ジュディの特攻で相打ちとなって死亡。 沢渡 拓郎(さわたり たくろう) 声 - 稲田徹 【誕生日:1997年7月3日 / 年齢:22歳 / 性別:男 / 血液型:B型 / 身長:189センチメートル / 体重:72キログラム / 出身地:奈良県 / 好きな食べ物:焼き肉 / 嫌いな食べ物:野菜 / 趣味:バイク】 加藤機関私設部隊四番隊隊長。機動力を強化したアルマ・イダテン、イダテン弐ノ型を駆る。ラインバレルを「二本角」と呼んでいる。 上官である久嵩とは呼び捨てで呼ぶほどの仲で、陸が目に余る行動を起こしたときにはその始末を任されているなど、久嵩からもかなり信頼されている。 血気盛んな熱い男。素性を知らなかったとはいえレズナー隊所属の古橋達の身を案じ、脱出を命じるなど部下思いな一面が見受けられるが、一般人を見せしめに殺害するなど、残忍な面もある。デミトリーとは親しい仲だったため、デミトリーを殺した迅雷に対しては強い敵意を剥き出しにしていた。 遠藤姉弟を追い詰めるものの、浩一の駆るラインバレルに敗れる。後にデミトリーを殺した迅雷と戦い、敵討ちを行った。その後イダテン参ノ型を駆って戦うがラインバレル・アマガツに敗北、JUDAに捕らえられるがユリアンヌに救出される。 デミトリーの死をきっかけに久嵩と加藤機関への不審を募らせていき、JUDA総攻撃の最中に石神との密約に応じ反旗を翻す(石神とはJUDA拘束時にユリアンヌによって引き合わされていた) イダテン四ノ型の不調を理由に戦線離脱するとシャングリラに侵入、反撃を受け瀕死の重傷を負いながらも第三艦橋に辿り着き、最後のマキナ・ロストバレルのファクターとなる。その結果石神の目論見どおりオーバーライドを誘発させ、ヒトマキナの襲来を目撃するものの戦列には加わらずその場を去る。三年後の2023年には東欧を縄張りとする組織に厄介になっていたがアジトの人間は全て美海に殺され、その美海に共闘を持ちかけられるが美海のような欺瞞に満ちた人間を殺したかったといって拒絶。美海を殺害しパルドとロックを手に入れる。ニューヨークでのヒトマキナ「終焉」との決戦時、ヒトマキナの拠点にオーバーライドしようとしたラインバレルの隙をつき背後から急襲した。絵美に絶望を「悪」として否定されて激昂し、シャングリラの艦橋を強襲しようとしたが、真のファクターとして覚醒した早瀬に「もうアンタは絶望する必要は無い」と説得される。その後、捕らえられてシャングリラの独房に軟禁された。 デウスとの最終決戦では、「俺なりの正義(けじめ)」として、オーバードライブの使えない状況で超大型のヒトマキナ母艦と多数のヒトマキナに戦いを挑んでいる。母艦を破壊したが、ロストバレルは大破し、沢渡も戦死した。 作者によると、実は最初の熱海戦ですぐに戦死する予定だったらしい。 マット・レズナー(Matt Reznor) 加藤機関私設部隊五番隊隊長。元神父で、頭部に特徴的なタトゥーを入れている。テレビアニメ版には登場しない。 加藤久嵩の言では戦い方がかなり「派手」らしく、久嵩からの極秘の任務も受けているらしい。 搭乗するアルマ・カガセオは最初は巨大ミサイルの形をしており、変形することでグラン・ネイドル並みの大きさをしたアルマになる。ジャックと共にラインバレル奪取のため、長崎を襲撃するが森次によって乗機を撃破され捕らえられた。 オーバーライドによるヒトマキナ襲来時は石神に従い、迅雷に搭乗してジャックと共に参戦している。 ジャック・スミス(Jack Smith) 声 - 佐藤美一(テレビアニメ版) / 乃村健次(スーパーロボット大戦UX) 【誕生日:1940年7月4日 / 年齢:32歳 / 性別:男 / 血液型:A型 / 身長:220センチメートル / 体重:200キログラム / 出身地:アメリカ / 好きな食べ物:ホットドッグ / 嫌いな食べ物:ピロシキ / 趣味:ベースボール観戦】 加藤機関私設部隊六番隊隊長。隻眼と褐色の肌が特徴。自分自身がアルマという、謎多き人物。ヴァーダントと互角に渡り合い、部下を大事にする武人。一方で、自分の飲む牛乳瓶に「じゃっく」と名前を書き、勝手に飲まれると激怒する一面も。 肉体そのものにアルマ「タケミナカタ」を組み込んだサイボーグ。レズナーと共にラインバレル奪取のため、長崎を襲撃するが森次によってレズナーの乗機・カガセオを撃破され捕らえられた。 オーバーライドによるヒトマキナ襲来時は石神に従い、レズナーと共に参戦している。 【テレビアニメ版のみの設定】まれにドジを踏み、理沙子に一目惚れしてしまうなど、やや丸い性格となっている。キリヤマ重工によるクーデターが失敗した後は森次が加藤機関へ来たため、彼との再戦を望むがゆえに加藤機関を離反し、JUDAに協力している。森次との再戦は結局叶わなかったが、最終決戦では理沙子の元に赴き、彼女を護り抜いた。『アニメBOOK』に記載されている生年月日と年齢には大幅なズレがあるが、理由は不明。 ユリアンヌ・フェイスフル(Yuriannu Faithful) 声 - 篠原恵美 【誕生日:1992年11月7日 / 年齢:27歳 / 性別:女 / 血液型:O型 / 身長:172センチメートル / 出身地:イギリス / 好きな食べ物:中華料理 / 嫌いな食べ物:魚料理 / 趣味:お茶】 加藤機関私設部隊七番隊隊長。隊長では唯一の女性。軽量化されたアルマ・ツバキヒメを駆る。真紅の長い髪、妖艶な容姿、高飛車な物腰が特徴。阿戸呂村での交戦以来、宗美を気に入っている模様。「おばさん」と言われることを気にしている。 英治と接触してアルマのデータを渡し、更に加藤機関の秘密プラントの位置も教えていた。キリヤマ重工では、迅雷開発のアドバイザーとして英治の右腕となっている。 実は元々JUDA特務室の人間で沢渡救出後に行方をくらました後、髪を切り特務室の制服姿で長崎を訪れた森次の前に現れる(森次にそのことが伝えられたのは10分前)。JUDAに戻ってからは森次やレイチェルと共に行動することが多い。レズナーとジャックによる長崎襲撃時は迅雷に搭乗、部隊を率いて戦っている。 モデルは、ロンドン出身の歌手・女優のマリアンヌ・フェイスフル。 【テレビアニメ版のみの設定】宗美ではなくイズナを気に入っており、共同戦線を張った際にはよくちょっかいを出している。 王政 陸(おうせい りく) 声 - 阪口大助 【誕生日:1995年4月17日 / 年齢:24歳 / 性別:男 / 血液型:B型 / 身長:143センチメートル / 出身地:中国・北京 / 好きな食べ物:甘いもの / 嫌いな食べ物:辛いもの / 趣味:工作】 加藤機関私設部隊八番隊隊長(ただし、久嵩以外を信用していないために部下を持っていない)。 耐火装甲を纏ったアルマ・ヤオヨロズを駆る。東京タワー観光客に「キモッ」と言われるほどの酷い容姿である。いつも菓子類をほおばっており、口の周りが汚い。 自身の「想像力」の高さに異様に固執する性格で、周囲の人間を想像力が無いと見下している。かつて上海で死者2万人以上を出した爆発事件の犯人で、わざと出頭した後監獄に収監されているところを久嵩によって迎え入れられて以降、彼に対して絶対の忠誠を寄せている。しかし当の久嵩はいつか陸が目に余る行動を取るであろうということを予想して沢渡に始末を任せていたり、沢渡が陸を始末した報告を聞いても全く顔色を変えず興味も示さなかったことから、最初から信頼も期待もしていなかったようである。 機関の目的から外れた行動(絵美の誘拐)を起こしたとして彼に見限られ、沢渡達によって粛清される。その際久嵩が自分を「一番想像を理解していない」として内心見下していた事実を知り、怒りの咆哮を上げながら死亡した。 【テレビアニメ版のみの設定】宇宙空間で無人衛星兵器・ヘリオスを駆使してラインバレルを苦しめたが、エグゼキューターの一撃を受けて戦死した。原作と違って見限られてはおらず、某所の墓へ久嵩によってナイフで名を刻まれ、供養された。
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