存立危機事態
そんりつきき‐じたい【存立危機事態】
存立危機事態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/26 08:31 UTC 版)
存立危機事態(そんりつききじたい)とは、2015年に安保法制の一環として制定された事態対処法の中で用いられた言葉[1]。「日本が攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害を受ける場合が明らかな場合」を指すものとされる[2]。
条文
運用
現行解釈
本条文は2025年現在、2014年7月の閣議決定を前提として[3]、集団的自衛権による武力行使が可能な場合を規定しているものとされている[4]。すなわち、日本が直接攻撃を受けていない場合においても、密接な関係にある他国が攻撃を受け、政府が存立危機事態と認定した場合、集団的自衛権を行使できるものとされる[5]。
一方で本条文については、事態認定についての曖昧さへの懸念が指摘されている[6]。事態認定への拡大解釈の懸念も指摘される一方で[6]、どのような場合が「存立危機事態」にあたるかということについては、具体例を挙げないことで「あいまい戦略」として抑止力を強化しているともされる[7]。
枝野解釈
2024年に枝野幸男は、2014年の閣議決定を前提とした解釈(法解釈)において安保法制は違憲であり、本条文(存立危機事態)は、個別的自衛権は合憲とする根拠である砂川判決が個別的自衛権の要件として挙げる「我が国に対する急迫不正の侵害があること」の範囲内で解釈可能、すなわち本項は集団的自衛権を定めたものとしてでなく、存立が脅かされる場合における個別的自衛権を定めたものとして解釈可能なものであると主張している[8]。
脚注
- ^ “防衛省・自衛隊|令和5年版防衛白書|1 武力攻撃事態等及び存立危機事態における対応”. www.mod.go.jp. 2025年11月17日閲覧。
- ^ “[ニュースQ+]存立危機事態とは? 自衛隊の武力行使可能に…高市首相発言で中国反発”. 読売新聞オンライン (2025年11月16日). 2025年11月18日閲覧。
- ^ “集団的自衛権行使容認閣議決定後10年を迎えるにあたって改めて違憲であることを確認する会長声明|東京弁護士会”. 東京弁護士会(法律相談・弁護士相談等). 2025年11月18日閲覧。
- ^ “「存立危機」高市首相の認識に危うさ 台湾有事巡る発言撤回せず 事態認定に高い壁/邦人保護にリスクも:北海道新聞デジタル”. 北海道新聞デジタル. 2025年11月18日閲覧。
- ^ “高市首相、台湾有事「存立危機事態になりうる」 武力攻撃の発生時:朝日新聞”. 朝日新聞 (2025年11月7日). 2025年11月18日閲覧。
- ^ a b “読む政治:台湾有事で「存立危機事態」、どう判断? 高市首相答弁に残る曖昧さ”. 毎日新聞. 2025年11月18日閲覧。
- ^ “新聞ですら間違えた「台湾問題」に対する日本政府の立場。「日本は台湾を中国の一部と認めている」と思い込む人たちの課題”. 東洋経済オンライン (2025年11月18日). 2025年11月18日閲覧。
- ^ “立憲民主党の枝野幸男前代表の回答(全文):朝日新聞”. 朝日新聞 (2024年9月20日). 2025年11月18日閲覧。
関連項目
外部リンク
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