量子科学技術研究開発機構とは? わかりやすく解説

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りょうしかがくぎじゅつけんきゅうかいはつ‐きこう〔リヤウシクワガクギジユツケンキウカイハツ‐〕【量子科学技術研究開発機構】


量子科学技術研究開発機構

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/15 03:01 UTC 版)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
量子科学技術研究開発機構
正式名称 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
英語名称 National Institutes for Quantum Science and Technology
略称 QST
組織形態 国立研究開発法人
所在地 日本
263-8555
千葉県千葉市稲毛区穴川四丁目9番1号
北緯35度38分5.5秒 東経140度6分7.1秒 / 北緯35.634861度 東経140.101972度 / 35.634861; 140.101972 (国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構)座標: 北緯35度38分5.5秒 東経140度6分7.1秒 / 北緯35.634861度 東経140.101972度 / 35.634861; 140.101972 (国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構)
法人番号 8040005001619
予算 433億円(令和5年度)
人数 1300名(令和5年度)
理事長 小安重夫
活動領域 量子科学全般
設立年月日 2016年4月1日
前身 放射線医学総合研究所日本原子力研究開発機構
所管 文部科学省(一部の業務については原子力規制委員会共管)
下位組織 高崎量子技術基盤研究所、関西光量子科学研究所、量子生命科学研究所、量子医科学研究所、QST病院、放射線医学研究所、那珂フュージョン科学技術研究所、六ヶ所フュージョンエネルギー研究所、NanoTerasuセンター
ウェブサイト www.qst.go.jp
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国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(りょうしかがくぎじゅつけんきゅうかいはつきこう、英語: National Institutes for Quantum Science and Technology、略称:QST〈キューエスティー〉)は、千葉県千葉市稲毛区に本部を置く日本国立研究開発法人(26の国立研究開発法人の1つ)である。研究分野は量子技術イノベーション(量子コンピューティング・量子通信・量子センシング等の確立を目指す量子技術基盤、量子計測技術の活用・量子論的観点からの生命現象解明に向けた量子生命科学)、量子医学・医療(重粒子線がん治療の標準治療化、次世代重粒子線がん治療装置「量子メス」の社会実装、精神・神経疾患、固形がん・多発・微小がん等に対する診断・治療技術、被ばく治療技術・線量評価技術等)、量子エネルギー(ITER計画の推進、ITER/BA計画推進、先進プラズマ研究開発、核融合理工学研究開発、トカマク型超伝導プラズマ実験装置JT-60SAの運転等)、および量子ビーム(イオンビーム、電子ビーム、レーザー、硬・軟X線放射光等の発生・制御・利用技術の開発・高度化、施設供用・共同研究による利用促進)である。

2016年(平成28年)、国立研究開発法人放射線医学総合研究所(旧・放医研)が国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)の核融合研究および量子ビーム研究の一部を統合する形で設立された。

内閣府より、災害対策基本法および武力事態対処法上の指定公共機関として指定されており、有事の際は国や地方公共団体と協力し、災害予防・応急・復旧において重要な役割を果たす。また、原子力規制委員会より、「基幹高度被ばく医療支援センター」として指定されており、原子力事故時の被ばく患者の専門的診療を担う。

研究拠点

高崎量子技術基盤研究所
量子技術の基盤研究と産業応用・社会実装を推進。国の量子技術イノベーション拠点の一つである量子技術基盤拠点として、産学官協創、量子マテリアルの安定供給や企業研究者の育成などにも取り組む。更に新たな研究領域の開拓として、次世代蓄電池などのエネルギー・環境材料の創製、健康長寿社会の実現に資するバイオ材料・デバイスの開発、放射性同位体(RI)を利用した医療・農業応用にも取り組んでいる。東京第二陸軍造兵廠岩鼻製造所の跡地の一部に所在する。日本原子力研究所(JAERI)、日本原子力研究開発機構(JAEA)時代から引き続き敷地内に包括的核実験禁止条約の大気核種観測点(RN38)があり、JAEAに敷地を貸与する形になっている。群馬県高崎市に所在。
関西光量子科学研究所
先端的な「光」(高強度/パルスレーザー放射光)を柱に据えた研究を推進。高強度レーザー、アト秒軟X線レーザー、X線で微細構造を観測する装置、物質の電子・スピン状態を調べる装置、磁性材料を調べる装置等を有し、基礎研究、環境・省エネルギーのための材料開発、高速通信のための光量子デバイス開発、がん治療装置の小型化等を進めるほか、施設供用も行う。きっづ光科学館ふぉとん(京都府木津川市)を併設。京都府木津地区(木津川市関西文化学術研究都市内)と兵庫県播磨地区(播磨科学公園都市内)の2つの拠点を持つ。
量子生命科学研究所
量子論・量子技術と生命科学を融合するための研究開発を推進。量子論的な視点を生命現象の理解に取り入れ、病気のメカニズム解明、より治療効果の高い薬剤や超早期診断技術の開発、量子計測やコンピュータシミュレーションなどのアプローチと先端技術の開発を行なっている。国の量子技術イノベーション拠点の一つである量子生命拠点に指定。千葉県千葉市に所在。
量子医科学研究所
「がんや認知症等の克服による健康長寿社会の実現」を目指した研究開発を推進。重粒子線がん治療技術をさらに高度化して既存の病院に入るサイズに小型化した次世代重粒子線がん治療装置(量子メス)、セラノスティクス(診断と治療の一体化)という概念に沿った多発・微小がんにも有効で生活の質(QOL)が高い放射性薬剤がん診断治療技術、認知症やうつ病などの精神・神経疾患を早く正確に診断する技術や発症・進行を防ぐ薬・治療法等の研究開発を行っている。千葉県千葉市に所在。
QST病院
放射線診療を基礎におく研究病院であり、重粒子線がん治療を中心に、がんの放射線診断、治療、核医学のほかに緊急被ばく医療も行っている。千葉県千葉市に所在。
放射線医学研究所
放射線被ばくから国民を守るための研究開発を行う。緊急被ばく医療分野では、第5福竜丸事件(1954年)以降の主な日本国内の被ばく事故に対応してきた経験と、放射線による人体の障害予防、診断及び治療のためのミッションを、前身の放射線医学総合研究所から継承する。線量評価・放射線障害治療分野での研究開発の他、原子力災害医療分野の人材育成、放射線による生物学的影響の定量的解明と健康リスク低減や障害予防等の規制科学のための研究開発、国際的協調活動等を行っている。QSTにおける指定公共機関や基幹高度被ばく医療支援センターとしての業務を担当する。千葉県千葉市に所在。
那珂フュージョン科学技術研究所
核融合反応で発生するエネルギー(フュージョンエネルギー)を生み出すための研究開発を行う、国内におけるトカマク型核融合実験の研究所。日欧協力活動「核融合エネルギー研究分野における幅広いアプローチ(BA)活動」により建設した核融合実験装置JT-60SAを有する[1]。50万キロワットのフュージョンエネルギーの発生を世界で初めて実証するための国際プロジェクト「核融合実験炉イーター(ITER)」計画に対し、日本の国内機関として、産業界と協力して主要機器の調達を担当している。茨城県那珂市に所在。
六ヶ所フュージョンエネルギー研究所
国際プロジェクト「核融合実験炉イーター(ITER)」計画の次の段階としてフュージョンエネルギーによる発電を初めて実証する「核融合原型炉」の早期実現に向けてイーター計画を補完する研究開発を推進している。日欧協力活動「核融合エネルギー研究分野における幅広いアプローチ(BA)活動」として、原型炉の設計・研究開発、イーターとの遠隔実験設備の構築やスーパーコンピューターを用いたプラズマ挙動等の研究、核融合炉材料の中性子照射影響を検証するための加速器型中性子源の開発、フュージョンエネルギーを熱として取り出すと同時に燃料を製造する「ブランケット」の開発等を進めている。青森県上北郡六ヶ所村に所在。
NanoTerasuセンター
軟X線領域に強みを持つ3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuの整備・運営を行う。東北大学青葉山キャンパス内に所在(宮城県仙台市青葉区)。

主な施設

  • J-KAREN-P:高強度超短パルスレーザー[2](京都府木津川市)
  • TIARA:イオン照射研究施設(群馬県高崎市)
  • SPring-8:大型放射光施設。2つの専用ビームラインを持つ。(兵庫県佐用郡佐用町)
  • HIMAC重粒子線治療装置(千葉県千葉市稲毛区)
  • JT-60SA:トカマク型核融合実験炉(茨城県那珂市)
  • ナノテラス(NanoTerasu):3GeV高輝度放射光施設(宮城県仙台市青葉区)
  • IFMIF:国際核融合材料照射施設International F usion M aterials I rradiation F acility(青森県上北郡六ヶ所村)

関連項目

脚注

  1. ^ 「核融合実験 最大の装置*茨城に完成」『読売新聞』朝刊2020年4月23日(社会面)
  2. ^ 「強さ世界一のレーザー光 がん治療や星の起源照らす」日本経済新聞』2016年12月20日

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