STNetとは? わかりやすく解説

STNet

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/03 15:54 UTC 版)

株式会社STNet
STNet, Inc.
本店
種類 株式会社
本店所在地 日本
761-0195
香川県高松市春日町1735番地3
設立 1984年昭和59年)7月2日
(株式会社四電情報ネットワークサービス)
業種 情報・通信業
法人番号 9470001001883
事業内容 電気通信サービス、情報システムサービス
代表者 代表取締役社長 小林功
資本金 30億円(2021年3月31日時点)[1]
売上高 416億1400万円(2021年3月期)
純利益 55億8400万円(2021年3月期)
従業員数 722人(2021年3月31日時点)
決算期 3月
主要株主 四国電力 100%
(2021年3月31日時点)[1]
外部リンク https://www.stnet.co.jp/
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株式会社STNet(エスティネット、STNet, Incorporated)は、香川県高松市に本店を置く、電気通信事業者の一つで、システムインテグレーターユーザー系)である。四国電力系列の電力系通信事業者で、四国地方を拠点としている。

概要

SI(情報システム開発)事業からデータセンターなどのプラットフォーム事業、さらには法人・個人向け通信事業まで、異なる分野のサービスを幅広く事業展開している。事業展開は四国内のみにとどまらず、東京にも営業部門、システム開発部門をおいて、主に四国外の企業向けの営業や情報システム開発を行っている。

通信事業については、法人向けサービスを主に提供していたが、2004年10月に個人向けの光ブロードバンドサービス「Pikara(ピカラ)」を開始、2016年2月にモバイルサービス「pikaraモバイル(ピカラモバイル)」を開始するなど、個人向けサービスも拡大してきた。研究開発部を設置し、自治体と共同でIoTを活用した「水位確認システム」などの実証実験を行うなど、IoTやAIを中心に研究を行っており、地域課題の解決に取り組んでいる。

また、各種認証の取得にも積極的に取り組んでおり、ISO 9001品質マネジメントシステム)やJISQ15001プライバシーマーク制度)、ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム認証)、ISO20000(ITサービスマネジメントシステム)などの認証を相次いで取得。これらにより、同社は製品品質や個人情報などの情報セキュリティ、ITサービスに関しての信頼性は高い。

沿革

  • 1984年昭和59年)7月2日 - 四国電力の情報システム部門から分離独立して、株式会社四電情報ネットワークサービス(略称:YNS)を設立[2]
  • 1985年(昭和60年)7月1日 - 第二種電気通信事業開始[3]
  • 1989年(平成元年)6月27日 - 第一種電気通信事業認可を取得[4]
  • 1989年(平成元年)7月1日 - 株式会社四国情報通信ネットワーク(略称:STNet)に社名変更[5]
  • 1989年(平成元年)10月2日 - 固定系第一種電気通信事業を開始[5]
  • 1992年(平成4年)1月14日 - 高松市春日町で四電情報通信ネットワークセンター竣工[4]
  • 1992年(平成4年)5月 - 情報通信センターに本店を移転。
  • 1996年(平成8年)2月26日 - 完全子会社として株式会社ネットウェーブ四国を設立[6]、個人向けISPサービスを開始。
  • 1996年(平成8年)11月 - 東京営業所(現・首都圏営業部)設置。
  • 1997年(平成9年)4月 - 全国の電力系通信事業者との相互接続により全国への専用サービスを開始。
  • 1997年(平成9年)10月1日 - 法人向けインターネットサービス(STCN)を開始[7]
  • 1999年(平成11年)3月 - 資本金を100億円に増資。
  • 2000年(平成12年)10月1日 - データセンター事業を開始[8][9][10]
  • 2000年(平成12年)10月20日 - 品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証を取得[11]
  • 2000年(平成12年)12月20日 - 無料プロバイダー事業(通称:あかりネット)を開始[10]
  • 2001年(平成13年)6月1日 - 広域イーサネットサービス(ST-WAN)開始[12]
  • 2002年(平成14年)2月8日 - プライバシーマーク制度(JISQ15001)の認証を取得[13]
  • 2002年(平成14年)3月1日 - アステル四国からPHS事業を譲受[14]
  • 2002年(平成14年)3月11日 ー 情報セキュリティマネジメントシステムの認証取得[13]
  • 2002年(平成14年)4月1日 - 株式会社STNetに社名変更[15]、株式交換により四国電力の100%子会社化[16]
  • 2003年(平成15年)1月22日 - 松山ネットワークセンターにおいて、データセンターサービスを開始[17][18]
  • 2004年(平成16年)10月1日 - FTTH事業参入。個人向け光通信事業「ピカラ光ネット」「ピカラ光でんわ」開始[19]
  • 2004年(平成16年)10月1日 - ネットウェーブ四国を合併[20][19]
  • 2005年(平成17年)5月26日 - アステル四国PHSサービスを終了[21][22]。全国で7社目の撤退。
  • 2006年(平成18年)10月 - 小規模法人向けインターネットサービス「お仕事ピカラ」サービス開始。
  • 2009年(平成21年)2月20日 - 無料プロバイダー事業「あかりネット」終了[23]
  • 2010年(平成22年)10月 - クラウドサービス「STクラウドサーバー」開始。
  • 2012年(平成24年)4月 - 法人向け高速インターネットサービス「STIA」開始。
  • 2013年(平成25年)12月 - 新高松データセンター「Powerico(パワリコ)」サービス開始。
  • 2014年(平成26年)
    • 5月 - ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)の認証(新高松データセンター)を取得。
    • 9月1日 - 情報セキュリティ適合証(JQAIS0011)の認証(新高松データセンター)を取得[24]
  • 2015年(平成27年)
    • 3月 - マンション向け電力提供サービス「STあんしん電力」を開始。
    • 8月 - 香川県立丸亀競技場の命名権を取得(契約期間:2015年9月1日から2020年8月31日までの5年間)。愛称は「Pikaraスタジアム」、略称は「ピカスタ」[25]
    • 12月 - 環境マネジメントシステム(EMS)の認証(新高松データセンター)を取得。
  • 2016年(平成28年)2月15日 - モバイルサービス「Fiimo(フィーモ)」(現・ピカラモバイル)を開始[26][27]
  • 2019年(令和元年)11月1日 - 新高松データセンター第2棟「Powerico-S」サービス開始[28]

事業概要

法人向け通信事業

電気通信事業法をはじめとした電気通信制度の変革が進んでいた1989年10月に、電力系通信事業者のひとつとして第1種電気通信事業(当時)に参入した。当初は専用線サービスが中心であったが、ユーザーニーズがIP系サービスへと移行するのに伴い、法人向けインターネット接続サービスのSTIA、広域イーサネットサービスのST-WANが主力商品となっている。2006年10月には、四国内の事業所数の約9割を占める中小規模事業所をターゲットにした光インターネット/光IP電話サービス「お仕事ピカラ」の提供を開始し、契約数を伸ばしている。

個人向け通信事業

1996年2月に100%子会社の株式会社ネットウェーブ四国を設立してインターネット接続(ISP)サービスを開始し、2001年3月にはADSLメニューも開始した。その後のブロードバンド化の流れの中で、2004年10月には光ファイバー(FTTH)で提供するインターネットと電話サービス「Pikara(ピカラ)」を開始。

2018年12月には、RBB TODAY主催の「ブロードバンドアワード2018 キャリア部門(四国)」で、一般ユーザーから好評価を得ている。

こうしたことが反映され、2018年2月には、契約者数が25万件契約となり、順調に契約数を伸ばしている。

ピカラモバイル (旧・Fiimo(フィーモ))

2016年2月に個人/法人向けMVNOサービス「Fiimo(フィーモ)」を開始した。オプテージ関西電力系)がMVNEとして回線を提供している。

プランはau回線を使ったAプランとNTTドコモ回線を使ったDプランから選択できる。四国を中心に販売活動を行っており、Fiimo直営ショップは6店舗展開している。

2022年7月1日よりサービス名称が「ピカラモバイル」に変更された[29][30]

あんしん電力

2015年3月に、マンションの入居者向けに電気を提供するサービス「STあんしん電力」サービスを開始した。同サービスは、電力会社(四国電力)から、単価の安い高圧電力を一括購入し、変圧してマンションの各入居者に電気を提供している。

システム開発事業

四国電力向けの業務システム開発・運用をはじめとして、法人向け業務用ソフトウェアの開発受託やERPソリューションの提供などを行っている。

プラットフォーム事業

同社は、システム開発事業と通信事業の中間領域で、LANやデータセンターなどの利用基盤構築、セキュリティやクラウドサービスなど、業務システムや通信サービスを利用するためのIT業務基盤を提供する事業を「プラットフォーム事業」と呼んでいる。

主には、データセンターがあり、2013年12月に新高松データセンター(Powerico-N)を建設し、ハウジングやシステム監視・保守などのサービスを提供している。また、Powerico-Nの南側に同規模の収容ラック能力を持つPowerico-Sを建設し、2019年11月よりサービスを開始している。

STNet中期戦略

同社は、事業の方向性を示す中期戦略を5年ごとに策定しており、これまで個人向け光サービス「ピカラ」や新高松データセンター「Powerico」をはじめとする事業の発展・拡大に取り組んできた。

その一方、社会・生活・産業におけるデジタル化の進展に伴いデータ活用が飛躍的に拡大・発展し、ICT(情報通信技術)が「データインフラ」として重要な役割を担う「データ駆動社会」の到来が予見されており、なかでも通信市場では、通信と放送の融合や上位レイヤー(ソフトウェア)と通信役務の一体化が進展するなど、業界構造そのものの変化が進んでいる。

このような背景を踏まえ、同社は、2019年4月に中期戦略を策定した。

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b 第97期有価証券報告書” (PDF). 四国電力 (2021年6月28日). 2021年7月18日閲覧。
  2. ^ 四国電力40年史編纂事務局 1992, p. 354.
  3. ^ 四国電力40年史編纂事務局 1992, p. 355.
  4. ^ a b 四国電力50年史編纂事務局 2001, p. 431.
  5. ^ a b 四国電力40年史編纂事務局 1992, p. 359.
  6. ^ 四国電力50年史編纂事務局 2001, p. 439.
  7. ^ STCNサービスの電力系NCC各社との相互接続』(プレスリリース)株式会社四国情報通信ネットワーク、1998年9月18日。オリジナルの1999年8月31日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/19990831095220/http://www.stnet.co.jp/news/press/100918.htm2025年11月3日閲覧 
  8. ^ 四国電力グループによるデータセンター事業の実施について』(プレスリリース)株式会社四国情報通信ネットワーク、四国電力株式会社、2000年9月25日。オリジナルの2000年10月31日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20001031062805/http://www.stnet.co.jp/news/press/120925.htm2025年11月3日閲覧 
  9. ^ 四国情報通信ネットワークと富士通システムソリューションズがASPビジネスで戦略提携~国内業界初、電力グループ企業が独自にASPサービスを開始~』(プレスリリース)株式会社富士通システムソリューションズ、株式会社四国情報通信ネットワーク、2000年9月27日。オリジナルの2001年5月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20010519120252/http://www.stnet.co.jp/news/press/120927asp.htm2025年11月3日閲覧 
  10. ^ a b 四国電力50年史編纂事務局 2001, p. 445.
  11. ^ ソフトウェアの設計・開発に関するISO9001品質システムの認証取得について』(プレスリリース)株式会社四国情報通信ネットワーク、2000年10月20日。オリジナルの2001年5月20日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20010520122313/http://www.stnet.co.jp/news/press/121020.htm2025年11月3日閲覧 
  12. ^ 高速イーサネット網(VLAN)サービスの開始について』(プレスリリース)株式会社四国情報通信ネットワーク、2001年5月17日。オリジナルの2001年6月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20010619145934/http://www.stnet.co.jp/news/press/130517.htm2025年11月3日閲覧 
  13. ^ a b 社名変更および公的認証取得による事業基盤の強化について 別紙』(プレスリリース)株式会社四国情報通信ネットワーク、2002年3月29日。オリジナルの2002年4月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20020415064852/http://www.stnet.co.jp/news/press/140329a.htm2025年11月3日閲覧 
  14. ^ PHS事業の営業譲渡認可および新サービスの提供について』(プレスリリース)株式会社四国情報通信ネットワーク、株式会社アステル四国、四国電力株式会社、2002年2月8日。オリジナルの2002年4月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20020418224828/http://www.stnet.co.jp/astel/guide/newsrel/h14_02_08/020208-1.html2025年11月3日閲覧 
  15. ^ 社名変更および公的認証取得による事業基盤の強化について』(プレスリリース)株式会社四国情報通信ネットワーク、2002年3月29日。オリジナルの2002年4月2日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20020402043453/http://www.stnet.co.jp/news/press/140329.htm2025年11月3日閲覧 
  16. ^ 株式交換による四国情報通信ネットワークの100%子会社(完全子会社)化および同社の社名変更について』(プレスリリース)四国電力株式会社、株式会社四国情報通信ネットワーク、2002年2月28日。オリジナルの2002年6月16日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20020616223958/http://www.stnet.co.jp/news/press/140228.htm2025年11月3日閲覧 
  17. ^ 松山市でのデータセンターサービスの開始について』(プレスリリース)株式会社STNet、2003年1月20日。オリジナルの2003年2月8日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20030208002732/http://www.stnet.co.jp/news/press/150120.htm2025年11月3日閲覧 
  18. ^ 四国電力60年史編纂プロジェクトチーム 2011, p. 330.
  19. ^ a b 四国電力60年史編纂プロジェクトチーム 2011, p. 333.
  20. ^ STNetとネットウェーブ四国の合併について』(プレスリリース)株式会社STNet、2004年7月15日。オリジナルの2004年8月4日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20040804030245/http://www.stnet.co.jp/news/press/160715_nw.htm2025年11月3日閲覧 
  21. ^ 「アステルPHS電話サービス」の終了について』(プレスリリース)株式会社STNet、2005年4月26日。オリジナルの2005年4月26日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20050426210400/http://www.stnet.co.jp/news/press/170426.htm2025年11月3日閲覧 
  22. ^ 四国電力60年史編纂プロジェクトチーム 2011, p. 334.
  23. ^ 四国電力60年史編纂プロジェクトチーム 2011, p. 341.
  24. ^ 新高松データセンター「Powerico(パワリコ)」が中四国で初めてJQA情報セキュリティ適合証を受領』(PDF)(プレスリリース)株式会社STNet、2014年9月3日。オリジナルの2015年4月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20150419202236/http://www.stnet.co.jp/news/press/pdf/20140903.pdf2019年9月10日閲覧 
  25. ^ 香川県立丸亀競技場の命名権売却…「Pikaraスタジアム」(ピカスタ)に名称変更”. ゲキサカ. 講談社 (2015年8月28日). 2025年7月20日閲覧。
  26. ^ おトクなモバイルサービス「Fiimo(フィーモ)」の開始について』(PDF)(プレスリリース)株式会社STNet、2015年12月18日。オリジナルの2016年2月7日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20160207112139/http://www.stnet.co.jp/news/press/pdf/press20151218.pdf2017年11月20日閲覧 
  27. ^ お得なモバイルサービス「Fiimo(フィーモ)」を本日から事業開始』(PDF)(プレスリリース)株式会社STNet、2016年2月15日。オリジナルの2016年2月22日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20160222031103/http://www.stnet.co.jp/news/press/pdf/press20160215.pdf2017年11月20日閲覧 
  28. ^ 新高松データセンターPowericoの増設工事が完了し、西日本最大級に』(PDF)(プレスリリース)株式会社STNet、2019年10月23日。オリジナルの2023年6月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20230618203243/https://www.stnet.co.jp/archives/001/201910/press_20191023.pdf2020年11月9日閲覧 
  29. ^ Fiimoの「ピカラモバイル」へのサービス名称変更について”. STNet. 2022年7月18日閲覧。
  30. ^ Fiimoの「ピカラモバイル」へのサービス名称変更について”. STNet. 2022年7月18日閲覧。

参考文献

  • 四国電力40年史編纂事務局 編『四国電力40年のあゆみ 1951-1991』四国電力株式会社、高松、1992年6月。doi:10.11501/13098519NCID BN09047927OCLC 704067069 
  • 四国電力50年史編纂事務局 編『四国電力50年のあゆみ 1951-2001』四国電力株式会社、高松、2001年10月。 NCID BA54167546OCLC 54713355 
  • 四国電力60年史編纂プロジェクトチーム 編『四国電力60年のあゆみ 1951-2011』四国電力株式会社、高松、2011年12月。 NCID BB08300290OCLC 813490652 

関連項目

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