企業・官庁でできる節電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 02:15 UTC 版)
空調関連冷房は設定温度を高めにし、暖房は設定温度を低めにする。(例えば冷房ならば28度とか29度、暖房ならば17度とか18度に設定する。「夏は暑さで汗まみれにならない程度に冷やせば十分だ」「冬は厚着をしてしのげる程度に暖めれば十分だ」といった姿勢で温度設定する) 建物周囲の地面や壁面への打ち水。空調室外機への散水(気化による吸熱や凝結(結露)による発熱(凝縮熱)の活用・抑制という原理を利用している) できるだけ電気の空調ではなく、衣服で体感温度を調整する。クールビズ・ウォームビズの取り組み さほど気温が高くない時は、安易にエアコンを作動させるのではなく、できるだけ窓を開けてオフィス内に風を通すことで体感温度を下げることで済ます。(ただし高層ビルのオフィスでは窓が開かず、これは実施不能である。あくまで低層のオフィスの場合の話。) 換気の実施夜間に機器の熱がオフィスにこもり室温が上がっている場合は、いきなりエアコンを作動させるのではなく、一旦窓を開けて熱い空気を充分に排出してから、窓を閉じエアコンを作動させる。 ナイトパージ(夜間換気)の実施 冷房を作動させている時の断熱の強化出入り口へのドアや二重扉、回転扉の設置 出入り口へのエアーカーテンの設置 (エキナカなど) できるだけ電気の空調を利用せずに、自然の力を利用して、冷えた空気をオフィスに導き入れる年間を通して温度の低い状態であることが知られている地下にパイプ(導気管)を(十分な長さ)埋め、そのパイプを通って冷えた空気が(ファンなどの力で)、オフィスの低い位置から入ってくるしくみを作る。そして同時に、オフィスの高い位置から、熱い空気が室外に排出されるしくみをつくる。こうするとほとんど電気を使わなくても、室内はひんやりと涼しくなる。 河川水や海水、海洋深層水、地下水、未処理下水、下水処理水などとの熱交換 (SeaWater Air Conditioningなど) フリークーリングや貯雪設備(雪室)、氷室の設置 ナチュラルチラー(吸収式冷凍機)の活用 (ソーラークーリングシステムや排熱利用吸収冷凍機(ジェネリンク)など) 効率が良くなっていることが証明されている空調設備への更新(ただしメーカーが前面に出す数字は誇大広告がままあるので、実測値をしっかり調査する必要がある) 室温の数的な把握ごく普通の気温計(温度計)をオフィス等に設置し、(ただの感覚ではなく)数字で気温を把握する。 熱流体解析や建物エネルギーシミュレーションの使用 サーモグラフィや熱赤外航空撮影による計測 人体熱の利用 (スウェーデンのKungsbrohusetオフィスビルなど) 子牛に服を着せる 外気温をエアコンの設定温度に近づける遮熱塗料や熱吸収塗料や放熱塗料、温度で性質の変わる塗料を活用する 熱源の外気より高い熱を室内に拡散させずに直接外気に逃す (ファンによる強制冷却や、ヒートパイプとラジエーターを使った受動冷却など) 断熱効果を持つ空気層の削減による冷却ファンの削減 (油冷、液体シリコン冷却など) 放射冷却(遠赤外線放出・吸収素材)の活用 (光冷暖システム、まず貼る一番など) 顕熱蓄熱や潜熱蓄熱、化学蓄熱の活用 照明関連照明使用の削減減灯。照明の間引き。 装飾的な照明の消灯。(実用的でない照明の消灯、建造物のライトアップ などの停止) 休憩時間帯に照明を消す。 LED照明への置き換え信号機のLED化 (交通信号、横断歩道信号など) 灯火標識のLED化 トンネル照明のLED化 街灯やガーデンライトのLED化 (特に北国では電力需要が多い冬の長い夜間に節電が見込める) 集魚灯のLED化 高輝度水銀灯のメタルハライドランプ化やLED化 (公共施設照明器具JIL5004-2009において、グロー式蛍光灯と水銀灯が廃止となっている) 前照灯のLED化 灯台のLED化 (約8割が既にLED化されている) 浮標灯や標識灯のLED化 LED照明の直流給電化 オフィスの内装や家具の色使いを工夫する (オフィス家具、カーペット、壁面 等。できるだけ白を基調とすると室内を光が何度も反射することで行き交い、わずかな照明で明るくなる。黒っぽい家具は光を吸収してしまう。)拡散反射率の高い内装材(白色で面粗度や光沢度が低いもの)や内装塗料(日本ペイントのアカルクスなど)の使用 塗料への蛍光増白剤の添加 (蛍光ホワイト塗料。紫外線を可視光に変換。紙など)蓄光塗料(燐光)の活用 膜屋根・トップライト(天窓)・サンルーフの導入により、自然光(太陽光)利用し、照明点灯の削減 (オフィスの他、観光バスや黒部峡谷鉄道2800形など) 太陽光追尾採光装置の採用 照明解析(CAE)の使用 受電関連電線の太径化 高効率変圧器への更新 力率改善コンデンサーの導入 発電所からの距離を短くする 三相交流の使用 20kV/400V配電方式の採用 通信関連古い電話網のIP化による節電 (NTTにおけるNGNなど) 古いエッジルータや無線基地局、無線ルータ、電話交換機の更新 不要なエッジルータの取り外し 銅線ケーブルから光ファイバへの変更 (特に高速・長距離においてはノイズ減少によりエラー訂正処理が減るため節電になる) 不要な固定電話の取り外し・解約 (特に電話線は細く回線抵抗が大きい) 増幅器(ブースター)の除去 (複数回線を束ねて使用したり、高品質なケーブルへ交換したり(電話線のRJ45-RJ11変換コネクタによるLANケーブル使用や、同軸ケーブルのS-5CFBN・S-5CFBDへの交換など)で回線品質を上げるなど) 電化製品の省エネルギータイプへの置き換え、改良業務用冷蔵庫の更新 (JIS B 8630に基づく年間消費電力量の記載されているものが望ましい) ショーケースの更新 (同上) プレス機械の更新 (油圧/空圧プレスから電力回生機能付きサーボプレスへの置き換えなど) 接合機の更新・接合法の再考 (摩擦攪拌接合(FSW)、摩擦圧接、超音波接合等の導入など) 電気炉・電気加熱装置・発酵装置などの高断熱化 低周波誘導電気炉から高周波誘導電気炉や純酸素バーナ式回転炉への置き換え クリーンルームのミニエン化製造装置の小型化や配置の最適化による省スペース化 エスカレーターの更新下りにおける電力回生機能 人感センサーの導入 エレベーターの更新 (電力回生機能のあるものに) 監視カメラシステムの更新 省エネ自動販売機への更新真空断熱材 ヒートポンプによる加熱 LED照明 ソーラーパネル搭載 ATMやPOSレジ、デジタルサイネージの省エネ機種への更新LED照明・人感センサー 組み込み向けCPUや低電圧メモリ、SOCなどの使用 組み込み向けOSの使用、不要なシステムプロセスの停止 HDDのSDDへの交換、もしくはNAND型フラッシュメモリの直接使用(フラッシュファイルシステム) GUIプログラムの最適化 (ネイティブコードを使う、2Dアクセラレーションを使うなど) 電子ペーパーの活用 (仙台市地下鉄のまちコミなど) 発電装置の設置・更新ソーラーパネル(太陽電池)、風力発電装置などの設置 電力回生機能付き下りエスカレータの新規導入による発電 コジェネレーション 廃熱による廃熱発電や廃冷熱による冷熱発電の設置 効率化を目的とした発電・送電・変電設備等の更新前倒しサンキー ダイアグラムによるエネルギー収支の可視化 蒸気タービンの高効率化復水器の低損失化 ボイラーの高効率化 タービンの高効率化 タービン発電機の高効率化 蓄エネルギーによる余剰エネルギー保存蓄電の導入化学的バッテリー(リチウムイオン二次電池など)の導入 物理的バッテリー(揚水発電やフライホイール・バッテリーなど)の導入 蓄圧の導入 (油圧、空気圧など)アキュムレータの導入 ゼンマイの利用 (オートリールなど) エネルギー効率の改善流通の最適化コールドチェーンを切らさないようにし、再冷却を防ぐ データセンターの省電力化高効率な冷却法の採用外気を利用した冷却大都市から涼しい気候の土地(オレゴン州や北海道など)への移転 (Facebook、Apple、さくらインターネットなど) 海水冷却 (Googleの海水冷却データセンターなど) 地下水冷却 (Sunの地底空間データセンターなど) ミスト冷却 (気化熱の吸収。Facebookのデータセンターなど) 局所空調による冷却 (ソフトバンクのデータセンター) 高温でも動作するハードウェアの採用によるデータセンターの高温運用 (イーベイなど) 不要なサーバーやサービスの停止 古いサーバーやUPSの、新しい省エネルギータイプへの更新 レンタルサーバー等における古いOSやミドルウェアの更新 リソース使用率の低いサーバーをまとめる (リソース分離が必要な場合は仮想化を使う)ハイパーバイザー型仮想化(KVMやXenなど)からコンテナ型仮想化(OpenVZやLXCなど)への移行による使用リソース削減 古いデータセンターの廃止 高効率電源の採用 使用電力に見合ったワット数の電源の使用 (50%使用時の効率が最も高い) AC100V給電からAC200V給電やDC48V給電への切り替え (交流給電においては電圧の高い方がPFCの昇圧比が小さくなり効率が良い) 使役動物の活用 自粛ライトアップの自粛 無駄な自販機の撤去 店舗の営業時間の短縮 シエスタ制度 交通システム(のうち電気を使っているもの)の省エネルギー化ブレーキ・加速の削減線形改良 (急曲線や急勾配の緩和) 複々線化 車体傾斜装置の搭載 (曲線における加減速の削減) 操舵台車の採用 (曲線における加減速の削減) 自動列車制御装置(ATC)の高性能化や自動列車運転装置(ATO)の導入 惰行運転の増加 空転やレール振動、車両振動の抑制転がり抵抗が低く摩擦係数や粘着係数が大きいレールや車輪、タイヤの使用 (粘着の改善。車用のタイヤでは既に低転がり抵抗・高グリップなものが登場している) ロングレール化による走行抵抗軽減 路盤強化 レールの重量化 レール削正車の導入 流体抵抗の軽減 (特に高速運転や逆風、トンネル内で空気抵抗が大きい)ボディの形状変更 (乱流制御など)熱流体解析(CFD)や風洞実験・水槽実験を行う 流線型・尻すぼみ・フラットボトム・フェアリングの採用 窓ガラスやドアのフラット化 車両間の全周幌の採用 (新幹線N700系電車など) 台車スカートやパンタグラフカバーの採用 ボルテックス・ジェネレーターの搭載 遺伝的アルゴリズムや生体模倣学の応用 車体の小型化体積あたりの導電率が高い銀線や銀メッキ線(交流)、多導体(交流)の使用 摩擦抵抗を低減する塗料や表面処理を行う トンネル幅を広げる 新型車への更新ボディの軽量化アルミボディの使用 (アルミニウム合金製の鉄道車両など) 炭素繊維や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の使用 (新幹線N700系電車の一部分など) 質量あたりの導電率が高いアルミ電線、多導体(交流)、中空導体(交流)の使用 高断熱化軽量かつ高断熱な真空断熱材や真空ガラス・真空複層ガラスの使用 (東京メトロ10000系電車の屋根など) 乗り降りが少ない路線での半自動ドアの採用 エアカーテンの使用 (JR北海道721系電車など) 建物エネルギーシミュレーションを行う モーターの高効率化VVVFインバータ制御の採用スイッチング損失や導通損失の小さいIGBTの採用 SiCインバータの採用 流体軸受の採用 PMSMやIPMSMの採用 ブレーキの高効率化回生ブレーキの採用 動力分散方式の採用 純電気ブレーキの採用
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