車体傾斜装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 01:38 UTC 版)
「JR四国8600系電車」の記事における「車体傾斜装置」の解説
川崎重工業開発の空気ばね式車体傾斜方式を採用しており、床下に車体傾斜電磁弁箱を各車に2台ずつ装備し、曲線外軌側の空気ばね高さを上げることで最大で2度の車体傾斜が可能である。使用時の曲線通過速度は、下表の通り。これは、より傾斜角の大きい振子方式で車体を傾斜させる2000系気動車・8000系電車と同等であるが、通常の在来線車両では曲線通過時の左右定常加速度0.08Gを目指して設計されるところ、本系列は着席を前提に新幹線で実績のある0.1Gを許容している。 200≦R<400400≦R<600600≦R本則+20km/h 本則+25km/h 本則+30km/h 制御は、本系列以前に同方式による車体傾斜が実用化されたJR北海道キハ201系・キハ261系気動車では、ジャイロセンサーと加速度計から曲率を求めて加速度計の値が目標値となるまで車体を傾斜させるセンサ式を用いたが、本系列では、自社の制御付自然振子車両、2000系気動車・8000系電車と同様、地上の路線データなどをTc(Tsc)車のマイコン(TC装置)にあらかじめ記録し、ATS地上子により自車の位置を検知して曲線区間の手前から車体を傾斜させるマップ式を用いた。しかし、この制御方式は性能面で優れるが、空気バネ式車体傾斜に用いた場合、誤って曲線外軌側へ車体を傾斜させることが考えられることや、制御中止時に曲線通過速度を落とさざるを得ないため、センサ式をバックアップとして用いている。 このため、通常はマップ式による車体傾斜制御を行うが、マップ式による制御指令とセンサ方式による曲線検知情報の整合性が取れない場合、センサ方式による車体傾斜に移行し、乗り心地の若干の悪化にとどめることで、運用への影響を最小限としている。
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