遮熱とは? わかりやすく解説

しゃ‐ねつ【遮熱】

読み方:しゃねつ

[名](スル)外部の熱が入り込まないように、また、熱が外に漏れないようにさえぎること。


遮熱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/15 01:10 UTC 版)

遮熱(しゃねつ)とは、熱輻射による熱移動を防ぐことを指す造語。伝導による熱伝達を遅らせる「断熱材」との差別化を図る商業的な目的で、1990年代頃から商品説明などに利用されるようになった。

概要

「遮熱」を理解するには、まず「放射」を理解する必要がある。断熱は、熱伝導による熱エネルギーの伝播を減ずることを意味するが、遮熱は、放射の侵入を遮蔽することを意味する。放射は、電磁波であり、熱エネルギーでないため、「遮熱」という表現には問題があるが、商品説明などに便利なため、一般に使用されるようになった。 太陽から地球に放射されている日射エネルギーも放射であるが、地球上の物質に吸収されるまでは、電磁波であり、熱量をもたない。日射は、何らかの物体に吸収された時点で、はじめて熱エネルギーに変換される。 よって、建物の窓などから、日射が侵入し、壁や床などで吸収され熱エネルギーに変換される前、これを遮蔽することを目的とした、ブラインドやルーバーなどのような遮蔽物の遮蔽効果を意味する。 省エネルギーなどの効果においても、根本的に断熱とは異なる効果を意味する。


既知の問題点

一般には、遮蔽した物質自身が、ある程度の放射を吸収し熱に変換するので、それ自身の温度上昇がある。そのため、遮蔽物が発する熱により、室内が暑くなることもあるため、遮蔽物と接する部分の断熱が組み合わされることが重要である。 板ガラスなど、光を透過する物質では、可視光線が持つ放射エネルギーを透過することになるので、結果として遮蔽効果を出すことが難しい。近年は、可視光線をできるだけ透過させ、赤外線を遮蔽するように開発された銀によるコーティングを用いて、透過性のある日射遮蔽材も利用されている(Low-E複層ガラスなど)。

放射の効果的遮蔽方法

放射の遮蔽は、電磁波の反射および吸収が行われるとよい。反射により、地球上に日射エネルギーを再放射することで、ヒートアイランド現象などの原因となることもあるが、建物や物体の温度上昇を抑えるためには、反射による遮蔽が最も効果的である。銀などの金属薄膜による効果や、白い色など色調による効果が考えられる。 一方、吸収による遮蔽は、遮蔽材物質自身の温度上昇があるため、周辺物質への温度伝達などに注意が必要である。せっかく放射を遮蔽しても、これを熱に変換した後、周囲に熱を伝えてしまうことのないような構造や、メカニズムが求められる。熱容量の大きな物質(鉄など)や黒い色などの遮蔽物質を用いると、このような現象が懸念される。 白色のセラミック材などを用いると、多くの放射を反射し、それ自身の温度上昇が少ないので、効果的といえる。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「遮熱」の関連用語

遮熱のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



遮熱のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日本板硝子日本板硝子
(C) 2025 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. All Rights Reserved.
日本板硝子ガラス用語集
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの遮熱 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS