エピソード1・2・3
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「アナキン・スカイウォーカー」の記事における「エピソード1・2・3」の解説
『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』 母シミ・スカイウォーカーと共にタトゥイーンでスクラップ屋の店主ワトーの奴隷として暮らしていた。機械技術に長け、9歳という若さながら危険なポッドレースの選手で、他の選手が才能溢れるエイリアンである中、唯一の人間であることを誇っていた。母親シミから「危険すぎる」と一度は出場を反対されたポッド・レースも、他の選手の妨害に遭いつつ抜群の反射神経と操縦技術で優勝を勝ち取る。ジェダイマスターのクワイ=ガン・ジンに見出され自由の身となるが、シミの解放は許されなかったため辛い別離を余儀なくされた。 その後はクワイ=ガンの任務に随ってナブーに赴き、ナブー・N-1スターファイターに乗って戦闘に参加、ナブーを侵略していた通商連合の司令船を爆破して全てのドロイドを機能停止させ、見事にナブーを勝利に導いた。だが、ダース・モールによってクワイ=ガンは殺されてしまう。 オビ=ワンの活躍でダース・モールが倒された後は、コルサントにてジェダイのテストを受けるが、別離した母親への思いや未練を見抜かれた事や「未来が曇っている」として一度は入門を断られる。しかし、先述のナブーでの活躍を聞いたことや、クワイ=ガンの遺志を継ぐ形で、弟子のオビ=ワン・ケノービの弟子としてジェダイの修行を受ける事を認められ、オビ=ワンのパダワンとなり訓練を受ける。 『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』 青年に成長したアナキンはジェダイの一員として確実に才能を開花させつつあり、師オビ=ワンの良きパートナーとして銀河を駆けめぐっていた。オビ=ワンはアナキンを頼りにしながらも、若さゆえの無鉄砲と自信過剰に眉をひそめ、決して褒めようとはせず、頭ごなしに押さえつけてしまうことが多かった。アナキンは自らの能力が正当に評価されないことに苛立ち、オビ=ワンを父代わりと敬愛しつつも強い不満を抱いていた。また、上昇志向の強いアナキンは元老院議長のパルパティーンと交際するようになっていた。政治家に対する警戒心の強いオビ=ワンはこれにも難色を示す。この頃、元老院議会は衆愚政治に陥っておりジェダイ評議会は警戒感を強めていた。議員であるパドメさえも例外ではない。だが、パルパティーンを聡明で理知的な指導者として尊敬するアナキンは素直に聞き入れなかった。 共和国の首都星コルサントで、アナキンは幼少期から憧れていたナブーの元女王パドメ・アミダラ議員と再会を果たす。暗殺の危機に晒されていたパドメを保護するため、ジェダイ評議会はアナキンに護衛の任務を命じる。アナキンは初めての単独任務に不安を感じながらも、恋焦がれていたパドメの側にいられる喜びを感じずにはいられなかった。パドメの故郷ナブーで二人は恋に落ちてゆくが、これは恋愛感情が執着を生み、不安、恐れ、嫉妬、憎悪といったダークサイドへ繋がるとされるジェダイの掟に反するものだった。そのため、二人の恋は破滅を意味しているとして、アナキンの求愛も一度はパドメから拒まれる。 ナブー滞在中、アナキンは故郷タトゥーインにいる母シミが苦しめられる悪夢にうなされるようになる。このアナキンの強力なフォースに裏打ちされた予知能力もまた、アナキンの運命を変転させる元となる。自分が予見した未来に平静で居られないアナキンがとった行動はことごとく裏目に出て、アナキンを更に暗黒面へ引き寄せる結果となる。任務のためナブーを離れられないアナキンは思い悩むが、そんなアナキンを見かねたパドメは共にタトゥイーンに赴くことを提案する。かつて自らを使役していたワトーと再会したアナキンは、シミがモイスチャーファーム(水資源農場)を経営するクリーグ・ラーズに買い取られ、奴隷から解放されて彼と再婚したと聞かされる。クリーグの元を訪れたアナキンは、シミが1か月前にタスケン・レイダーに連れ去られ、仲間を募り30人ほどで救出に向かったが返り討ちに遭い、4人しか戻れず、クリーグ自身片足を失い、救出の試みも失敗したことを知らされる。アナキンは母を救出すべく単身タスケンの根城に潜入し、過酷な拷問に傷ついた無惨な姿のシミと再会する。シミは成長を遂げた息子との再会を心から喜ぶが、直後に息を引き取る。母の死に激高したアナキンは女子供を問わずにタスケンを虐殺してしまう。この時に感じた激しい怒りの感情や、アナキンの自立を認めようとしないオビ=ワンへの不満、そして大切な人を死から救いたいという強い力への渇望が、後に起きる悲劇へと繋がっていく。その直後、アナキンはオビ=ワンが窮地に陥ったことを知る。ジェダイ評議会はすぐさまオビ=ワン救出を決定するが、アナキンには護衛任務を続けるよう命じる。アナキンはパドメの同意もあって再び命令違反を犯し、オビ=ワン救出に向かう。 分離主義者達の潜伏する惑星ジオノーシスに赴いたアナキンとパドメは、共にドロイド工場に潜入するが、原住民ジオノーシアン達に気付かれ囚われてしまう。三人の処刑が決定され、刑場に引き出される間際にパドメはアナキンに愛を告白する。アナキン、オビ=ワン、パドメの三人は処刑の隙をつき、それぞれ持ち前の能力を発揮して奮闘。そこへメイス・ウィンドゥ率いるジェダイ騎士団が到着し、通商連合のドロイド軍団と壮絶な戦いを繰り広げる。アナキンも死力を尽くして戦うが、数に勝るドロイドに圧倒されたジェダイ騎士団は絶体絶命の窮地に陥る。そこへクローン部隊を引き連れたヨーダが到着。高い戦闘力を発揮するクローン部隊の助力を得たジェダイは劣勢を挽回し、逆にドロイド軍団を殲滅していく。アナキンとオビ=ワンはこの戦いの先頭に立ち、分離主義者達の黒幕であるドゥークー伯爵を追跡する。宇宙港でドゥークーに追いついた二人だったが、アナキンはオビ=ワンの諫めもきかずに単身ドゥークーに挑みかかり軽くあしらわれる。オビ=ワンもまたシスの暗黒卿ダース・ティラナスとしての実力を発揮したドゥークーにより倒れ、オビ=ワンのと自らのを使うライトセーバーの二刀流で再度挑みかかったアナキンもドゥークーに「何も学んでいない」と言われたことで両方のライトセーバーと右腕を切り落とされオビ=ワンの側に倒れてしまう。二人の危機を救ったのはヨーダだった。ヨーダは巧みな体捌きと強大なフォースとライトセーバーを駆使してドゥークーと互角以上の戦いを繰り広げるが、傷つき倒れている二人を人質にされるような形でドゥークーの逃亡を許してしまう。ジオノーシスでのこの戦いの後、アナキンはジェダイの掟を破りパドメと密かに結婚した。 クローン大戦が始まると、オビ=ワンと共に各地で共和国軍を勝利に導き、ジェダイ評議会に功績を認められ、弟子から騎士へと昇格する。戦時だったため優秀な騎士を必要としていたのも昇格の一因である。その後も単独でオビ=ワンと共に分離主義者の侵攻に苦しむ多くの惑星を解放し続け、アナキンは何時しか人々から「恐れを知らない英雄」と呼ばれるようになった。 『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』 コルサントの戦いにおいて、誘拐されたパルパティーン議長救出の為にオビ=ワンと共に独立星系連合の旗艦に突入。そこで因縁のドゥークー伯爵と再戦する。クローン大戦の修羅場を幾度も潜り抜けてきたアナキンの成長は著しく、ドゥークーを圧倒し、両腕を切り落とし追い詰める。そして人質となっていたパルパティーンの強い命令に逡巡しながらも無抵抗のドゥークーを殺害し、タスケンの時と同じく無抵抗の者を殺すというジェダイとしての一線をまたも踏み越えてしまう。議長を無事救出し、強敵ドゥークー伯爵を倒したことでアナキンの功績はオビ=ワンからも称えられる。帰還を喜ぶ妻パドメの口から妊娠を告げられ、アナキンは幸福の絶頂にあった。しかし、そのパドメが出産によって死ぬという悪夢を見てしまい、パドメを死から救うための強大な力が欲しいという思いを募らせる。 悪夢のことをヨーダに相談したものの「執着を捨て、強い心を持て」との言葉をかけられるのみで、心の揺れを払拭できないアナキンに、パルパティーンはさらにその魔手を伸ばしていく。パルパティーンはアナキンに自分の私的なエージェントとして働いてくれと依頼し、ジェダイ評議会のメンバーになるよう推挙する。任期を過ぎてもクローン大戦の早期終結を理由に権力の座に居座り、権限の強化を推し進めるパルパティーンに疑いの目を向け始めていたメイス・ウィンドゥらジェダイ評議会は、逆にアナキンにパルパティーンの動向を監視するスパイの働きをさせるため、評議会への参入を認めたが、マスターへの昇格は認めなかった。アナキンは通例に反するこの仕打ちに屈辱を募らせながらも渋々受け入れる。その後オビ=ワンから、自分にパルパティーンへの逆スパイの役目が課せられている事を知らされる。議事に残らぬ形での内密な任務にオビ=ワンでさえためらいを隠せなかったが、アナキンも自ら評議会入りを望んだ訳ではないだけに、不公平な扱いをしながら、「清廉潔白で共和国の為に尽くしている」(とアナキンが盲信している)パルパティーンへの信義に背く任務を担わせる評議会に強い不信感を抱く。 再度パルパティーンと会ったアナキンは、パルパティーンがアナキンの立場を見透かしているのを知り、また、シスの伝説と命の摂理すら覆す暗黒面の力の魅力を吹き込まれる。その後、グリーヴァス将軍討伐へと向かうオビ=ワンを見送る際、オビ=ワンに忍耐も覚えろと諭され、それさえできれば「評議会」が彼をマスターに推挙するのもそう遠くはないと励まされる。そしてフォースと共にあるようにと互いに言葉を掛け合ったのが、友人同士、そして、本物の親子のような絆関係で結ばれていた師弟としての最後の会話となってしまった。 猜疑心の塊となりつつあるアナキンは、オビ=ワンが暇乞いのためにパドメの元を訪れたことにさえ不快感を示した。オビ=ワンの戦況報告のため訪問したアナキンに、パルパティーンは自らの正体が暗黒卿ダース・シディアスであることを明かす。そして、ジェダイ評議会がアナキンの力を恐れてシスの秘密を隠している事や、ジェダイと一部の議員が私利私欲の為に銀河元老院を牛耳ろうとしている事、シスとジェダイは解釈を変えれば同じ様な存在である事など詭弁を弄し、さらに愛するパドメが死の運命にあり、それを救う力を授けてやれると誘惑する。パルパティーンの正体を知ったアナキンはライトセーバーの光刃を向けながらも動揺を隠せず、手を下すことなくその場を後にする。アナキンは迷いつつもパルパティーンの正体をウィンドゥに報告した。 ウィンドゥ達は即座にパルパティーンの逮捕を決定。アナキンも同行を申し出るが、心中の動揺を見抜いたウィンドゥは会議室での待機を命じる。パルパティーンがシスであると知りながらその未知なる力の持つ誘惑に迷うアナキンは、命令に反して現場に急行する。そこでアナキンが眼にしたのは、ウィンドゥが丸腰で必死に命乞いするパルパティーンを追い詰めている様子だった。ウィンドゥがパルパティーンを「逮捕」でなく「殺害」しようとしていることに、アナキンが抱いていたジェダイへの不信感は頂点に達する。止めを刺そうとするウィンドゥを制止しようとするあまり思わずライトセーバーを一閃させ、ウィンドゥの腕を切り落としてしまう。直後にウィンドゥは本性を表したダース・シディアスの電撃攻撃で街の彼方へと吹き飛ばされ、消息不明となっていった。ジェダイを手にかけてしまったアナキンは、ダース・シディアスに師弟の誓いを立てる事によって暗黒面に墜ち、シスの暗黒卿「ダース・ベイダー」となる。 ウィンドゥの排除を好機とみたダース・シディアスは、「ジェダイの反乱」をでっちあげる。密かにジェダイ殲滅指令「オーダー66」を発動してオビ=ワンを含めたジェダイの抹殺と自分に背いていた元老院の議員たちの弾圧を行う。アナキンはアポー指揮下の精鋭部隊・第501大隊を率いジェダイ聖堂を急襲。不意をつかれたジェダイ騎士達はアナキンに次々と倒されてゆき、幼いパダワン達も殺された。引き続き、シディアス自身の命令でムスタファーに潜伏していた分離主義勢力の幹部達を用済みとして抹殺するため、シディアスはアナキンにムスタファー行きを命ずる。アナキンはジェダイが共和国に反乱を起こしたこと、また戦争終結の為にムスタファーに向かうことをパドメに告げる。 「ジェダイの反乱」を口実に、パルパティーンは元老院の同意を得て皇帝への即位と戦争終結を宣言、満場の拍手のもとに共和国は消滅する。事態の成り行きに心を痛めるパドメは、「ジェダイ狩り」を逃れヨーダと共にコルサントに戻っていたオビ=ワンの口から、アナキンが暗黒面に堕ちてジェダイを裏切り、パダワンの子供達をも虐殺した事を伝えられる。動揺するパドメはアナキンに真相を確かめるべく、身重の体でムスタファーへと赴き、オビ=ワンはその宇宙船に密かに乗り込む。同じ頃、ムスタファーに到着したアナキンはヌート・ガンレイら分離主義者の幹部達を皆殺しにしていた。 その後、ムスタファーに到着したパドメがアナキンに真意を問いただす。アナキンはパドメに暗黒面に堕ちた経緯を告げ、皇帝を倒して二人で銀河を支配しようと持ちかけるが、自分が原因で暗黒面に堕ちた事と、アナキンのあまりの変貌ぶりにパドメは大きな衝撃を受ける。この時パドメの船から降りてくるオビ=ワンを見かけたアナキンは、パドメが自身をオビ=ワンに殺させるために彼を連れて来たかと誤解し、彼女を怒りのフォース・チョークで締め上げ昏倒させる。 師であり親代わりでもあったオビ=ワンをできることなら手にかけたくないアナキンは暗黒面への同行を求めるも決裂し、ついにかつての師弟の間で壮絶なる死闘が始まる。自分の才能への嫉妬から自らの名声を貶め続け、密かにパドメと通じていたと誤解するアナキンと、ジェダイを裏切って罪なき者達に手をかけ、果てはパドメまでも傷つけたアナキンに対して怒りと哀しみを内に秘めたオビ=ワンの決闘は、いつ果てるとも知れず続いた。青と青のライトセーバーによる斬撃の応酬が、暗い空の下、溶岩が流れ出る地表で繰り広げられた。ダークサイドの力を操り、戦いを圧倒的有利に進めていたアナキンだったが、これまでの行いによる罪悪感とパドメに拒絶されたショックで精神が不安定だったことと自分の戦い方を知り尽くしている師匠が相手だったことから決定打を与えられなかった。地の利をとったオビ=ワンに対し、自信と焦りをもって跳躍した隙に左腕と両足を斬り落とされ敗北し、溶岩流の手前で地面に伏す。 アナキンに勝利したオビ=ワンは「選ばれし者だった!(You were the chosen one!)」と悲嘆し、アナキンは悪鬼の如き形相で「貴様が憎い!(I hate you!)」と大声で呪詛の言葉を吐きかける。オビ=ワンが返した最後の言葉は「愛していた(I loved you.)」だった。血の涙を流しながら動けないアナキンを、やがて灼熱の溶岩により発生した炎が容赦なく包む。焼かれて悶え苦しむアナキンに、情を捨ててとどめを刺す事ができず、正視に耐えないオビ=ワンは、アナキンが敗北して手放したライトセーバーを拾い、悲憤の想いのままその場を去る。 フォースによってアナキンの危機を察知したパルパティーンが駆けつけた時、アナキンは全身を焼き尽くされながらも、恐るべき生命力で生き延びていたが、もはや自然に息を吸うことすらままならない状態であった。返す刀でコルサントへ運ばれると、最新鋭の医療ドロイドによって機械の腕と脚、呼吸用マスクと人工肺(生命維持装置)を装着され、辛うじて一命を取り留めた。身体のほとんどをサイボーグ化して蘇ったアナキンは正気に戻り、真っ先にパドメの生存を確かめるが、皇帝の口から「ベイダー卿自らの怒りが彼女を殺した」と伝えられる。パドメの死を告げられたアナキンはここでようやく自分が取り返しのつかないことをしてきたことに気づきながら悲嘆に暮れ、フォースで部屋と周囲にあった医療用ドロイドをほとんど破壊した。かつてはパルパティーンもアナキンが自身やヨーダを上回る強さになると確信していたが、これがアナキンの力の限界であった。こうしてパドメを自らの手で殺めたことに絶望し、サイボーグのシスであるダース・べイダーとして生きるしか道は無くなった彼は、悔恨の雄叫びを上げるしかなかった。 銀河帝国成立と同時に皇帝の右腕となったアナキンは、アウター・リムの名も無い宙域で密かに建造が進んでいる最終兵器を戦艦の艦橋から共に眺めていた。
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