旧共和国時代
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ジェダイ時代のアナキンは、愛する者を守りたいという純粋な願望と若さ故の激情から、ジェダイの掟を何度となく破ってしまう。特に、妻パドメ・アミダラが死の運命にあるという予知夢を見た後は、妻を救う力を得たいと願うあまりにシスの暗黒卿ダース・シディアス(後の銀河帝国皇帝)の「妻を救えるかもしれない」という甘言に屈し、ジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥ殺害に手を貸してしまい、引き返す道を絶たれた状態でシスの暗黒卿へと転向して「ダース・ベイダー」という名前を与えられた。その直後、秩序を取り戻すという名目でクローン兵のアポーが率いるクローン・トルーパー第501大隊を指揮してジェダイ聖堂を襲撃、そこにいた子供を含む全てのジェダイとその弟子・訓練生を虐殺、さらにパルパティーンの命により、辺境の惑星ムスタファーで独立星系連合の幹部たちも抹殺した。 完全に後戻りできなくなったアナキンは、この時点で目的が「妻を救う」から「銀河を支配し自分たちの障壁を排除する」というものになっており、彼の身を気遣ってムスタファーを訪れたパドメ・アミダラに、シディアスをも倒し、自分と共に銀河を支配し思うがままに生きようと誘う。しかし彼女が暗黒面に魅了され様変わりしてしまった彼を否定し、彼の誘惑を拒絶したこと、さらに、彼女の意図したものではないとはいえその場にオビ=ワン・ケノービを連れて来ていたため、オビ=ワンに自分を殺させに来たという誤解により、彼は怒りに任せて非力なパドメにフォースチョークを行使し、昏倒させてしまう。そしてかつての師に怒りの矛先を向けて戦いを挑む。暗黒面の力を得たが、このときのアナキンは冷静さを欠いており、熟練したオビ=ワンの戦法に思うままに攻撃できず、地の利を得たことで挑発をしたオビ=ワンの誘いにのってしまい、攻撃に移る一瞬の隙を突かれ、オビ=ワンのライトセーバーで左腕と両足を切り落とされ敗北。暗黒面に堕ちたかつての弟子を哀れむオビ=ワンに、彼はもはや憎しみしか抱いていなかった。溶岩の熱で服が発火して全身に火傷を負い、自然呼吸も不可能な体となってしまった(ただし、『帝国の逆襲』の劇中、帝国軍の旗艦「エクゼキューター」の瞑想用の個室で、マスクを外して自然呼吸をしているシーンがある)。 危機を察して駆けつけたシディアスにより救出され、サイボーグ化手術を施されて一命は取り留めたものの、シディアスが期待していた、自身やヨーダをも超えるほどの可能性を秘めたフォースの潜在能力は、戦傷と火傷により生身の肉体の大半が失われたため、そのすべてを開花させることはできなくなってしまうが、この体験に加え、自らが手に掛けたことと、暗黒面に堕ちてしまったことによるショックでパドメが死亡してしまったことで、虚無感を抱くようになり、物事の全てに対する興味をなくしたことで、「アナキン」として抱くことが多かった執着や迷いがなくなり、皮肉にも隙の無い性格となった。また、暗黒面のフォースを学んだことで、開花しなかった潜在能力を差し引いても依然高い実力を保っており、他の騎士の追随を許さぬほどであった。そのため皇帝もルーク・スカイウォーカーというかつての彼に比肩する才能が現れるまでの長い間、新たな弟子を取ることもなく自身の右腕として利用し、生き残ったジェダイや銀河帝国の抵抗勢力に脅威を与えることとなった。
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旧共和国時代
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「シス (スター・ウォーズ)」の記事における「旧共和国時代」の解説
シスが内部分裂から内部崩壊へと至った原因は、シスの教義そのものの中にあった。他者との協調や仁愛を重視するジェダイとは異なり、シスはただ私益のみを偏重する。ジェダイは銀河の平和と安定への滅私的奉仕者として己を厳しく律し、力の濫用を厳しく戒め、フォースの行使に関しては極めて慎重な姿勢である。これに対して、シスの基本的な教理は「力を抑制することは力を無駄にすること」であり、私利私欲に基づくフォースの無制限な行使を積極的に肯定する。加えてその拠り所は、あくまで自分自身の実力のみであり、よって彼らは、自身の知識や能力を他者と共有するようなことはしない。このため、対等関係のシス同士では互いに強い不信感を抱き、激しく争うようになるのである。 シスの中でただ独り生き残ったダース・ベイン卿は、先の内部崩壊での反省から、シス同士での内紛を防ぐための新たな規律を模索した。そして、シスの技能や教義は、ただ一人の師匠からただ一人の弟子へ、明確な序列のもとで継承されるべきだとの結論に達した。これが、後に「ダース・ベインの教え」あるいは「二人の掟」と呼ばれる、シスの「師匠」から「弟子」への一子相伝制の確立である。 弟子は師匠が引退(死亡)すると、独立して自らもまた師となり、再びただ一人だけの弟子に伝授してゆく(「師匠の死」は「弟子の独立」を意味したため、師匠の殺害という形で独立を果たした弟子も多かった様子である)。こうしてシスの教義は細々とではあるが、確実に伝承されていった。シスたちはジェダイや世間からその存在をひた隠しにし、いずれジェダイへの復讐を遂げ、銀河を暗黒で支配する来たるべき日までの修練が連綿と続けられていった。一方のジェダイはその間発展を続け、最盛期にはおよそ1万人ものジェダイが銀河系の各地で紛争の調停任務等で活躍し、共和国の平和を永く守り続けていた。しかし、宿敵とも言えるシスが姿を消したことにより組織は次第に硬直化し、フォースの研究や戦闘訓練はこれまでどおり続けられたものの、任務は主に紛争調停等が中心となり、実戦経験を積む機会とその必要性は急速に薄れていった。そして年を追うごとに、フォースとライトセーバーとを駆使する戦闘に長けた、俗に言う「強いジェダイ」は徐々に数を減らしていった。加えて、シスがダークサイドの力を師匠と弟子の二人で独占したのに対し、ジェダイはライトサイドの力を大人数で薄く引き延ばしてしまったこともその弱体化の原因であった。 やがて、シスの野望を体現する者が遂に現れた。ダース・シディアス、後の銀河帝国皇帝パルパティーンである。彼はシスの暗黒卿、ダース・プレイガスの下で永らく修行を積み、やがて強大なフォースを手に入れると同時に師を殺害、最強のシス・マスターとして君臨した。その力は政治面にも存分に発揮され、表向きは惑星ナブー出身の元老院議員として銀河元老院の最高議長にまで登り詰めた。深刻な腐敗の横行する日和見主義的政治の一大改革を共和国の代表として主導する一方、裏では多くの不満勢力を焚きつけてクローン大戦を勃発させ、共和国の軍備増強を推進し、戦争を利用してジェダイの数を減らしつつ、情報操作などで人々にジェダイへの強い不信感を植え付けた。そして最終的には軍事力と新たな弟子ダース・ベイダーを用いてほぼ全てのジェダイを壊滅させた。更に共和制を帝制に移行させることにも成功し、ここに4,000年来のシスによる大帝国が復活されたのである。だが、かつてルーサンの戦いにおいて、シス卿ダース・ベインが生き残ってシスの命脈を未来に繋いだ様に、ジェダイにもオビ=ワン・ケノービやヨーダなどの生き残りが存在した。
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旧共和国時代
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旧共和国時代(「エピソード1・2・3」)のジェダイ・オーダーでは、次のような階級がある。 ジェダイ・イニシエイト(Jedi Initiate) アニメ『クローン・ウォーズ』シーズン5第5話から8話にかけて登場。親元からジェダイ聖堂へ引き取られ、パダワンになる前の幼いジェダイ候補生がこのように呼ばれる。彼らはクランと呼ばれるグループで集団訓練を受ける。 ジェダイ・パダワン (Jedi Padawan) ジェダイの修行中として師匠に付き、一対一の訓練を受けていることを示す。この段階でもまだ正式なジェダイではない。人間種など頭髪のある種族は、うなじの一部を伸ばして編み、パダワンであることの証とする。"Padawan Learner"あるいは"Jedi Apprentice"とも呼ばれる。 ジェダイ・ナイト (Jedi Knight) 正式に一人前のジェダイとして認められたことを示す。昇格のために必要な試練を終えた後に、前述の髪を切り落とす儀式を行う。この階級になって初めてパダワンを自分の弟子として個人指導することが許されるが、原則、ナイト階級の者に弟子を選ぶ権利はなく、基本的には評議会が選定したパダワン候補生が、ナイト自身の意思に関係なく宛がわれ、アナキンの弟子となったアソーカ・タノが好例である。その点では、自分が希望する人物(アナキン)を初弟子にすることを許されたオビ=ワンは異例と言える。当然この階級は後述のジェダイ・マスターとは全く異なるが、「マスター」という呼称自体はナイトを含めた正式なジェダイ全般に対する敬称としても広く認知されており、弟子を持つ正式なジェダイの騎士という立場からかジェダイ同士の間でもしばしばこの階級にある者を「マスター」と呼称する場面がある。 ジェダイ・マスター (Jedi Master) 「大騎士」とも称される。ジェダイ・ナイトのうち、弟子を選ぶことを許されたことを示す。ただし、一度に複数の弟子を持つ事は禁じられている。原則的にはパダワンを一人前のナイトに昇格させることが昇格の条件となっているが、多大な功績を挙げて評議会に認められた者は例外的にこの条件を満たさずとも昇格を許される場合があり、オビ=ワン(『クローン大戦』ではアナキンのナイト昇格前からマスターとなり評議会入りしている)、ヤドル、アイラ・セキュラなどが例として挙げられる。一方、実質的に責任逃れの建前であったとはいえアソーカが正式に評議会からナイトへの昇格を認められたにも拘らず、彼女の師であったアナキンには最後までマスターへの昇格が許されなかったことから、判例からなる原則はあっても最終的には評議会の裁量第一で人事が決められていたと思われる。また、小説版『エピソード3』ではジェダイ公文書館にマスターのみが閲覧できる資料が存在していたことが言及されており、マスター階級の者のみに許されたその他の特権も少なからず存在した模様。 パダワンからナイトへ、ナイトからマスターへの昇格は、12人のジェダイから成るジェダイ評議会(Jedi Council)での協議により決定される。 評議会メンバーは「生涯を捧げた永久メンバー5人」「自分の意思で退任するまでを任期とする長期メンバー4人」「一定の任期を持つ期間限定メンバー3人」で構成されている。メンバーは基本的にジェダイ・マスターから選ばれるが、ナイトの就任を妨げる掟はないようである(『エピソード3』のアナキンによれば旧共和国時代にナイト階級で就任したものはアナキンのみである)。 ジェダイとなるためには、フォースが強いことはもちろん、生後6か月以内であることが条件となる。これは、成人に近づけば近づくほど、怒りや憎しみを覚え、ダークサイドに堕ちる危険性が高くなるためである。そのため、フォースの素質があると判断された子供は、オーダーにとって貴重な人材であり、半ば強引にコルサントのジェダイ聖堂へ連れてこられる場合もある。ただし、すぐにパダワンとなるわけではなく、ジェダイ候補生として十分に成長するまでは、ジェダイ聖堂で教育と基礎的な修行を受ける。その過程を経て、評議会により師となるナイト以上の者の指導を受けることを認められるか、あるいはマスターに弟子として選ばれることで、見習いとして修行を積むことを許される。その点では、9歳でパダワンとなったアナキンは異例である。 また、旧ジェダイの掟として恋愛を禁じている。これも前記と同様の理由によるものである。この掟を破った者はジェダイ・オーダーを追放するとされ、パドメ・アミダラと結婚したアナキンも、この処分を逃れるために結婚を隠していた。しかし、この掟は前記のものよりもやや甘い部分がある。パダワン時代に恋仲になった(なりかけた)ジェダイ・マスターもおり、オビ=ワン・ケノービもその一人である。また、キ=アディ=ムンディは、故郷での男性の出生率が低いことにより、例外的に結婚を認められていた。 旧ジェダイのもう1つの掟として、戦いにおいては正々堂々とした戦いを行い、丸腰な者や無抵抗な者を殺すような行為を禁じている。『エピソード2』でサンド・ピープルを虐殺し、『エピソード3』で戦闘能力を失ったドゥークー伯爵を殺したアナキン・スカイウォーカーは事後に悔やむ言動を見せた。また、アナキンの息子ルーク・スカイウォーカーは『エピソード6』でジャバ・ザ・ハットやその一味に対し、彼らからハン・ソロ共々処刑されようとした際に堂々とした態度で「我々を解放しろ。さもなくば死だ」と警告を発している。なお、相手が丸腰であっても死に至らない程度の攻撃を行うのは禁止されていないようで、『エピソード2』でアナキンやパドメ共々ジオノーシアン流のやり方で公開処刑されそうになったオビ=ワンはそれに抗戦する中で、処刑場にいたジオノーシアンの騎兵から攻撃を仕掛けられるも槍を奪い取って反撃し、その槍の柄で落馬した騎兵を叩いて昏倒させている。 戒律を破った者に対し、オーダーは追放という重い処罰を下すが、それ以上の厳罰や迫害は行わない。また、ドゥークー伯爵やアソーカ・タノのように自らの意志でオーダーを去ることも可能であり、去る者に対する咎めなども特にない。このうちクローン大戦開始時点までに自ら去ったジェダイ・マスターは確認される数は20人ほどであり、「失われし20人」と呼ばれている。ドゥークーがオーダーを離れたとき、彼ら20人を偲んでジェダイ聖堂のアーカイブ(図書館)にブロンジウム製の彼らの像が飾られた。 対立組織であるシスが衰退し他に敵対する強大な組織も存在しないため、この時代のジェダイはフォースの能力を駆使し銀河各地で紛争の調停等を行う交渉者としての役割を帯びていた。古代共和国時代から銀河共和国の首都であるコルサントが本拠地だったため、元老院とのつながりが密になっていたことも大きく関係している。事実『エピソード1』では当時の最高議長の要請で、2人のジェダイがナブーで起こった紛争解決のために派遣されている。この頃に銀河の各地で活動するジェダイの数はおよそ1万人ほどであったが、クローン大戦が勃発するまで銀河では大規模な戦争が起こらなかったため、シスに対する戦闘訓練は軽視され末期には集団戦に対応できるジェダイが少なくなりジオノーシスの戦いの緒戦では多くのジェダイが死亡することになる。 クローン大戦に突入すると、多くのジェダイたちが将軍として各地の紛争地へ派遣された。ジェダイを自分の星に戦いを持ちこむ者として批判する者も少なくなく、戦争終盤には正義を振りかざし人を殺めるジェダイを分離主義者と変わらないと悪印象を持つ者も増えていた。また、ジェダイの中にもジェダイ評議会に不信感を持つ者が増え、大戦中にジェダイ聖堂を去った者や、ダークサイドに転向し共和国やジェダイ騎士団に反抗したり、敵である独立星系連合に内通した者もいる。 戦争が終わり、メイス・ウィンドゥによる最高議長パルパティーン暗殺未遂の一件が明るみにされると、人々のジェダイへの不満は最高潮に達したのだった。元老院議員のほぼ全員がパルパティーンの言葉を鵜呑みにし、ジェダイ抹殺に大喝采が贈られるほどに、クローン大戦後のジェダイの信用は失墜していたのである。 後年、ルーク・スカイウォーカーはこの時代のジェダイについて「滅亡によって美化され神格化されているが、本質は偽善と傲慢である」と評しており、ダース・シディアスによるオーダー壊滅や、ダース・ベイダーの誕生も遠因は彼の師であるオビ=ワンや当時のジェダイ・オーダーにあると批判している。
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