オーダー66 (スターウォーズ)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/07 17:02 UTC 版)
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英語名 | - The Order - Order 66 - Clone Protocol 66 - Operation Knightfall |
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期間 | - 19 BBY - クローン戦争終結時 |
場所 | 銀河系全域 |
別名 | - クローン・プロトコル66 - ナイトフォール作戦 |
種別 | - 最高機密指令 - 緊急用プロトコル |
標的 | ジェダイ・オーダーに所属する全てのジェダイおよびその候補生 |
最初の 通報者 |
CT-5555 "ファイヴス" (射殺による隠蔽) |
関係者 | - シス・オーダー - ジェダイ・オーダー - 共和国グランド・アーミー |
結果 | - ジェダイの大粛清 - ジェダイ・オーダーの崩壊 - パルパティーン皇帝の台頭 |
罪状 | 銀河共和国に対する反逆罪(ジェダイ評議会による組織的な国家転覆の疑い) |
有罪判決 | 逮捕および処刑対象 - 全ジェダイ - 全パダワン - 全イニシエイト - ジェダイの協力者 - オーダー66に違反したクローン・トルーパー |
クローン戦争時の非常時大権のもとで銀河元老院シーヴ・パルパティーン最高議長が発令 |
オーダー66(Order 66)あるいは クローン・プロトコル66(Clone Protocol 66)は、映画『スター・ウォーズ』シリーズ、『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』シリーズ、『スター・ウォーズ: バッド・バッチ』等の新三部作/プリクエル・トリロジー関連作品に登場する共和国グランド・アーミーにおいて、銀河共和国の脅威とみなされたジェダイの抹殺を命じる緊急用プロトコルである。[1]
概要
オーダー66は、全てのジェダイを銀河共和国に対する反逆者と認定し、共和国グランド・アーミーにおける略式処刑の対象とする最高機密指令の1つであった。共和国グランド・アーミーでは、銀河共和国が戦時中の不測の事態に対応できるよう、オーダー66を含めた全150の緊急用プロトコルが設定されていた。[2]
オーダー66発令時において、ターゲットの逮捕および処刑が迅速かつ確実に実行されるよう、共和国グランド・アーミーに所属する全クローン・ユニットの脳内には行動制御用のバイオチップが、あらかじめ胎児の段階で埋め込まれていた。[1]
20 BBY、惑星リンゴ・ヴィンダでの任務中に第501軍団(第501大隊)に所属するクローン・トルーパー CT-5385 "タップ" の行動制御チップが誤作動し、スカイウォーカーと共同任務中であったジェダイ将軍ティプラーを誤って射殺する事故が発生した。
タップの所属する第501軍団(第501大隊)の指揮官キャプテン・レックスは、事故の詳細を解明すべく調査を開始した。キャプテン・レックスは信頼の置ける直属の部下であったARCトルーパー CT-5555 "ファイヴス" に調査を引き継いだ。ファイヴスの積極的な調査により、タップの異常行動はクローンの脳内に埋め込まれたバイオチップによる影響であることが判明した。[3]
バイオチップ誤作動事故が発生したことで、このチップの必要性が各所で議論されたが、この際クローンの製造を担うカミーノアンの主任医療科学者ナラ・セは「遺伝子ホストである賞金稼ぎジャンゴ・フェットの持つ攻撃的特性を抑える役割を持ち、クローン・トルーパーとしての機能維持には不可欠なチップである」と元老院およびジェダイ評議会に説明している。[4]
調査を進めたファイヴスは、証拠として自身の脳内に埋め込まれていたバイオチップを自ら摘出した。彼はやがて埋め込まれた真の目的とシスの陰謀に気づき、摘出した証拠品と共に上官であるアナキン・スカイウォーカーやキャプテン・レックスに対してこの事実を伝えようとした。しかし、オーダー66の計画が事前に判明することを恐れたダース・シディアス(シーヴ・パルパティーン最高議長)は、ファイヴスに対して最高議長の暗殺未遂と国家反逆罪の罪を着せる。その結果、ファイヴスはコルサントでの逃亡の末に射殺されてしまうため、オーダー66の存在が実際の発令まで明るみに出ることはなかった。[3]
行動制御バイオチップは平常時には機能しておらず、クローン・トルーパーを発注したジェダイ・マスター「サイフォ=ディアス」は、共和国への反乱を企てた上官(ジェダイ将軍)に対する武装解除を行うための緊急用としてカミーノアンに埋め込みを依頼した。[5]
サイフォ=ディアスの死後、カミーノにおけるクローン・プロジェクトは彼の友人であったドゥークー伯爵に引き継がれたが、ドゥークーがダース・ティラナスとして暗黒面に堕ちた後には、そのままシスの計画として利用された。[6]本来は緊急時のみに使われるはずであったバイオチップは、シスの陰謀により、ジェダイの抹殺を強制するための行動制御チップとして用いられることとなった。[7]
シーヴ・パルパティーン最高議長(ダース・シディアス)の声によって起動する脳内のチップは、クローン・トルーパーを一時的なトランス状態に陥らせることで自我を一時的に排除し、私情に関係なく命令を強制する効力を有していた。[2]
マインドコントロール
行動制御バイオチップの誤作動による事故後、タップはカミーノのクローニング・ラボに運ばれ、原因解明のために故障したチップの摘出手術が行われた。この手術により、タップは死亡する。
以下はファイヴスとタップの最期の会話である。
"The mission… Free. The mission."(任務解除…)"Brother, what mission?"(何の任務だ?)
"You… you know the one. The-the mission, the one in our dreams… that never ends. The one in our dreams… Oh, brother. This is the end. Forget the mission. Oh, the nightmare. I'm… free."
(お前も知っているはずだ。終わらない夢に出てくる任務。夢の中の…。ああ兄弟よ、やっと終わった。任務は忘れろ。あの悪夢を。俺は自由だ…。)
死の間際、タップはオーダー66のことを「終わることの無い悪夢に出てくる任務」と例えており、長い悪夢からようやく解放されたとファイヴスに言い残して、息を引き取った。
チップの作動中はトランス状態であり、自身の行動と起こった出来事に関しては鮮明な記憶が残らないため、時と共にチップの効力が薄れることで徐々に当時の記憶が蘇ると、かつて信頼関係のあった上官(ジェダイ将軍)を盲目的に殺害したことに苦悩するトルーパーも増加した。
CT-7567 "キャプテン・レックス" は、オーダー66発令時に行動を共にしていた戦友であり、元ジェダイの「アソーカ・タノ」の協力のもと、チップの摘出手術を行なっている。[8]
レックスを始めとする複数のトルーパーは、行動制御バイオチップの摘出に成功しているため、事実上、行動制御チップによるマインドコントロールを回避することに成功している。[8]
クローン戦争中、タップの異常行動に関する調査を行なっていたARCトルーパー「ファイヴス」は死の間際、駆けつけたキャプテン・レックスに対し、全クローンの脳内に埋め込まれた行動制御バイオチップの存在を暗示する言葉を残した。彼の最期の言葉は、後にレックスが陰謀の正体を突き止め、彼を含む複数のクローン・トルーパーがチップを摘出することに大きく貢献した。[3]
また、突然変異による遺伝的な優位性を持つ実験的特殊部隊「クローン・フォース99(不良分隊/バッド・バッチ)」のメンバーは脳内の行動制御バイオチップが正常に作動せず、オーダー66の実行をしていないことでも知られる。[9]
脚注
- ^ a b https://www.starwars.com/databank/clone-troopers
- ^ a b https://www.starwars.com/databank/emperor-palpatine-darth-sidious
- ^ a b c https://www.starwars.com/databank/arc-trooper-fives
- ^ https://www.starwars.com/databank/nala-se
- ^ https://www.starwars.com/databank/jedi-order
- ^ https://www.starwars.com/databank/count-dooku
- ^ https://www.starwars.com/databank/sifo-dyas
- ^ a b https://www.starwars.com/databank/clone-captain-rex
- ^ https://www.starwars.com/databank/clone-force-99-bad-batch
外部リンク
オーダー66
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 01:33 UTC 版)
「クローン・トルーパー」の記事における「オーダー66」の解説
やがて来る戦争に備えて共和国とジェダイ騎士団のためにと、ジェダイのサイフォ=ディアスが独断でカミーノ人に依頼して製造されたはずのクローン軍であったが、当初の依頼主であるサイフォ=ディアスをドゥークー伯爵(ダース・ティラナス)が暗殺してクローン軍計画を横取りしてしまった時点で、すべてはシスの暗黒卿の壮大な計画の手中にあった。 サイフォ=ディアスから計画を引き継いだと言う新たな依頼主となった「ティラナス」なる人物からの秘密裏の要望で、もしも万が一、ジェダイの騎士が暴走・反逆した際の保険として、クローン兵には緊急時に上官たるジェダイを攻撃対象に設定できるようにプログラムされた「バイオ・チップ」が製造段階で頭部に埋め込まれていた。これは、内容が内容ゆえジェダイ騎士団にも秘密にされた上でカミーノのクローン製造上層部は了承したが、カミーノ上層部もこの新たな依頼主「ティラナス」の正体がシスの暗黒卿であるドゥークー伯爵であることにも、共和国の最高議長であるパルパティーンまでもがシスの暗黒卿であることにも全く気付いていなかった。 このバイオ・チップを内蔵されているクローン・トルーパーたちは、大戦の終結時にダース・シディアスの発令した、ジェダイの大粛正「オーダー66」に忠実に従い、銀河に散らばり大戦で疲弊していたジェダイたちを殺害。約1万人いたジェダイは信頼関係を築いていたクローン・トルーパーによりほぼ壊滅させられた。その後シディアスはこの粛正の理由を、ジェダイ騎士団が大戦に乗じて銀河を支配しようと謀反を起こしたためと偽り、共和国制の廃止と新たに自身を皇帝とする銀河帝国の樹立を宣言。帝国の支配体制下で、クローン・トルーパーは帝国軍の兵士として再編された。バイオ・チップの影響でクローンたちはジェダイを共和国を裏切った敵として認識していたが、時が経つにつれて一部のクローンは上官であり戦友であったジェダイを殺害したことに後悔の想いを抱くようになり、バイオ・チップの存在に気付いた者は自発的に除去手術を行う者もいた。 なお、この計画は幾度か未然に発覚する可能性を秘めていた。ダークサイドに堕ちた裏切り者のジェダイ・マスターのポング・クレルは第501大隊のクローン兵士たちによって逮捕・処刑される際に、フォースの予知夢で垣間見たジェダイの滅亡とそれがドゥークー伯爵や分離主義者以外の者の手で行われる光景をクローンたちに伝えていた。第501大隊所属のクローン兵タップはチップの不慮の故障から戦場でジェダイを殺害している。最終的にタップはこの故障が元で死亡し、その事件を追っていた第501大隊ARCトルーパー・ファイブスもパルパティーンの罠にはまり死亡したことによって計画はジェダイに知られることはなかった。この事件はその後もファイブスが死の間際に発した警告の言葉を耳にし、彼らの死に疑問を抱いた第501大隊指揮官のキャプテン・レックスを中心とした一部クローン兵により独自に調査が続行された。レックスと共に調査をしていた第501大隊クローン衛生兵のキックスは真相を突き止めた直後にドゥークー伯爵の罠にはまり誘拐され冬眠状態となり、それから発見されるまでの50年間もの時を冷凍保存された。また、別の事件ではジェダイ独自の調査により、ジャンゴ・フェットに遺伝子提供を依頼したティラナスの正体がドゥークー伯爵であることをジェダイ評議会が突き止める。しかし、この情報が発覚した時点で既にクローンの使用を止めることが不可能な程に戦争が深刻化していたため、ジェダイ評議会と調査にかかわったアナキン・スカイウォーカー以外には、他の多くのジェダイやクローン達を初めとする共和国軍、最高議長を含めた共和国上層部にも詳細は極秘とされた。また、真相が明らかにされた場合クローンが迫害・処分される可能性があった事や、ヨーダを含めた評議会のメンバー全員が命を何度も救われた恩からクローンたちを強く信頼しており、クローンたちと戦友以上の関係を築いていた事もこの情報が部外秘とされる状況を後押しした。この油断こそがシディアスの仕掛けた罠であり、最終的にジェダイは戦友であったクローンにより滅ぼされることになる。 クローン戦争終結の数日前、コマンダーに昇進したレックスは調査を続けていたが最終的にオーダー66の存在にたどり着けずダース・シディアスの命令に従い、元ジェダイのアソーカ・タノ殺害を迫られる。しかし、発動直後、バイオ・チップによる強制力に抗いながら最後の力でアソーカに「ファイブスを探せ」と伝えたことにより、アソーカはファイブスの事件の調査ファイルとレックスの残していた音声ファイルを入手。この情報をもとにレックスを捕縛し、彼の頭部からバイオ・チップを取り除く。直後に第501大隊の襲撃を受け絶体絶命の状況に追い込まれるアソーカであったが、バイオ・チップの影響から解放されたレックスの助けにより命を救われた。その後もレックスとアソーカは第501大隊のクローン達の殺害を避け、スタンモードやフォースで気絶させながらクルーザーからの脱出方法を探っていたが、このクルーザーに拘束され脱走していたダース・モールが機関部を破壊して逃亡したため、クルーザーに残った兵士たちは窮地に追い込まれる。アソーカとレックスは肩などを撃たれて負傷しながらも互いを守りながら逃亡を続け、ギリギリのところでファイターに乗り脱出。墜落によりクルーザーに乗っていた千人を超える第501大隊のクローンたちは全滅し、アソーカとレックスは死を装いオーダー66を生き残った。レックスとアソーカはクローン戦争の3年間を共に戦ったクローンのうち、当時アナキンと共にコルサントの防衛に当たるため別行動を取っていた本隊を除く全員を失い、悲しみの中、墜落現場の前に亡くなったクローン全員を埋葬。自身のライトセーバーをその場に供えて、墜落現場を去っていった。この墜落は、ダース・ヴェイダーにとっても、アナキン・スカイウォーカーの時に心を許せる数少ない仲間であった元パダワンに加え、第501大隊のクローン達の大多数を失ったことを意味した。クローン戦争終結から数年後、ヴェイダーはこの地を訪れ、供えてあったライトセイバーを回収している。
※この「オーダー66」の解説は、「クローン・トルーパー」の解説の一部です。
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