衛星の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 08:39 UTC 版)
情報収集衛星は、光学センサ(近赤外線観測機能付きのいわゆる超望遠デジタルカメラ)を搭載して画像を撮影する光学衛星と、合成開口レーダーによって画像を取得するレーダー衛星との2機を一組として、二組(計4機)の体制により運用されており、将来的に光学衛星4機、レーダー衛星4機、データ中継衛星2機の計10機体制での運用を目指して構築中である(後述)。 光学衛星は、昼間の写真撮影を行う。一方のレーダー衛星は、光学衛星より分解能は落ちるものの、夜間および曇天でも画像取得が可能であり、最新の情報収集衛星の光学衛星の分解能は30cm級、レーダ衛星の分解能は50cm級とされている(後述)。 なお分解能とは「識別できる物体の大きさ」ではなく「固体撮像素子の画素1辺の長さに相当する地上物体の長さ」の事であり、その性能は分解能10mで大きな建物の検出がどうにかでき、5mで建物の存在が判別でき、2.5mで建物の種類の区別がどうにかでき、1mで建物の種類と車の存在の判別ができ、50cmで車の種類の区別がどうにかでき、25cmで車の種類の判別ができ、10cmで1台1台の車について説明ができる程度である。 弾道ミサイルに対する偵察を目的に導入された情報収集衛星であるが、地球低軌道の太陽同期準回帰軌道を1周約90分で周回しながら約4日で回帰して撮影するため、対象の上空を通過した時に弾道ミサイル発射の兆候を捉えることは出来ても、発射の瞬間を捉えて警報を出すことはまず不可能であり、これは静止軌道を周回する早期警戒衛星の役目である。 情報収集衛星の管制・運用は、内閣官房に属する情報機関である内閣情報調査室の内部組織である内閣衛星情報センターにより行われる。衛星は4日で回帰するため、地球上の任意地点を毎日最低1回は観測可能となるよう、二組計4機の体制を構築することが目標とされていたものの、2003年(平成15年)11月のH-IIAロケット6号機の打ち上げ失敗による衛星の喪失と、レーダ1号機及びレーダ2号機の早期故障のために、二組計4機体制の構築は予定より遅れた。2013年(平成25年)4月26日にレーダ4号機の本格運用が始まり、約10年遅れで念願の二組計4機体制が完成した。 各衛星の設計寿命は、当初は5年、光学6号機とレーダ7号機以降は6年で、実証衛星に限り2 - 3年になっているが、レーダー衛星の相次ぐ早期故障を受け、2015年2月1日にレーダ予備機を投入した。これにより実質的に光学衛星2機とレーダー衛星3機の計5機体制となった。 なお、設計寿命を超えて運用が続けられている衛星もあり、2020年11月時点では、光学衛星3機、レーダ衛星5機、データ中継衛星1機の計9機体制となっている。 2015年、内閣衛星情報センターは「撮像時間の多様化及び撮像頻度の向上のため」、従来の4機体制を改め、将来的に情報収集衛星8機、データ中継衛星2機の合計10機体制とすることを検討した。検討では、新たに整備する情報収集衛星4機(光学2機、レーダ2機)を「時間軸多様化衛星」と位置づけ、「関心対象の発見、識別及び詳細監視のために運用」する従来の4機の「基幹衛星」に対して、「基幹衛星により発見、識別した関心対象の動態的な監視(船団や車両群の移動等)のために運用」し、基幹衛星とは異なる軌道で運用するとされた。また撮影データはデータ中継衛星(2機体制)を経由して地上局に送信するとされ、さらに衛星の運用期間を、光学7号機以降は1年延長して6年運用とし、開発期間の繰り下げと打上間隔の延伸によりコストを縮減することも検討された。その後、同年12月8日に開催された宇宙開発戦略本部で、時間軸多様化衛星と運用期間15年のデータ中継衛星を打ち上げること、光学6号機、レーダ7号機以降の光学とレーダー衛星の運用期間を1年延長した6年とすることが決定し、改訂された宇宙基本計画工程表(平成27年度改訂)に盛り込まれた。 2019年12月13日に開催された宇宙開発戦略本部で改訂された宇宙基本計画工程表(令和元年度改訂)によると、2020年度に最初のデータ中継衛星となる「データ中継衛星1号機」を、2025年度に最初の時間軸多様化衛星となる「光学多様化1号機」と「レーダ多様化1号機」を打ち上げる予定である。 2020年6月29日に宇宙開発戦略本部が決定した宇宙基本計画工程表(令和2年度改訂)によると、2027年度に「データ中継2号機」を打ち上げる予定である。
※この「衛星の概要」の解説は、「情報収集衛星」の解説の一部です。
「衛星の概要」を含む「情報収集衛星」の記事については、「情報収集衛星」の概要を参照ください。
衛星の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/04 00:58 UTC 版)
開発・運用機関:日本アマチュア無線連盟(JARL) 形状:47 x 44 x 44cm 長球形 打ち上げ機関:宇宙開発事業団(NASDA)(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA)) 呼び出し符号:アマチュア衛星局8J1JBSとして免許付与。運用開始。 ミッション系諸元:アップリンク回線145MHz帯、ダウンリンク回線435MHz帯(Jモード)。 CW・PSKビーコン周波数435.795MHz(衛星管理の都合で切り替え可能)、送信電力1W。デジタル系中継器(電子掲示板、電子メール)アップリンク周波数145.85、.87、.89、.91MHz(AFSK)、ダウンリンク周波数435.91MHz(AFSK) (JDモード)。データ通信速度1,200bps。 通信機能:音声および電信信号の中継、デジタルパケット信号の中継。 経緯:1997年段階の受信状況は、CWテレメトリ信号が、本来3桁の数字を送出するはずが、3個の長音となった。2000年アナログ系の送信機が短時間停止する現象が発生。停止する時間帯が日陰時や日陰明けであることから、衛星の蓄電池を保護するためのUVC(Under Voltage Controller)機能が動作していると予想された。2005年段階での受信状況は、太陽活動の影響による宇宙放射線の影響を受けたと推測される原因で、アナログのCWビーコンからデジタルモードに切り替わりPSKビーコンが発射された。2008年4月末にて一応の運用終了とされたが、日照の状態などの要因で、ごくまれに送信がされる可能性があり、アマチュア衛星局8J1JBS免許は当面継続。
※この「衛星の概要」の解説は、「ふじ2号」の解説の一部です。
「衛星の概要」を含む「ふじ2号」の記事については、「ふじ2号」の概要を参照ください。
衛星の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/10 06:10 UTC 版)
開発・運用機関:日本アマチュア無線連盟(JARL) 形状:40 x 40 x 47cm の26面体 打ち上げ機関:宇宙開発事業団(NASDA)(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA)) 打ち上げ履歴:1986年8月13日5時45分(JST)に大崎射場から打上げられ,同日6時47分チリで分離確認、同7時5分イギリスのサレー大学でもテレメトリーを受信、同7時38分東京都豊島区のJARL管制局でも受信に成功、JARLでは打上げ成功を記念し「ふじ」と命名。同日夕刻の第8周回目に関東電気通信監理局による検査、及び衛星を介しての実通試験が行われた。(当初は「ふじ」であったが、2号が運用されてから区別するため「1号」となった) 呼び出し符号:アマチュア衛星局8J1JASとして免許付与(1986年8月13日)。アナログ中継器による運用開始。 運用停止:1989年11月5日、電池劣化による。 ミッション系諸元:アップリンク回線145MHz帯、ダウンリンク回線435MHz帯(Jモード)。 CWビーコン・SSB周波数435.795MHz、送信電力1W。デジタル系中継器(電子掲示板、電子メール)アップリンク周波数145.85、.87、.89、.91MHz(MFSK)、ダウンリンク周波数435.91MHz(PSK) 。データ通信速度1,200bps。 通信機能:音声および電信信号の中継、デジタルパケット信号の中継。
※この「衛星の概要」の解説は、「ふじ1号」の解説の一部です。
「衛星の概要」を含む「ふじ1号」の記事については、「ふじ1号」の概要を参照ください。
衛星の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/12 01:57 UTC 版)
開発・運用機関:北海道キューブサット開発チーム(北海道内の衛星開発に興味のある大学関係者及び一般の技術者の集団) 追跡管制運用:北海道キューブサット開発アマチュア無線クラブ(北海道工業大学内アマチュア無線社団局、JR8YJS) 形状:一辺12cmの立方体(Cubesat type)。衛星構体:ロール 6.0 x10-3 kg・m2、ピッチ 6.6 x10-3 kg・m2、ヨー 6.1 x10-3 kg・m2) 質量:2.7kg 打ち上げ機関:宇宙航空研究開発機構(JAXA) ロケット:M-Vロケット7号機(M-Vシリーズの最終機) 打ち上げ履歴:同日15時36分(JST)に同衛星からの電波(モールス符号)が同大学の地上局にて受信され、衛星軌道に乗ったことが確認された。 呼び出し符号:アマチュア衛星局JR8YJTとして総務省総合通信局から無線局免許状交付(2006年8月11日)。運用開始。 通信系諸元:アップリンク回線は145MHz帯。CWテレメトリダウンリンク 437.275MHz 100mW、FMパケットダウンリンクは437.425MHz。コマンド送信はDTMFによる。ミッションデータ送出はFM Packet(AFSK) 1,200bps。モノポールアンテナ(英語版)。 電源系諸元:太陽電池パネル(単結晶、衛星の6 面と傾斜面の7面に配置)の発電量は、軌道上にて平均1.91W、最大値3.36W、最小値0.92W。搭載電池は、一次電池(リチウムイオン一次電池、ヒューズ内蔵タイプ)26.5Whと二次電池(リチウムイオンポリマー二次電池、ラジコン用電池)6.7Wh。充電方式はトリクル充電を採用。電源系制御用CPUとしてH8/3048F。供給電圧は、デジタル機器5V、アナログ回路の各センサ5.5V(三端子レギュレータを使い、5.0Vに落とし電源ノイズを軽減し精度を高める)の2種類。 データ処理系(DH)諸元:スマートメディア(初期姿勢捕捉時の各センサデータおよび定常運用時の温度センサ履歴などの保存、テレメトリ情報の確保、通信系による地上局への送信及び地上局からのコマンド受け取り、各サブシステムへのコマンド送信を行う)。H8/3048Fは電源系、姿勢制御系の管理制御。 姿勢制御系コンポーネント諸元:磁気トルク発生用コイル(磁気トルカ)(磁気モーメント:0.15Am2、時定数:5ms、X,Y,Z の 3軸、パルス幅変調(PWM)による 20段階の出力制御)、磁気センサ(レンジ:±2gauss、分解能:40μ gauss、X,Y,Z の3軸、Honeywell社・HMC2003)、太陽センサ(視野角:スピン軸直交方向:±45度、スピン軸周り:12度、浜松ホトニクスPSD・S3932)、ジャイロ(レンジ:±200deg/s、スケールファクタ:10mV/(deg/s)、静止ノイズ:1mV、シリコンセンシングシステムズジャパン・CRS03-04) 運用内容:(1)太陽指向制御実験、(2)熱設計の軌道上での評価、(3)衛星分離機構の機能確認、(4)衛星通信の基礎データ取得、(5)電源系の充放電サイクルに伴う軌道上での劣化評価。また一般のアマチュア無線家がDTMF信号の組み合わせで自局のコールサインをアップリンクすることにより、CWでコールサインを返信する機能を搭載し、アマチュア無線家の自己訓練・技術的な研究に供する。 経緯:2006年12月31日から短い「食」の期間が発生し、日ごとに食の時間が長くなっており、電力収支が合わずCWを断続して送信している状況。 2007年1月23日以降夕方のパスでFMの運用が出来なくなり、同年2月5日以降は朝・夕パス共にFM運用が出来ない状態。 同朝パスではCWテレメトリ信号によりRTC(内部時刻情報)がクリアされていることが判明。2月15日以降CWを断続的に送信している状況。同年3月1日・7日の朝パスで、CWテレメトリ信号によりRTC情報および温度・電源情報を取得。高度は徐々に下がっており、その時点での高度は、遠地点594kmで近地点276km。 CWテレメトリ情報 HIT-SATは、衛星のテレメトリデータをCWモールス符号により送信する。 HIT-SATは、HIT1からHIT5のテレメトリデータをそれぞれ40秒間隔毎にCWテレメトリ信号を送信する。HIT1 自局呼出符号(JR8YJT) HIT2 絶対時刻情報(x月、x日、x時、x秒) HIT3 各温度情報((1)+X面・(2)-X面、(3)+Y面・(4)-Y面、(5)+Z面・(6)-Z面、(7)無線機温度、(8)バッテリ温度) HIT4 電源情報(1次電池の残量、2次電池の残量) HIT5 アマチュア無線サービス(TNX Callsign1、TNX CallSign2)
※この「衛星の概要」の解説は、「HIT-SAT」の解説の一部です。
「衛星の概要」を含む「HIT-SAT」の記事については、「HIT-SAT」の概要を参照ください。
- 衛星の概要のページへのリンク