グローバル・ポジショニング・システム 各国の衛星航法システム

グローバル・ポジショニング・システム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/29 09:17 UTC 版)

各国の衛星航法システム

概要

GPSは、元来は米軍の軍用システムであり、米国政府の支配下にある。そのため、精度や可用性その他について、また他国や民間における利用に対して、種々の制限を受ける事が過去にもあり、また将来的にも有り得る。そのため、米国のシステム依存からの独立や、自身の利益に適合させる目的で、各国でも独自のシステムを保有、運用しようとする動きがみられる。

それでもGPSは、2010年台において世界中で最も普及している衛星航法システムであり、マルチGNSSを採用した利用者受信機でも、"GPS"が衛星測位システムの代名詞的に総称される場合もある。

GNSSとしての一般化

各国でもGPSと同様、類似したシステムを運用開始している事から、従来GPSが独占してきた分野および用語は、「全地球衛星測位システム、全地球衛星航法システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)」として一般化される事となった。

また、全地球にかぎらず日本の準天頂衛星システム(QZSS)、インドのインド地域航法衛星システム(IRNSS)などの地球的地域限定のシステムも構築されており、これらは全地球型システムと組み合わせて使用する事を想定している。

2020年頃までには代表的なGNSS(GPS、GLONASSガリレオ北斗/Compass)がいずれも全地球的運用開始が見込まれる事から、「マルチGNSS」対応の受信機も開発、利用されている。2015年前後のスマートフォンはGPS/GLONASSマルチ対応の物が多い。

なお以下に列挙する各国のGNSSのほかにも、ナイジェリアトルコなどにも他の衛星ナビゲーションシステムの開発の動きがある。

中国

北斗1は、3機の衛星で構成される実験的な衛星測位システムで、中華人民共和国周辺でのみ使用される。
北斗2は現在構築中で、完成時には35機の衛星で構成される「全地球測位システム」になる予定である。

ロシア連邦

旧ソ連は米国との対抗上、GPSと同様のGLONASS(グロナス)を構築しようとしたが必要な衛星を全て打上げる前にソ連が崩壊してしまい、予算の縮小から衛星打ち上げが頓挫した。ロシアになってから計画が再開され、2005年には再開後初の衛星を打ち上げ、2010年までに24基の衛星を打ち上げる予定とされる。2011年には全世界で測位可能となり、現在は測位精度を高めるためにGLONASSとGPSを併用する受信機が登場している(GLONASS#受信機も参照のこと)。

欧州連合

GPSを使用する上で米国に頼ることを嫌ったEUは独自のGalileo(ガリレオ)を計画、中華人民共和国も計画に参加している(後に離脱)。2005年にはロシアのソユーズロケットを用いて最初のジオベ衛星を打ち上げた。2016年末に全地球運用開始。[24]

インド

IRNSSシステムは、7機の衛星と地上局から構成される。7機のうち3機の衛星は、それぞれ東経34度、83度、132度の静止軌道に配置される予定で。残り4機のうち2機(IRNSS-1A、IRNSS-1B)は軌道傾斜角29度を有する東経55度の静止軌道へ配置される。残り2機は軌道傾斜角29度を有する東経111度の軌道へ配置される予定[25][26]

日本

準天頂衛星システムQuasi-Zenith Satellite System(QZSS)は日本で構築された7機の衛星が交代で待機するシステムでGPSを補完する。

2010年9月11日に技術実証のための準天頂衛星初号機みちびき(QZS-1)が打ち上げられた[27]。その後2017年に2,3,4号機が打ち上げられ、2018年11月1日にサービスを開始した。[28]

なお、2023年までに衛星を更に3機追加し、7機体制での運用を行うことが閣議決定されている。




注釈

  1. ^ ただし、宇宙空間からの電波を利用するため、電波の受信が著しく困難な、トンネル等の地下空間においては、特別な措置を施していない場合には、著しく受信精度が低下するか、若しくは、受信困難に陥る可能性が高い。
  2. ^ ドップラーシフト値を用いると、0.1 m/s以下の精度で速度計測が得られる。
  3. ^ 他に、カーナビでは移動方位センサ、速度発電機や操舵角(ハンドル)センサ等である程度の補正を行うものがある。
  4. ^ (例えば最寄の料理店を検索し電話を掛けて予約する)
  5. ^ 無論、衛星軌道の変更や閏秒実施通知の受け取りなど、指令電波は当然に受けるが、GPS受信機からの電波を受信できる機能は持っていない。

出典

  1. ^ 準天頂衛星システムの歴史 - JAXA。2016年2月20日閲覧
  2. ^ 太陽の見え方が日の出、直上、日没で異なることから理解しやすい
  3. ^ U.S. Coast Guard Navigation Center, "Interface Control Document (ICD 200c)"
  4. ^ GPSと物理 九州大学理学部物理
  5. ^ GPS without limits
  6. ^ Why are there altitude and velocity limits for GPS equipment?
  7. ^ COCOM Limits
  8. ^ [1] Data From the First Week Without Selective Availability
  9. ^ [2] 2000年5月2日4時以降は、それまでの最大100mの誤差が10m程度の誤差に改善されている。
  10. ^ [3] SA解除についての大統領声明 2000年5月1日
  11. ^ [4] SAについてのよくある質問
  12. ^ [5] Office of the Press Secretary September 18, 2007
  13. ^ [6] "DoD Permanently Discontinues Procurement Of Global Positioning System Selective Availability" September 18, 2007
  14. ^ [7]
  15. ^ [8]
  16. ^ 東京新聞特報部「太平洋渡るアホウドリ」、『東京新聞』2009年(平成21年)10月28日(水曜日)、 24面。
  17. ^ 1979年時点でも、100分の1秒の精度が望ましいとされた。地震学会編、1979、『地震の科学』、保育社
  18. ^ 建設機械にGPSなど「防犯」効果 盗難被害激減 2011年2月9日 神戸新聞
  19. ^ ココセコム 高齢者を見守る 警備会社セコムのサービス案内のページより
  20. ^ 毎日新聞2017年2月1日1面・31面
  21. ^ [9]
  22. ^ [10]
  23. ^ 航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器の使用制限について 国土交通省航空局
  24. ^ http://news.mynavi.jp/articles/2016/12/20/galileo/
  25. ^ India’s PSLV successfully launches the IRNSS-1B spacecraft”. NASA Spaceflight.com (2013年4月3日). 2013年4月13日閲覧。
  26. ^ PSLV-C24 IRNSS-1B Presskit
  27. ^ JAXA Quasi-Zenith Satellite System”. JAXA. 2009年2月22日閲覧。
  28. ^ “「みちびき」によるサービス開始について” (日本語). みちびき(準天頂衛星システム). http://qzss.go.jp/overview/information/qzss_181101.html 2018年11月29日閲覧。 




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