音羽館の関係者
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音羽 歌苗(おとわ かなえ) 声 - 小松未可子 本作の主人公の1人。浜音高校に通う女子。高校一年生。16歳(第一期2話の時点)。一人称は「私」。祖母(声 - 定岡小百合)から受け継いだ洋館「音羽館」の大家として、館を切り盛りしている。奏助とは幼なじみで一緒に行動することも多い。 唐突にベートーヴェンとモーツァルトが館に入り浸るようになって以来、続々と現れ、好き勝手に振る舞うクラシカロイドたちに困惑しつつも住人として受け入れている。華族の血を引くお嬢様のはずが、父である響吾が財産を使い果たしたために、慎まやかな生活を強いられており、若くして苦労人。部活動(水泳部)にも勤しんでいる。 しっかり者で真面目な性格であるが、それ故にクラシカロイド達の起こす騒動にいつも頭を抱え、「全員出てけー!」と叫ぶ事もしばしばだが本当に追い出す事はしていない。家賃を払わない上に払う意思すら見せないベトとモツにはもはや呼び捨て、タメ口である。一方、弟を名乗ったワーグナーには極めて甘く「ワー君」と呼び慕っている。 第1期14話では逃げ出したチャイコに代わってクラクラの新メンバーにスカウトされ、本人も乗り気だったがライブ直前に尻込みした為に、デビューする事はなかった(練習段階でも引き攣った笑顔で歌っており、それがショパンの手でネットに流された事で一時期「ギレドル(ブチギレアイドル)」として注目された)。 第2期終盤でショックと怒りで暴走したワーグナーを救う為、クラシカロイド達を説得し彼の元へ向かう。その際ワーグナーが生み出した偽物の歌苗と対峙し、戦いを繰り広げ勝利の後、背中から翼を出しワーグナーのもとにたどり着き和解する等、家族想いな性格が見てとれる。 館は未だ入居者募集中のため、音羽館の世間体を気にしてチラシ配りをする等して行動することも。 神楽 奏助(かぐら そうすけ) 声 - 島﨑信長 本作のもう1人の主人公。浜音高校に通う男子。高校一年生。16歳。一人称は「俺」。妹(声 - 高橋未奈美)と母親(声 - 進藤尚美)がいる。歌苗と共にクラシカロイドに振り回される日々を送り、館に住みこんでいる。アイドルユニット「クラスキークラスキー」の大ファンであり、バージョン違いも含めすべてのCDを集めているほど。特にバダジェフスカが好きなようで、彼女のことを「バダきゅん」と呼んでいる。 あらゆる意味で「普通」の高校生で、かなりのお調子者であるが、幼馴染の歌苗を気遣うなど時折優しい一面も見せる。DTMに熱中したりギターも持っており、将来はビッグなアーティストになりたいという夢を抱く。しかし実際は楽器は殆ど使えず、作った曲を流せば周囲に騒動が起きるほどの音痴で、今のところ才能が目覚める様子は無い。しかし誰の力も借りず自分の力で作った楽曲を、学園祭のステージで歌い(当初の題名は「ぼくは奏助」で、後に「ぼくフツウ」に変更された)、学園の人気者になったことがある。但し、その理由は「訳が分からなくて面白い」ということであり、歌自体は聴く人間がもがき苦しむほど壊滅的だった(その威力は妹を含む何人もを救急車で病院送りにするほどで、ベトは一種のムジークと表現している)。音羽館にいることが多いが、厳密には音羽館の住人ではなく、空き部屋を自分の部屋として使い、機材を持ち込むなどして入り浸っているだけである。ムジークに憧れを抱いており、特に初期は自分も習得するべくベト達にやり方を聞いては真似していた。二期最終話ではムジークを出す為に山で修行をしていたが、音羽館に誰もいなくなり、自分が思い描いていた『音羽館は奏助の居場所だ』などと言われる事が叶わなくなり、「何か違ー!!」と館中で叫んだ末に音羽館のホールのオルガンの鍵盤を叩き、ムジークを発動できた、ととれる描写になっていた(本人のムジークなのかは不明)。ベトに「そんなにぬるま湯が好きか」と言われるも「……うん、好き。ぬるま湯大好きっ!」と答え、「そんな恥ずかしいことを堂々と……」とクラシカロイド達に引かれていた。 クラクラの2人とは第1期8話で面識を持ち、第1期12話ではバダとメールアドレスを交換した。その後、デートに誘ったりしているが特に相手にされておらず、第2期では目に見えて辛辣に接せられるようになる。 第1期最終話(25話)で、UFOに連れ込まれた際に上記の歌を披露したがそれが宇宙人を激怒させ、結果的に地球の危機を招いてしまう。しかし彼なりの視点で宇宙人達の心理を見抜き、地球の危機を救うべくモツのムジークの力で変身し同じく変身したパッド君や歌苗と一緒にUFO内部へ向かった。 「年末特別編」である第2期13話の年忘れ第一回紅白ムジーク合戦ではムジークが使えないにも関わらずトップバッターを務め、「ぼくフツウ」を披露。会場にいた全員を苦しめ、「ある意味、ムジーク以上の破壊力」と言わしめた。 第2期終盤ではクラクラの2人と行動することが多くなったが、二人からはぞんざいな扱いを受けており、バダジェフスカからは名前を「ピョン助」などと間違われ続けている。ワーグナーからも「ショウ助」と間違われていた。パッド君 声 - 石田彰 奏助が常時持ち歩く「人工知能搭載型情報端末」。よく喋る。一人称は「私」。主にムジークの原曲解説やクラシカロイド達の元になった楽聖達の説明をしてくれる。明るい子供のような喋り方で常に敬語だが、本気で怒ると暴言を吐く事もある。 普段はネットでキーワード検索をしたり、動画の閲覧(動画の楽曲内にムジークを検知した場合は閲覧中でも解説をする)、ムジーク発動中の様子を録画・再生する(ただし、録画した時の状況をそのまま記録されているわけではなく、ムジークの力で踊っている人物だけが写るなど一部分のみ)のに使われている。 人工知能としてはかなり高度なアルゴリズムが組まれているらしく、奏助に対して嫌味を言ったり、拗ねたり、自ら情報を探し出して結果を報告することもある。特に機体を汚されると激怒する。しかし、なんだかんだで持ち主の奏助を慕っており、第2期14話では一時的に距離を取った時も奏助を想った発言ばかりしている。 第1期10話でショパンのムジークが失敗して奏助一同がネットの世界に入り込んだ時には、右目を隠すように伸ばした水色の髪の、人間の執事のような出で立ちで現れ、一同を驚愕させた(パッド君曰く「イケメン敏腕執事」)。その時は低く落ち着いた男性の声になり、ジョリーを誘き出す為に偽の招待状を流したり、ジョリーに起きた変化や状況を推論し説明した(その後、奏助達が現実世界に戻ったときには通常の声に戻っていた)。第一期11話では、ショパンがハッシーに餌をやろうとして、じりじりと近づいていたところをけっこうな時間をかけて励ましていたが、宅配便が来たために、あと一歩、というところで最初の位置に戻ってしまい、「馬鹿野郎タイミング考えろバカ!帰れ!」など珍しく暴言を吐いた。「年末特別編」として放送された第2期13話の「紅白ムジーク合戦」では番組内の紅白歌合戦の総合司会として人間の姿で登場し、司会進行を務めた。また、第2期15話では力士の鍛錬を積む音羽館の面々に対し、親方の様に貫禄をもってアドバイスするノリの良さを発揮する。 第1期最終話(25話)ではモツのムジークの力で変身した奏助が乗る飛行機になり、一瞬だけ画面に執事姿のパッド君の表情が表示された。 第2期14話では互いのパートナーに苦労している点でドヴォルザークと意気投合し、新幹線で大阪の新世界や、岡山、熊本などを旅した。(パッド君自身はあくまで情報端末のため、ドヴォルザークの背中の荷物に括りつけられる形で乗車している)また、駅弁や串カツなどの飲食ができない代わりに、写真をSNSに上げることで「食べたつもり」を楽しんでいる。ドヴォルザークの言葉については「カバリンガル」というアプリを起動させることで人間の言語に変換することが可能(ネットから拾ってきたのか自身でアプリを作り上げたのかは不明)。 第2期最終話(25話)でハママツ市の鉄道会社からPRマスコットとして活動を依頼されたドヴォルザークの通訳を務めるべく、赤くカラーリングされたボディに接続機器もなしに自身を転送した。その間、奏助が持っているパッド君のボディは何の反応もなくブラックアウトしたままになっている。ラストシーンではPRキャンペーンを務め終えたドヴォルザークとともに音羽館を再び訪れる形で帰還した。 なお、奏助がパッド君を入手した経緯については一切明かされていない。 音羽 響吾(おとわ きょうご) 声 - 大川透、堀内賢雄(代役) 歌苗の父親。全てのクラシカロイドの生みの親であり、楽しいことが大好きな発明家。「音羽博士」と呼ばれている。歌苗が幼少時の頃から研究に資金を費やした結果、多額の借金を作り行方不明になる。 大幅に盛った話をして、文末に「ウソだけど」と付けて話すことが多く、その発言の信憑性のほどは定かではない。 かつてアルケー社に雇われており、“究極の楽器”を作る研究をしていたが、「一番素晴らしい音楽を作るのものはやはり人間」と言い、人工知能が専門の助手・三弦と共にクラシカロイドを生み出した。本人いわく「適当に混ぜたら出来ちゃった」。最初に作り出したバッハから、「八音」の計画に協力して欲しいと頼まれ「前向きに検討するが、少し時間が欲しい」と答えるも、ベトとモツを連れてアルケー社から逃走してしまう。 クラシカロイドとして生まれたばかりで何も分からないベトとモツに餡入りギョウザを振る舞ったり、しばらくの間は3人一緒にいたが突如、音羽館への地図を残し2人の前から姿を消した。その後、借金取りとアルケー社から逃げるように世界中を転々としている。 第1期終盤ではアルケー社に単身潜入し、「隠していた千円札を回収しにきただけ」と見せかけて三弦が開発を指揮していたオクトヴァにバックドアを仕掛けており、オクトヴァ始動の際に遠隔操作で機能停止させようとした。しかし電気料金を滞納していた所為で電気を止められて失敗してしまい、歌苗に対処を任せた。全ての騒動が収束した後も世界中を転々としているが、以前と違い歌苗とメールのやり取りをするようになり良好な関係に戻りつつある。 第2期終盤ではワーグナーが暴走状態にあることを知り、日本に帰国しようとヒッチハイクを続けているが同じく響吾を探し周っている日芽歌とバッハとはニアミスで出会うことなく単独でハママツ市にたどり着いた様子。競馬場で馬券が外れ騒いでいたところ、世界中を探し回っていた日芽歌とバッハと合流。話し合いのためにアルケー社に出向く。ワーグナーのムジークを封印したのは響吾自身であり、以前から暴走の兆候があったためワーグナーのためを想っての行動ではあったが、全てが裏目に出てしまう。 第2期最終話(25話)では収束後、日芽歌とワーグナーとともに新たな深海の生物の発見を目指し旅に出る。しかし、潜水艇を作るための資金不足からまたも巨額の借金を作ってしまうダメな父親っぷりは相変わらずの様子。 響吾の声は大川透が担当していたが、病気療養のため第2期終盤からは堀内賢雄が代役を務めた。 音羽 日芽歌(おとわ ひめか) 声 - 大原さやか 第2期から登場した歌苗の母親。前髪や目元が歌苗によく似ている。第1期冒頭で置手紙を残して行方知れずだったが突如帰国。音羽館にいるクラシカロイド達と対面した。 置き手紙には「もう耐えられません、家を出ます」と書かれており、第1期では「響吾に愛想を尽かして出て行った」とされていたが、実際は「響吾が家におらず、歌苗が寂しがっているだろうから、美味しいものを作ってあげたい」という理由からアンデスやヒマラヤ、ヨーロッパを歩き渡り、ハチミツを探していたのが失踪の原因であった。その間、移動費やホテル代などのお金は「足りなくなったらカジノとか競馬とかで調達していた」らしく、スーツケースに溢れんばかりの札束がぎっしりと詰め込まれていた(それを見た歌苗が「借金が返済できる位ある」というほど)。しかし、オレオレ詐欺の電話に騙されて有り金全部を詐欺師の銀行口座に振り込んでしまう。モツが仕掛けた廊下のイタズラに「掃除が行き届いている」と思いこむなどどこかずれており、奏助でさえ「悪い人ではないが、どこか浮世離れしている」と言わしめるほどおっとりした人物。少々行き過ぎだが、歌苗の将来を気にして結婚相手を探したり、産んだ覚えがないにも関わらずワタル(ワーグナー)に子供らしい生活の機会を与えようとするなど懐の深い母性の持ち主。 第2期18話終盤で、響吾を探すために再び旅に出た。その後22話でタブレットでワーグナーの様子を見ていたバッハと出会い、2人で響吾を探しに各地を旅しているがニアミスで出会うことなく探し回っている。なお、バッハについては「今度はずいぶん大きな息子ねぇ」とあっけらかんとした様子で受け入れている。 第2期最終話(25話)では収束後、響吾とワーグナーとともに新たな深海の生物の発見を目指し旅に出る。 ハッシー 音羽館に住みついているハシビロコウ。元々は卵のままで山に捨てられていたところを響吾と日芽歌に拾われ、家族として迎え入れられた。 クラシカロイド達が起こす騒動によく巻き込まれ、メイド服を着せられたりなどしているが、自身も結構それに付き合う。みかんやパイナップルを育てている。 第1期21話ではシューベルトが「魔王」のムジークを発動させた時は何故かDJに扮していた。 第1期最終話(第25話)ではベトの力で変身した歌苗が乗る巨大な鳥になり、装飾としていくつかのエンジンがついたスピーカーがつけられていた。 新入りのドボちゃんとは、あまり仲が良くない模様。しかし第2期1話ではドヴォルザークのムジークで現れたカバ型機関車の運転手になっていた。 基本的に音羽館の面々の行動に対して干渉はしないが、第2期15話では音羽館のオルガン裏の秘密厨房で焼き鳥(しかも包装紙にはハッシーの姿がプリントされている)を大量に作られる状況に辟易し、秘密厨房を密かに爆破した。 第2期最終話(25話)の最後にムジークが発動した際にタクトを振る姿が描かれ、実はムジークが使えたとも取れる描写になっているが詳しいことは説明されていない(旅立つ前の響吾が歌苗にハッシーの事を何か伝えようとしていたが、その事なのかも不明)。
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