武蔵野アニメーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 02:22 UTC 版)
「SHIROBAKO」の記事における「武蔵野アニメーション」の解説
丸川 正人(まるやま まさと) 声 - 高木渉、小林裕介(回想) 武蔵野アニメーションの社長。丸刈り頭にメガネをかけ、前歯が無い初老の男性。前身である武蔵野動画の時代からアニメーション制作に関わっていた。アニメーションに関わる前は演劇に携わっており、アニメーション制作では『BUMIN』や『アマゾン白べこ』などの作品に、設定制作などとして関わっていた。現在は現場に直接関わっていない。 劇場版で、武蔵野アニメーションが企画していたアニメ、『タイムヒポポタマス』の制作がスポンサーの降板で凍結した責任を取って辞任し、料理店キッチンべそべそのマスターとなった。 モデルとなった人物について、本作プロデューサーである堀川は、MAPPA創業者・初代社長の丸山正雄であると述べている。 興津 由佳(おきつ ゆか) 声 - 中原麻衣 黒髪、ショートカットで左目に髪がかかった容姿の総務。残業はしない主義。社内の事務や管理を一手に引き受ける、クールビューティ。過去に制作進行を担当した経験を持っており、現場の状況によってはそれを活かして助け舟を出すこともある。 宙を飛ぶタップを物差しで弾き飛ばす反射神経の持ち主。最終回では赤いジュリエッタでパトカーに追われながらも無事に放送局に納品する活躍を見せた。 高梨 太郎(たかなし たろう) 声 - 吉野裕行 金髪にモヒカンといった風貌の制作進行。あおいのほぼ同期だが、1か月ほど高梨のほうが早く入社している。愛称は「タロー」。 根拠の無い自信を持ち若干責任感を欠くことから、無自覚に周囲に迷惑をかけるタイプだが、その短所は周囲からの評価は気にせず自分のペースを常に保てるメンタルの強さにも繋がっている。デスクにはフィギュアを並べ、声優に関心を示すなどミーハーなところがある。ネットスラングなど砕けた口調を相手によらず用いる。 将来の目標は監督、プロデューサーなど。理由は「頭を下げたくないから」本作監督の水島努がモチーフになっている。 『えくそだすっ!』制作時は進捗管理の不備により周囲のスタッフに負荷を掛けたり、指示伝達の不備からセクション間を対立させる事態も発生させたりするなど、トラブルメーカーとしての側面が強かったが、『第三飛行少女隊』制作時には制作進行頭を任され、新入社員の安藤、佐藤に対して指導を行う姿が描かれている。平岡のことを「大ちゃん」と愛称で呼び、一緒に飲みに行き意気投合したのをきっかけに、バディ(相棒)と一方的に決め付けて懐いている。 劇場版ではフリーランスの演出家となり、アニメ企画を持ち込んでいる最中にSIVAの制作に参加する。 矢野 エリカ(やの エリカ) 声 - 山岡ゆり 金髪でツインテールの制作進行。あおい、太郎の先輩であり、時として後輩に仕事のアドバイス、手助けなどをしている。歯に衣着せぬタイプで、上司が相手でも物怖じせずに主張する。父子家庭で、栃木県宇都宮市に実家がある。アニメーションを作る理由について「面白いから」を理由に挙げ、業界には世間的にはずれた人が多く居るが、基本的に善人が多いと認識している。サークル活動もしている様子で、同人誌即売会に参加している。平岡・磯川とは専門学校の同期。 『えくそだすっ!』制作途中、入院していた父親の病状が悪化しており、看病に専念するために休暇の形で戦線を一時離脱。一度復帰したものの、改めて休職。父の病状が安定したことから、『第三飛行少女隊』第5話から制作進行として再復帰。グロス制作を請け負っているタイタニックにヘルプとして入り制作の体制を立て直す一方、降板した演出の代わりに池谷を説得した。その後、逃亡癖持ちで遅筆な池谷をコントロールし、池谷自身が最速ではないかというペースで仕事をさせることに成功している。 劇場版でも父親の病気が長引き休職気味だったが、体調が安定してきたところで仕事に復帰した。 落合 達也(おちあい たつや) 声 - 松岡禎丞 『えくそだすっ!』制作進行。黙々と仕事をこなすタイプだが、仕事ぶりから周囲の信頼は厚い。スタジオカナンの北条から勧誘を受け、『えくそだすっ!』の終了後に移籍する予定だった。しかし、『俺の手作りロボットが思春期で大変です』のスケジュール状況から北条に請われて予定を繰り上げ、『えくそだすっ!』の完成を待たずにスタジオカナンにデスク待遇で移籍した。その影響で、『えくそだすっ!』の最終話があおいの担当となった。アニメーションを作り続ける理由として「最終的に自分が見たいものを作りたい」と語っている。 平岡 大輔(ひらおか だいすけ) 声 - 小林裕介 アンダーリムのメガネをかけた制作進行。『第三飛行少女隊』の製作開始に伴い、社内戦力の補充のため、2月から中途採用で入社した。業界歴5年の間にいくつかの制作会社を転々としており、武蔵野アニメーションは5社目となる。長所は顔の広さ、短所は強引なところと自己評価している。 大学卒業後、アニメの専門学校に入り、専門学校では矢野・磯川と同期だった。専門学校時代は真面目な学生で同期のリーダー的存在だった。しかし、就職した会社では恵まれた環境の中で働くことが出来ず、仕事への情熱を失い、徐々に仕事に対する態度は擦れたものとなっていく。武蔵野アニメーション入社後も周囲に悪態をつくなどしてスタッフとトラブルを起こすこともあったが、丸川やあおいが彼を見捨てなかったこと、酒の席で高梨に心境を吐露しその夢を容認されてからは徐々に前向きな仕事をするようになってきている。 元々の夢は「アニメ作品で初めてカンヌ国際映画祭の『ある視点』部門賞と国際批評家連盟賞を獲ること」だった。かつて野亀武蔵の作品「セーラー服とF3」の原作の愛読者であり、グロス請けの制作進行として同作のアニメに関わった。 劇場版では出向中のフリーランスの制作進行になり、タローの仕事の協力をしている。 佐藤 沙羅(さとう さら) 声 - 米澤円 四角い黒縁のメガネをかけた新人の制作進行。『第三飛行少女隊』制作の年に入社。アニメーション業界外からの転職者であり、幕張のショッピングモールで3年間接客と事務を経験していたが、通勤に時間がかかり、無駄な時間を減らすために自宅に近い場所を選択したと志望動機を語っている。道を覚えることが非常に苦手。 安藤 つばき(あんどう つばき) 声 - 葉山いくみ 髪に黄色のメッシュが入った新人の制作進行。『第三飛行少女隊』制作の年に入社。趣味は同人誌の作成で、30冊ほど発行している。自分の絵の実力ではアニメーターは無理であると判断し、制作進行の道を選んだと志望動機である。アニメーションを作る理由については「好きだから」と語っている。 劇場版ではドロップフィットスタジオに移籍したが、SIVAをムサニが制作していることを知り出向してきた。 本田 豊(ほんだ ゆたか) 声 - 西地修哉 『えくそだすっ!』担当の制作デスク。恰幅のいい外見の男性。肩からカーディガンやセーターなどを羽織っている姿がよく見られる。人柄は穏やかで優秀だが、極度に心配性なきらいがある。口癖は「万策尽きたー!」で、スケジュールが遅れてピンチになる度に発せられる。なおこのセリフはアニメ流行語大賞2014の第13位になった。 ケーキ屋になることが将来の夢で、武蔵野アニメーション在籍時には、休日に自宅で作った物を社内に差し入れたりもしていた。 『えくそだすっ!』制作時、渡辺が納期を理由に最終話の絵コンテの変更を提案したときに強硬に反対するなど、作品に対して強い思い入れを見せている。『えくそだすっ!』完成後に退職。会社近くのケーキ屋「Ourrin(ウルリン)」で働いている。 渡辺 隼(わたなべ じゅん) 声 - 松風雅也 ラインプロデューサー。通称「ナベP」。麻雀好き。職務時間の多くを雀荘で過ごしており、打ち合わせや接待の場として利用している。また、『えくそだすっ!』最終話の絵コンテについて状況を鑑みて、妥協するように提案している。『えくそだすっ!』制作途中から次の作品の原作を求めて動いており、葛城と共に『第三飛行少女隊』の受注に成功。『第三飛行少女隊』ではラインプロデューサーとなっている。 劇場版では武蔵野アニメーションの社長になり、葛城から頼まれたSIVAのラインプロデューサーの仕事をあおいに打診する。 小笠原 綸子(おがさわら りんこ) 声 - 茅野愛衣 武蔵野アニメーションの看板アニメーター。常にゴスロリ服で過ごしているため、社内では「ゴスロリ様」とも呼ばれており、本人もそれを認識している。口数は少なく、無駄の無い所作を見せる。以前はメガネをかけ、TシャツにGパンという装いだったが、初めてキャラクターデザインを任された際に周囲の声に振り回され、全てにいい返事をしていれば良いわけではないと気がつき、自らを守るための「武装」として、現在のような服装となった。「ゴスロリ服」を選択した理由は、その時のキャラクターの服装を真似たため。井口が入社した頃は既に現在のスタイルだった。 『えくそだすっ!』キャラクターデザイン兼総作画監督。杉江の『えくそだすっ!』への参加については杉江を後押しし、第二原画としてその作業のサポートに名乗りをあげている。『第三飛行少女隊』制作時で、 当初、『えくそだすっ!』と同じメンバーで通った企画であるため、キャラクターデザインとしての打診が行われるが、それを辞退。代役として井口を推薦し、戸惑う彼女を説得している。辞退の理由は、『えくそだすっ!』最終話の作業において、原画としての自らの課題が見えたため、改めて自らの原画としてのスキルを磨きたいという希望から。原作者からのリテイクを受け悩む井口には助言を与えている。 学生時代は囲碁部。現在はバッティングセンターを自分のオアシスとしている。なお、絵を描く時は右利きだが、野球においては左下手投げの左打ちである。 劇場版ではフリーランス。原画としてSIVAに参加する。 井口 祐未(いぐち ゆみ) 声 - 沼倉愛美 黒髪のショートカットで、青いふちの丸いメガネをかけたアニメーター。『第三飛行少女隊』で原画6年目。仕事は早く、小笠原と並び、武蔵野アニメーションの看板アニメーターとされる腕前。あるぴんの表情修正の会議では監督にきつい語調であたったり、語彙の選択はアバウトであったりと、比較的砕けた口調で明るく話す。また、絵麻を「安原っち」、小笠原を「綸子はん」などと独特の呼び名で呼んでいる。仕事で初めて描いた動物は「モグラ」。新人のころはウェーブの掛かったセミロングで、服装もフリルのついたワンピースなどガーリィな装いで、小笠原につき研鑽を積んだ。『えくそだすっ!』制作時は総作画監督補。『第三飛行少女隊』制作時はキャラクターデザインに抜擢される。 劇場版ではフリーランスで、別の仕事でも多忙だったため、「キャラデザインだけなら」という条件で参加。 喫煙者。 堂本 知恵美(どうもと ちえみ) 声 - 伊藤静 柔和な笑顔が印象的な動画検査。動画部のチーフとして、動きのチェックを行っており、動画マンの新人育成も担っている。中学生になる息子を持つ母親だが、息子がアニメ業界に入りたがることにはあまり良い顔をしていない。今の仕事を続ける理由について「好きなことを続けているだけ」と語っている。 内田 茜(うちだ あかね) 声 - 高橋李依 ショートカットで、アンダーリムのメガネをかけた原画マン。 杉江 茂(すぎえ しげる) 声 - 小柳基、高橋伸也(回想) 年配のベテランアニメーター。武蔵野アニメーション内では最古参にあたる大ベテランで、前身の武蔵野動画時代から在籍している。妻(作画担当。声:岸本百恵)とは武蔵野動画時代に出会った。社外の子供向けアニメーション『ニャンとワンたろー』の作画を担当している。『えくそだすっ!』の制作には参加しておらず、社内の他のスタッフからは、画風が近年の萌え系作品には合わないと評され、戦力としては期待されていなかった。アニメーターとしての評価は、菅野曰く「天才」、小笠原も一緒に作業することに対し、「勉強させていただきます」と述べるなどその実力を高く評価している。製作班の会議で「社内で期日までに完成させることは不可能」という結論になりかけた『えくそだすっ!』第13話の作画に、あおいからの依頼により参加することになる。その結果、杉江は社内でワークショップを開くようになった。また、自ら壁を作っていた自分に仕事を振り分け、再び社内で活躍する機会を与えてくれたとして、あおいに感謝と自らの態度の反省を吐露している。 劇場版ではフリーランスとなった傍ら、子供たちにアニメーションの絵を動かすイベントの主催し、あおいたち5人に協力をお願いする。SIVAでは動物登場のシーン原画を担当する。 本作プロデューサーである堀川は、「デザインは髭を剃った森やすじ。劇場版では髭を生やしており、よりそれっぽく見える。」と述べている。 久乃木 愛(くぬぎ あい) 声 - 井澤詩織 こげ茶でパーマのかかったショートカットのアニメーター。『えくそだすっ!』では動画を担当していたが、『第三飛行少女隊』では原画マンに昇格した。人と話すことが極端に苦手で、話し掛けられるとパニックに陥り会話の最初の一文字しか喋れず、新人指導役になった絵麻が第三者との対話の際には間に入る形になっている。カット袋のコメントなどでは普通に文章を書いていることを確認できる。物語の進行に伴い徐々に自立する姿勢を見せ、終盤ではたどたどしい口調ながらも絵麻以外のスタッフと会話を行っている。アニメーションを作る理由を「さが」であると答えている。 劇場版ではフリーランスとなり、絵麻と同居している。 堀田 光(ほった ひかる) 声 - 北沢力 アニメーター。原画マン。再放送されていた『超飛空要艦マジダス』に憧れ、アニメーターを目指すようになった。3Dによる作画を、「味も情緒も無い」「絵を描く楽しみが無い」と評価しており、自分は生涯手書きアニメーターである、と決意を語っている。 新川 奈緒(しんかわ なお) 声 - 日野まり 茶髪で、オーバルフレームのメガネをかけた色指定・検査。 『えくそだすっ!』第3話の完成のために4話の作業を止めてスタッフを割り当てたことについてあおいを呼び出し、後ろの工程ではそれ以上の負担や遅延が発生する以上、断るべきときは断る判断も必要だと叱るなど、時として厳しい姿を見せるが、当人に仕事への理解を促すためである。反面、不測の事態に余裕をなくしているあおいに大丈夫だから落ち着いて作業すれば大丈夫だと声を掛けるなど、面倒見のいい様子も見られる。この職業に就いたきっかけを「子供のころから塗り絵が好きだったから」と語っている。 下柳 雄一郎(しもやなぎ ゆういちろう) 声 - 間島淳司 3D監督。温厚な性格で、人当たりもよい。 『えくそだすっ!』第8話の最終シーンの作業時に、本来の作業に加え、作画監督の遠藤の負担を考えて作画の参考資料として爆発エフェクトを加えた参考映像を作ったことから遠藤とトラブルになるも、『伝説巨大ロボットイデポン』展で意気投合したことをきっかけに蟠りも解消され、仕事の話を含めて交流するようになった。 高橋 球児(たかはし きゅうじ) 声 - 田丸篤志 劇場版から登場の制作進行。明るい性格。 その他のスタッフ 向井 優地(声 - 石川賢利)、3Dクリエーター。佐倉 良樹(声 - 高梨謙吾)、撮影監督。橋本 雄也(声 - 村田太志)、原画マン。清野 守(声 - 浜添伸也)、原画マン。
※この「武蔵野アニメーション」の解説は、「SHIROBAKO」の解説の一部です。
「武蔵野アニメーション」を含む「SHIROBAKO」の記事については、「SHIROBAKO」の概要を参照ください。
- 武蔵野アニメーションのページへのリンク