製作開始
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:16 UTC 版)
「銭形平次 (大川橋蔵)」の記事における「製作開始」の解説
橋蔵は「映画、演劇、テレビの三つをやってきたいというのがボクの長年の夢でした。演劇の方は年に二回、東映歌舞伎を演らせてもらっているし、今度のテレビで三つの懸案がやっと実現できました。この頃はファンレターの中にもボクのテレビ出演を求めて来る人が目立って多くなって来てるし、時期としても今がいちばんいいのではないか思って、今回の話を承諾しました」と話した。テレビ初出演の初陣を迎えるにあたっては、「劇映画では長谷川一夫さんがおやりになって、見る側からいえばそのイメージが多分に残っていると思う。しかしボクはボクなりの"平次"をやっていきたいとハリキっています。原作では影の薄い恋女房のお静(八千草薫)を前面に押し出して構成、これまでとは違ったものをお見せできる。ボクのファンは家庭婦人が多く、今回のテレビ出演は大きなプラスになると思う」などと抱負を述べた。また「ボクは『0011ナポレオン・ソロ』のファンなんで、あれもいってみれば捕物帳ですし、ああいうスピーディな動きと新しいアイデアを取り入れてみたいです」などと抱負を述べた。 高橋久仁男は『銭形平次』は人気が出るまでに1年とふみ、契約も珍しい1年という長期のものにしたところ、当時の橋蔵ブームに恵まれてかスタートから1位という「思いがけぬ成績」で驚いたという。以降もずっと一年契約の延長で、毎年この一年で終わるという考えだったという。"銭形平次"は長谷川一夫イメージが強く苦戦も予想されたが、スピーディな演出等が受け入れられ高視聴率をマークした。高橋は長期に渡る人気の秘密を「野村胡堂の原作と目新しさこそないものの、平次の持つやさしさが、夜八時という家族揃ってテレビを見る時間にすんなり受け入れられた」と話している。 原作者の野村胡堂はこの捕物小説を書くのに四つの原則をもっていた。 侍の肩を持たない。むしろ横暴徹底的にやっつける。 町人や農民の味方になる。 罰することだけが犯罪の解決ではあるまいとの哲学を貫く。 明るい健康な作品にする。 橋蔵はこの四原則にほれこんだ。銭形平次は長谷川一夫のイメージが色濃く残っていた為、橋蔵は当時「長谷川先生とは違った面を出すのに苦労致しました。その為には若さを打ち出し、立ち回りを派手に取り入れるほかはないと思いました」と語っていた。
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