晨光学院町田高校職員
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蓮実 聖司(はすみ せいじ) 演:伊藤英明 主人公。32歳。愛称は「ハスミン」。私立晨光学院町田高校で英語科兼生活指導部を担当する教師。文系クラスである二年四組の学級担任と、ESS(英会話部)の顧問も務める。 女子生徒による親衛隊が出来るほどの絶大な人気を誇り、他の職員やPTAの間でも信頼が厚い。細面の容姿端麗で、英語が堪能。過去の経緯から格闘技やブレイクダンス、心理学にも精通している。七国山緑地の老朽化した平屋の日本家屋(借家)で一人暮らし。通勤にはダイハツ・ハイゼットを使っている。授業では、正解なら「Good!」、さらに良ければ「Great!」、秀逸な答えならば「Excellent!」、心底感動するほど素晴らしい場合は「Magnificent!」と生徒を評価している(ただし、「Magnificent!」は滅多に使用しない)。 格闘技を含むスポーツもでき頭脳明晰だが、その正体は決定的に他者への共感能力に欠けたサイコパス(反社会性人格障害)。自分にとっての邪魔者(自分に不快感を与える者、自分の過去の悪事および「裏の顔」を追及・暴露しようとする者)は例え家族や子供、更には動物問わず躊躇せず簡単に殺害するサイコキラー。 ビニール袋に砂を入れて作ったブラックジャックをよく使用する(こめかみを狙って叩きつけることで人を気絶させることができる)。 上機嫌になると『三文オペラ』の劇中歌「メッキー・メッサーのモリタート(殺人物語大道歌)」を口笛で吹く癖がある。文化祭の大量殺人以前にも三十人以上の人間を殺害している。綿密な計画を練った上で犯行に及び、徹底した証拠隠滅を図っているからか警察からはノーマーク。少なくとも小学生時代からクラスメイトに卑猥な行為をする、片桐怜花や小野寺楓子、柏原亜里といった美少女を「コレクション」と称して自分のクラスに迎え入れる、養護教師の田浦潤子や教え子の安原美彌と関係を持つ等性的に逸脱した面もある。 生まれついての天使の様な容貌と、悪魔らしく腹黒い策略家の面を併せ持っており、幼少期から凶悪な事件を引き起こしていた。14歳のとき、息子の殺人鬼としての本性を知った両親を強盗の仕業に見せかけて殺害。京都の母方の叔父へ引き取られ、京都大学法学部へ入学するも、わずか1ヶ月で中退しアメリカのハーバード大学へ留学。この時知り合ったチェンバースとともに何件もの殺人を明かした。またこの時に銃器の扱いに精通した。大手投資銀行でトレーダーとして才覚を発揮したが、正体を見破られ2年余りでアメリカを追放される。この時自分を追放したジミー・モルゲンシュテルンを殺すために再びアメリカに舞い戻ることを決意する。その後、教職に就いていた従妹の薦めで「特別免許状」を得て都立高校に教諭として奉職。同高校で起きた、生徒の連鎖自殺事件の後に晨光町田高校へ転任、現在に至る。 教師となったのは自分にとって都合のいい「理想の王国」を創るためであり、容姿の優れた女子生徒欲しさに問題児を代償として引き取った結果、二年四組は歪なクラスとなった。片桐怜花からは自分とは決して相容れることのない存在と直感的に見抜かれ、他の教職員の誰よりも恐れられている。 自身の犯行が露呈することを避けるため、文化祭前夜に学校に残っていた二年四組の全生徒四十人を散弾銃で銃殺し、証拠も隠滅したと思われたが、怜花と夏越雄一郎のみ死体を利用することで生き延びていた。加えて、受け持ちの生徒が使用したAEDの録音機能が証拠となり警察に現行犯逮捕された。連行される際、自分の行った虐殺について、二年四組の生徒たちは全員悪魔にとり憑かれていて、神の意思で殺害したと告白する。 実写映画版では警察に連行される際、「芝居」を見破った怜花に対して「Magnificent!」と評価する。 漫画版ではその後も描かれ、最高裁で心神喪失が認められ死刑を回避し禁固二十五年の判決を受けた。さらにラストの数年後には成長した怜花が外出しているときに蓮実らしき人物が目の前に現れている。 酒井 宏樹(さかい ひろき) 演:篠井英介 教頭。根っからの小心者。管理教育の権化で責任回避と隠蔽に長けており、蓮実の問題解決能力に全幅の信頼を置いている。愛車は銀色のレクサス・IS。禁煙中だったが、ある事故で愛車が大破したときには吸殻を灰皿に大量に積み上げた。事件後は行方をくらましている。 「序章」では出張中で登場せず、彼の役回りは灘森校長が兼ねている。 真田 俊平(さなだ しゅんぺい) 演:山中崇 28歳。数学科の教師兼二年三組の担任。軟式テニス部の顧問。スポーツマンらしい長身と少年の様な甘い顔たちの爽やかな印象の熱血漢。生徒達の人気投票では蓮実に次ぐ不動の二番手に位置する。酒に非常に弱い。愛車は黄色のマツダ・RX-8。 「一人も落ちこぼれを作らない」を信念にしており、他の教師には批判的な早水圭介も彼には信頼を寄せていた様である。学校に“影の支配者”が存在することを薄々感じており、それを察知した蓮実に酒酔い運転による人身事故の濡れ衣を着せられ、免職となり学校を去った。原作のラストでは怜花と雄一郎と喫茶店で対面する場面が描かれている。 映画版では白衣を着ており、登場するものの彼に関するエピソードは省略されている。 田浦 潤子(たうら じゅんこ) 演:高岡早紀(序章)小島聖(映画版) 養護教諭。緩やかにウェーブした髪とうるんだ瞳を持つ、妖艶な容姿と裏腹に豊かな母性を有した女性。夫は十五歳年上で、大企業の部長職に就いている。欲求不満の捌け口に、早水圭介を始めとした男子生徒や蓮実と肉体関係を有している。作中、最初に名前が登場した人物でもある。 実写版では圭介など肉体関係の一部は省かれている。 水落 聡子(みずおち さとこ) 演:中越典子(序章のみ) スクールカウンセラー。国立大学の大学院を卒業したばかりの臨床心理士。経験は浅いものの生真面目で融通が利かない性格の持ち主。ショートカットヘアに薄化粧と清楚な印象の若々しい女性で、蓮実や真田から好意を寄せられている。 序章では当初こそ蓮実に好意を抱いていたものの、彼が作成していた生徒相関図を見て徐々に彼の本性へ迫っていくこととなり、最終的に殺害されてしまう。 園田 勲(そのだ いさお) 演:高杉亘(序章のみ) 体育科教師で生活指導担当。空手部の顧問。黒いジャージ姿が常の威圧的な巨漢で、数多ある綽名の一つは「熊殺し」。昔気質の強面で体罰に頼る傾向が強いが、武闘家らしく自他に厳しく情に厚い生徒思いの教師である。体育大学の学生時代、空手道の全国大会で優勝経験がある。怜花からは「暴力を究めるという奇怪な目標のために生き、躊躇わず素手で人を殺すことができる」と評され、恐れられている教師の一人。 惨劇の夜、食中毒で入院する羽目になった猫山に代わって宿直を担当し、蓮実との乱闘の末に殺害される。 映画版では登場しないため、蓮実に殺されることはなく生存している。また、一部の役割は柴原が担っている。 柴原 徹朗(しばはら てつろう) 演:山田孝之 (実写映画版) 体育科の教師兼生活指導部の教員。チンピラが間違って教師になってしまった様な下劣な人物(いわゆるモンスターティーチャー)で、生徒はおろか同僚からも評判は極めて悪い。臙脂のジャージ姿で竹刀を常に携帯しており、下品な内面が滲み出た容貌の持ち主。綽名は「変態マントヒヒ」。蓮実からは「性悪の日本猿」。すぐに暴力に訴えるものの、屈強な園田には媚び諂う等、根は小心者。女子生徒を脅迫して肉体関係を持とうと目論むが、蓮実に阻止されたため彼を恨んでいる。2年4組の吉田桃子とは肉体関係にある。 惨劇の夜では桃子と性交渉するために学校に潜り込んでいたが、2年4組の生徒らに犯人と勘違いされてリンチを受け、その直後に蓮実から身を守る盾にされ、蓮実の謀略により高木が放った矢によって首を射抜かれ殺害される。 実写版では剣道部の顧問。基本的に粗暴な性格であることは変わらないが、ドラムの演奏が得意なことから一部の生徒に一目置かれており、生徒にジュースを奢るなど、面倒見のいい一面も描かれており、釣井同様に原作よりは良心的な性格になっている。惨劇の夜に異変に気づくも、蓮実に隙を見せてしまい銃殺される。また、映画版には登場しない園田の役割も兼ねている。 高塚 陽二(たかつか ようじ) 演:岩原明生 英語科の教師。無類の甘党で、肥満体型。そのため生徒からは「ヘビー・メタボリック」を略して「ヘビメタ」と呼ばれるが、本人はヘヴィメタルの略称だと思って喜んでいる。無類の音楽好きで蓮実に一貫して好意的。趣味のブログで学校絡みの日記を公開している。 釣井 正信(つりい まさのぶ) 演:吹越満 五十代半ばの数学科の教師。1970年代に大量採用された所謂「でもしか教師」の中でも最悪の部類に入る教職員。綽名は「ツリー」。冴えない容貌の持ち主で、授業は学級崩壊寸前な上に生徒達から陰湿な嫌がらせを受けている(主犯格の蓼沼将大は1年生の時の受け持ちの生徒で、柚香によると1年の時、無実だったのにも関わらず生徒の金を盗んだと決め付けたことがあった)。怜花と蓮実によれば「泥に塗れ沈黙する巨大な鰐」。生徒にほとんど関心を寄せないが、自身の本性を見抜き恐怖する怜花には興味を抱いた。 常に陰鬱な空気を纏っており、痰が絡んだ覇気の欠片も見当たらない関西弁が特徴的だが、実際には危険な本性を隠し持っており、かつて校長の灘森と不倫関係にあった自身の妻を殺害し、自宅の床下に埋めている。それ以来は精神的な疾患に悩まされ、抗うつ薬が手放せない。灘森の弱味を握っていることで、学校の裏の支配者となっていたが、ある経緯から蓮実の経歴を調べ上げ真実に迫るも、それを察知した蓮実に電車内で自殺に見せかけて殺害される。 実写版では八木沢克也の設定が流用され、物理科の教師でアマチュア無線部の顧問兼圭介の所属する二年一組の担任も務めており、原作では無かった圭介との対話シーンが随所に追加されている。また、関西弁ではなく標準語で喋る。蓮実と頻繁に接触する聡子に彼の危険性を知らせる、聡子に執着する理由を「私なりの罪ほろぼし」と述べる等、原作よりも良心的な性格に変更されている。 猫山 崇(ねこやま たかし) 生物科の専任教師。二枚目俳優のような整った顔立ちだが、小動物の骨格標本作りが趣味で、声と態度が不気味なことから、生徒からは「猫祟り」と呼ばれる。独特の笑い声とイントネーションが特徴的。片桐怜花曰く「無害かつ無益」。 自らの出城である生物・化学実験室には蓮実がよく出入りしている。本人は気付いていないが、度々蓮実に殺害されかけるも危うく難を逃れている。なお、実写版には登場しない(ただし、教員のリストには名前が載っているため、存在自体はしている模様)。 堂島 智津子(どうじま ちづこ) 演:池谷のぶえ 国語科の教師。四十代後半の小太りのベテラン教師。偏狭なまでにジェンダー教育に熱心で、ヒステリックな言動が目立つ。理事長の遠縁に当たり、周囲からは敬遠されている。蓮実を目の敵にしているが彼の謀略により車に撥ねられ重傷を負い、職場復帰の道を絶たれた。 映画版では登場するものの、彼女に関するエピソードは省略されている。 久米 剛毅(くめ たけき) 演:平岳大 美術科の教師。美術部の顧問。長身痩躯の芸術家らしい風貌と超然とした態度から、教職員の中でも異彩を放っている。実家は居酒屋チェーン等を経営する昔からの大地主で資産家。市内に個人所有のマンションが点在しており、都会的な洒落た装いでクレー射撃が趣味。愛車は黒色のポルシェ・ケイマン。同性愛者であり美術部生徒の前島雅彦と恋愛関係にあることを蓮実に知られ、それをネタに度々脅迫されマンションや車を提供させられるなど散々食い物にされた挙句、惨劇の夜には犯人に見せかけて殺害される。 灘森 正男(なだもり まさお) 演:岩松了 校長。恰幅の良い日本人離れした風貌こそ立派だが、日和見の事なかれ主義者で演説は退屈。かつて釣井の妻と不倫関係にあり、その時の諍いから釣井に弱味を握られている。事件後は精神病院に収監されている。 その他の教師 大隅 康文 - 数学科の主幹。晨光町田では最も人格者と言われている人物で温厚篤実な性格の持ち主。 北畠 洋子 - 二年五組の担任。四十代半ば。英語教師。真面目な性格で生徒たちからの人気はあるものの気が弱く、男子生徒に厳しく接するのが苦手で蓮実がよく援助する。 桜木 正道 - 二年六組の担任。日本史教師。定年間近のベテラン教師だが、釣井同様の「でもしか」教師で残業は一切しない。女子生徒を好色な眼差しで見ている小心者。 八木沢 克也 - 物理教師。アマチュア無線部の顧問を務める。携帯電話を利用した集団カンニングを防ぐために、酒井教頭の命を受けた蓮実に唆され、違法な妨害電波を校内に流した。映画版では登場せず、一部の設定が釣井に流用されている。 竹本 晋太郎 -三十代の化学教師。真田や蓮実の次に若い。オンラインゲーム中毒者で学校では常に眠そうにしている。 広瀬 清造 - 理事長。 小林 真弓 - 音楽教師。 井原 恒 - 古典の教師。春風駘蕩といった穏やかな人物。 牛島 - 剣道部の顧問。
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