象牙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/06 09:57 UTC 版)
材質が美しく加工も容易であるため、古代から芸術や工芸品や製造業において、象牙彫刻、義歯、ピアノの鍵盤、扇子、ドミノなど、様々な物を作るために重宝されてきた。そのような用途では、動物の牙のうち象牙が最も頻繁に使われてきたが、マンモス、セイウチ、カバ、マッコウクジラ、シャチ、イッカク、イボイノシシなどの牙も使用されてきた[1][2]。なお、エルクには2本の牙の歯があり、これは祖先の牙の名残と考えられている[3]。
象牙は英語圏では「アイボリー」と呼ばれ、古代エジプトのâb、âbu(「象」)から、ラテン語のebor-またはeburを介して派生した語句である[4]。「アイボリー」という語句は、象牙以外にも、彫ったり削ったりするのに十分な大きさの商業的に関心を持たれている哺乳類の歯や牙を表す総称として使用されることがある。これは、哺乳類の歯や牙の化学構造は原種を問わず同じであり、象以外の哺乳類の歯や牙の取引が広く行われているためである[5]。
アフリカゾウやアジアゾウなどの絶滅危惧種の象牙の国内外での取引は違法である[6]。
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