映画 映画作品の基本要素

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映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/23 14:26 UTC 版)

映画作品の基本要素

「日本映画の父」と言われた牧野省三によると、映画には三要素があるとのことで、『スジ・ヌケ・ドウサ』の順である、とした。スジは脚本、ヌケは映像美、ドウサは役者の演技を指す[31]

一方、ブリタニカ国際大百科事典小項目事典の「映画」の項目の解説では、「映画はシナリオ演出カメラ・ワーク編集の四つの基本となる要素を組み合わせて制作される。」と、4つの要素を挙げている[32]

原作との関係、文字による芸術との関係

映画は、もともと映画のためだけにプロット(筋書きのエッセンス)が書かれ、映画のためだけに脚本が書かれることが多いが、あらかじめ小説などがあり、後から「映画化」が行われることもある。また(あまりそうした国は多くないが)日本やアメリカなど、漫画コミックがさかんな一部の国では、漫画やコミックを原作として映画がつくられることがある。

原作となる文学作品がある場合

小説のような文字による芸術と、映画という映像(や音響)による芸術は、それぞれ特性が大きく異なっている。(文字だからできること、反対に文字には不向きなこと、映像だからできること、反対に映像には不向きなことがある。)文字を用いた芸術と映像を用いた芸術は いわば「まったく 別物」なので、古典文学を原作として映画化を行うことは、さまざまな困難がともなう。

たとえばジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『アンナ・カレニナ』では冒頭の「幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある」(望月哲男訳)に相当する部分は、映像では表現することはあきらめ、結局、文字で示さざるを得なかった。

沼野充義は「単純にスローガン的に、文学を原作にした映画の効用」として3つあげている[33]

一つは「原作と違うといって文句を言える」こと。
二番目に「文学では見てはいけないものを映画にすると見ることができる」ということ。例えば、ワレーリイ・フォーキン監督 『変身』など、カフカが映像化したくなかったかもしれないものを映像化している。
三番目は「読み切れない作品を二時間程度で読んだ気になれる」ということ。例えば『戦争と平和』などは3時間あるが、絢爛豪華な歴史世界を映画で見ることができるし、いつか原作を読もうという気持にさせる。

一般的には、原作をできるだけ忠実に映像化しようと試みた映画作品は、映画作品としては評価が低くなりがちで、その反対に『砂の器』やジャン・ルノワール監督の『ピクニック』など、原作とは異なる内容の映画作品や、短編小説を原作とした映画作品(つまり、原作はせいぜい「きっかけ」や「結晶の核」として用いて、原作とは距離を置いて、文学作品の大部分の要素は思い切って切り捨てたり、変えてしまい、映画という独特の技法の側の都合を(最)優先させた映画作品)のほうが「名作」とされることが多い。

脚注

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  1. ^ 『岩波国語辞典第三版』岩波書店、1983年、『広辞苑第六版』岩波書店、2008年他。
  2. ^ 1911年『第七芸術宣言』(リッチョット・カニュード)
  3. ^ ダグロン原著、柳河楊江訳述、柳川春三訳『写真鏡図説』1867年
  4. ^ a b c d e Larousse
  5. ^ ギリシア語ラテン翻字: kinein
  6. ^ 「学問のしくみ事典」p246-247 VALIS DEUX著 吉村作治監修 1996年1月20日初版発行 日本実業出版社
  7. ^ 「新版 ハリウッド100年史講義 夢の工場から夢の王国へ」p22 北野圭介 平凡社新書 2017年7月15日初版第1刷
  8. ^ 「学問のしくみ事典」p246-247 VALIS DEUX著 吉村作治監修 1996年1月20日初版発行 日本実業出版社
  9. ^ 「新版 ハリウッド100年史講義 夢の工場から夢の王国へ」p28-32 北野圭介 平凡社新書 2017年7月15日初版第1刷
  10. ^ 「学問のしくみ事典」p246 VALIS DEUX著 吉村作治監修 1996年1月20日初版発行 日本実業出版社
  11. ^ これらはアメリカにおいて広く鑑賞されたが、日本にも数多く輸入され、特にホームドラマは日本の生活文化に無視できない影響を与えた。ただし、この種のものが今日の日本で新しく撮影・製作されることはまれである。
  12. ^ これらの作品は、劇場では公開されずに、直接ネットにより配信される。Netflixでは、ストーリーのある作品のうち、複数エピソードにわたるものを「テレビ番組・ドラマ」(英語ではTV Shows)と呼び、1エピソードだけのものを「映画」(英語ではMovies)と表記しているため、Netflixの"オリジナル映画"のほとんどは、日本では単発ドラマあるいは二時間ドラマのジャンルに属する、テレビ映画であるとも言える。これらの"オリジナル映画"が映画祭に出品されることが増えて論議を引き起こしている。カンヌ映画祭では、これらの"オリジナル映画"を審査対象から外すため、2018年度からはフランスの映画館で上映された作品のみを審査対象とすると決定し論争となったカンヌ映画祭のネットフリックス作品除外で論争続く” (2017年5月18日). 2017年11月11日閲覧。
  13. ^ デジタルシネマを支えるNTTの技術
  14. ^ 「世界地誌シリーズ5 インド」p75 友澤和夫編 2013年10月10日初版第1刷 朝倉書店
  15. ^ a b c 「今夏の売上は好調:映画業界は不況にもファイル交換にも強い?」WIRED VISION、2008年9月3日付配信
  16. ^ 西周成著『映画 崩壊か再生か』、アルトアーツ/星雲社、ISBN 978-4-434-15949-7、2011年、41-42頁。
  17. ^ a b UIS Statistics”. UNESCO Institute for Statistics. UNESCO. 2019年5月3日閲覧。
  18. ^ INDIAN FEATURE FILMS CERTIFIED DURING THE YEAR 2018”. Film Federation of India (2018年8月31日). 2019年5月3日閲覧。
  19. ^ a b c d Statistics Of Film Industry In Japan”. Eiren. Motion Picture Producers Association of Japan. 2019年2月11日閲覧。
  20. ^ Mexican Film Institute. (2017). Statistical yearbook of Mexican Cinema. Mexico City: Mexican Film Institute.
  21. ^ Percentage of GBO of all films feature exhibited that are national”. UNESCO Institute for Statistics. 2019年5月7日閲覧。
  22. ^ McNary, Dave (2019年1月3日). “2018 Worldwide Box Office Hits Record as Disney Dominates” (英語). Variety. https://variety.com/2019/film/news/box-office-record-disney-dominates-1203098075/ 2019年1月22日閲覧。 
  23. ^ a b c d e f g Leading film markets worldwide in 2018, by gross box office revenue (in billions U.S. dollars)”. Statista. 2019年3月24日閲覧。
  24. ^ “Another Record Year for China's Box Office, But Growth Slows”. Caixin Global. Caixin. (2019年1月2日). https://www.caixinglobal.com/2019-01-02/another-record-year-for-chinas-box-office-101365697.html 2019年5月6日閲覧。 
  25. ^ Value of the film industry in India”. Statista (2018年). 2019年5月6日閲覧。
  26. ^ a b c d e 2017 THEME Report”. MPAA. Motion Picture Association of America. 2019年5月7日閲覧。
  27. ^ “German Box Office 2017: Revenues Rebound to $1.2 Billion”. The Hollywood Reporter. (2018年1月4日). https://www.hollywoodreporter.com/news/german-box-office-2017-revenues-rebound-12-billion-1071532 
  28. ^ Culture: Feature films”. UNESCO Institute for Statistics. 2019年5月7日閲覧。
  29. ^ 1本の映画を制作するために関わっている主な職種とは?”. 東京映画・俳優&映像芸術専門学校. 2020年8月9日閲覧。
  30. ^ ハイビジョン特集 カラー映像記録 よみがえる昭和初期の日本 - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
  31. ^ 京都市メディア支援センターマキノ省三先生像
  32. ^ 『ブリタニカ国際大百科事典小項目事典』、「映画」
  33. ^ 『やっぱり世界は文学でできている』(光文社p.115f)。





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