メジャーリーグベースボール テレビ放映権

メジャーリーグベースボール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/01 04:09 UTC 版)

テレビ放映権

自前のチャンネルを持っているチームと放映権料[101]
チーム 放映権料 収益年
ヤンキース 9000万ドル 2011年
メッツ 6500万ドル 2012年
レッドソックス 6000万ドル 2012年
オリオールズ 2900万ドル 2012年
ナショナルズ 2900万ドル 2012年
配当が契約に含まれているチームと放映権料[101]
チーム 契約
エンゼルス 総額25億ドル
2013年 - 2028年、持ち株比率25%
レンジャーズ 総額30億ドル(1億ドルの契約ボーナス込み)
2015年 - 2034年、持ち株比率10%
アストロズ 総額32億ドル
2013年 - 2032年、持ち株比率45%
パドレス 総額14億ドル
2012年 - 2031年、持ち株比率20%

MLBのテレビ放映権は、全国放送に限りMLB機構が管轄し、ローカル放送は各チームがFOXスポーツネット(FSN)に代表されるRegional Sports Network(RSN、ローカルスポーツ専門チャンネル)や地元放送局などと直接契約を結んでいる。 ただし、WGNや2007年9月までのTBS[102]のようなスーパーステーション(地上波ローカル局とサイマル放送を行っている全米向けケーブルテレビ向け放送局)と契約しているチーム(WGNはシカゴ・カブスシカゴ・ホワイトソックス、TBSはアトランタ・ブレーブス)の試合は結果的に全米で視聴可能となるため、放送局はチームに支払う放映権料とは別に機構に対していわゆる「スーパーステーション税」を支払う必要がある。

チームの本拠地が大都市であれば収入が大きくなり、小都市だと収入が少なくなるため、レギュラーシーズン・ポストシーズン全試合の放映権を管轄しているNFLとは違い、チームによって放映権料収入は大きく異なる。1984年、ボストン・レッドソックスNew England Sports Network(NESN)を設立したのを皮切りに、ニューヨーク・ヤンキースYankees Entertainment and Sports Network(YES))、ニューヨーク・メッツSportsNet New York(SNY))など、チーム自らがローカルチャンネルを設立する例もある。これは別会社に入るお金までは課税されないためであり、その別会社がチームに支払う放映権料を低く抑えれば、リーグからの課税額も少なくなるだけにそのメリットは大きい。

なお、このように番組がスポーツ専用チャンネルに特化している米国では、その契約からも、テレビ中継は試合の途中で終わることはない。

また、アメリカでは元々商法行為に対する規制が厳しく、機構側の一括管理による独占・寡占契約はなされてこなかった。しかし、1961年の法律制定により解禁され、NFLCBSと独占契約を結んだ(1960年に発足したAFL(アメリカン・フットボール・リーグ、1970年にNFLと合併)がABCと5年間の長期契約を結び、NFLを脅かす存在になったことが一因)ことを皮切りに、アメリカのプロスポーツ界では機構側が放映権を一括して複数年にわたる大型契約を結ぶようになった。その機構側が契約した放映権料はコミッショナー事務局のプール分を除いた額が30球団で均等に分配される。

現行の放映権契約

FOXとTBSの2006年の放映権契約内容
FOX レギュラーシーズン土曜日午後の試合
オールスターゲーム
奇数年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ
偶数年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ
ワールドシリーズ
TBS レギュラーシーズン日曜日午後の試合[103]
ディビジョンシリーズ全試合
奇数年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ
偶数年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ
地区優勝やワイルドカードを決定するワンゲーム・プレーオフ

従来、全国放送はESPN(レギュラーシーズン。2005年までの6年間8億5,100万ドル)とFOX(ポストシーズンなど。2006年までの6年間25億ドル)の2社が契約していた。

ESPNとは2005年9月、2006年から8年間23億6,800万ドルの新契約にこぎつけたものの、FOXはMLBの視聴率低下によって広告収入が放映権料を下回ったとして値下げを主張、交渉は難航していた。ESPNは主にレギュラーシーズンの平日および日曜夜の試合を中継する。

2006年7月11日、FOXおよびTBSとの間に契約が成立した。放映権料は2007年からの7年間で2社合計で約30億ドル(FOX18億ドル・TBS5億ドルという報道もある[104]。両社の契約内容は右記のとおり。

なお、2006年3月13日に、ヨーロッパのテレビ局「North American Sports Network」(NASN、2007年にESPNの傘下入り)が、2006年から5年間MLBの試合を放映する契約を結んだ。オープン戦からワールドシリーズまでの年間275試合が、イギリスアイルランドドイツスイスオランダなどのヨーロッパ7ヶ国で放送される。

日本での放送

日本向け放映権は電通が2004年から6年間2億7500万ドルで契約。テレビ放送では、日本放送協会(NHK)・TBSテレビ(TBS)・フジテレビジョンで放送している。2008年まではスカパーJSATスカパー!スカパー!e2)、モバHO!でも放送していた。

NHK・TBS・フジテレビは日本人選手が出場する予定の試合やオールスターゲーム・ポストシーズンを中心に生中継など行っている。当初は地上波では上記3局で月ごとのローテーションを決めていたが、その後週単位のローテーションに変更された。大抵系列BSでの中継であり、特にNHK BSでの中継本数が多く、BSデジタル放送受信世帯数を押し上げる要因のひとつにもなっている。注目カードは地上波で中継される場合もある。2006年のワールドシリーズはフジテレビでダイジェストとして放送された。また、メジャーリーグ開幕戦を日本の東京ドームにて開催する場合は日本テレビが中継を担当している(年度によってはフジテレビで中継する場合もある)[105]

スカパー!ではスカチャン(旧パーフェクト・チョイス)にて500試合から600試合の生中継に加えて再放送を行っていた。スカパー!e2では、スカチャン(旧スカチャン!)にて毎日1・2試合程度生中継を行っていた。2006-2007年はJ sports Plus(現J SPORTS 4)でも中継を行っていた(2007年は月曜夜に1試合録画中継)。

2007年4月、モバイル放送(モバHO!)がモバイル放送権を獲得、同年5月より「チャンネルONE」(映像協力・スカパー!)で原則毎日1試合放送していた。また、同年7月より2008年9月まで「モバイル.n」(映像協力・NHK)で月2試合程度放送していた。

2009年、電通は2015年までの契約延長に合意した。新しい契約では、NHK、TBS、フジテレビに加えて、テレビ朝日テレビ東京J SPORTSでも放送されることになった[106]。一方で民放キー局のうち、日本テレビだけは放映権料の高騰を理由として、2009年から放映権を獲得しておらず、試合映像の配信も受けていない[注 2][107][108]。前述のMLB公式戦を日本で行う場合は例外として、MLBとの間で個別に放映権を購入した上で生中継を行っている[105]

J SPORTSについては、CS放送の独占放映権に加えて、BS放送(2011年10月よりJ SPORTS 1・2を放送開始、2012年3月よりJ SPORTS 3・4を放送開始)の放映権(非独占)も獲得、同年6月より放送を開始している。

ラジオ放送では、ニッポン放送が1996年頃より独占放送権を持ち、「メジャーリーグ中継」を通常番組を休止して中継したり、通常番組内で日本人選手登板部分のみの中継を行っている。

インターネット配信

  • MLB.tv
2002年より配信開始。2012年現在ではMLB.TVプレミアム(1,2MBまたは800k)とMLB.TV(400k)に別れる。契約には月額、年額があり、契約すると全試合見られる。自動更新されるため解約には事前申請が必要。最初はPCのみだったが最近はAndroid端末、iPhone・iPad等iOS端末やPS3、XBOXの家庭用ゲーム機に対応している。
MLB.TVにも放送権がついており、TV放送と同じで一部の地域ではNFL等他のスポーツ中継と同様にブラックアウトされることがある。
2010年8月30日よりYouTubeにて録画での試合映像などの配信が開始された[109]
2021年シーズンはカナダドイツイタリアスイスオーストリアにて配信されている。2016年から2019年までは日本でも配信されていた[110]
2018年シーズンより週1試合を独占配信することを発表している[111]
2019年シーズンから一部試合のライブ配信を開始。2022年シーズンは計15試合を182か国で無料独占配信する予定[112]
LIVE SPORTS MEDIAが開始した配信サイト。2020年よりDAZNに代わり日本向け配信を独占的に開始[110]。2021年シーズンはエンゼルス戦全試合を含む1日最大8試合を配信。
2021年7月1日よりSPOZONEとのパートナーシップによりレギュラーシーズンの中継を開始[113]
2022年シーズンから毎週金曜日の2試合を「Friday Night Baseball」とのタイトルで配信。アメリカや日本など、世界8か国にて配信予定[114][115]
2022年シーズンから1日最大2試合、合計324試合を配信予定[116]

注釈

  1. ^ ニューヨーク・ヤンキースならニューヨーク・メッツロサンゼルス・ドジャースならロサンゼルス・エンゼルスといったように別リーグ同地区で地理的に近いチームとなっている。ただしリーグ構成の関係上シアトル・マリナーズサンディエゴ・パドレスのような組み合わせもある。
  2. ^ そのため、日本テレビ系列ニュース情報番組でMLB関連の話題を報じる際は現地の新聞社通信社などから提供を受けた写真(静止画)を使用している。

出典

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