【陸上自衛隊】(りくじょうじえいたい)
Japan Ground Self Defence Force (JGSDF)
陸上における活動を主任務とする日本の国防組織。現在のわが国における事実上の陸軍でもある。
災害出動において被災地に直接投入され、救助、復旧を行うのが事実上の主任務である。
最近では海外派遣の主力としての活動が増え、また対テロ組織としても重要な地位を占めつつある。
かつて強大なソ連軍の北海道侵攻に備え、冬季に雪の中で戦う訓練と装備を特に充実させたため、雪中戦能力ではアメリカ軍をもしのぐ世界トップクラスの能力を誇っている。
そのことをあらわした、こんな笑い話がある。
「ある時、陸自とアメリカ陸軍が同じ山を使って雪山行軍演習を行った。
しかし折り悪く、演習開始後に大寒波に見舞われての猛吹雪に。
レスキューヘリも飛べない悪天候で、アメリカ側の演習部隊は死者も出るほどの大惨事に。
一方その頃、自衛隊は猛吹雪の中で規定の演習を予定通りに終了し、レクリエーションの雪合戦に興じていた」
海上自衛隊や航空自衛隊に比べると人員の割に予算が少なく、隊員たちの生活環境はやや悪い。
また、予算配分のあおりを受けて装備面でもややちぐはぐな面が目立つ。
とはいえ、先進国の陸軍として一定水準以上のレベルに達しており、軍事組織としての総体的評価は決して低くはない。
原型は1950年に発足した警察予備隊であり、その後、保安隊を経て陸上自衛隊へと発展した。
当初は米軍から貸与された中古兵器が主であったが、1970年代から国産兵器の配備が整い始めた。
1980年代からは日米共同での訓練が、1990年代からは陸海空自衛隊の統合訓練が行われるなど、練度の向上が本格化した。
2000年代以降は、対テロ戦やゲリラ・地域紛争などの小規模紛争に比重が移り、冷戦時代の装備・体制を更新するための組織変革が逐次行われている。
しかし、対テロ・ゲリラ戦にシフトすると今度は野戦における能力(穴掘りや長距離の行軍)が低下し始めてきたため、あくまで「野戦の延長上に対テロ・ゲリラ戦がある」という方針の下、訓練が行われるようになってきている。
関連:自衛隊 防衛省
陸上自衛隊ホームページ http://www.mod.go.jp/gsdf/
方面隊
方面隊は陸上自衛隊における最大の部隊単位であり、方面隊ごとに置かれる方面総監部、および基幹となる数個の師団・旅団ならびに直轄部隊で編成されている。
現在、方面隊は5個が編成されており、「方面区」と呼ばれる担当地域の防衛・警備や災害派遣などを担任している。
方面隊の筆頭たる「方面総監」には、陸将の階級にある自衛官が充てられている。
- 北部方面隊(NA)(北海道)
- 東北方面隊(NEA)(東北地方)
- 東部方面隊(EA)(関東・甲信越地方・静岡県)
- 中部方面隊(MA)(甲信越地方、静岡県を除く中部地方・近畿・中国・四国地方)
- 西部方面隊(WA)(九州地方及び沖縄県)
主な戦略級戦闘部隊
陸自は2012年末現在、戦略級部隊単位として以下の9個師団(機甲1・機械化歩兵1・自動車化歩兵6・軽歩兵1)及び8個旅団(自動車化歩兵4・空中機動1・空挺1・軽歩兵1・航空1)を擁している。
主な装備品
固有名詞の分類
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