閃光手榴弾
(スタングレネード から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/11 09:22 UTC 版)

閃光手榴弾(せんこうしゅりゅうだん)またはスタングレネード(stun grenade)、フラッシュバン(flashbang)は大音量や閃光を発する非致死性兵器。手榴弾の一種であり、屋内での近接戦闘や人質救出作戦、さらには暴動鎮圧等に用いられる。
特に屋内等の閉所に突入する際に用いられ、閃光と180デシベル以上の大音量により[1]、効果範囲内の人物に対して眩暈やショック状態を引き起こさせ、その混乱に乗じて作戦を実行する。
1960年代にイギリス陸軍特殊部隊SASのORW(作戦調査中隊/新しい機器、武器、技術等の評価および開発を担う部門)がSASの訓練用に開発したのが始まりである[2]。1970年代から対テロ作戦用としてSASのCRW Wing(対革命戦中隊/現CTW〈対テロ中隊〉)が実戦で運用して以降、世界各国の軍・警察で採用され[3][4]、ハイジャック事件、人質救出作戦等に使用された。日本では2000年の西鉄バスジャック事件の犯人制圧の際、初めて使用された。
非致死性兵器ではあるが、難聴や火傷の発生についての報告がある[5]。
脚注
- ^ “SAS - Weapons - Flash Bang | Stun Grenade”. Eliteukforces.info. 2022年12月14日閲覧。
- ^ “DISORIENTATION DEVICES FLASH-BANG/STUN GRENADES”. American Civil Liberties Union. 2025年2月11日閲覧。
- ^ “SAS - Weapons - Flash Bang | Stun Grenade”. www.eliteukforces.info. 2025年2月11日閲覧。
- ^ “SAS: The UK Army Special Air Service” (英語). Grey Dynamics. 2025年2月11日閲覧。
- ^ Hambling, David (August 6, 2009). “Military Still Trying to Replace Dangerous Stun Grenades”. Wired 2022年12月14日閲覧。.
関連項目
- SAS(特殊空挺部隊)
- M84スタングレネード - アメリカ製の閃光手榴弾
- 音響兵器
スタングレネード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 04:53 UTC 版)
ハイジャックなどの人質事件では安易な殺傷が許されないためスタングレネード(stun grenade)やフラッシュバン(flash bang)と呼ばれる特殊な手榴弾が使用されることがある。 この手榴弾は、爆発時の爆音と閃光により、付近の人間に一時的な失明、眩暈、難聴、耳鳴りなどの症状と、それらに伴うパニックや見当識失調を発生させ、その効果で、室内に立てこもる武装凶悪犯を無力化し、制圧部隊が突入する。アメリカで採用されているM84の場合、約100万カンデラ以上の閃光と15m以内に170デシベルの爆音を発するとされている。 非致死性兵器であるため、爆発の威力を超音速の爆轟が発生しない程度に抑えて破片も飛散させない設計になっているが、目標や人質が心臓病を患っている場合はショック死する可能性がある。また至近距離で爆発した場合には、ヒトや動物を火焔または燃焼ガスで死傷させたり、可燃物に引火させるおそれがある。 スタングレネードは、1960年代にイギリス陸軍の特殊部隊SASが世界で初めて採用して以降、世界中の軍隊や警察で採用されており、日本では西鉄バスジャック事件で突入の際に利用された事でも有名である。 日本語訳は資料や採用している機関によって異なるが、自衛隊では閃光発音筒と呼称している。
※この「スタングレネード」の解説は、「手榴弾」の解説の一部です。
「スタングレネード」を含む「手榴弾」の記事については、「手榴弾」の概要を参照ください。
- スタングレネードのページへのリンク