皆人とそのセキレイ
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「セキレイ (漫画)」の記事における「皆人とそのセキレイ」の解説
佐橋 皆人(さはし みなと) 声:立花慎之介 / 同左 173センチメートル、59キログラム 本作の主人公。都会に憧れて和歌山の実家から上京。新東帝都大学合格を目指すが、二回落ちている浪人生。失意と呆然の帰り道で光・響に追われていた結と偶然に遭遇し、彼女を羽化させたことで御中から自分が葦牙というセキレイを御する存在であると知らされる。結と同居したことで大家に睨まれ、下宿を追い出されたが、家捜しの末に出雲荘へ入居。鶺鴒計画に巻き込まれる中、数々のセキレイ、そしてそれを取り巻く人達と交流していく。 誰にでも優しく、控えめな性格。父親が行方不明であり小さい頃から母(高美)、祖母、妹(ユカリ)の家族構成で育ってきたため、家族と女性には全く頭が上がらない。加えて女性免疫に乏しく、スカートの中を見ただけでも鼻血を噴出してしまう。実は小中高と常にトップクラスの成績を収めており、新東帝大で出された過去の入試問題(松が手を加えさらに難しくなっている)を全問正解するほどの学力を持っているのに、本番でそれを発揮できない、いわゆる極度のヘタレ。だが、いざという時には全力で事にあたり、結達に比べて非力な自身を自覚しつつ、彼女達を守ろうとする強い意志と行動力を持つ。 鶺鴒計画に関しては、守秘義務によって第三者への漏洩を禁止されているということ以外に詳しいことはあまり分かっていなかった。しかしハルカ・久能の帝都脱出作戦の際に母親が鶺鴒計画に深く関わっていることを知り、その後自分の意志で、これまでの計画の全容を松から教えてもらう。そして自身の正体を明かした美哉から、鶺鴒計画だけでなく「セキレイ」という存在に関するすべての歴史を教えられることになる。 6羽もの有能なセキレイ達(うち4羽がシングルナンバー、さらにそのうち2羽が元第一期懲罰部隊)を羽化させ、懲罰部隊と直接対戦し、手助けの形でありながら初めてにして唯一、葦牙とセキレイの帝都脱出を成功させている。そのため、北の般若のもとにいる曰く付きの葦牙として知られるようになり、一部の葦牙達から北の葦牙と呼ばれるようになった。 氷峨に指摘されるまで自分の父親が御中である事に全く気がついていなかった。 結(むすび) 声:川澄綾子 / 早見沙織 161センチメートル、48キログラム、B97 / W58 / H89 本作のヒロイン。No.88。佐橋皆人が最初に羽化させたセキレイ。活発系の美少女で、体格はどちらかと言うと華奢ながら作品中No.2の巨乳の持ち主。ミニスカート風の巫女装束を普段着用しており、他にはユカリの古着である体操着とブルマーがお気に入り。長い黒髪を一本結びにしており、加えて長いアホ毛がある。 性格は明朗快活で天然ボケ。さらに負けず嫌い。当初は羞恥心に欠けており、はしたない姿を晒しては(皆人の前で平気で全裸になる、胸を触らせるなど)美哉から「慎みがない」と度々叱られ、以後は結なりに「慎みを忘れない」ように心がけているが、どこか微妙にズレていたりと大した進歩はしていない。 強い相手と出会うと戦いたくて体がうずうずしてしまうほどの好戦派であるが、弱い者には優しく、またそれらを虐める者には容赦がない。 自称・拳系(近接格闘系)のセキレイで、華奢な体に似合わぬ怪力、機動力、スタミナの持ち主(月海曰く「体力バカ」)。体力に物を言わせ短時間の飛翔能力を持つが、天然ボケのため落下時及び着地のことは考えていない。セキレイということを差し引いてもものすごい大飯喰らいで、唯一作れる料理のカレーライスはその基本が特盛りのため、皆人にとって彼女の食事はややトラウマと化している。 皆人を心から大切に思っており、その直向さは皆人の内外に大きな影響を与えている。しかし、月海の登場と皆人が彼女にも惹かれ始めたことで、表情には全く出ないものの、激しい嫉妬を燃やすようになった(このとき、背後に巨大なグリズリーのイメージが出現する)。ただし、月海たちのことは同じ葦牙に仕える仲間として大事に思っており、現在の環境自体はとても幸せに感じている模様。 現在の懲罰部隊筆頭(三代目)である鴉羽と何故か親しく、2人の間には「残りの2羽まで生き残り、最後の勝負をする」という約束が交わされている。それに勝利し、全ての敗北したセキレイを再び葦牙の元に戻すことを目標に、日頃から美哉の元で猛特訓中。 高美曰く、「セキレイの中でも訳ありの存在」。ハルカと久能の帝都脱出の際、懲罰部隊の紅翼に倒され鶺鴒紋が消えるが、皆人の結を愛する思いが結女の意識を呼び覚まし再起動。紅翼を撃破した後に結女は再び眠りにつき結は意識を取り戻す。これ以降、ごく稀に結女が表に出てくることがあるが、結女が出てくる時は結の意識は消失しているため、結自身にはその間の記憶がない。ただし「結女に助けられた」という認識はあるらしい。 羽化前の焔を助ける為の戦いで、新技の「熊拳(くまけん)」を習得。第参段階・第参回戦では祝詞を使った技として「熊流星(くまりゅーせい)」を披露。 草野(くさの) 声:田村ゆかり / 花澤香菜 108センチメートル、17キログラム、B54 / W54 / H54 皆人の2番目のセキレイ。No.108。「緑の少女」または「ラストナンバー」と呼ばれている。身長とほぼ同じ長さの長髪、白のワンピースを着ている幼女で、あだ名はくーちゃん。植物とは距離に関係なく心を通わせることができ、植物を通して誰かに自分の声を伝えたり、急激に成長させる能力を持ち、一時は新東帝都植物園の草木をジャングル化してしまった。お守りとして小さな鉢植えを携帯するようになり、有事の際にはそれを使って相手を威嚇する。帝都脱出計画の際は、その能力で、駅前の検問所のM・B・I私設軍を足止めさせた(アニメ版では、橋の近くの検問所で一度は足止めに成功するも、別の私設軍に包囲され、窮地に追い込まれたところを松に救われた)。また、計画に参加しようとしない月海に「お手伝いしないのは妻じゃないもん」と言い、参加するきっかけを作った。 幼さと羽化するまでの境遇ゆえか、怖がりで寂しがり屋。皆人とみんな仲良しなのが大好きで、ケンカが大嫌い。 「大きくなったらお嫁さんにしてね」と言うなどストレートに皆人に感情をぶつけるばかりか、アニメ版では月海を度々出し抜くなど、本人に自覚はないが、したたかな面も持つ。 松と月海の喧嘩を収めてしまうなど、他に有無を言わさぬ存在感を時々見せる。出雲荘の住人のほとんどが彼女に泣かれると困るので、出雲荘における喧嘩の仲裁などでは美哉に次ぐ強制力を持つ。 作者によると初期のプロットでは中学生くらいの容姿だったが、儚さを出すために外見年齢が下げられ、最終的に現在の幼女となった。現在の作者のホームページのトップ絵は設定変更途中の草野である。 松(まつ) 声:松岡由貴 / 遠藤綾 161センチメートル、47キログラム、B95 / W59 / H91 皆人の3番目のセキレイ。No.02。三つ編み美人で丸眼鏡がトレードマーク。結に次ぐ巨乳を誇り、スタイルは非常に良い。通常、白衣を連想させるようなゆったりと裾の長い(ただし深いスリット入り)ワンピース型の服を着用しており、その上に半纏を羽織っていることも多い。ある理由によってM・B・Iに追われており、美哉によって出雲荘の201号室(隠し部屋)に匿われている。そのため、千穂救出作戦(アニメ版では帝都脱出計画)までは出雲荘の外に出ることは滅多になかった(皆人がまだ出雲荘に入居する前に街中で偶然に遭遇しているため、皆無ではなかった模様)。 自称“軍師”。メカマニアにしてオヤジギャグ大好き、エッチネタが好きな自他共に認めるエロ魔人であり、何かにつけて良く服を脱ぐ。しかしその残念な言動からは想像し難いが実は凄腕のハッカーで、超大国の軍事衛星をあっさりハッキングしてしまうほどの腕前を誇る頭脳派の「智のセキレイ」である。M・B・Iの超極秘データベースもハックしていることから、セキレイや葦牙、そして鶺鴒計画に関する知識も豊富(皆人のこともここで初めて認識した)。自室にはいくつものPCとモニターが並んでおり、そこで帝都やセキレイの動きを観察し皆人達をサポートする。知識欲も豊富なため、色欲魔人にして識欲魔人と言われている。人工衛星などの電子機器に繋がる能力を持つが、一方通行でこちらからは干渉することはできず、ただ覗くだけである(そのため情報を操作するためにはPCが必要)。また、最初期に覚醒したセキレイの一人であるため、鶺鴒計画に関する様々な出来事の多くを知識だけでなく実際に体験してきてもいる。元第一期懲罰部隊のメンバーであり、「隠居」前の美哉を直接知る一人である。美哉以外で「神器」の秘密を知っていた唯一のセキレイでもあった模様。 皆人の本妻争奪戦では他の3羽と違う立ち位置で、昼メロのようなドロドロした展開を期待しつつ、成り行きを観察しながらも皆人を相手に「実験」するべく常に隙を伺っており、その度に美哉に睨まれている。 アニメ版では、帝都脱出計画でM・B・I私設軍に包囲された草野を救うため、バイクに乗って外出した。 月海(つきうみ) 声:田中理恵 / 井上麻里奈 165センチメートル、47キログラム、B94 / W57 / H88 皆人の4番目のセキレイ。No.09(最後のシングルナンバー)。かなりの巨乳だが、出雲荘では他にも巨乳が多いためサイズでは4番目である。古風な言葉使いが特徴で、性格も古風にして気丈。かつては葦牙を嫌い、自分の葦牙を見つけたらその手で殺そうと考えていた。理由のひとつは「人間が下等なサルだから」と称していたが、本当は葦牙と「まぐわう」のがとても恥ずかしいから。また最強のセキレイを目指しており、その当初の理由が葦牙不要であることを証明する為であったが、羽化してからは「ミナトと添い遂げる為」と変わっている。要するに典型的なツンデレ。強風や激しい動きでミニスカートが捲れる場面が多いため、風花に「パンツ丸見えちゃん」などと呼ばれる。 水を操るセキレイ「水のセキレイ」。シングルナンバーということもあってかその実力は高く、羽化前に襲撃に来た光と響をあっさり追い払い、懲罰部隊とも互角以上に渡り合った。焰をライバル視しているが、当人からは相手にされていない(篝を目の前にしながら、その正体に長いこと気付かなかった)。 他のセキレイと違い、小さい頃からM・B・Iの施設ではなく調整者である宮島の自宅で調整され育てられた。シングルナンバーでありながら美哉の正体を本人から明かされるまで知らなかった(月海以外のシングルナンバーは全員知っていた。ただしNo.07になる予定だった秋津も知っていたかどうかは不明)。 羽化した早々に出雲荘の面々へ皆人の本妻を宣言。結を妾呼ばわりし、皆人を巡る本妻争奪戦の火種となった。しかし恋のライバルが多いのと皆人が自分だけを見てくれない為に心中穏やかではなく、取り分け結の存在は気になる模様。ただし、結の実力や人柄は認めており、後に「吾が友」とまで公言している。皆人に対しては完全にべた惚れの状態である。 皆人を巡る本妻争奪戦とそれに伴う嫉妬心は結果として結や月海本人のパワーアップに繋がっており、シナリオ上重要度が増してきている。 「水祝(みずいわい)」、「水龍」、「水矢(みずのや)」、「ヤマタノオロチ」等を放つ。また美哉との特訓の末に身に付けた、腕に水を纏わせて剣を形成する「水劔(みずのつるぎ)」、祝詞を使っていくつもの水玉を宙に浮かせ、一度に破裂させて大波を起こす「潮満球(シオミツタマ)」がある。 指先を唇に当てる仕草、乳房の下で腕を組む仕草が、たびたび描写される。 自分自身を含めて厳しいルールを遵守しようとするが、皆人の要求には逆らえず無理矢理自分を納得させて折れている。 風花(かぜはな) 声: - / ゆかな 170センチメートル、53キログラム、B98 / W60 / H92 皆人の5番目のセキレイ。No.03。ボディコンな衣装を着用する妖艶な美女。結をも上回る作中一番の巨乳を誇り、また身長も皆人のセキレイの中ではもっとも高い。かなりの気分屋で、また「セキレイは恋に生きるべき」を信条としている。闘いより酒の方が好きという無類の酒好きでもあり、アニメ第2期第弐羽では二日酔い明けにかかわらず一升瓶一本を飲み干した後に松が冗談で渡した実験用アルコールをがぶ飲みし、さらに皆人が紅翼に拉致された酒蔵でまた酒を飲んでいながら、全く酔わずに紅翼と灰翅を相手に闘った。後輩セキレイたちのことは妹たちと思っている。 かつて御中のセキレイとなることを望んでいたがフラれてしまい、鶺鴒計画そのものに興味を失って出雲荘から離れていた。しかし成り行きで皆人と出会ってから彼が御中に似た容姿を持つことで興味を示し、ハルカ達の帝都脱出作戦の際に皆人を葦牙と認めて羽化し出雲荘に舞い戻った(アニメ版ではこのエピソードで羽化せず出雲荘に戻り、第2期第参羽にて羽化した)。御中に惚れていたためか、皆人と高美、そして御中との関係は出会う前から知っていたらしい。元第一期懲罰部隊のメンバーであり、松と同様「隠居」前の美哉を直接知る一人である。 風を操るセキレイであり、羽化前の時点で月海からまんまと逃げおおせたり、鈿女の背後を取って鶺鴒紋に触れた程の高い実力を持つ。「セキレイは恋に生きるべき」を信条としており、新しい恋の相手として皆人を選んでいる。しかし御中に対してもまだわずかに未練がある模様。 鈿女の境遇に同情し、その解決の為に「皆のおねーさんだから」と言いつつも皆人を助けており、千穂を救出できても鈿女が機能停止した時には、後で鈿女のための祝杯を用意するほど人情味に溢れている。だが皆人に指摘されると照れ隠しに発情した振りをしている。 桜吹雪を放つ「花旋風」、「花宴」、「花桜」、「花の舞」等の必殺技を使う。 焰(ほむら) 声:平田宏美 / 甲斐田ゆき 173センチメートル、53キログラム、B82 / W61 / H81 皆人の6番目のセキレイ。No.06。当初は男性だったセキレイで、普段はホストをやっている。源氏名は篝(かがり)で、店のナンバー1。黒尽くめのスーツとコートを着用し、セキレイとして活動する時は顔の下半分をマスクで隠す。クールだが愛想良く、ややキザな所がある。ほうれん草が嫌い。人に触られることも嫌いだと発言したことがあるが、これは相手が葦牙であった場合のみに限られる可能性がある。苛立つと煙草を吸うのが癖。 美哉とは友人づきあいをしており、高美とは鶺鴒計画に関する情報を交換し合う関係。月海からは一方的にライバル視されている。御中を「殺す」と宣言しているがそれは鶺鴒計画の妨害、もしくは中止を狙っているのか個人的な恨みであるのか定かではない。 高美に頼まれて「セキレイの守護者(ガーディアン)」となっていた炎使いであり、かつては羽化前のセキレイを不当に襲う者を追い払うべく日夜の新東帝都を駆け回っていた。戦闘能力は高く、羽化前の時点では最強とも評される。実際幾度となく光・響や月海を難なく退け、蜜羽の攻撃をものともしなかった。 セキレイNo.06ではあるが、おそらくセキレイのプロトタイプではないかと建人と高美は推測している。それ故にか能力が非常に不安定で、一度は自らの能力によりメルトダウン(焔曰く「セルフ火葬」)しかけたことがある。また身体の雌雄も実際は未分化に近く、どちらにもなれる不安定な状態だった。本人はこれを「なりそこない」と表現し、調整者の建人に対しても多少遺恨を抱いていた模様。どの葦牙にも選ばれず自らは誰も選ばないことを望んでいたが、羽化前最後の1羽となったセキレイである自分自身を狙う者達から決別すべく己の能力で自決しようとしたところを、皆人が羽化させたことによって命を救われる。もともとメンタル的には男性寄りであり、肉体もしばらくは男性で固定していたが、皆人と感応したことで胸が膨らむなど肉体が女性寄りに変化してきている。羽化した後は、メンタル的にも女性側に寄りはじめているのではと思わせる描写がある。 羽化後は、皆人の「篝(焔)自身の意思を大事にし、決して無理に変えたりしない」という言葉に感銘を受け、彼のセキレイとして生きることを改めて決意する。なお、皆人からは本名を知られた後も「篝さん」と呼ばれている。 「炎龍(えんりゅう)」、「蛇炎(じゃえん)」、「炎の壁」、月海の「水龍」と「炎龍」の合体技「水蒸爆竜(スチームドラゴン)」等の技を使う。
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