ベルクソン【Henri Bergson】
ベルクソン 【Bergson】
ベルクソン
アンリ・ベルクソン
ベルクソン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 00:17 UTC 版)
ベルクソンは、フランス哲学の伝統の実証主義とスピリチュアリスムを承継した。ハーバート・スペンサーの社会進化論から出発し、『物質と記憶』において、デカルト的コギトの想定によって発生する哲学上の難問心身問題に取り組み、物質と表象の中間的存在として「イマージュ("image")」という概念を用いつつ、心と身体を持続の緊張と弛緩の両極に位置するものとして捉え、その双方が持続の律動を通じて相互にかかわりあうことを論じた。そのうえでベルクソンは、考察を生命論の方向へとさらに押し進め、1907年に『創造的進化』を発表する。本書は、意識の持続の考え方を広く生命全体・宇宙全体にまで押し進め、生命の進化を押し進める根源的な力が「生の飛躍("élan vital")」であるとしたのである。ここに、フランスの哲学的伝統の一つフランス・スピリチュアリスムと実証主義の結合を見ることができる。 他方で、ベルクソンの生の哲学は、フランス実存主義の先駆ともいえる。ベルクソンの形而上学はドイツ圏のジンメル・リッケルト・ハイデガーらに影響を与えた。メルロ=ポンティの身体論は、ベルクソンの物質と表象の中間的存在としての「イマージュ("image")」という概念に大きく影響を受けており、ベルクソンなしには成立しなかったであろうとされる。言語の問題に集中する構造主義思想にベルクソンの影響は見出だされ難いが、メルロ=ポンティとドゥルーズの哲学にはベルクソンの影響が決定的である。 ベルクソンの哲学は、二度の悲惨な惨禍をもたらした戦後の雰囲気の中、サルトルらの実存主義が流行し大衆の共感を得るに伴い、その影響力を急速に減じていった。
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