フランスの哲学的伝統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 00:17 UTC 版)
「フランス現代思想」の記事における「フランスの哲学的伝統」の解説
(画像左から)デカルト、コントはフランスの哲学的伝統の祖である。 フランスには、デカルトに端を発する大陸合理主義・啓蒙主義の哲学的伝統がある。これらは、知識、信念、科学とは何か、合理的に知識を得る事とは、という認識論的な問題意識を有する。18世紀にはディドロやルソーらの啓蒙主義が隆盛し、イギリス経験論から影響を受けるも単純な経験主義は拒否した。抽象的な定義から始まりこれを演繹するというドイツ哲学のような態度とも異なり、理性について歴史的に考察する。 19世紀にオーギュスト・コントが大陸合理主義・啓蒙主義の伝統を引き継ぐ実証主義と社会学を創出した一方、メーヌ・ド・ビラン、ヴィクトル・クザン、フェリックス・ラヴェッソンらがスピリチュアリスム哲学を形成した。フランス現代思想においては実存主義、構造主義、ポスト構造主義という大きい華やかな流れの知名度が高いが、このような流れとは別に19世紀から哲学的伝統を受け継いだ他方の堅実な流れ、エピステモロジーやフランス反省哲学があるということも看過されてはならない。 また、フランスは、国教会のあるイギリスとも宗教改革の中心となったドイツと異なり、現代でもカトリックの思想的影響が見られる。カトリシズムとフランス・スピリチュアリスムの哲学的伝統の関係は複雑である。このようなカトリックの伝統との関係において、19世紀以降の新トマス主義の興隆も見て取らねばならない。
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