フランスの古典的バロック建築とは? わかりやすく解説

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フランスの古典的バロック建築

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 01:49 UTC 版)

バロック建築」の記事における「フランスの古典的バロック建築」の解説

宰相リシュリュージュール・マザランといった政治家によって経済的な活力強力なものにしたパリは、すでに17世紀初期から芸術中心地としての地位ローマから奪いつつあった。フランスのバロック建築は、なによりもまず絶対君主制具現するような国家建築において、その着想を得ることになったフランスでバロック傾向は、サロモン・ド・ブロスが設計した幾つかの建築現れているが、より重要な仕事をしたのはフランソワ・マンサールである。彼はベルニーニやボッロミーニと同世代人物だが、両者比べると、オーダールネサンス建築原理そのまま用いるなど、その作風適度に抑制されている。彼の最も重要な建築は、1645年起工されたパリのヴァル・ド・グラース教会堂ブロア城オルレアン館、ラフィット館である。ヴァル・ド・グラースのバシリカドーム組み合わせた円蓋バシリカは、サン・ピエトロ大聖堂よりもドーム比重がより強調されたものとなっており、この特色後期バロック教会建築特徴となっていく。ブロワオルレアン館がパラッツオ・ベルベリーニから着想得ていることは明らかである。入隅滑らかに納めるカーブした列柱や、内部空間楕円形導入する方法イタリアから着想得ているが、これらを優雅に、かつ控えめ表現する造形は、むしろロココ的な意匠想起させる。 より古典的なバロック建築好んだマンサールとは反対に、ローマ・バロック特有の意匠好んだのはルイ・ル・ヴォーである。彼は豪放な細部のデザンや凹凸全面押し出した形をコレージュ・デ・キャトル・ナシオンにおいて表現したが、これはマンサール抑制されデザインとは対照的である。彼は実用的な平面画き、特に邸宅建築にその力量発揮した。ヴォー・ル・ヴィコント邸館は宰相ニコラ・フーケ建設したものだが、後に若きルイ14世が彼を失脚させてまで我がものとした。実際に、これは17世紀フランス宮殿建築嚆矢となる建築である。左右に突出部や、中央ドーム乗せた楕円形の広間など、ローマのベルベリーニ宮に着想得たプラン採用しているが、庭園とそれを望む広間は後にヴェルサイユ宮殿試みられ形式原型であり、以後宮殿建築大きな影響与えたパリが最も偉大な芸術家としてベルニーニ呼びルーヴル宮殿の東ファサード設計依頼したのは1664年である。王室建築物総監であったジャン=バティスト・コルベールベルニーニパリ召還しおよそ3つのプラン変更経て1665年工事開始させた。しかし、ローマ・バロックの意匠フランス人の好むところではなく翌年工事中断され1667年にはル・ヴォー、クロード・ペローを含む建設委員会結成され最終案合議された。ペローによるところが大きいとされるこのファサードは、ベルニーニ案からのモティーフいくつか拝借してはいるが、彼のデザインとは全く印象異なる。その雄大な造形フランス古典主義建築の最も完成された姿とされ、その容姿はしばしルイ14世様式評された。 バロック芸術源泉が完全にパリのものとなる17世紀末期には、フランス近代的なアカデミー創設された。そこでは絵画・彫刻建築教育が行われ、卒業すれば宮廷芸術家として社会的地位約束されたが、一方で建築形態決定する手法アカデミーによってコード化されることになり、国家機構中に組み込まれた。ジュール・アルドゥアン=マンサールは、こうしたアカデミー出身典型的な人物である。ヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂は、内部空間構成を完全にゴシック建築のものとされたが、1階臣民の席であるのに対し2階国王席で、国王住居と同じレベル直結しているなど、地位空間階層として明確に分離している。彼はまた、ルイ14世にふさわしい記念碑的建築物として廃兵院にドーム・デザンヴァリットを設計した。この平面プランはブランテやミケランジェロなどが16世紀好んだ典型的な集中式礼拝堂だが、その内空間ドーム支配されており、垂直性をかなり強調したものとなっている。このドームは、エッフェル塔ができるまで、パリランドマークとなった

※この「フランスの古典的バロック建築」の解説は、「バロック建築」の解説の一部です。
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