宮廷芸術家とは? わかりやすく解説

宮廷芸術家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:51 UTC 版)

ニコラス・ヒリアード」の記事における「宮廷芸術家」の解説

ヒリアードの徒弟期間の終了は、新し宮廷肖像画家が「のどから手が出るほど必要」だった時期重なったパネル(板)に描かれ2枚エリザベス1世の『フェニックス (Phoenix)』、『ペリカン (Pelican)』と呼ばれる肖像画はヒリアードが長期わたって描いた作品で、1572年ごろから1576年ごろにかけて描いた考えられている。ヒリアードはエリザベス1世絵師(ミニチュアール作家)、金銀細工師任命されたが、その正確な日付伝わっていない。しかしながら現在知られている最初にエリザベス1世描いたミニアチュールには1572年日付入っており、さらに1573年には王室対す忠誠心エリザベス1世認められ、その役職再任されている。1571年にはエリザベス1世寵臣だった初代レスター伯爵ロバート・ダドリーのために「肖像画集 (a booke of portraitures)」を作成しており、ヒリアードが宮廷認められつつあったことを示している。ヒリアードにはダドリー彼の取り巻き人々にちなん名付けられ子供もいる。 イングランドにはこういった有力なパトロン存在していたが、1576年結婚したばかりのヒリアードはフランス旅立つフランスではパリ居住していた在仏イングランド大使アミアス・ポーレット卿 (en:Amyas Paulet) 宅に長期滞在していた。「この旅行には彼自身知識欲満たす以外の目的はなく、いずれイングランド帰国するときまでフランスの上階級から滞在費を受け取っているだけである」と、ポーレット当時のヒリアードについて書き残している。ヒリアードは当時フランス大使館勤務だったフランシス・ベーコンミニアチュールパリ制作している。 ヒリアードは1578年から1579年ごろまでフランス滞在しエリザベス1世宮廷彫刻家でもあったフランス人彫刻家ジェルマン・ピロン (en:Germain Pilon) らフランス芸術家たちと親交深めた。フランスルネサンス期を代表する詩人ピエール・ド・ロンサールはヒリアードについて次のような、毀誉褒貶どちらとも取れる「賛辞」を送っている。「島国イングランドを指す)では抜け目のない男は本当に希少な存在だが、その数少ない男たち完璧なまでに狡猾とさえいえる」 ヒリアードはエリザベス1世花婿候補でもあったアンジュー公フランソワ1577年文書に「ニコラス・ヒリアードイングランド人画家 (Nicholas Belliart, peintre anglois)」として名前があがっている。そこにはヒリアードがフランソワから200リーブル報酬受け取ったことが書かれている1577年描かれ当時宮廷女官だったスルディ夫人ミニアチュールがあり、他にもフランス王アンリ4世愛妾ガブリエル・デストレコンデ公妃、モンゴメリー夫人描いたミニアチュールはヒリアードの作品であると考えられている。 金銭問題はヒリアードを悩ませ続けた当時ミニアチュール一つにつき1ポンド平均的な価格だった(1570年代ロンドン滞在していたオランダ人画家コルネリス・ケテル (Cornelis Ketel) の絵画の価格は、肩から上を描いた肖像画が1ポンド全身描いた肖像画は5ポンド)。1599年エリザベス1世から40ポンド歳費受け取っており、1617年には、1584年エリザベス1世にかつて拒否されミニアチュール彫刻制作独占を、ジェームズ1世から手にすることに成功した。しかし同年にヒリアードはラドゲイト監獄投獄されてしまう。これは他人保証人となり、その負債支払うことができなかったためだった。ヒリアードの義父は、彼の金銭管理能力信用しておらず、1591年残した遺言には、娘へ残した積立金金銀細工師組合管理するよう書かれてあった。同年にヒリアードは二つ目イングランド国璽制作しエリザベス1世から400ポンドという多額報酬受け取っているが。、定まった年俸受け取っていなかったであろうことに留意する必要があるフランスからの帰国スコットランド金鉱採掘計画投資したが、この計画詐欺まがいのものだったとも考えられており、ヒリアードにとってその後25年たっても苦い思い出として記憶に残ることとなった

※この「宮廷芸術家」の解説は、「ニコラス・ヒリアード」の解説の一部です。
「宮廷芸術家」を含む「ニコラス・ヒリアード」の記事については、「ニコラス・ヒリアード」の概要を参照ください。

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