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鈴木力衛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/16 11:51 UTC 版)

鈴木 力衛(すずき りきえ、1911年5月1日 - 1973年6月14日)は、日本フランス文学者翻訳家、演劇評論家。

人物・来歴

愛知県出身。 第一高等学校東京帝国大学仏文科を卒業後、フランス政府招聘給費留学生としてパリ大学に学び、帰国後は旧制学習院教授等を経て学習院大学文学部教授となった。

モリエール研究の第一人者。晩年に完成した単独訳の「モリエール全集 全4巻」(全作品を網羅してはいないが、全集の刊行冊子に「日本語の芝居として楽しめるモリエールのすべてと称しうる仕事」紹介されている)で、読売文学賞受賞。そうしたフランス演劇研究の成果を元に、新しい流れのフランス演劇も積極的に紹介し、俳優座養成所講師や文学座顧問もつとめ、戦後日本の興隆期の新劇運動に大きな影響を与えた。なお岩波文庫版のモリエール作品集は近年改版されている。

演劇関係以外でも、アレクサンドル・デュマ・ペールの『ダルタニャン物語』、ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』、マルセル・パニョル『笑いについて』、アンリ・ベルクソン『笑い』をはじめ多数の訳書がある。

学習院仏文科の骨格をほぼ一人で築き上げてゆき、優秀な教授陣を育成するために腕を振るい、そうした中から篠沢秀夫豊崎光一佐伯隆幸、末木利文(演出家)といった人達を育て上げていった。

著書

翻訳

  1. 『友を選ばば三銃士』
  2. 『妖婦ミレディーの秘密』
  3. 『我は王軍、友は叛軍』
  4. 『謎の修道僧』
  5. 『復讐鬼』
  6. 『将軍と二つの影』
  7. 『ノートルダムの居酒屋』
  8. 『華麗なる饗宴』
  9. 『三つの恋の物語』
  10. 『鉄仮面』
  11. 『剣よ、さらば』
渡邊守章・山本功共訳(筑摩書房、世界文学大系 1960、新版・筑摩世界文学大系 1976)
  • 『きつね物語』(講談社、少年少女世界文学全集:古代中世編) 1962
  • 『わんぱく戦争』(ルイ・ペルゴー、講談社) 1963
  • 『笑い』(アンリ・ベルクソン、「全集3」白水社) 1965、新版2001ほか
  • チャップリン その映画とその時代』(ジョルジュ・サドゥール、清水馨共訳、岩波書店) 1966
  • 月世界旅行』(ヴェルヌ、「全集」集英社) 1968

モリエール

  • 『亭主学校・女房学校』(モリエール、弘文堂書房) 1940、のち岩波文庫
  • ドン・ジュアン』(モリエール、白水社) 1942、のち岩波文庫
  • 『守銭奴』(モリエール、岩波文庫) 1951
  • 『スカパンの悪だくみ』(モリエール、岩波文庫) 1953
  • 町人貴族』(モリエール、岩波文庫) 1955
  • タルチュフ』(モリエール、岩波文庫) 1956
  • 『いやいやながら医者にされ』(モリエール、岩波文庫) 1962
  • 世界古典文学全集47 モリエール』(筑摩書房) 1965 - ※以外担当
飛び医者 才女気取り 亭主学校 女房学校 タルチェフ ドン・ジュアン ※孤客(辰野隆訳)  
いやいやながら医者にされ ジョルジュ・ダンダン 守銭奴 町人貴族 スカパンの悪だくみ 女学者
  • 『病は気から』(モリエール、岩波文庫) 1970
  • 『モリエール全集』全4巻 (個人全訳:中央公論社) 1972 - 1973

ウジェーヌ・ダビ

  • 『緑の地帯』(ウージエヌ・ダビ、中央公論社、現代世界文学叢書) 1942
  • 『島の人びと』(ウジェーヌ・ダビ、三笠書房) 1954
  • 『あこがれ荘』(ウジェーヌ・ダビ、三笠書房) 1955

脚注





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