イタイイタイ病とは? わかりやすく解説

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イタイイタイ病

読み方:イタイイタイびょう
別名:イ病

富山県神通川流域で、1910年代発生確認され公害病日本四大公害病一つ数えられる

イタイイタイ病は、摂取されカドミウム腎臓蓄積し骨軟化症起こす病気である。病状進行する腎不全が起こるとともに、骨の強度低下し、ほんの僅かな刺激でも骨折してしまうようになる。イタイイタイ病の名は、患者が「痛い、痛い」と訴えたことに由来する

イタイイタイ病は、神通川上流神岡鉱山から放流されカドミウムを含む排水が、農地汚染したことを原因として発生したが、当初原因不明の病とされていた。1968年に、当時厚生省がイタイイタイ病を国内初の公害病認定し汚染実態調査行ったが、その時には既に、地域住民数十年にわたってカドミウムを含む食物摂取していた。

イタイイタイ病の被害者団体は、1968年から7回にわたって原因企業三井金属鉱業被告とした訴訟行いそのうち第一次訴訟勝訴判決得た残り訴訟は、三井金属鉱業補償約束したことにより、原告側によって取り下げられた。また、補償一環として汚染地域土壌復元事業が行われ、2012年完了した

被害者団体勝訴後も、イタイイタイ病の前段階であるカドミウム腎症患者救済対象から外れているという問題残っていたが、2013年12月三井金属鉱業は、カドミウム腎症患者対象含めた補償実施することを発表した

いたいいたい‐びょう〔‐ビヤウ〕【イタイイタイ病】


いたいいたい病

同義/類義語:イタイイタイ病
英訳・(英)同義/類義語:Itai-Itai disease

神通川上流岐阜県神岡町にある三井金属鉱業神岡鉱業所で、亜鉛製錬した後に出るカドミウム含んだ排水そのまま神通川流していたために水質土壌汚染招いた飲料水汚染、さらにイネカドミウム生物濃縮され、それを食べたヒト激痛をともなう骨の傷害もたらした典型的な公害病

イタイイタイ病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/19 13:18 UTC 版)

イタイイタイ病(イタイイタイびょう)とは、岐阜県三井金属鉱業神岡事業所(神岡鉱山)による鉱山製錬に伴う未処理廃水により、神通川下流域の富山県富山市を中心に発生した公害病である。第二次大戦後の日本における高度経済成長期の負の側面である四大公害病の一つである。略してイ病ともいう[1]。日本語の音を写した 英語: “Itai-itai disease” として『オックスフォード英語辞典』など世界の多くの辞書に記載され、そのまま英語になっている。


  1. ^ “イ病被害の風化防ぐ「語り継ぐ会」設立…富山”. yomiDr. (読売新聞社). (2014年8月18日). http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=103560 2014年8月18日閲覧。 
  2. ^ a b c d e 『富山大百科事典』(1994年 北日本新聞社/富山大百科事典編集事務局編) 「特集 イタイイタイ病」,p.104
  3. ^ a b c 『富山大百科事典』(1994年 北日本新聞社/富山大百科事典編集事務局編) 「特集 イタイイタイ病」,p.106
  4. ^ a b 『富山大百科事典』(1994年 北日本新聞社/富山大百科事典編集事務局編) 「特集 イタイイタイ病」,p.100-101
  5. ^ 『四大公害病 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害』(2013年 中公新書/政野淳子) 「特集 イタイイタイ病」,p.153-154
  6. ^ Cadmium Toxicity What Diseases Are Associated with Chronic Exposure to Cadmium?
  7. ^ a b c d e f g h i j k l 『富山大百科事典』(1994年 北日本新聞社/富山大百科事典編集事務局編) 「特集 イタイイタイ病」,p.98-99
  8. ^ 昭和48年版環境白書(環境庁,1973)
  9. ^ 河北新報「富山、カドミウム汚染農地が復元 イタイイタイ病」[リンク切れ]
  10. ^ 『北日本新聞』2023年12月19日付1面『イ病は終わらない 「全面解決」へ10年 3 緩む復元田 耕作放棄の懸念強く』より。
  11. ^ a b 広田和也(2014年10月12日). “イ病被団協 神岡鉱業を調査 全面解決後初 豪雨災害、対策へ”. 北陸中日新聞 (中日新聞社)
  12. ^ a b c 「なお続く患者の苦しみ」北日本新聞 2008年4月19日朝刊,p.13
  13. ^ a b c d e 『富山大百科事典』(1994年 北日本新聞社/富山大百科事典編集事務局編) 「特集 イタイイタイ病」,p.106-109
  14. ^ 中日ニュース No.912_2「わしらが勝った」(昭和46年7月)”. 中日映画社 (2020年9月9日). 2020年12月13日閲覧。
  15. ^ https://www.asahi.com/topics/word/%E4%B8%89%E4%BA%95%E9%87%91%E5%B1%9E.html
  16. ^ a b 『富山大百科事典』(1994年 北日本新聞社/富山大百科事典編集事務局編) 「特集 イタイイタイ病」,p.111-112
  17. ^ a b 川田篤志(2014年10月2日). “イ病精密検診 最多362人 新たな患者認定の可能性”. 北陸中日新聞 (中日新聞社)
  18. ^ 「イタイイタイ病、未認定者の救済進まず 一時金申請が想定下回る」日本経済新聞ニュースサイト掲載(2016年12月19日)の共同通信記事、2018年6月13日閲覧。
  19. ^ 『富山大百科事典』(1994年 北日本新聞社/富山大百科事典編集事務局編) 「特集 イタイイタイ病」,p.110
  20. ^ 富山県立イタイイタイ病資料館
  21. ^ 【記者の目】イタイイタイ病認定50年 住民苦闘の歴史、未来に=田倉直彦(大阪学芸部)『毎日新聞』朝刊2018年5月30日(2018年6月13日閲覧)。
  22. ^ 「イタイイタイ病資料室」の開設について - 富山大学(2018年3月6日)2018年4月12日閲覧。



イタイイタイ病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/03 19:55 UTC 版)

高原川」の記事における「イタイイタイ病」の解説

イタイイタイ病は、四大公害病一つ神岡鉱山から高原川廃棄され鉱業廃液により引き起こされたものである

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イタイイタイ病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:41 UTC 版)

公害病」の記事における「イタイイタイ病」の解説

1910年代から1970年代前半富山県神通川流域発生した奇病子供出産した女性多く発症し手足の骨がもろくなり、激し痛みが伴うので、イタイイタイ病と名が付けられた。 カドミウムによる水質汚染原因として、米などを通じて人々の骨に対し被害及ぼした

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イタイイタイ病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 06:04 UTC 版)

神岡鉱山」の記事における「イタイイタイ病」の解説

詳細は「イタイイタイ病」を参照 神岡鉱山亜鉛鉱石の主要鉱物である閃亜鉛鉱含まれるカドミウム原因とする、富山県神通川流域発生した大規模な公害である。この公害により最も大きく発生した被害は、布団かぶせただけで骨折し「痛い、痛い(いたい、いたい)」と叫んでしまう「イタイイタイ病」と呼ばれる公害病である。患者神岡鉱山操業していた三井金属鉱業株式会社当時)を相手取り集団提訴し、1971年富山地方裁判所患者原告勝訴。、名古屋高等裁判所金沢支部でも勝訴した。日本四大公害病裁判において、最初原告勝訴判決で、その後公害病裁判大きな影響与えた

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