新聞
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オンライン新聞
インターネット黎明期の1993年にはすでに新聞社がホームページを開設してニュースを配信することが行われ始め、1995年には日本でもオンライン新聞の発行が開始された[61]。以後、世界の大新聞社のほとんどがウェブ上でのニュース配信を開始し、ニュースサイトのひとつとしてオンライン上の新聞は成長を遂げた。また、アメリカの報道大手により携帯型端末iPad専用の有料新聞も発刊されることになった[62]。一部の欧米の新聞社はオンライン新聞の普及に伴い、記事を公開するタイミングについて紙媒体よりもウェブ媒体を優先させるウェブ・ファーストと呼ばれる方針を打ち出し始めた[63]。
オンライン新聞は無料のものも多いが、収入につなげるために新聞社が有料会員を募って記事を配信する有料化も進んできており、2015年には日本の全国紙5紙すべてで有料オンライン版の発行が開始された[64]。
ウィキニュースもオンライン新聞のひとつとされる。大新聞社の発行するもののほかに、インターネット上の市民ジャーナリズムのひとつとしてオンライン新聞に期待する向きもあり、実際にJANJANなどいくつかのメディアが創刊されたものの利用が伸びず、2010年ごろには日本ではほとんどの市民メディアが閉鎖に追い込まれた[65]。
発行部数の順位
以下のデータは、世界新聞協会の「World Press Trends 2019」に準拠した有料新聞各紙の発行部数の上位9紙である[66]。
新聞 | 国 | 言語 | 部数(1000部) |
---|---|---|---|
読売新聞 | ![]() |
日本語 | 8,115 |
朝日新聞 | ![]() |
日本語 | 5,604 |
Dainik Bhaskar | ![]() |
ヒンディー語 | 4,321 |
参考消息 | ![]() |
中国語 | 3,749 |
ダイニック・ジャグラン | ![]() |
ヒンディー語 | 3,410 |
人民日報 | ![]() |
中国語 | 3,180 |
毎日新聞 | ![]() |
日本語 | 2,452 |
Malayala Manorama | ![]() |
マラヤーラム語 | 2,370 |
日本経済新聞 | ![]() |
日本語 | 2 ,347 |
その他
- 図書館などの公共施設で新聞が閲覧に供される場合にはクリップホルダー(長い綴じ具)に挟んで「新聞架」と呼ばれる専用ラックに載せることが多い。
- 新聞の創刊号からの通算の号数(あるいは創刊年からの通算年数)を「紙齢(しれい)」という。
- 和文通話表で、「し」を送る際に「新聞のシ」という。
- 東宝特撮映画では怪獣襲撃や怪事件のとき「毎朝新聞」など架空の新聞名に現実の事件を織り混ぜながらその事件をトップ記事にした架空の新聞を印刷した。なべやかんを初め特撮ファンは収集している。
- 河内音頭で時事ネタを扱った唄である『新聞詠み』の新聞は「しんもん」と読む。
- 無線通信が実用化されるとクルーズ客船では陸上から受信したニュースを纏めた「船内新聞」が発行されることもあった。日本では初めて陸上と交信可能になった天洋丸において日本の出来事を新聞形式で乗客に知らせていた。
注釈
出典
- ^ 「メディアとジャーナリズムの理論 基礎理論から実践的なジャーナリズム論へ」p14 仲川秀樹・塚越孝著 同友館 2011年8月22日
- ^ a b 『新版 マス・コミュニケーション概論』(2009), p. 201.
- ^ 『新版 マス・コミュニケーション概論』(2009), p. 114.
- ^ 「図書及び定期刊行物の出版についての統計の国際化な標準化に関する勧告」第19条 1964年11月9日 第13回ユネスコ総会採択 文部科学省 2019年3月21日閲覧
- ^ a b c 『新版 マス・コミュニケーション概論』(2009), p. 54.
- ^ “全国紙でも進む「リストラ・支局統廃合」新聞記者の苦悩と見えぬ未来”. 現代ビジネス(講談社). 2020年9月12日閲覧。
- ^ “「全国紙」でなくなる? 産経の“感情の起伏”が激しかった「11月16日のこと」”. 週刊文春. 2020年9月12日閲覧。
- ^ “「全国紙」の看板下ろす産経”. 月間FACTA. 20200912閲覧。
- ^ 「メディア学の現在 新版」p250-251 山口功二・渡辺武達・岡満男編 世界思想社 2001年4月20日第1刷
- ^ 「メディア学の現在 新版」p224-225 山口功二・渡辺武達・岡満男編 世界思想社 2001年4月20日第1刷
- ^ 『新版 マス・コミュニケーション概論』(2009), p. 218.
- ^ 『新版 マス・コミュニケーション概論』(2009), p. 216-217.
- ^ 『図説日本のマスメディア』, p. 29.
- ^ 『図説日本のマスメディア』, p. 35.
- ^ a b 社会学小辞典p.169
- ^ a b 社会学小辞典p.406
- ^ 『新版 マス・コミュニケーション概論』(2009), p. 219.
- ^ 『新版 マス・コミュニケーション概論』(2009), p. 220.
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- ^ 『図説日本のマスメディア』, p. 38-40.
- ^ 「点字毎日」 毎日新聞社 2019年3月22日閲覧
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- ^ 「ジャーナリズムの社会的意義と新しいメディア」鈴木謙介 p131(「新聞学」所収)日本評論社 2009年5月20日新訂第4版第1刷
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- ^ 吉見俊哉『メディア文化論』ISBN 978-4641121904
- ^ 「図説 世界史を変えた50の機械」p49 エリック・シャリーン著 柴田譲治訳 原書房 2013年9月30日第1刷
- ^ 「ニュー・ジャーナリズム」マイケル・シュッドソン(「歴史の中のコミュニケーション メディア革命の社会文化史」所収)p177-183 デイヴィッド・クロウリー、ポール・ヘイヤー編 林進・大久保公雄訳 新曜社 1995年4月20日初版第1刷
- ^ 「ニュー・ジャーナリズム」マイケル・シュッドソン(「歴史の中のコミュニケーション メディア革命の社会文化史」所収)p187 デイヴィッド・クロウリー、ポール・ヘイヤー編 林進・大久保公雄訳 新曜社 1995年4月20日初版第1刷
- ^ 「ニュー・ジャーナリズム」マイケル・シュッドソン(「歴史の中のコミュニケーション メディア革命の社会文化史」所収)p177-187 デイヴィッド・クロウリー、ポール・ヘイヤー編 林進・大久保公雄訳 新曜社 1995年4月20日初版第1刷
- ^ 「図説 本の歴史」p97 樺山紘一編 河出書房新社 2011年7月30日初版発行
- ^ a b 「新聞とジャーナリズム」桂敬一 p118(「新聞学」所収)日本評論社 2009年5月20日新訂第4版第1刷
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- ^ [1]
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- ^ a b 「トコトンやさしい紙と印刷の本」(今日からモノ知りシリーズ)p72 前田秀一 日刊工業新聞社 2018年12月19日初版1刷発行
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- ^ 『新訂 新聞学』 p295-296 桂敬一・田島泰彦・浜田純一編著 日本評論社 2009年5月20日新訂第1刷
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- ^ a b 「メディアとジャーナリズムの理論 基礎理論から実践的なジャーナリズム論へ」p210 仲川秀樹・塚越孝著 同友館 2011年8月22日
- ^ 「よくわかるメディア法 第2版」p226-227 鈴木秀美・山田健太編著 ミネルヴァ書房 2019年5月30日第2版第1刷発行
- ^ 『新版 マス・コミュニケーション概論』(2009), p. 111-112.
- ^ 『新版 マス・コミュニケーション概論』(2009), p. 107-109.
- ^ ラジオ局の場合、特に旧AMラジオ局では、県紙が出資する放送局が県内唯一の放送局である場合が多い。
- ^ (社)日本新聞協会「新聞発行部数調査」
- ^ 電通「日本の広告費」
- ^ 「メディアと日本人」p64 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷
- ^ 「よくわかるメディア法 第2版」p243 鈴木秀美・山田健太編著 ミネルヴァ書房 2019年5月30日第2版第1刷発行
- ^ 「メディア激震 グローバル化とIT革命の中で」p17 古賀純一郎 NTT出版 2009年7月2日初版第1刷
- ^ 2011年2月3日の朝日新聞朝刊11面
- ^ 「メディア激震 グローバル化とIT革命の中で」p79 古賀純一郎 NTT出版 2009年7月2日初版第1刷
- ^ 「無料で良質なネットニュースが読める時代は終わる」 奥村倫弘 ダイヤモンド・オンライン 2015.6.11 2019年3月24日閲覧
- ^ 「「市民メディア」の失敗をマスメディアは教訓にできるか」 藤代裕之 日本経済新聞 2010/3/12 2019年3月21日閲覧
- ^ 世界新聞協会発表データより
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