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トップをねらえ!

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/04 01:34 UTC 版)

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トップをねらえ!
ジャンル ロボットアニメSFアニメ
OVA
原作 岡田斗司夫
監督 庵野秀明
キャラクターデザイン 窪岡俊之美樹本晴彦(キャラクター原案)
メカニックデザイン 宮武一貴
アニメーション制作 GAINAX
製作 早川忠継、生明俊雄
話数 全6話
映画:トップをねらえ! 劇場版
監督 庵野秀明
制作 GAINAX
封切日 1989年
上映時間 95分
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

概要

庵野秀明初監督作品。本作品は『王立宇宙軍〜オネアミスの翼』だけを制作して解散するはずのガイナックスが興行不振により生まれた借金を返済するために作られたものである。地味な作風でアニメファンへ受けが悪かった同作の反省を踏まえ、本作ではキャラクター原案に当時『超時空要塞マクロス』などの美少女キャラクターで人気のあった美樹本晴彦を起用、そのタイトルに見られるようにアニメ『エースをねらえ!』や映画『トップガン』を始めとする往年の作品のパロディ的な構成とし、昭和時代のアニメ・特撮作品に対するオマージュを盛り込むなど、一転して明るくとっつきやすい作風となった。

本作はパロディを中心に始まりつつも、次第にシリアスな内容になっていく物語構造を持ち[1]ジョー・ホールドマンのSF小説『終りなき戦い』から着想を得て、「ウラシマ効果」を積極的にストーリーに取り入れるなど、根底には重厚なSF描写や細かい科学設定がある。最終回の第6話はほぼ白黒で、作品題名とラストシーンにごくわずかな着色があるのみ(リマスター版収録のノートリミング版に至ってはその部分も白黒になっている)。ラストは企画段階ですでに構想されており、庵野と岡田は「これならいける」という確信があったという。

家庭用ビデオデッキの普及を背景に「バブル育ち」と形容されるようなOVA作品が数多く作られた1980年代にあって[1]、映像やドラマ性を重視した本作は「OVAの金字塔」とも形容された[1]。ビデオ1巻につき2話収録。1巻あたりの制作費は2500万円。1巻あたり3万本を販売[2]VHSベータマックスLDVHDビデオCDの5方式にて各全3巻リリースされている。

発売当時の宣伝などでは主人公タカヤ・ノリコとその声優である日髙のり子、オープニングテーマ『アクティブ・ハート』・エンディングテーマ『トライAgain…!』を歌っているアイドル歌手酒井法子トリプルノリコを売りにしていた。岡田によれば、当初は酒井にノリコ役を依頼しようと検討されていたという。

なお、登場人物の名前はスタッフやガイナックス関係者に近しい人々の名前から取られているものが多く、主人公のタカヤ・ノリコは当作品の美術スタッフ・高屋法子から。オオタ・コウイチロウは岡田斗司夫の友人である漫画家・みんだ☆なお(眠田直)の本名[注 1]からなどである。

まず岡田斗司夫が企画を立ち上げてプロットを書き、それを元に山賀博之が脚本を書き上げた。岡田斗司夫名義にした理由について山賀は「小さい下請け仕事を、山賀の次回作という形で世間に出すわけにはいかない」「脚本をまとめた僕としては、“脚本:岡田斗司夫”というクレジットは匿名脚本家としての共同ペンネームのつもりでした」[3]と語っており、共同ペンネームとして当時ガイナックスの代表だった岡田斗司夫の名前が使われた。

ストーリー

人類が宇宙に進出するようになった時代、地球は「宇宙怪獣」と通称される正体不明の宇宙生物群 (STMC) による激しい攻撃を受けていた。その脅威に打ち勝つため、地球はマシーン兵器の最強型決戦兵器であるバスターマシン「ガンバスター」の建造を進めていた。

宇宙怪獣との交戦で消息不明となった宇宙軍提督タカヤ・ユウゾウの娘タカヤ・ノリコは、沖縄に所在するパイロットの養成学校、通称「沖女」に通い、軍人となることを目指していた。しかし、ノリコはずば抜けた体力だけが唯一の取り柄でマシーン兵器の操縦はからっきしな劣等生だった。彼女の特別な才能を見出したコーチことオオタ・コウイチロウによる厳しい特訓や、同級生による嫉妬やいじめ、憧れの「お姉様」であるアマノ・カズミとの交流といった経験を経て、自信の持てない落ちこぼれであったノリコは努力や根性によってその才能を開花させていく。そして学校の卒業を待たずしてパイロット候補生となり、戦場である宇宙へと旅立つことになる。

ライバルとなるユング・フロイトとの出会いや、ウラシマ効果で遭難直後の姿のまま漂流していた父の乗艦との遭遇といった出来事を挟みつつも、物語は宇宙怪獣との戦いへと移っていく。ノリコの未熟さを懸念したカズミからコンビ解消を言い渡されたショックを引きずっていたノリコは、ひょんなことから親しくなった男性パイロット、スミス・トーレンと心を通わせ新たにパートナー同士となるが、スミスは「リーフ64会戦」の戦闘で帰らぬ人となる。初めての戦闘で何もできないままスミスを失った失意とトラウマで戦えなくなったノリコをよそに、宇宙怪獣に裏をかかれ太陽系への侵入を許したことにより始まった「火星沖会戦」の戦況は絶望的なものとなっていく[4]。共に戦うカズミやユングも追い詰められていくが、辛うじて迷いを振り切ったノリコは、まだ未完成の状態にあった人類側の切り札、ガンバスターに搭乗して出撃、死闘の不利な戦況を覆し宇宙怪獣に一矢報いることに成功する。

ノリコとカズミは人類の未来を担うガンバスターの正式なパイロットとなり、「太陽系絶対防衛戦」など二人一組での戦いを続けていく[5]ウラシマ効果でずれていく地球との時間差を織り込みつつ、宇宙で戦うカズミと不治の病に冒されたコーチとの恋愛模様や苦悩も描かれる。やがて宇宙怪獣の殲滅を決意した人類は、ノリコが搭乗するガンバスターと共に、宇宙怪獣の本拠地である銀河系の中心、いて座A*に宇宙艦隊を送り込む「カルネアデス計画」を実行する[6]。太陽系絶対防衛線後コーチと結ばれ、沖女のコーチとなっていたカズミも15年のブランクを経て最終決戦に志願し、最終兵器であるブラックホール爆弾「バスターマシン3号」と共にやや遅れて出立し、ノリコと久方ぶりの再会を果たし共に最後の任務に臨む。

種の存亡を賭けた最終決戦において、人類側は多大な犠牲を払いつつも辛勝するが、ノリコとカズミはバスターマシン3号の爆縮により生じたブラックホールに巻き込まれてしまう。事象の地平面をかろうじて振り切りるものの、超重力の影響により地上では既に約12,000年もの膨大な月日が流れ去っていた。人類の存続を半ば絶望視しつつ帰路につく2人であったが、永劫の時を超えて帰還した英雄を歓迎する、地球を挙げてのメッセージに出迎えられる。歓喜の涙と共に損壊したガンバスターに別れを告げ、2人は地球へと降下していった[6]




注釈

  1. ^ ただし眠田は本名を公開していない。
  2. ^ 実在しない架空の学校である。企画の岡田斗司夫の出身校が、一文字違いの大阪市立三稜中学校であった。
  3. ^ 後に離婚。ただし岡田が夫婦と言う関係の意義について、フロン執筆時に意識の転換を行ったため。
  4. ^ 漫画『アストロ球団』に登場するジャコビニ流星打法に由来。
  5. ^ ただし、アマノはオオタとのデュエットで「男と女のラブゲーム」を第3話のアバンタイトルで披露しており、その時の歌唱力は普通に巧かった。
  6. ^ 原理は不明だが、音波を浴びた宇宙怪獣は踊りながら逃げていく。
  7. ^ 建造中止された同型艦と言うと、3番艦用の船体を使用しているととれる表記となるが、確定している事はヱルトリウム級が最低2隻建造された事と、14282年に稼動可能なように見える同型の艦が発見されている事だけである。コミックにおいてアレクシオンが起動する前の段階で、既に地球の科学技術は衰退しており、単素粒子船体の製造技術は失われている。シリウスを目的地として出発しており、後の時代に搭載されていたグレートガンバスターがシリウスに到着している事が確認されている。
  8. ^ トップ世界では、後述の架空の惑星と共に冥王星も惑星として認められており、更に惑星の判定基準は新旧いずれの現実世界での基準とも厳密には異なる。具体的には、トップ2では、天然の旧雷王星は残存核と呼ばれ、ブラックホールエグゼリオが新惑星とされている。従って「木星」と言う名前の(太陽公転)軌道都市なのではなく、ヱルトリウム級の艦体を利用した軌道都市は、木星である。
  9. ^ 同名の組織が『新世紀エヴァンゲリオン』にも登場している。
  10. ^ 後部から見ると、ヱクセリオン級は船殻が半円状になっているが、ツインヱクセリオン級は左右非対称な菱形となっている。
  11. ^ 現実世界では2012年CERNによって存在が確認された。
  12. ^ a b 岡田は名義を貸し実際には山賀が執筆。
  13. ^ 『トップをねらえ! Vol.3』のVHS/レーザーディスク版に映倫マークがついているのはこのため。
  14. ^ 【例】劇場版の「科学講座」では「『宇宙船』や『アニメージュ』を創刊から廃刊まで揃えています」となっていたものが、テープメディア/レーザーディスク版では「廃刊まで」が削除されている。

出典

  1. ^ a b c オトナアニメ』vol.21、洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2011年8月8日、44-45,111頁。ISBN 978-4-86248-772-8
  2. ^ 『オタク学入門』粋の眼 -3 美少女キャラの文脈”. 未来編集研究所. 2016年1月15日閲覧。
  3. ^ クイック・ジャパン』Vol.18、太田出版、1998年3月。ISBN 4-87233-374-8
  4. ^ 第4話。
  5. ^ 第5話。
  6. ^ a b 最終話。
  7. ^ 最終話での彼の墓標が映るシーンより。
  8. ^ 公式設定資料集「コンプリートガンバスター」より。
  9. ^ BSアニメ夜話における考案者の岡田斗司夫の発言から。
  10. ^ イは左右反転





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