西根家
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西根 公輝(にしね まさき) / ハムテル / キミテル 演 - 吉沢悠 主人公。H大学獣医学部の大学生→大学院生。獣医師国家試験合格と獣医学部卒業後は大学院獣医学研究科博士課程家畜病院所属。友人からは名前の「公輝」を分解した「ハムテル」、祖母からは「キミテル」など、みんなの呼びたいように呼ばれているため、ドラマ版を含めて両親、菅原教授、亀松教授ぐらいしか彼の本名を口にしない。 高校時代、同級生の二階堂と共に、帰宅の近道であるH大獣医学部の解剖実習室横を通り抜けようとした時、供養塔の墓石の影に居たハスキー犬の子犬チョビと、漆原教授に出会ったことで獣医の道に進む事になる。チョビを探して現れた漆原教授に「いい飼い主」になれる素質を見抜かれ、「キミは将来、獣医になる!」と宣言され、チョビの飼い主を押し付けられた。その気は無かったものの、後の通院経験から「獣医になれば飼っている動物たちの治療費が浮く」と手近なH大学獣医学部病院学講座を進路に選んだ。 沈着冷静な青年で、基本的に無表情でマイペース。初対面の漆原教授から「高校生にしてはじいさんぽい落ち着き」と評され、時には祖母や友人から「根暗」と言われるほど。よく青筋を立てて怒る感情的な二階堂とも対照的で、劇中にハムテルが青筋を立てて怒った描写は一度もない。ただしよほどのことがない限り、態度や表情に出にくいだけである。事故で行方不明になったチョビが戻ってきた際には、嬉しさからパジャマ姿のままチョビに抱きつき、満面の笑みを浮かべている。 その一方で、漆原教授との勝負に多少熱くなったり、祖母や菅原教授相手にいたずらじみたことをする、お茶目な面もある。動物には少年の頃から優しく接し、変わり者や凶暴なキャラクターを除けば動物からも好かれやすいが、チョビに礼儀作法を教育するなどしつけにもぬかりがない。 冷静さに加えて、なにごともそつなくこなし、試験で赤点を取ったこともないため、周囲からの信頼もあついが、頼みごとなどを原因に、いつの間にかトラブルに巻き込まれていることもしばしば。本人曰く「温室育ち」の世間知らずで、アルバイト経験もなかった。その後は清原に頼まれて犬の散歩のバイトの代行や、夏休みには二階堂といっしょに馬舎のバイトを経験している。 大正時代からある大きな屋敷に祖母と二人暮らしだが、見栄に無頓着な性格なので必要な生活空間しか手入れしていない。両親は長いこと不在で、親友の二階堂ですら大学3年まで「不慮の事故か病気で両親は他界している」と勘違いしていた。本人曰く「聞かれなかったので言わなかっただけ」で、実際は両親ともにドイツの楽団に在籍している。一人っ子で父とは顔も性格も似ているが、母とはハムテル自身も「本当に親子なのか?」と思うほど顔も性格も似ていない。親子仲は特にわだかまりも無く、稀に帰国した際は家族総出でマージャン卓を囲み、勝敗に屋根の雪おろし担当を賭けるのが恒例行事になっている。演奏家の両親の影響かハムテルもピアノを弾けるが、音感は皆無に等しく、「破れ鐘を叩くような音」が出るほど調律の狂ったピアノを弾いても気が付かない。 犬ぞりレース愛好家のブッチャーに若さを見込まれ、マッシャー(そりの操縦者)となり、3回目の大会では見事に優勝を果たした。 物語終盤では博士課程に進み、動物病院へ修行に出て、将来的には二階堂と共に開業したいと考えている。 西根 タカ(にしね タカ) 演 - 岸田今日子(少女時代:吉野きみか) ハムテルの祖母。ハムテルからは「おばあさん」と呼ばれている。原作では、常に着物姿で登場する。 上品ではあるものの気性が荒くて押しが強く、根に持つ割には都合の悪いことをすぐ忘れるタイプ。我がままで怒りっぽいトラブルメーカーで「西根家では彼女が裁判官であり彼女自身が法である」と称される存在だが、楽天家でどこか憎めない祖母に、ハムテルは大概うまく押し切られて逆らえない。 立場上は飼い主であるミケはおろか、自分で預かってきた動物の世話もハムテルに押し付け、口だけ出すという気楽な立場を貫いている。ハムテルが獣医学部に進んだと近所に吹聴したため、住民が比較的軽い容態(下痢や無気力)の患畜を動物病院ではなく西根家へ連れて来るようになってしまった。重症の動物を持ち込まれたら対処しきれないというハムテルの不安が的中し、卵詰まりで瀕死の文鳥を持ち込まれた時には流石にタカも後悔しかけたが、祖父が小鳥を多数飼育していた経験と咄嗟の機転で、有り合わせのサラダ油により卵詰まりの処置に成功してしまい、お気楽な考えが改まることは無かった。 少女時代から現在の屋敷で暮らしており、女学校出で学もある。孫のハムテルが同じ西根姓であるため、娘の絹代と少なくとも2代続けて入婿を迎えたことになるが、タカ本人の夫(ハムテルの祖父)は作中に登場しない。文化的な芸事を通じての交友が広い。趣味は園芸。 チョビ 声 - 柊瑠美 ハムテルの飼い犬で、シベリアン・ハスキーのメス。連載当時の日本では珍しい犬種で、ペット雑誌でハスキー犬の価格を見た二階堂は「あの先生がシベリアン・ハスキーみたいな高価な犬をタダでくれるか?」と犬種を疑っていた。 ハムテルにはとても忠実で、彼のことをとても慕っている。 ハムテルが子供の命名の本まで読んで名前を考えている間に、二階堂が動物相手に乱用する「チョビ」という呼びかけを自分の名前と思い込んでしまった。 ご機嫌なときの笑顔ですら般若と形容されるほどの強面で、単行本での紹介文はそれを逆手に取った「笑顔が可愛いシベリアン・ハスキー」。初対面の相手にはよく怖がられ、飼い始めたころのハムテルも「あまり微笑まないように」と注意するほどだった。その一方で、菱沼から「箱入りハスキー犬だものね」と言われるほど、温厚かつ従順で、賢く聞き分けの良い、受動的な性格の持ち主。一人称は「ワタシ」。興味のあることに対しては「あそぼ?」「あそんでるの?」、不快な状況に対しては「ひー」「やーん」などの意志を表す描き文字が出る。 動物とのコミュニケーションは先輩猫であるミケから教え込まれ、命の恩人でもある彼女には、大きく成長したあとも頭があがらない。人間とのコミュニケーションはハムテルとタカから教育を受け、人や食べ物に損害を与えない『西根家で最も安全な動物』と評される。ただし食い意地だけは張っており、押しに弱い二階堂を見つめ続けてプレッシャーを掛け、サンドイッチを勝ち取ったことがある。 動物どうしのやりとりでも比較的上品で常識的な性格で、その能力と性格から犬ぞりのリーダーを務めたり、大人しさを買われて人気天才子役の少女らと共にペットモデルとしてポスターになったことがある。 非常に温厚だが全く怒らないという訳ではない。ワガママなスコシと一時的に同居した際には、その傍若無人ぶりに「何度か怒ろうと思った」ものの、タイミングを逃して結局怒れなかった。しかし、ハムテルが興奮した犬ぞりのハスキー犬に手を噛まれて怪我をした時には青筋を立ててその犬に噛みついている。 母親は迷い犬のハスキー犬(舶来の首輪を付けていた)で、人家の床下で出産した。産後の母子が弱っている様子を察した家の主人は床板を剥がしてまで救出を試みた。しかし母犬と兄弟の仔犬たちは助からず、チョビだけが衰弱した状態で保護され、深夜に知人であった漆原に託された。その後は獣医学科家畜病院で先に来ていた他の仔犬(チョビより2週間ほど早く産まれた)と共に貰い手を待っていたが、とうとうチョビには最後まで貰い手がつかなかったため漆原が自宅で飼う決心をし、連れて帰ろうとしたその日、偶然ハムテルに巡り合うこととなったのであった。 劇中では一度、雷の音と光でパニックになってハムテルからはぐれ、行方不明になったことがある。最終的には自力で戻ってきたが、それ以来、雷やそれに似た音、カメラのフラッシュが苦手となってしまった。 テレビドラマ版の“チョビ”の本名も“chobi”という。スタッフが数ヵ月かけて、長野県内で見つけた。あまりにも原作とそっくりなため、放映局のテレビ朝日には、「CGか特殊メイクではないか」という問い合わせまであったという[要出典]。 ミケ 声 - 山本圭子 タカの飼い猫。首にリボンを巻いているメスの三毛猫。なぜか動物同士の会話や思考が関西弁になっており、ハムテルを「ハムやん」と呼んでいる。 水が苦手で泳げないが、狩りが得意でネズミやスズメを狩ることに情熱を持ち、近所のスーパーがネズミ捕りがわりにしていたハエ取りリボンに自分が引っ掛かってご近所トラブルになりかけたことも。「自分の縄張りでネズミが大きな顔をしているのが許せない」という理由から、ハムテルに叱られると分かっていてなお、西根家で飼われているスナネズミにも狩猟本能をたぎらせる。 元々はタカの友人宅で生まれた4匹の子猫の中の1匹で、二度ほど貰い手がついたが気性の荒さからお流れになり、最終的にタカの飼い猫になる。プライドが高く、もともと神経質だったが、幼少期に遭遇した不運な出来事のせいもあり、当時はかなり不良少女的な性格だったらしい。 落ち着いた現在でも大型犬を挑発しに行くほどだが、飢えた親子連れの野良猫の為、ハムテルに餌を用意させるなど面倒見のよい姉御肌でもある。ハムテル宅周辺の地域をテリトリーとする猫社会の女ボスで、その様子は「裁判官兼区役所員」とも。また、幼いチョビのしつけをしたのも彼女で、チョビが成犬になってからもスズメやカエルの取り方を教えようとする。チョビからは「ミケちゃん」と呼ばれている。 要領がよく、タカの寵愛を受けているため、西根家での立場は高い。チョビやハムテルに遊びにさそわれると、子どもの相手をするのはごめんだと渋々な態度を取りつつも、いざ遊びはじめると本気になって見境がなくなる。 タカが留守の間に、ハムテルが大学に連れていった事もあるが、避妊手術予定の猫と間違われ、麻酔をかけられ腹の毛を剃られた。ハムテル達に発見されて手術は行われずに済んだが、ハムテルはタカに怒られ、「西根家の動物は病院にかかるとハゲを作られる」というジンクスができた。 ヒヨちゃん 声 - 大塚明夫 凶暴で喧嘩好きなオスのニワトリ。もともとは、鷹匠に憧れていた小学生のハムテルが鷹のように操ることを夢見て、道端の露店で購入したヒヨコである。名前も「買った時、ヒヨコだったから」という理由でつけられた。 品種はごくありふれた卵用種の白色レグホン。漫画内では「西根家最強の生物」と紹介されている。ニワトリとしては相当の老齢であるが、老いてなお、つつかれれば流血沙汰になり、小屋から出す時も扉を開くと飛びかかってくるほど凶暴で、縄張りである西根家の庭に入ってくれば大型犬のチョビすら追いまわし、飼い主のハムテルにも蹴りを入れる。これが結果的に西根家を押し売りや泥棒などから守っているが、無害なはずの二階堂もよく蹴られている。 ハムテルが小学生の頃には、鷹匠の真似事でヒヨちゃんを訓練していたが、しょっちゅう鳴くニワトリの習性に辟易したタカが、ヒヨちゃんを大音量のラジカセの下に置いた段ボール箱に閉じ込めたため、一時は臆病な性格だった。庭に迷い込んだ近所の犬とのケンカで勝って以来、行き過ぎた自信をつけ、ハムテルも「もう、あるがままのヒヨちゃんでいい」としつけを放棄したため、現在の凶暴性を獲得した。 劇中では一度インフルエンザを患ったが、漆原による治療を受けて短期間で復活。荒っぽく注射されたことを根に持っており、様子を見ようとした漆原に飛び掛って作中の動物では唯一互角の戦いを見せ「もう2度とつれてくるなよ」と言われるほどだった。 二階堂の親戚から押しつけられた凶暴な2羽のメスとお見合いをしたことがあるが、双方の気性の激しさが災いして大失敗に終わり、追い出された2羽の雌は隣の家に住み着いている。自分よりある程度小さい動物に対しては優しい(というより無関心な)一面があり、たまに庭にやってくる小柄で可愛い茶色のオスニワトリが唯一の友達。 スナネズミ 付属家畜病院の診療を手伝った「お礼」として漆原教授からハムテルに押し付けられた。両方オスだから増えないという触れ込みだったものの、実際にはオスメス揃っていたせいで繁殖し、何匹かは大学の同級生、先輩などに里子に出され、後のエピソードに登場している。 最初に貰った2匹は、ハムテルに見た目から「おとうさん」や「おかあさん」と名付けられたが、授乳の様子などから「おとうさん」がメス、「おかあさん」がオスだったと判明する。毛皮が大好きで、ミケの腹の上でも昼寝してしまうという、生存本能に欠ける暢気な存在である。自分より大きなものが素早く飛んでくると気絶する習性がある。ハムテルはケージの床材に新聞紙を使用しているため、インクが体毛に移って全体的に灰色(文字どおりの「ネズミ」色)っぽい。泳げる者と泳げない者がいる。あるきっかけで「おとうさん」だけ日本酒を飲むようになり、たまにハムテルや祖母と一緒に晩酌をしている。 コロ タカが女学生時代に飼っていた犬。既に他界しているので回想シーンのみに登場する。 近所の獣医である西町家畜診療所で爪を切ってもらった際、切りすぎで出血してしまったことがあり、タカは三代目の孫が院長を務める現在に至るまで、西町家畜診療所へ西根家の動物を通院させる事を禁じている。 当時としては珍しい犬の爪切りをした経緯についてハムテルが不思議に思い、いろいろと思い出してみると、爪の切りすぎはタカが意地を張ったことも原因だと判明した。 西根 絹代(にしね きぬよ) 演 - 真矢みき ハムテルの母でタカの娘。ピアニストだったが、本番に弱い性質でよく失敗していたため、後にオペラ歌手へ転身。ハムテルの少年時代には夫の祥平ともども同居していたが、音楽家としての活動のため現在はドイツ在住。『トスカ』の日本公演で主役を務めるついでに北海道の実家を訪れた。多忙なためか、ハムテルと高校から付き合いがある二階堂ですら死別したのかと勘違いするほど長期間姿を見せておらず、ハムテルの大学合格祝いを数年経ってからプレゼントする事になった。 基本的に親子仲は良好だが、ハムテルから冗談混じりに「血の繋がりを感じられない」と思われるほど、実母のタカに似たお気楽な性格。同僚の欧米人から見ると外見がまだ少女のように見えるらしく、彼らからは親しみを込めて「ばけもの」と呼ばれている。西根家の庭にあるコンクリートの池は彼女の作で、「趣味は土木工事」と注釈を入れられていた。 西根 祥平(にしね しょうへい) 演 - 小木茂光 ハムテルの父で婿養子。ピアニストだが簡単な指揮もできる。絹代と共にドイツ在住。ハムテルの動じない性格は、この人から受け継がれたもの。容姿もよく似ているが、ハムテルよりは笑顔が多く、やわらかい印象がある。若干天然ボケぎみで妻の尻に敷かれているようだが、妻を尊敬しているために何も言わないだけである。ハムテルを本名で呼ぶ数少ない人物。
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