バンド (音楽)
バンド(英: band)または楽団(がくだん)、楽隊(がくたい)とは、楽曲を演奏する集団のこと。
概要
単に「バンド」と言った場合は、ジャズやロックなどポピュラー音楽を指すことが多いが、広義にはジャンルを問わない。ただし、オーケストラはバンドと区別されることが多い。差異は、電子楽器やエレキギター、ドラムセットを使用しているか否かであると見られることが多い[誰によって?]。
訳語として楽団(がくだん)がある。ただし楽団と呼称した場合はオーケストラ(管弦楽団)も含まれ、特に管弦楽団や吹奏楽団を指すことが多い。この場合は電子楽器やギター、ドラムセットはパートに加わっていない。
通常、大半が楽器演奏者からなる集団を指すが、ごく希に、ボーカルグループに対し使うこともある。楽器演奏者に限定せず使える語に、ユニット、グループがある。
なお、英語の“band”は音楽バンドのみならず、一まとまりの集団をも意味する(「バンド・オブ・ブラザース」など)。
種類
ジャンルによるもの
ロックバンド
主にロックを演奏することを目的としたバンド。一般的には3人から5人、あるいはそれ以上のメンバーで編成されており(2人のこともある)、楽器の編成も多岐に亘るが、概ね以下に分類される。専任ボーカル不在の場合は、メンバーの誰か、あるいは何人かがボーカルを兼任する場合が多い[注 1]。
3人編成
- ギター・トリオ
- ギタリスト+ベーシスト+ドラマーの構成。
- ロックバンドの基本とされる編成。スリーピースと呼称される場合もある。
- キーボード・トリオ
- キーボーディスト+ベーシスト+ドラマーの構成。
- ギターでなくキーボードを入れるスリーピース。当然ながら、ギターのロックバンドではなくなる[注 2]。
4人編成
- ギター・トリオ+ボーカル
- スリーピースとボーカルを個別に揃える4人タイプ。担当するパートを個別で専任にすることができる、ロックバンドのもう一つの基本的なタイプ。
- ヴァン・ヘイレン / ザ・フー / レッド・ツェッペリン / ザ・スミス / ストーン・ローゼズ / レッド・ホット・チリ・ペッパーズ / ブラー
- ギター・トリオ+ギター
- ギターを2本入れるタイプ。スリーピースに比べ、ボーカルが派手にステージングしにくくなる代わりに、2本のギターで音に厚みが生まれる。
5人編成
- ギター・トリオ+ボーカル+ギター
- ギターは2本で、かつボーカルを専任とする5人編成。パートが多く、ボーカルも専任であるため、人数が多いが演奏自体は比較的楽となる。
- ヤードバーズ[注 3] / ローリング・ストーンズ/ エアロスミス/ AC/DC / ジューダス・プリースト / ガンズ・アンド・ローゼズ / ストロークス
- ギター・トリオ+ボーカル+キーボード
- ギター・トリオに、さらに専任ボーカルとキーボードを揃える。全員が別のパートを担当し、かつ専任なので、音の自由度が高い。
- ギター・トリオ+ギター+ギター
- ギターを3人とするタイプ。この形式では、額面通りギター3人が全てギターを担当するバンドは少なく、たいていの場合「ギターなどのマルチプレイヤー」が、内1人は入る。
- ギター・トリオ+ピアノ+シンセサイザー
- ギター・トリオにピアノとシンセサイザーが入る。
変則的なもの
- ギターなどのマルチプレイヤー+ドラム
- 2人組のユニットで、ビート感の強い音を鳴らせるロックバンドとしての最少編成。最も簡素な編成でありながら、比較的新しいバンドでこの編成をとるバンドが多い。
- ギター・トリオ+キーボード+パーカッション(トランペット)、ギター
- 5人編成。楽曲に応じて変則的である。また、7人編成以降はボーカルと兼任している。旧編成は以下の通り。
- ギター・トリオ+ギター+ギターなど+ボーカル
- 6人編成。これを超える人数の形式はロックバンドではほとんどない。
- アイアン・メイデン / プライマル・スクリーム(ライブのみで行う)
- ギター・トリオ+ギター+ドラム(パーカッション)+キーボードなど
- 6人編成でドラマーを2人とするタイプ。2人のドラミングで音圧が増しパフォーマンス性も高いが、ドラム同士のコンビネーションが強く求められる。
- ギター・トリオ+サックス+ボーカル+サイドボーカル+サイドボーカル
- 非常に珍しい7人編成。日本ではチェッカーズが初。解散以降はJAYWALKまで現れなかった。
- ギター・トリオ+ギター+ドラム+キーボード+ボーカル
- 7人編成。ドラム2組、ギター2本、加えて全てのパートが存在する非常に珍しい大人数。現在、JAYWALK以外は確認出来ていない。
ジャズバンド
主にジャズを演奏することを目的としたバンド。
- ジャズコンボ
- 少人数の編成によるバンド。バンドの構造はロックバンドと共通する点が多いが、ブラス/ホーンが加わる例が多いため、編成の種類はロックよりも多岐に亘る。また、従来のジャズバンドは生楽器による編成が基本とされていたが、マイルス・デイヴィス以降は電気/電子楽器の導入も稀ではなくなった(ウェザー・リポート、チック・コリア、ハービー・ハンコックなど)。
- ビッグバンド
- 大人数編成のバンド。
- スウィング・ジャズバンド
- スウィング・ジャズを主に演奏するためのバンド。
オーケストラ
管弦楽団、交響楽団とも呼称される。主にクラシック音楽及び非ポピュラー音楽の演奏を目的とした楽団。ただし「ボストン交響楽団」と「ボストン・ポップス・オーケストラ」の様な形で複数のジャンルを演奏する場合もある。ウィーン・フィルやベルリン・フィルなど、活動拠点を名称にしている場合が多い。
またオーケストラのための楽曲で、舞台上のオーケストラとはなれた場所に別動隊として小編成のアンサンブルが同時演奏することがあり、この小編成のことをイタリア語でバンダと呼ぶ。詳細はバンダ (オーケストラ)を参照。
ポピュラーオーケストラ
ポピュラーバンド、ポップスオーケストラとも呼称される。主にポピュラー音楽の演奏を目的とした楽団であり、指揮者自身がリーダーである場合が多い。
- 著名なリーダーの例
- ビリー・ヴォーン / ポール・モーリア / マントヴァーニ / レイモン・ルフェーブル
吹奏楽団
- コンサート・バンド
- シンフォニック・バンド
- ブラスバンド
- ファンファーレ・バンド
- ミリタリーバンド(軍楽隊)
- スクールバンド
- マーチングバンド
- ジャグ・バンド
人数によるもの
- 二重奏団(デュオ、2ピースバンド)
- 三重奏団(トリオ、3ピースバンド)
- 四重奏団(カルテット、4ピースバンド)
- 五重奏団(クインテット、5ピースバンド)
- 六重奏団(セクステット、6ピースバンド)
- 七重奏団(セプテット、7ピースバンド)
- 八重奏団(オクテット、8ピースバンド)
- 九重奏団(ノネット、9ピースバンド)
- 十重奏団(デクテット、10ピースバンド)
その他
- 女性ボーカルバンド
- 女性がボーカルを担当するバンド。レベッカ、LINDBERG、JUDY AND MARY、DREAMS COME TRUEなど多数。
- ガールズバンド
- 原則として女性だけで編成されたバンド[1]。
- バックバンド
- 原則として伴奏を受け持つバンド。
- ジャム・バンド
- ステージにおいて即興演奏を行うことを主体とするバンド。
- コピーバンド
- または「クローンバンド」。任意の有名なバンドに似せた演奏を行うバンド。演奏内容だけでなく、衣装やステージアクションなどもコピーする例もある。ファンによるリスペクトや、諸事情でオリジナルのバンドを呼べない場合の代替手段など、存在理由は多岐にわたる。
- コミックバンド
- バンドの名称にもある通り情勢・身内・時事などをネタにした内容の演奏を行うバンド。主な具体例としてはクレージーキャッツ、ザ・ドリフターズ[注 4]、ずうとるび、イモ欽トリオ、事実上一人バンド扱いのギタリスト・王様、ビジーフォーがある。
- アンサンブル
- 主にクラシックの数人から十数人程度の小編成の演奏団体に対して用いられる用語。時にはジャズを演奏する団体に対しても用いられる。
- サウンド・システム
- レゲエのバンドのこと。名前の由来はスピーカーなどの音響機器を含めて提供していたため。現在[いつ?]は音響機器を持っていなくてもサウンド・システムと呼ばれる。
- インディーズバンド
- 大手レコード会社(メジャーレーベル)に所属せず、インディーズレーベルを中心に活動しているバンド。
- アマチュアバンド
- アマチュアによるバンド。
脚注
注釈
出典
- ^ ガールズ・バンド | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス. 2021年10月25日閲覧
関連項目
楽団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 23:33 UTC 版)
「ZOMBIE LOLITA」の記事における「楽団」の解説
チャナ -CHANA-(団長/Guitar) ゾンビロリータ団長。 作曲、作詞、イラスト、デザイン、メイク、構成、演出、劇作家、バンドプロデューサー。 HIDEATH -ヒデス-(Drum) 「劇団チャイナマーブル」からのオリジナルメンバー。 ブラストビート、高速ドラミングを主に得意とする。 黒色乙女 -くろいろおとめ-(Guitar/vocal) 2011年加入。2015年1月より休養のため一時脱退。 当初はヴォーカルのみの参加だったが現在はギターメインとなっている。 DAHLIA、紅蓮飛鳥、肥溜下子、グロリア、月乃るび、愛弓を担当。 わんたろう -WANTARO-(Bass) 2005年一時加入。2012年に復活し正式加入。 ライブパフォーマンス、女装などを得意とし積極的に行う姿が度々見られる。 義眼城柊子 -ぎがんじょうとうこ-(key board) 2013年加入。 鍵盤から効果音まで担当している。
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「楽団」の例文・使い方・用例・文例
- 楽団を契約して使う
- 交響楽団
- ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
- その楽団は音楽ホールで聴衆にマーチを演奏した
- 彼は楽団に演奏を始めるよう合図した
- 彼が楽団を率いる歌手だ。
- 楽団はポロネーズを演奏し始めた。
- 彼は、アルゼンチンのあるタンゴ楽団のバンドネオン奏者である。
- 私は管弦楽団に入りました。
- 彼は吹奏楽団に所属しています。
- 今日のABC交響楽団の演奏は期待はずれだった。
- 管弦楽団は郷愁に満ちた音楽を演奏し始めた。
- 楽団は新しい指揮者の指揮ですばらしい演奏をした。
- 楽団は急に活気づいた。
- 楽団は行進曲を何曲か演奏した。
- ロンドンの交響楽団のコンサートスケジュールを知りませんか。
- ダンサーたちは楽団の音楽にあわせてステップを踏んだ。
- その楽団がパレードの見物客を楽しませた。
- オーケストラの楽団員はみな成功を喜んだ。
- 大管弦楽団, グランドオーケストラ.
楽団と同じ種類の言葉
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