現在の屋敷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 05:30 UTC 版)
「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」の記事における「現在の屋敷」の解説
1906年のサンフランシスコ地震が起こる前、ハウスは7階建てで建設されていたが、現在屋敷で一番高いのは4階である。建物は主にセコイア材の骨組みで設計されており、建物の基礎がやや浮動的な造りであったことが、この1906年の地震と1989年に起こったロマ・プリータ地震のいずれに見舞われても、完全に倒壊しなかった理由なのではないかと信じられている。ハウスには40の寝室と2つの舞踏室を含む、およそ160の個室がある。また、47個の暖炉と1万枚の窓ガラス、17の煙突(2つの建設されていた形跡もある)、2つの地下室と3つのエレベーターも存在する。 一時期、ウィンチェスターの資産は65万平方メートル(162エーカー)にも上ったが、現在地所は屋敷と近接する離れ屋が入る最小限の面積である、2万4千平方メートル(4.5エーカー)程となっている。金と銀のシャンデリアや、寄木細工が散りばめられた床・装飾も取り入れられている。その他、屋敷内にはどこへも通じていないドアや階段があり、極めて多くの配色や素材が用いられている。エレベーターが使用できるようになる前は、深刻な関節痛を患っていたサラの便宜を図って、屋敷内のあらゆる部分へと行けるようにする特別な「簡易蹴上げ板」が取り付けられていた。ハウスの塗装には、およそ7万6千リットル(2万ガロン)の塗料が必要とされた。ハウスは途方もない大きさだったため、全ての区画が塗り終わる頃には、次の塗り替えを始めなければならないほどであったという。 蒸気暖房や空気強制暖房、近代的な室内トイレや配管系統、押しボタン式のガス灯に室内配管からの温水シャワーなど、ハウスには当時の建築物において稀にしか見られない便利な設備が見られた。設備には3つのエレベーターもあり、この中の一つにはアメリカ合衆国で唯一の、水平な水圧式エレベーターピストンが含まれている。ハウスには、サラ・ウィンチェスターの信条や、悪意のある霊魂を寄せ付けないよう没頭していたことを反映する、独特な特徴が保持されている。彼女が幸運をもたらすと考えていた数字の13とクモの巣のモチーフは、屋敷中に表れている。例えば、輸入物の高価なシャンデリアにはもともと12個のろうそく立てがあったが、その後13個のろうそくに合うように作り変えられており、その他にも壁の衣服を掛けるフックの数が13の倍数となっており、クモの巣の模様が施されたティファニー製の窓にも、13色の石が含まれている。賞賛の印として、ハウスの現在の管理人は、数字の13の形を模したトピアリー(装飾庭園)の木を創った。 今日では、この屋敷を訪れるいくつかの観光旅行が行なわれており、ハロウィンや13日の金曜日辺りには、夜間に肝だめしツアーが行なわれることもある。
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