主人公&ヒロイン
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湊斗景明(みなと かげあき) 声:石川ゆうすけ 親王の後援の下、銀星号を討つために暗躍する青年。劔冑は村正。活動時は非公式のパート警察官・鎌倉警察署属員を名乗り、普段は尊属殺人を含む多数の殺人を犯した未決囚として拘置所に収監されている。 陰鬱なオーラを漂わせているものの、実際は生真面目でおおらかな青年。少々天然なところがあり、会話中に相手を脱力させることも多い。殺人を犯した自らを悪鬼と自嘲し、善悪相殺の呪いに苦しみながらもその両手を血に染めている。 戦闘能力は高いが、決して天才の域に届くものではない。 銀星号の“卵”の浸食に耐えられる劔冑が村正のみであることと、何より妹を自分の手で止めるために村正を振るっている。銀星号討伐の暁にはその罪の元に処刑されることを望んでいる。 非常に多芸な人物で、学生時代は「バントの魔王」と呼ばれ、硬貨を一瞬で縦に積み上げることを得意する等、非常に地味な才能に満ち溢れている。村正(むらまさ) 声:須本綾奈 「魔王編」及び「悪鬼編」のヒロイン。 千子右衛門尉村正三世。女性。かつては湊斗家に奉られていた劔冑のうち一領であり、とある事件の折に景明と暫定的な帯刀の儀を結んだ。景明とは銀星号討伐という共通の目的の下、相棒として活躍する。 鋼の肉体の通りに冷たく感情を廃していると見せて、呪いに悩む景明を深く想い、気遣っている。南北朝戦争で膨大な数の死者を出した妖甲として鋳潰されそうになった母を庇い、もし二世村正が再び災いを巻き起こした時それを止めるための劔冑となった。その自分の願いが銀星号を誕生させ景明の人生を破壊したとして深い罪悪感を抱いているが、その本心を口に出そうとはしない。祖父と母の信じた善悪相殺の理を彼女も受け入れているが、内心では徹し切れてはおらず、彼女もまた罪悪感と後ろめたさに苛まれている。 人間であった頃は褐色の肌のスタイルの良い妙齢の美女であるが、これは成長が早いという蝦夷の特徴であり、見た目よりは年若い。そのため、精神的にはまだ多分に未熟が面があり、あるルートで人間の姿を得た時はかなり感情豊かな一面も見せる。特に男女関係の経験は皆無であり、景明が珍しく彼女の装甲を綺麗にしてやろうとした時には襲われると勘違いして狼狽し泣き叫んだり、人の姿で彼に抱かれようした時には動揺のあまり言葉を噛みまくるなど、極めて免疫が薄い。 綾弥一条(あやね いちじょう) 声:海原エレナ 「英雄編」のヒロイン。 六波羅を憎む女学生。過去のある事件から異常なまでに強い正義感とカリスマ性を持つ。 最初は景明を見下していたが、ある事件を機に和解。景明に憧れを抱くようになり、警察署属員の身分を得て、景明の部下として銀星号討伐に協力する。小柄だが、祖母から吉野御流堂場礼法の手ほどきを受けているため武術の心得は充分。極度の方向音痴。 景明と親しくなるために趣味を合わせようとするなど、年頃の少女らしい一面も持つ。 かつて、罪を犯してしまった父の介錯を務めたことをきっかけに「悪」を憎み、「正義」を奉じるようになる。正宗を手に入れてからはその正義感に拍車がかかるようになり、邪悪は悉く殺すべしというような考えを持つようになる。その「正義」の末路と、その結果を受け止め彼女が選ぶ道が「英雄編」の大きなテーマとなる。 己の信ずる正義のためなら自己犠牲を厭わず、それ故に正宗の使い手として理想的な資質を有する。ルートによっては正宗を失い、三世村正の仕手となる。正宗(まさむね) 声:転河統一 相州五郎入道正宗。天下一名物と名高い劔冑。数百年に渡り死蔵されていたが、雪車町によって一条の手に渡る。 元寇の際、蒙古の暴虐に憎悪を覚え、劔冑を打った。己が正義に成ると豪語して憚らぬ正義馬鹿で、悪と見なす者に対しては一切の容赦がない。一条をして「人間以上に感情的」と言わせるほど自己主張の激しい性格。同じ正義を奉ずる一条とは意気投合するものの、頭の螺子の飛んだ発言も多いことから彼女を引かせることもある。 暴虐に抵抗する力を持たない弱者を、己が身を犠牲にしても守るという信念には曇りはないが、周囲に気を配れない頑固な面もある。 死蔵されていた故に知られていないが、その武装は仕手の骨や内臓を材料とする異形の兵器であり、常人ならば到底扱うことの出来ない劔冑である。幸運にも一条という理想の仕手を得ることとなる。 大鳥香奈枝(おおとり かなえ) 声:吉川華生 「復讐編」のヒロイン。 GHQ民生局に所属する軍人で、階級は中尉。物語が進むとG-2(第二参謀部)特殊資料整理科の大尉に転属・昇進する。コントラバスの演奏を得意とする糸目の女性。 名家大鳥家の令嬢だったがとある事情により家を離れ、妹の花枝に家督を継がせた。ある山村での事件の解決に景明と協力して挑み、それ以来何故か彼と積極的に関わろうとする。穏やかでユーモア溢れる性格だが生来の殺人嗜好の持ち主であり、さらに貴族として正義を尊び悪を憎むよう教育された結果、悪行を成したものを殺すことに何よりも喜びを感じる精神の持ち主(殺人嗜好を貴族として悪を滅することで満たすことができる)になっている。その嗜好が原因で過去に大量殺人を引き起こし、それが原因で欧州に遊学と名目で放逐された。 上記のように、異常者・狂人の類ではあるが情の深い人物でもあり、限界まで自分を愛してくれた父を敬愛しその仇を憎み、妹や従弟の幸福を望みそれを叶えるべく行動している。 彼女が景明に近づくのは復讐のため。従弟であり弟のような存在でもあった新田雄飛を殺した者を探しており、景明を疑い近づいてくる。 目を常に細めているのは生来の複眼を隠すため(それ自体を隠す為と見えすぎる視力を抑える為)。 足利茶々丸(あしかが ちゃちゃまる) 声:金田まひる 六波羅四公方のなかでは最年少の、政治・経済の両方面に明るい堀越公方。父を殺してその地位を奪った過去を持つ。 幕府としての活動とは別に、個人的な目的も持って行動している。常人にはない特殊な知覚を持っており、とりわけ「音」に関しては敏感。劔冑に関しても造詣が深い。体術の達人であり、即興で敵へ対処するための技を編み出すなど天才的なセンスを持つ。 長曾祢虎徹入道興永の娘にして劔冑。興永が子を宿した状態で劔冑となった結果生まれた劔冑でもあり人でもある存在。最初は自分がそのような存在であるとの自覚はもたなかったが、蝦夷の子として茶々丸の存在を疎ましく思った父親に捨てられ、その後も茶々丸が生きていると知った父親は刺客を放ち茶々丸を殺そうとした。だが命の危機に陥った茶々丸は劔冑の力を目覚めさせ、刺客を返り討ちにする。それ以来人間の感覚と劔冑の感覚が入り混じった知覚を身に着け、世界中の人間の声と地の底で叫び続ける神の声が聞こえるようになってしまう。そのあまりの騒音に眠ることも不可能になったが、劔冑でもある茶々丸はどれだけ眠らなくとも死ぬことはなかった。その後後継ぎを失った父親の元に引き取られるが、父親があくまで自分を新しい後継ぎが生まれる繋ぎとしか思っていない事をその知覚で聞いてしまう。時が流れ後継ぎを得た父親は茶々丸を殺そうとするが、そこにたまたま通りかかった銀星号によって助けられる。人間にしか見えないのに精神同調の影響を受けない茶々丸に興味を持った銀星号は彼女の相談を受け、ならばその騒音の元になっているものをすべて殺してしまえばいいという答えを返す。その言葉を受け全人類と戦うことを決めた茶々丸はまず手始めに父親を殺し地位を奪い、銀星号を己の屋敷に匿いその後援者となる。そして緑龍会に加わり、神を地上に呼び出し世界を壊す為に暗躍している。 景明のことを「お兄さん」と呼び、初対面から彼に懐き、馴れ馴れしく接してくる。 無差別殺戮を目的として動いているが、自分を評価し父の様に見守ってくれていた護氏には感謝の念を抱いており、結果的に己が他の公方を死に追いやった時には感傷を見せ、判断の遅れで部下を無駄死にさせた際には後悔を滲ませるなど、近しい人間には情を見せ、護氏からはいずれ孫の妻にと気に入られ、部下からも慕われている。 湊斗光(みなと ひかる) 声:九条信乃 銀星号。景明の義妹。湊斗家の巫姫、統の実娘である。鉱毒病に侵され生死の境を彷徨っていたが、祭殿に奉られていた劔冑に触れた途端に体が全盛期のそれへ再生。その後、その劔冑を纏って大和/関東地区にて虐殺を始めた。 景明をして「天才」と言わしめるほどの武術の才に恵まれている。物語冒頭で竜騎軍一個大隊過を単騎で苦もなく全滅させ、直後に現れた景明を鎧袖一触の如く戦闘不能にするなど実力は最強クラス。過去に奪われた最愛の者を取り戻すという、決して許されざる願いを叶えるために世界に正しき武を布くと謳っている。 実は彼女は鉱毒病に冒されていた際に廃人になっており、銀星号とは彼女が眠りにつくと現れる夢遊病のようなもの。戦うために無駄なものを一切持たない銀星号は絶大な戦闘能力を持つが、その負担は光の肉体を限界寸前まで追い込んでおり、最新の医療技術で何とか命を取り留めている状態にある。 景明とは血の繋がった親子の関係にある。湊斗家の後継ぎは代々女性と決められているが、統の夫である明堯は従軍中の事故で男性機能を失ってしまい子供を作ることが出来なくなった。そしてその代役となった景明と統の間に生まれた娘が光。当時子供だった景明は光の義兄ということになり、光の父は奪われることになった。光はそのことを知っており、景明を兄として慕いつつも父として愛してほしいという夢を抱いていた。そしてその夢が形になった存在が銀星号であり、自分と景明以外の全てを破壊することで人間の道徳や倫理を砕き、景明の自分への愛情はただの兄としての役目なのか本物なのかを確かめようとしている。 狂気的な妄念で動いているもののその立ち居振る舞いはかつての光そのものであり、平時においては尊大ではあるが非常に人当たりは良く、年配者を敬うなど礼儀を重んじる人格者である。ただし、景明同様に多分に天然の気があり、大真面目に他者を脱力させることも少なくない。戦闘においても、敵手として死合った相手には敬意を払い、強敵に対してはその実力を素直に褒め称える等、武に対しては真意で純粋な想いを抱いている。ただし、三世村正と統に対しては景明を巡る関係から、強い敵意を抱く。二世村正 声:北都南 三世村正の母親。娘からは「かかさま」と呼び慕われている。 怜悧かつ容赦のない性格。とりわけ娘には厳しい。 南北朝戦争において劔冑となり、父である始祖村正の願いの元平和を実現するために戦った。だが始祖村正の仕手である北朝主将が善悪相殺によって弟を殺したことで発狂し、その狂気を精神同調の能力によって自軍へと撒き散らし、狂気の軍団となった北朝軍への士気を保つために当時の二世村正の仕手であった南朝の武者も精神同調を使った。この精神同調には善悪相殺の戒律を伝播する効果もあり、結果南朝軍は敵を一人殺すごとに味方も一人殺すこととなり南北朝戦争は前代未聞の死者を出す結果となった。だがそれだけの結果をもってしても始祖村正の願いは果たされず、この戦乱の後の平和は百年余りしか持続しなかった。妖甲として封印されていた二世村正は光と接触したことでそれを知り、南北朝戦争とすら比較にならない、人類を全滅寸前にまで追い込むほどの死者を出すことで始祖村正の願いを果たそうと光を仕手として選んだ。
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