ムサイ ムサイの概要

ムサイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/05 00:56 UTC 版)

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作中の敵勢力であるジオン公国軍が運用する宇宙軽巡洋艦[注 1]、主力戦闘艦として多数建造されている。

本記事では、ジオン公国の残党であるネオ・ジオン軍が運用する後継艦「エンドラ」「ムサカ」についても記述する。

概要

諸元
ムサイ
(括弧内はMS IGLOO版の数値[3]
分類 宇宙軽巡洋艦
艦級 ムサイ級
所属 ジオン公国軍
全高 79.4m[4] (76.9m)
全長 234m[5] / 197m[4] (234m)
全幅 98.4m[4] (103.2m)
本体重量 (13,000t)
全備重量 13,000t[5] / 32,954t[4] (26,200t)
推進機関 熱核ロケット・エンジン×2[5]
最高速度 マッハ7.14[4] (不明)
武装 連装メガ粒子砲×3[5]
145型大型ミサイルランチャー×2
Cクラス小型ミサイルランチャー×10 (×16)[6]
搭載数 MS×6
(艦載機×4 コムサイ内貨物として×2)[5]

モビルスーツ (MS) の運用を前提に開発された軽巡洋艦。艦の形状は主艦体後上方に支柱が伸び、その最上部に艦橋を備え、そこから左右下に伸びた板状の支柱の先にそれぞれ1基ずつの熱核融合ロケットエンジンを備える。艦橋の直下にはMSデッキが備えられ、艦後方に向けてMSを射出できる。またその側面には左右3か所ずつの補給ハッチがあり、パプア級補給艦からコンベアパイプによる物資の直接搬入が可能である。艦首下部にはコムサイと呼ばれる大気圏突入カプセルを搭載している。

標準的な艦はMSをデッキに4機、コムサイに2機の収納が可能。ただしコムサイは切り離さないと収納ハッチの開閉ができないため、通常こちら側には搭載されない。なお、第2話でシャアの指揮するムサイが艦底部(コムサイの接続部後方)のハッチを開放してスレンダーザクIIを収容するシーンがある。MSは戦闘空域近くまでムサイに運搬されることで推進剤を節約でき、また帰還後に(MSは宇宙空間では放熱が困難なため)艦内に設置された冷却装置によって、蓄熱した機体を強制冷却し、戦術兵器であるMSの円滑な運用を支援する。

主砲はメガ粒子砲で長砲身かつ軽巡としては大口径のものを採用、これを連装砲として3基6門を装備した事でMS運用能力の有無のみならず砲戦能力でもサラミス級を大きく凌駕していた。[注 2]誘導兵器は対艦/対施設用として145型大型ミサイルを、艦隊防空用としてCクラス小型ミサイルを搭載。主砲である連装メガ粒子砲塔三基や各種ミサイルランチャーを艦体と艦橋の間に配置しており、単装の砲塔を前後上下左右に振り分けている連邦軍のサラミス級とは対照的な配置である。これは前方から側方を経て斜め後ろまでの水平から斜め上まで、砲塔の射角範囲全域に渡って全火力を集中重複できる反面、死角の多い設計であり、また対空砲を持たないため、ミノフスキー粒子散布下における敵MS・対艦攻撃艇の接近に対し、ほぼ無力であった[注 3]

THE ORIGIN版

諸元
ムサイ級軽巡洋艦
初期量産型
(THE ORIGIN版)
全高 95.6m[7]
全長 230.1m[7]
全幅 137.1m[7]

漫画・アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』におけるムサイは、当初から後方への対空機銃を2基備えている。MSの搭載能力は原作版と同様最大6機とされるが[7]、漫画版でのシャアファルメルは1個小隊(2個分隊6機)とシャア専用機の計7機のザクを搭載している。初期型とマイナーチェンジをおこなった後期型に分けられるが、武装や艦橋のアンテナの形状が異なる以外は同仕様である[8]

独立戦争開戦に向けて民間宇宙貨客船アルカナクラスとして密かに多数が建造されており、開戦時にはこれに艤装をほどこして戦線に投入している[7]。貨客船としては、上下反転して運用される。

デザイン

メカニックデザイン大河原邦男

基本レイアウトはアメリカのテレビシリーズ『スタートレック』に登場する宇宙船「エンタープライズ」の翻案である[要出典]。企画当初は宇宙艦ということで上下反転した設定だったが、演出における安定性を考慮して現在の形となった[9][注 4]

ムック『ガンダムセンチュリー』ではその形状から、エンジンブロックの間に巨大な降下カプセルであるHRSL(のちの映像作品などにも登場するHLVに相当)を搭載することを前提に設計された、と設定している。のちのOVA『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』のエンドロールのバックの地球降下作戦の映像ではこれを踏襲し、ムサイがHLVを運搬するシーンが描かれた。

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コムサイ

諸元
コムサイ
所属 ジオン公国軍
全高 26.4m[11]
全長 37.4m[11]
全幅 29.4m[11]
全備重量 46.6t[11]
推進機関 熱核ロケット・エンジン×2[12]
最高速度 マッハ0.71[11]
武装 バルカン砲×2[11]

ムサイの艦首下部に搭載される大気圏突入カプセルであるが、大気圏内でもそれなりの機動性を有するリフティングボディ機である。ムサイに収容されている段階では上下逆さまで、射出後に180度回転して姿勢を変更する[注 5]。ガイドレールをつかってムサイから射出されることで発射初速を得るため、姿勢制御以外の推進剤の消費なしで地球降下が可能である。ただ、気密キャビンは衝撃波の内側に入るよう上部中よりに取り付けられているため、着陸時に必要な前下方の直接視認ができない。なお、大気圏離脱は後述のコムサイIIは可能とされるが、本機が可能かどうかは不明(作中で描かれたことはない)。また、大気圏内でもある程度の機動戦闘を考慮しており、大気圏内でも使用できる推進エンジンを搭載している[13]

貨物室は、後部に気密通路付ハッチ、上部に片持ちハッチ、下部に観音開きハッチと3方向の開口部があり、空中での貨物投下[注 6]を含め、どのような姿勢でも荷物の搬出入ができる。ザクを2機搭載できる貨物室の左右に軌道エンジンと制御エンジンブロック、武装であるマシンガンブロックおよび小デルタ型の水平安定板と延長保持された垂直安定板がつく構造である。機能のわりにコンパクトで、ガウ攻撃空母に収容できるサイズである[注 7]。機首には内装式のバルカン砲2門が搭載されている。

テレビ版第7話ではシャア・アズナブル少佐が搭乗してアムロ・レイコア・ファイターと空戦を繰り広げているほか、ランバ・ラル隊の護衛機として、機動巡洋艦ザンジバルに2機のコムサイが随伴している。

OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』では、第2話においてヒルドルブの評価試験のため衛星軌道上から降下。ヒルドルブをアリゾナの半砂漠地帯にてパラシュート付パレットで投下し、セモベンテ隊との交戦を記録した。

漫画・アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』では、衛星軌道上から爆薬を積載して大気圏に突入し、大気圏突破直後(漫画版では地上で補給中)の連邦軍強襲揚陸艦スパルタンへ特攻を仕掛けるが、アトラスガンダムのビーム・サーベルで両断される。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、パプアからファルメルへの補給の際に、ザク4機を搭載可能な大型のコムサイ(W・コム)が引き渡される。これは3機のザクが出撃するにもかかわらず、2機しか収容できないコムサイでは木馬降下妨害作戦に参加するパイロットが納得しないだろうという理由によるものである。ムサイに接続した際の不釣合な外観からドレンには不評で、「ママコ(継子)ムサイ」と呼ばれている」。

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注釈

  1. ^ テレビ版第4話で、連邦軍のワッケイン少佐が「ムサイごとき軽巡洋艦」と発言している。
  2. ^ EX ムサイ 1/1700 外箱の解説より。
  3. ^ 肉薄したGファイター1機によってあっさりと撃沈されたこともある。またソロモン戦では、接近するGファイターを迎撃するのに主砲を乱射した結果、正面にいた味方のムサイを撃沈した艦もいる。IGLOO第3話の模擬戦において直上を取ったヅダ小隊を迎撃するムサイは艦をロールさせ仰角の不足を半ば強引に補っていたため、主砲も両用砲としての運用を本来は想定されていなかった様である。
  4. ^ 大河原も放送終了直後のインタビューで同様の発言をしている[10]
  5. ^ テレビ版第5話より。
  6. ^ OVA『MS IGLOO -1年戦争秘録-』第2話に登場する「コムサイ280」が、空中で後部ハッチよりモビルタンクヒルドルブを投下している。
  7. ^ 当初の設定では作画ミスとの指摘もあったため、後にガウ自体のサイズ(小説版による初期設定で全長、全幅共に50m)がコムサイに合わせて大型に改訂されている[要出典]
  8. ^ 劇中のセリフでは「臨界点、沈みます」のみ。もっとも、現実の核融合炉は、原理的に暴走による爆発は起こさない。
  9. ^ 『ΖΖ』第32話のオウギュストの死に際の台詞は、「俺はミンドラを俺の手に戻した」である。

出典

  1. ^ 機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』683頁。
  2. ^ 『講談社ポケット百科シリーズ35 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション3 連邦軍編』1984年7月、159頁。
  3. ^ 『機動戦士ガンダム MS IGLOO 完全設定資料集』エンターブレイン、2007年5月、124頁。
  4. ^ a b c d e 『TV版 機動戦士ガンダム ストーリーブック1』講談社、1981年3月、124頁。
  5. ^ a b c d e 大河原邦男・松崎健一監修、『ファンタスティックコレクション・スペシャル 機動戦士ガンダム・マニュアル』朝日ソノラマ、1981年3月。
  6. ^ IGLOO公式ホームページの3Dモデル、及びEXムサイ 1/1700 模型外観より。
  7. ^ a b c d e f g h i j k 「MECHANICAL - 第1話 U.C.0079」『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』公式サイト。
  8. ^ 『アニメーション「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」キャラクター&メカニカルワークス 上巻』KADOKAWA、2018年3月、94頁。
  9. ^ 『機動戦士ガンダム ガンダムアーカイヴ』メディアワークス、1999年6月、69頁。
  10. ^ 『機動戦士ガンダム・記録全集2』日本サンライズ、1980年5月、211頁。
  11. ^ a b c d e f 『テレビマガジン』1981年2月号付録『機動戦士ガンダム大事典』上巻(講談社)
  12. ^ 『機動戦士ガンダム ガンダムアーカイブ』メディアワークス、1999年6月、170頁。
  13. ^ 小説UCHG連邦 2012, p. 123.
  14. ^ a b c 「060 旗艦型ムサイ級軽巡洋艦ファルメル」『機動戦士ガンダム MSVコレクションファイル[宇宙編]』講談社、1999年11月。
  15. ^ OVA『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』劇中のファルメルのモニター表示より。
  16. ^ 機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』53頁。
  17. ^ ガンダムセンチュリー』47頁。
  18. ^ a b c 「059 ムサイ級軽巡洋艦キャメル」『機動戦士ガンダム MSVコレクションファイル[宇宙編]』講談社、1999年11月。
  19. ^ a b OVA『MS IGLOO -黙示録0079-』第3話に登場。
  20. ^ a b 「MECHANICAL - Episode 1 U.C.0079(英語版)」『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』公式サイト。
  21. ^ a b c d 『ニュータイプ100%コレクション20 機動戦士ガンダム0083「作戦計画書」』角川書店、1993年11月。
  22. ^ a b c d e f g h i j k 『ケイブンシャの大百科別冊 機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー 略奪編』1991年12月、60頁。
  23. ^ 『機動戦士ガンダム エピソードガイド vol.2 一年戦争編(後)』角川書店、1999年9月、129頁。
  24. ^ 『機動戦士ガンダム 一年戦争全史【上】』学習研究社、2007年3月、90頁。
  25. ^ a b c 『コミックボンボンスペシャル84 機動戦士ガンダム0083 MS WARS』講談社、1992年11月、142-143頁。
  26. ^ a b c d e f g h i j k l 『ガンダムメカニクス6』ホビージャパン、2000年6月。
  27. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .37 機動戦士ガンダム メカニック大図鑑』バンダイ、1991年8月、85頁。
  28. ^ 『機動戦士ガンダム 艦船&航空機大全集』アスキー・メディアワークス、2010年7月、73頁。
  29. ^ a b c 『B-CLUB VISUAL COMIC 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 VOL.1』バンダイ、1989年7月、117頁。
  30. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.1 一年戦争編』バンダイ、1989年2月、76頁。
  31. ^ 『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』バンダイ、1990年、53・56・143頁。ISBN 978-4-89189-474-0
  32. ^ a b c d 『機動戦士ガンダム 艦船&航空機大全集』アスキー・メディアワークス、2010年7月、21頁。
  33. ^ a b 『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス』KADOKAWA、2010年8月、130頁。
  34. ^ a b c d 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1989年3月、70-71頁。
  35. ^ a b c d e 「MOBILE SUIT GUNDAM ΖΖ SPECIAL BOOK」『アニメディア』1986年6月号第1付録、学習研究社、22頁。
  36. ^ a b c 『機動戦士ガンダム 艦船&航空機 大全集』アスキー・メディアワークス、2010年7月、22頁。
  37. ^ a b c d 『ニュータイプ100%コレクション7 機動戦士ガンダムΖΖ』角川書店、1987年10月、58頁。
  38. ^ a b 別冊アニメディア 機動戦士ガンダムΖΖ PART.1』学習研究社、1986年10月、103頁。
  39. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月、33頁。
  40. ^ a b 『ニュータイプ100%コレクション7 機動戦士ガンダムΖΖ』角川書店、1987年10月、16頁。
  41. ^ a b c 「第2章 双極のアルカディア2-2」32頁、「A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-」『電撃ホビーウェブ』KADOKAWA
  42. ^ 『ニュータイプ100%コレクション7 機動戦士ガンダムΖΖ』角川書店、1987年10月、63頁。
  43. ^ a b c AOZ ReBoot69 2021.
  44. ^ a b c d e 『機動戦士ガンダム 艦船&航空機 大全集』アスキー・メディアワークス、2010年7月、23頁。
  45. ^ a b c 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月、34頁。
  46. ^ a b c d e 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月、62-63頁。
  47. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .37 機動戦士ガンダム メカニック大図鑑】』バンダイ、1991年8月、81頁。
  48. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .37 機動戦士ガンダム メカニック大図鑑】』バンダイ、1991年8月、30頁。
  49. ^ a b c 『ニュータイプ100%コレクション10 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』角川書店、1988年5月、63頁。
  50. ^ 小説『機動戦士ガンダムUC』第9巻より。
  51. ^ 『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス』KADOKAWA、2010年8月、139頁。






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