ムサイ
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『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』におけるムサイ
ムサイ級軽巡洋艦 初期量産型 (THE ORIGIN版) | |
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全高 | 95.6m[22] |
全長 | 230.1m[22] |
全幅 | 137.1m[22] |
漫画・アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』におけるムサイは、後述する民間向け宇宙貨客船「アルカナクラス」に艤装を施して巡洋艦に転用したという設定で、当初から後方への対空機銃を2基備えている。なお、漫画単行本(通常版)第1-4巻の巻頭掲載の一年戦争緒戦に登場するムサイの艦橋はすべて「ファルメル」と同型になっている。また、第5巻で後述の「ワルキューレ」がズム・シティに入港する際にも同型艦が確認できる。しかし、その後の過去編以降では通常型も登場するようになる。アニメ版のメカニカルデザインは明貴美加[23]。
初期型とマイナーチェンジをおこなった後期型に分けられるが、武装や艦橋のアンテナの形状が異なる以外は同仕様である[23]。MSの搭載能力は原作版と同様最大6機とされるが[22]、漫画版での「ファルメル」は1個小隊(2個分隊6機)とシャア専用機の計7機のザクを搭載している。
これまでのムサイと多少外観に変更があり、メガ粒子砲や通常艦の第1艦橋がこれまでの角張った形状から丸みを帯びた形状になっている。船体も厚みが増しており、正面や側面からみると少し膨らんだ船体構造をしている。船体にあるコムサイ発射時に使用する排気ノズルも、両舷2つずつから3つずつに変更されている。
コムサイ (THE ORIGIN)
- KOMUSAI[24]
基本的には原作版を踏襲しているが、水平翼が大型化しており(反対に垂直翼は小型化)、大気圏内飛行も可能とされる[23]。MS収納用のハッチは天面にのみ配置されている[23]。
漫画版では、パプアからファルメルへの補給の際に、ザク4機を搭載可能な大型のコムサイ(W・コム)が引き渡される。これは3機のザクが出撃するにもかかわらず、2機しか収容できないコムサイでは木馬降下妨害作戦に参加するパイロットが納得しないだろうという理由によるものである。ムサイに接続した際の不釣合な外観からドレンには不評で、「ママコ(継子)ムサイ」と呼ばれている」。
同型艦 (THE ORIGIN)
ファルメル (THE ORIGIN)
- Falmer[25]
デザインは基本的に原作版を踏襲するが、第2艦橋が流線形となっている。アニメ版では、艦種は「戦術軽巡洋艦[23] (Tactical Light Cruiser[26])」とされる。
従来設定と異なり、ドズルがルウム戦役直後に、V作戦の本拠地探索の任務を命じたシャアのために新規に用意させたものとなっている。単艦による特殊任務のため、追跡能力を向上すべく推力の増強が図られているほか、第1艦橋内部に高性能なレドームとブレード・アンテナが配置されて索敵能力も高められている[27]。ドズル曰く「ムサイを超えたムサイ」と言われており、機動性や索敵能力など単艦性能がその他の艦よりも向上しているとされる。
ドレン中尉(当時、漫画版冒頭では大尉)がシャアから艦長代理を拝命し、サイド3宙域で試験航海をおこなう。その際に連邦軍の不審なサラミス級巡洋艦を発見、シャアが乗り込み臨検するが、脱走したレビル将軍が乗っていると分かると見逃している。
ワルキューレ
ワルキューレ Valkyrie[24] | |
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艦級 | ムサイ改型艦隊指揮艦[22] |
全高 | 156.7m[22] |
全長 | 302.3m[22] |
全幅 | 299.7m[22] |
ジオン公国宇宙攻撃艦隊総司令であるドズル・ザビ中将の座乗艦で、ルウム戦役でジオン艦隊旗艦となる。外観はムサイ級に似ているが、そのサイズは通常型と比較して約30パーセント以上も巨大であり、戦艦クラスに匹敵する[22]。2連装メガ粒子砲も大型化されており、攻撃能力はかなり高い[22]。さらに、船体後部(MS発着口)の艦底部に単装の対空機銃らしきものもあり、量産型のムサイより防空能力が向上している。3つの艦橋をもち、中央がメイン・ブリッジ、最上部が提督ブリッジとなり作戦の立案・確認をおこなう[28]。
漫画版での初登場は、ガルマ・ザビ大佐の国葬の際で、ドズルが座乗しサイド3首都バンチ「ズム・シティ」に入港している。
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、宇宙世紀0079年9月に連邦軍が「アンタレス作戦」によりソロモンを襲撃した際に、艦首にドズル専用ザクII(改良型)を乗せて出撃、ジャイアント・ウォーハンマーを射出する。また、漫画『THE ORIGIN』に準じてガルマの国葬の際にもドズルが座乗し、ソロモンとサイド3を往復している。ただし、同作品でドズルは一週間戦争では「ファルメル」、ルウム戦役ではグワジン級「グワラン」に座乗している。
レトヴィザン / キール / ザトペック / イオージマ
- Iwo Jima[24]
全艦ルウム戦役ドズル・ザビの指揮する前衛艦隊に編入された。尚、レトヴィザン、キール、ザトペックはティアンム艦隊との戦闘発生直後に被弾し大破及び損傷している。イオージマは主力部隊が転進するまでの時間を稼ぐために奮闘する。アニメ版ではイオージマはワルキューレの盾となり轟沈。
キャメル隊 (THE ORIGIN)
原作版と異なり「トクメル」のみ2砲塔型で残りは通常の3砲塔型であり、「キャメル」の艦橋上面には2本のアンテナが追加されている。また作中では艦隊名は呼ばれず、『公式ガイドブック3』で「キャメル隊」と表記される[29]。
アルカナクラス
- Arcana-class[24]
ムサイ級のベースとなる民間宇宙貨客船[30]。独立戦争開戦に向けて密かに多数が建造されており、開戦時にはこれに艤装をほどこして戦線に投入している[22]。貨客船としては、天地を逆にして運用される[30]。劇中ではコロニーから発進する際、第一級任務を受けた地球連邦軍のサラミス級宇宙巡洋艦が任務を優先して管制を無視したために衝突事故を起こている。
注釈
- ^ テレビ版第4話で、連邦軍のワッケイン少佐が「ムサイごとき軽巡洋艦」と発言している。
- ^ 大河原も放送終了直後のインタビューで同様の発言をしている[4]。
- ^ 肉薄したGファイター1機によってあっさりと撃沈されたこともある。またソロモン戦では、接近するGファイターを迎撃するのに主砲を乱射した結果、正面にいた味方のムサイを撃沈した艦もいる。IGLOO第3話の模擬戦において直上を取ったヅダ小隊を迎撃するムサイは艦をロールさせ仰角の不足を半ば強引に補っていたため、主砲も両用砲としての運用を本来は想定されていなかったようである。
- ^ OVA『MS IGLOO -1年戦争秘録-』第2話に登場する「コムサイ280」が、空中で後部ハッチよりモビルタンクヒルドルブを投下している。
- ^ 当初の設定では作画ミスとの指摘もあったため、後にガウ自体のサイズ(小説版による初期設定で全長、全幅共に50m)がコムサイに合わせて大型に改訂されている[要出典]。
- ^ 出典より前に発行された同じ『ENTERTAINMENT BIBLE』シリーズには、キシリア・ザビ少将から譲り受けたとするものもある[18]。
- ^ 劇中のセリフでは「臨界点、沈みます」のみ。もっとも、現実の核融合炉は原理的に暴走による爆発は起こさない。
- ^ 『ΖΖ』第32話のオウギュストの死に際の台詞は、「俺はミンドラを俺の手に戻した」である。
- ^ 火星降下作戦におけるシーンでは最大で18隻の艦艇(うち1隻は旗艦ミダラーン)が確認できる[54]。
出典
- ^ 『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』683頁。
- ^ 『講談社ポケット百科シリーズ35 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション3 連邦軍編』1984年7月、159頁。
- ^ 『機動戦士ガンダム ガンダムアーカイヴ』メディアワークス、1999年6月、69頁。
- ^ 『機動戦士ガンダム・記録全集2』日本サンライズ、1980年5月、211頁。
- ^ 『機動戦士ガンダム MS IGLOO 完全設定資料集』エンターブレイン、2007年5月、124頁。
- ^ a b c d e 『TV版 機動戦士ガンダム ストーリーブック1』講談社、1981年3月、124頁。
- ^ a b c d e 大河原邦男・松崎健一監修、『ファンタスティックコレクション・スペシャル 機動戦士ガンダム・マニュアル』朝日ソノラマ、1981年3月。
- ^ IGLOO公式ホームページの3Dモデル、及びEXムサイ 1/1700 模型外観より。
- ^ EX ムサイ 1/1700 外箱の解説より。
- ^ a b c d e f 『テレビマガジン』1981年2月号付録『機動戦士ガンダム大事典』上巻(講談社)
- ^ 『機動戦士ガンダム ガンダムアーカイブ』メディアワークス、1999年6月、170頁。
- ^ テレビ版第5話より。
- ^ 小説UCHG連邦 2012, p. 123.
- ^ a b c 「060 旗艦型ムサイ級軽巡洋艦ファルメル」『機動戦士ガンダム MSVコレクションファイル[宇宙編]』講談社、1999年11月。
- ^ 艦船&航空機大全集 2010, p. 59.
- ^ ロマンアルバム劇場版 1981, p. 55.
- ^ EB戦略戦術大図鑑 1991, p. 49,53.
- ^ EBアクシズ戦争編 1989, p. 26.
- ^ 『ガンダムセンチュリー』47頁。
- ^ a b c 「059 ムサイ級軽巡洋艦キャメル」『機動戦士ガンダム MSVコレクションファイル[宇宙編]』講談社、1999年11月。
- ^ a b OVA『MS IGLOO -黙示録0079-』第3話に登場。
- ^ a b c d e f g h i j k ORIGIN公式MECHA1話 2014.
- ^ a b c d e ORIGINキャラ&メカ上 2018, p. 94-95.
- ^ a b c d ORIGIN公式MECHA Ep1英 2014.
- ^ OVA『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』劇中のファルメルのモニター表示より。
- ^ ORIGIN豪華設定集 2020, p. 152-154.
- ^ ORIGIN公式MECHA6話 2018.
- ^ ORIGINキャラ&メカ上 2018, p. 96.
- ^ ORGINガイドブック3 2011, p. 18.
- ^ a b ORIGINキャラ&メカ上 2018, p. 101.
- ^ a b c d 『ニュータイプ100%コレクション20 機動戦士ガンダム0083「作戦計画書」』角川書店、1993年11月。
- ^ a b c d e f g h i j k 『ケイブンシャの大百科別冊 機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー 略奪編』1991年12月、60頁。
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- ^ 『機動戦士ガンダム 一年戦争全史【上】』学習研究社、2007年3月、90頁。
- ^ a b c 『コミックボンボンスペシャル84 機動戦士ガンダム0083 MS WARS』講談社、1992年11月、142-143頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『ガンダムメカニクス6』ホビージャパン、2000年6月。
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- ^ a b c 『B-CLUB VISUAL COMIC 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 VOL.1』バンダイ、1989年7月、117頁。
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- ^ a b c d 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1989年3月、70-71頁。
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- ^ a b 『ニュータイプ100%コレクション7 機動戦士ガンダムΖΖ』角川書店、1987年10月、16頁。
- ^ a b 「第2章 双極のアルカディア2-2」32頁、「A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-」『電撃ホビーウェブ』KADOKAWA。
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- ^ a b c AOZ ReBoot69 2021.
- ^ [1]
- ^ a b c d e 『機動戦士ガンダム 艦船&航空機 大全集』アスキー・メディアワークス、2010年7月、23頁。
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- ^ a b c d e 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月、62-63頁。
- ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .37 機動戦士ガンダム メカニック大図鑑】』バンダイ、1991年8月、81頁。
- ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .37 機動戦士ガンダム メカニック大図鑑】』バンダイ、1991年8月、30頁。
- ^ a b c 『ニュータイプ100%コレクション10 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』角川書店、1988年5月、63頁。
- ^ 小説『機動戦士ガンダムUC』第9巻より。
- ^ 『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス』KADOKAWA、2010年8月、139頁。
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