Kの一族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 06:35 UTC 版)
KAZUYA(カズヤ)/西城 カズヤ(さいじょう かずや)(1963-) 神技のメス、天才的頭脳、無敵の肉体、崩れた手抜き工事ビルの瓦礫を長時間支える、分厚い鉄扉を蹴破るといった人間離れした怪力を持つフリーランスのスーパードクター。身長190cm以上。 普段は簡単な医療道具と血染めのロープが収納されたマントを着用し、それゆえに初対面の人にしばしば不審がられることもある。常に裏社会に狙われる身ではあるが、その人脈に国境は無く、KAZUYAを慕う人物は政府首脳からマフィア、テロリストまで幅広い。 仕事上、世界中を飛び回ることも多いが、現地人とのコミュニケーションも難なくこなし、外国語が苦手な大垣に代わって外国人と電話応対する描写から語学も堪能である。また、テレビに僅かに映ったかつての患者の異常事態を看破し、紛争地帯に飛び込むなどフットワークが非常に軽い。一方、医療物の小説の原稿の添削を求められた際は読むこと自体を全力で拒否するなど、医療に関係すればなんでもOKというわけではない。 男女を問わず悪に対しては容赦の無い性格だが、社会的弱者等の助けを求める声には命を懸けて応える。また、良くも悪くも歯に衣着せぬ物言いをすることが多く、それがたとえ政治家やマフィアのボス、人間国宝であろうが容赦しないため、相手の不興を買うことも多い。 だが礼を失しているわけではなく、恩師、先輩など人間的に尊敬できる人物には丁寧な言葉遣いである。 表情が堅い印象が強いが、性格は暗いわけではなく、高品のボケに真顔でツッコミを入れたり、いきなり大垣にキスした佐知子を見てオーバーなリアクションをしたりと、コミカルな一面も持っている。 姓は母方のものであり、父方の姓は明らかになっていない。Kの一族は「一範」「一舎」「一丈」といったように始めに「一」が付く(いわゆる通字)。そのため、いつの時代でも一族の者の名のイニシャルは必ず「K」となっている。KAZUYAの漢字名は明らかにされていないが、中学校の卒業アルバムはカタカナ表記であるため、戸籍上はカタカナである可能性がある。 一流大学である帝都大学を首席で卒業し医師免許を取得。外科だけでなく各分野に精通しており、鍼治療も得意である。自身の両手が塞がっていて手術不能であるときなど場合によっては子供も含めた医師ではない人に平然と医療行為をさせることもある。ただしKAZUYAがサポートしているので医療事故につながったことはない。 試合を控えていたプロボクサーの患者を診察し、その試合中の補佐のためにセコンドのライセンスを取得している。止血作業の手際の良さなどから同席した同じジムのセコンドに「トレーナーとしての腕も一流」と言わしめた。 彼の報酬は“患者の誠意”であり、ピンは数千万円もの大金から、キリはリンゴまで様々だが、正規の治療費以外は受け取らない場合が大半を占める。 女心に非常に鈍感。女嫌いではないが、常に危険に晒される身であるため、自分から敢えて遠ざけている傾向もある。 物語の中盤で胃癌を発病するも高品の執刀の元、一時は全快する。『Doctor K』の終盤では癌を再発し、その闘病生活が描写され、KAZUYAの死を予感させつつ本作は終了する。柳川教授は、この癌の遠因を、父親の一堡、柳川教授と共に巻き込まれた放射線漏れ事故の際の被曝だと推測している。 Kの一族及び姻族 人の命を救う為に活躍し続けたKAZUYAの血族。日本だけでなく世界中に散らばっている模様。 K一族の系譜 一範 一丈 一舍 昭子 一宗 美沙江 西城頼介 杏子 一堡 一昭 スベトニア 連介 KEI 磯永幸司 隆介 黒須麻純 KAZUYA KEI イワン 一巳 一也 一堡(かずおき)(1934-1980) KAZUYAの父親であり師匠。彼もまた年齢不相応に鍛え上げられた肉体の持ち主。違法行為であることを歯牙にもかけず、幼いKAZUYAに対しスパルタ教育で医療技術を叩き込み、KAZUYAが6歳の時に自分に撃ち込まれた散弾銃による弾丸の摘出手術をやらせた。 回想場面である、3巻第5話「父の魂」で原子力医療開発研究所をKAZUYA・柳川とともに訪れた際に震度7の直下型地震に見舞われ、爆発による放射能漏れ事故が発生した。放射能を遮断できる部屋へ避難するが、部屋の扉の前に巨大な瓦礫があり、それを一人で除去する。その際再び爆発が発生し、衝撃で扉が閉じられる。扉の再開閉をすれば部屋内が放射能で暴露されることになるため、自らの命を犠牲にしてKAZUYA・柳川を含む命を救った。結果、大量の放射線に暴露されたことによる呼吸麻痺で扉前に立ったまま絶命する。 一昭(かずあき)(1937-1998) 一堡の弟でKAZUYAの叔父。母・昭子から一字を取って名付けられる。昭子は一昭の出産に伴い死去。日ソ開戦により、ソ連で父の一宗及び兄の一堡と生き別れとなった後、育て親の養子となりスラフ・カズアキ・バリシニコフと名乗る。ソ連の科学アカデミーで優秀な外科医となるが妻子の死をきっかけに失踪。胎児の臓器密売など医療技術を駆使した闇の組織を作り上げ、KAZUYAと対立する。思想の根本にあるものは優生思想であり、優れた人間だけが生き残ればよいというものであった。後に癌に全身を蝕まれるなかでKAZUYAの病状と余命を悟り、一族の行く末を心配する。黒須麻純にKAZUYAのクローンを産ませた。最期は医師としてその生涯を閉じ、妻子の眠るロシアに葬られた。 一宗(かずむね) 一堡と一昭の父であり、KAZUYAの祖父。息子達と別れた後、戦後の混乱の中シベリアに渡り、その生涯を閉じる。妻は昭子。 一範(かずのり) 江戸時代初期に活躍したKの一族。鉄砲の銃身を両手で折り曲げる等と一族でも指折りの怪力を誇り、顔に斜めの刀傷がある。都合2エピソードに登場し、前者では頬にこぶとりじいさんのような瘤のある男・又六を手術(その際、台詞ではなく心中の声なのだが、時代を遡った話であるにも拘わらず「キャンサーではない!!」と発言)、後者ではとある藩主の影武者を仕立てるべく整形手術を行った。 一丈(かずたけ) 江戸時代後期に活躍したKの一族。シーボルトと友情を育む。その時代に於いて初めてエレキテルを使っての電気ショック蘇生を行う。 一舍(かずいえ) 幕末、明治時代に活躍したKの一族。幕末の志士・高杉晋作の親友。晋作に革命に誘われるが国よりも人命を救う事を優先し、断った。晋作の死を看取った後に渡独し、生前彼が言っていた「事前に病気を知ることができる方法」のためにレントゲンと共にX線研究チームの一員に加わった。 劉亢虎(リュウ カンフー) 中国のKの一族であり、KAZUYAの遠い親戚でもある。KAZUYAよりやや年上で容姿はそっくりだが、髪の右半分が白髪。当初はチャイニーズマフィアの用心棒としてKAZUYAの前に現れるが、正体は機密公安捜査官であった。そのマフィアのボスであり、父の敵でもある陳に復讐の念を抱き、殺そうとするが一族の血には逆らえず、罪の意識と殺される恐怖が原因でチアノーゼに陥った陳を結局救ってしまった。捜査終了後は公安捜査官を続けながら医師も目指す事を決意した。 劉可明(リュウ ケミン) 劉亢虎の父親。腸捻転を患った若き頃の陳を救うが、当時の文化大革命に巻き込まれ、陳の密告で恩を仇で返されて無実の罪で投獄されてしまう。戻って来た彼は既に虫の息であったが、誰も恨む事なく衰弱して死亡した。 西城杏子(さいじょう きょうこ)(1937-1966) KAZUYAの母親。本人曰く、一堡とは互いの父親同士が決めた許婚のようなものであったらしい。ただし一堡はその事実を全く知らず、また杏子の兄・頼介は反対していた。事故で重体となった幼いKAZUYAの命を救うため、自分の血液(KAZUYAと共に日本人では珍しいルイス式血液型のLe(a-b-))を大量に輸血し死亡。享年29。 西城頼介(さいじょう らいすけ)(1932-) 帝邦大学第一内科名誉教授。西城杏子の兄で、KAZUYAの伯父。西城家12代目当主であり、Kの家系が外科の天才ならば西城家は内科の天才と称される。その家系は江戸時代に将軍家の典医を務めていたほどである。彼自身、20代で帝都大の姉妹校でもある帝邦大の内科教授に就任した天才。死亡した杏子の体内から受精卵を取り出し保管。妻の美沙江を代理母としてKEIを出産させた。 西城KEI(さいじょう ケイ)(1968-) KAZUYAの妹だが、その出生により西城頼介の娘として育てられる。帝邦大医学部卒。なぜか皆が彼女をアルファベットで「KEI」と呼ぶため、KAZUYAと同じく名の表記は漢字かどうかも不明。自らの出生の秘密を知り、母を死に追いやった医学(大量輸血による失血死)及びその原因となったKAZUYAに復讐するためテロリストとなる。性格は当初は悪女そのものだったが、後にKAZUYAと和解し、医学界に復帰。KAZUYAの右腕的存在になる。KAZUYAに勝るとも劣らない腕を持つと評価され、KAZUYAからも後継者に指名されるが、本人は兄の技量に遠く及ばないと発言している。 磯永幸司(いそなが こうじ) KAZUYAの後輩。KAZUYAの勧めでKEIが開業した西城医院に勤務する。研修医時代は内科専攻でKAZUYAと反目していたが、後にKAZUYAの説得と手腕に感服し、外科に移った。その影響から、内視鏡を用いた治療を得意とする。F3000の熱烈なファン。情に厚い性格なのだが、KEIが呆れるほどお下品だったりする。ただし、KAZUYAの前では後輩としておとなしくなる一面も持つ。後にKEIと結婚した。 西城連介(さいじょう れんすけ)(1961-) KAZUYAの従兄。 西城隆介(さいじょう りゅうすけ)(1970-) KAZUYAの従弟。画家志望で美大を受験した。 黒須麻純(くろす ますみ)(1964-) KAZUYAの元許婚。人の死期がわかる予知能力を持った代々看護婦である女系一族の末裔。その家系は奈良時代にまで遡るという。KAZUYAには好意を寄せるも妹のようにしか思われず、一昭の計画に手を貸しKAZUYAのクローンである一也を出産。その後息子を連れて一昭の元から逃亡する。 黒須一也(くろす かずなり)(1995-) KAZUYAのクローンにして黒須麻純の子。名前はKAZUYAを漢字表記したものだが読みは「かずなり」。西城総合病院でKAZUYAと会い、KAZUYAに懐く。
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