エッチングとは? わかりやすく解説

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etching

別表記:エッチング

「etching」の意味・「etching」とは

「etching」は、銅版画一種である。酸を用いて金属板に絵柄浮き彫りにし、その版にインク塗り、紙に押し付けて印刷する技法である。この技法は、細かい線や質感表現するのに適している。例えば、レムブラントはこの技法駆使して彼の作品に独特の深み表現力与えた

「etching」の発音・読み方

「etching」の発音は、IPA表記では /ˈɛɪŋ/ となる。IPAカタカナ読みでは「エッチング」、日本人発音するカタカナ英語では「エッチング」と読む。この単語発音によって意味や品詞が変わる単語ではない。

「etching」の定義を英語で解説

Etching is a printmaking technique that uses chemical action to produce incised lines in a metal printing plate which then hold the applied ink and form the image. The plate is then pressed onto paper to transfer the image. This technique is particularly suited for achieving fine lines and detailed textures.

「etching」の類語

「etching」の類語としては、「engraving」や「printmaking」がある。「engraving」は、金属板に直接彫刻刀で線を彫り込む技法で、エッチングとは異なる。「printmaking」は、版画制作全般を指す言葉で、エッチングもその一部である。

「etching」に関連する用語・表現

「etching」に関連する用語としては、「plate」、「ink」、「print」などがある。「plate」は、エッチングで使用される金属板を指す。「ink」は、版に塗り付けられ、紙に転写されるもの。「print」は、版から紙に転写され結果得られる作品を指す。

「etching」の例文

1. He is skilled in etching.(彼はエッチングに熟練している)
2. This etching was made in the 18th century.(このエッチングは18世紀作られた)
3. The artist demonstrated the process of etching.(芸術家がエッチングのプロセス示した
4. The etching on the plate was intricate.(板上のエッチングは複雑だった
5. The etching process requires a steady hand.(エッチングの過程安定した手が必要だ
6. The museum has a large collection of etchings.(その美術館大量のエッチングを所蔵している)
7. The print is a reproduction of an original etching.(そのプリントは元のエッチングの複製だ)
8. The artist used etching to create detailed textures.(芸術家詳細なテクスチャ作るためにエッチングを使用した
9. The etching technique was used in the creation of this artwork.(このアートワーク制作にはエッチング技法使用された)
10. The etching plate was carefully prepared.(エッチング板は慎重に準備された)

エッチング【etching】


エッチング

読み方えっちんぐ
【英】:etching

クリンカーまたはセメントペースト硬化体の表面を酸またはアルカリ処理することをいう。生成している結晶反射顕微鏡で見るときに行われる

エッチング

エッチングとは、金属の表面形状を、化学的あるいは電気化学的溶解除去し、それを表面処理含めた広義加工技術とすることである。エッチングはすなわち化学加工一種であり、主に金属表面希望パターン形状を得るために行われる
  エッチングの代表的な例としては電子回路パターン製造がある。ベークライトグラスファイバー板の表面銅箔張ったプリント基板上に、回路部分マスキングして強酸のエッチング液に浸けると、銅箔マスキングされていない部分はエッチング液の化学作用により溶けマスキングされた部分回路として残る。
  LSI集積回路)など回路パターン微細なものは、シリコンガラス基板の上蒸着などで生成され金属薄膜上に、フォトレジスト呼ばれる感光性樹脂塗布し、これに回路パターン感光させるフォトレジスト感光現像することで、感光し部分残し回路形状得られるので、これをエッチング液で処理することによりフォトレジストの無い部分溶け回路得られるブラウン管シャドウマスクなども同様にステンレス薄板などをエッチング処理して作られるこうしたエッチング方法フォトエッチングと呼ぶ。
  水溶液中の化学反応代わりにガス気相)中の反応利用して行う場合ドライエッチング呼ばれるまた、材料表面微細な凹凸凸部のみ選択的に溶解して表面滑らかにする場合化学研磨chemical polishing)と称するが、技術的にはエッチングと同様である。3次元的な加工形状求めてエッチングを行う場合は、ケミカルミリングという場合もある。
  エッチングでは金属プレス板金加工では困難な薄板加工微細なパターン加工、高硬度材料加工も可能であり、力学的な加工応力発生しないため軟らかい材料加工できる反面、エッチング液による溶解作用によって加工を行うため、板厚が増すとマスキング部より浸食起こり加工精度低くなる
  このほか装飾用を目的に、ステンレス銅板表面シルク印刷行い、その上からエッチング液で浸食させて模様付け場合もある。

エッチング

適している分野・使用事例

電子分野電子回路半導体パターンシャドウマスクドライエッチング平滑光沢面。装飾用=金属製ドア・エレベータ表面への装飾

※本用語集は、索引元の東大阪市製造業支援サイト「東大阪市技術交流プラザ」において、平成16年度委託事業で構築したコンテンツです。

エッチング

金属・樹脂・ガラス等の表面薬品等により腐食させ、文字模様などを付け方法
ガラス表面フッ化水素酸腐食した物は、すりガラス呼ばれているものです。

エッチング

金属の表面を酸などを用いて腐食させ、浅い凹型をつくる方法装飾的な模様作るほか、印刷版プリント基板作る場合にも使れている。

エッチング

読み】:エッチング
【英】:ETCHING

版画技法銅版画は、凹版製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは後者の内で最も代表的なものである。エッチングの語源は「腐蝕」。まず銅板グラウンド(防触剤)を均一にひき、ニードル等の鉄筆状のもので描画すると、描いた線の部分のみ銅板露出される。これを酸にひたし、腐蝕時間によって線の深浅(太細)を調整する。そしてグラウンド除去し凹部インキをつめ、プレス機で紙に刷り上げる。エッチングの特徴は、直刻法に比べて描画が容易であり、線の表情腐蝕深さによって自由に加減できることである。欧州では13世紀頃から金属細工師腐蝕用いて図案線刻行なっている。それを応用したエッチング版画登場16世紀初頭考えられており、17世紀にはレンブラント頂点として数多く制作された。日本では1931年西田武雄によって専門誌『エッチング』が創刊され日本現代銅版画創成期における、エッチングの研究普及大きな役割果たした

エッジング(エッチング)


エッチング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/31 04:03 UTC 版)

エッチング: Etching)または食刻(しょっこく)とは、化学薬品などの腐食作用を利用した塑形ないし表面加工の技法。使用する素材表面の必要部分にのみ(防錆レジスト処理を施し、腐食剤によって不要部分を溶解侵食・食刻することで目的形状のものを得る。

銅版による版画印刷技法として発展してきた歴史が長いため、亜鉛などの金属加工に用いられることが多いが、腐食性のあるものであれば様々な素材の塑形・表面加工に応用可能である。

金属の試験片をナイタールエタノール硝酸の混合液)などの腐食液によって表面を腐食することで、金属組織の観察や検査などに用いられている。

フォトエッチング

光硬化樹脂にパターンを露光する事でマスキングする。現在、大半のマスキングに用いられる。

版画・印刷

まず1500年ころにアウクスブルクダニエル・ホッファー英語版[1]が鉄版による版画を制作したのが始まりと言われる。そして、1520年ころに銅版によるエッチングを最初に制作を始めたのがネーデルラントルーカス・ファン・レイデンであるといわれる。16世紀には全ヨーロッパに広まった。後に1783年日本で初めて司馬江漢がエッチングの作品を制作した。タンポ等で防食処理を施した銅板の表面を針(ニードル)で削り、その後腐食させることで凹版を得るのに使用する。腐食作用を通じて間接的に版を加工するので、凹版画技法のなかではさらに、間接法に分類される。直接銅板に線を彫っていく直接法よりも線を意のままに描きやすい。詳しくは版画を参照。

エッチングの現代の手順
液体グランド(防錆剤)を塗る行程
腐食液につけて彫刻した線を腐食させる行程

エッチング作家

電子回路

プリント基板(Printed Circuit Board)の作成に用いられる[2]。近年は細密化多層化している。銅箔のエッチング時の化学反応は以下のとおりである。

塩化鉄(III)の3価の鉄イオンが銅に電子を与えられて2価になり、銅は最終的に銅(II)イオンになる。塩化鉄(III)は塩化鉄(II)になる。



ウィキペディアウィキペディア

エッチング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 08:51 UTC 版)

レンブラント・ファン・レイン」の記事における「エッチング」の解説

レンブラント画家として駆け出し1626年から、1660年印刷機手放して実質的な製作活動ができなくなるまで、私生活トラブル忙殺され1649年除いてエッチングに取り組み続けた。彼はこれを気軽に始めたが、ビュラン使い方習ったエングレービング手を出して多く作品残したしながら束縛されないエッチング技法自分のものとした。彼は印刷工程全体にも強く関わり初期の作品では自分の手印刷行った考えられる最初の頃、素描技法基礎にエッチングを行っていたが、すぐに絵画技法変更し固まりのような線と酸による腐食多用して描線強さ変化をつけた。1630年代末頃、レンブラントのエッチングは腐食をほとんど用いない簡素な形式変貌した1640年代にはいわゆる100グルテン版画』(en)を製作し、これはレンブラントがエッチングのスタイル確立し始める「彼のキャリアにて中期当る重要な仕事」に相当した。しかし、この版画2つステート(版)(en)しか残されていない。1版目の点数非常に少ないが、これによって版元には作り直しが行われた証拠となり、多く存在する2版目の写しにない要素残っている。 1650年代には成熟迎え現存する11版画見られるようにレンブラント即席で大版の製作に携わり時に根本的な変革加えることもあった。ハッチング技術用いて作り出した暗い部分は、時には画面大部分占めることもあった。また、紙にも検討加えて効果見極めヴェルムや後に多用した和紙などを試した。さらに、印刷時に平坦な部分インクをすべて拭き取らずにあえて少々残すことで「表面トーン」 (surface tone) の効果表した工夫凝らした。特に風景描写にて、彼はドライポイント技法多用し一瞥では分かりにくいが豊かでぼやかされたぎざぎざ作り出した

※この「エッチング」の解説は、「レンブラント・ファン・レイン」の解説の一部です。
「エッチング」を含む「レンブラント・ファン・レイン」の記事については、「レンブラント・ファン・レイン」の概要を参照ください。


エッチング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 14:53 UTC 版)

エナメル質」の記事における「エッチング」の解説

修復材料であるレジン歯質接着させるため、Buonocore は酸により歯を溶解させるエッチングを1955年開発した歯科修復物を歯に接着させる時、頻繁に使われる。これはコンポジットレジンシーラントのようないくつかの修復物を長期的に持たせるために重要である。エナメル質中の無機質溶解させ、エナメル質表面から約10マイクロメートル除去し、5から50マイクロメートル多孔質層を作る。この多孔質層にレジン侵入し硬化することで接着するエナメル対するエッチングの影響使用する酸の量、タイプおよびエナメル現状などにより変化する。 エッチングによる形成には3パターンある。タイプ1エナメル小柱溶解されパターンタイプ2エナメル小柱間質溶解されパターンタイプ3エナメル小柱があった証拠がなにも残っていないパターンである。タイプ1が最も好ましい物であり、タイプ3は最低である。これらのパターン別れる理由はまだはっきりとは分かっていないが、エナメル質中の結晶走行違いによる物ではないかという説が最も一般的である。

※この「エッチング」の解説は、「エナメル質」の解説の一部です。
「エッチング」を含む「エナメル質」の記事については、「エナメル質」の概要を参照ください。


エッチング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 05:45 UTC 版)

シリコンウェハー」の記事における「エッチング」の解説

エッチング工程ではそれまで残ったウエハー表面微細な凹凸化学研磨によってさらに平滑にする。フッ酸 (HF) と硝酸 (HNO3) を純水酢酸 (CH3COOH) で薄めた酸性エッチング液を使うものと、水酸化カリウム (KOH) と水酸化ナトリウム (NaOH) を純水薄めたアルカリ性エッチング液を使うものとがある。アルカリ性の方が主体となる。

※この「エッチング」の解説は、「シリコンウェハー」の解説の一部です。
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エッチング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 16:56 UTC 版)

フォトリソグラフィ」の記事における「エッチング」の解説

ウェハーに単に凹凸付けたい場合、あるいは元々ウェハー上にパターン作成されていた場合などは、エッチングによって不要な部分除去するドライエッチングウェットエッチング存在するレジスト残っている部分はエッチングによって除去されないため、残したいパターンウェハー上に形成される最後に溶剤などによってレジストを完全に除去する

※この「エッチング」の解説は、「フォトリソグラフィ」の解説の一部です。
「エッチング」を含む「フォトリソグラフィ」の記事については、「フォトリソグラフィ」の概要を参照ください。

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乾式エッチング デジタル大辞泉
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