弗酸とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 化学 > 化合物 > > 弗酸の意味・解説 

ふっ‐さん【×弗酸】

読み方:ふっさん

弗化水素酸


フッ化水素酸

(弗酸 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/22 02:31 UTC 版)

フッ化水素酸
識別情報
CAS登録番号 7664-39-3
RTECS番号 MW7875000
特性
化学式 HF
外観 無色溶液
密度 1.15 g/mL(48%溶液)
酸解離定数 pKa 3.15(in
危険性
主な危険性 毒性が非常に高い
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フッ化水素酸(フッかすいそさん、英語: Hydrofluoric acid)は、フッ化水素水溶液である。俗にフッ酸(フッさん)と呼ばれ、工業的に重要であるが、触れると激しく体を腐食する危険な毒物としても知られる。

概要

フッ化水素酸はフッ化水素と共に、フッ素を含む多くの薬品、重合体(例:テフロン)および合成繊維前駆体である。

濃フッ化水素酸は一般にガラス (SiO2) と反応して溶かすことがよく知られている。

フッ化水素酸の鉄道輸送コンテナ

危険性

骨や血液中のカルシウムイオンと容易に結合することにより、骨を侵し低カルシウム血症の原因ともなる。応急処置には、接触部位の流水洗浄ののちグルコン酸カルシウムが使用される。

主な事故・事件

  • 2013年3月、静岡県でフッ酸を塗られた靴を履いた女性が、足の壊疽(えそ)を起こし、5本の指すべてを切断する重傷を負う事件が起きた[7]。これは故意に塗られたもので、犯人は殺人未遂容疑で逮捕された[7]検察の判断で傷害罪に切り替えて起訴され[8]、傷害罪で有罪判決を受けた。
  • 2015年8月、神戸市東灘区の民間の産業廃棄物処理施設で、山口組総本部からごみとして出されていたポリタンクに入っていたフッ化水素酸の液体から気化したガスを吸って、作業員ら14人が軽症を負う事故が発生[9]
  • 2020年6月、東京都千代田区神田須田町2の路上でフッ化水素酸と思われる液体250mLが路上にこぼれていた。そのため、周囲約100メートルを通行止めにし、ガスマスクを付けた東京消防庁の化学機動中隊員らが2時間以上かけて処理した。けが人はいなかった[10]

脚注

  1. ^ 村田徳治『新訂・廃棄物のやさしい化学 第3巻 廃酸・廃アルカリ・汚泥の巻』日報出版、2004年、83-91頁。ISBN 978-4-89086-235-1 
  2. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982)
  3. ^ 「レブライト 白木のシミ抜き」 ミヤキ産業株式会社
  4. ^ 1982年4月22日・24日付毎日新聞(縮刷版)
  5. ^ 昭和57年(1982年)4月22日(水曜日)読売新聞
  6. ^ “三星(サムスン) 再びフッ酸事故…3ヶ月ぶり‘同じ場所・同じ原因’”. ハンギョレ. (2013年5月2日). http://japan.hani.co.kr/arti/politics/14615.html 
  7. ^ a b “靴に毒,同僚女性が足の指切断。殺人未遂容疑で男逮捕”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2013年3月28日). オリジナルの2013年3月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130328055009/http://www.asahi.com/national/update/0328/TKY201303280109.html 2013年3月29日閲覧。 
  8. ^ “「女性の靴に毒」で同僚男を起訴 地検沼津支部、傷害罪で”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2013年5月8日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG08049_Y3A500C1CC1000/ 
  9. ^ “山口組のごみから猛毒のフッ化水素検出、14人軽症-山口組総本部家宅捜索へ”. 産経新聞. (2015年8月25日). https://web.archive.org/web/20150825062129/http://www.sankei.com/west/news/150825/wst1508250054-n1.html 
  10. ^ “猛毒「フッ化水素酸」か、こぼれ異臭 東京・秋葉原の路上、けが人なし”. 毎日新聞. (2020年6月4日). https://mainichi.jp/articles/20200604/k00/00m/040/156000c 

関連項目




弗酸と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「弗酸」の関連用語

弗酸のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



弗酸のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフッ化水素酸 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS