フッ化ナトリウムとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 物質 > 化合物 > 無機化合物 > フッ化ナトリウムの意味・解説 

ふっ化ナトリウム

分子式FNa
その他の名称ふっ化ソーダ、ふっ化ナトリウム、Sodium fluoride、フッ化ナトリウム
体系名:ナトリウムフルオリド


フッ化ナトリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/15 02:55 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
フッ化ナトリウム
識別情報
CAS登録番号 7681-49-4 
KEGG C08142 
特性
化学式 NaF
モル質量 41.988173 g mol−1
外観 無色結晶
密度 2.79 g cm−3, 固体(20 ℃)
融点

993 °C, 1266 K, 1819 °F

沸点

1704 °C, 1977 K, 3099 °F

への溶解度 4.0 g / 100g水(20℃)
構造
結晶構造 立方晶系
塩化ナトリウム型構造
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −573.647 kJ mol−1[1]
標準モルエントロピー So 51.46 J mol−1K−1
標準定圧モル比熱, Cpo 46.86 J mol−1K−1
危険性
安全データシート(外部リンク) MSDS
EU分類 T有毒
Xn有害
Xi刺激性
主な危険性 有害
NFPA 704
0
3
0
Rフレーズ R25, R32, R36/38
Sフレーズ (S1/2), S22, S36, S45
引火点 不燃性につきなし。
発火点 不燃性につきなし。
関連する物質
関連物質 フッ化リチウム
フッ化カリウム
フッ化ルビジウム
フッ化セシウム
塩化ナトリウム
臭化ナトリウム
ヨウ化ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フッ化ナトリウム(フッかナトリウム、sodium fluoride)は組成式 NaF で表されるナトリウムフッ化物である。無色の固体で、フッ化物イオンの発生源としてさまざまな用途に用いられる。フッ化カリウムと比べて安価であり、吸湿性も低いが、利用される頻度はカリウム塩のほうが高い。

化学的性質と構造

無色の立方体または正八面体型の結晶である。塩化ナトリウム型の結晶構造を持ち、Na+ と F がそれぞれ互いを中心とした八面体の頂点に位置する。その格子定数は a = 4.620Å[2]、Na−F 結合距離は2.31Åである。

ハロゲン化アシル、塩化硫黄類、塩化リン類との求電子置換反応を利用したフッ化物の合成に使われる[3]。他のフッ化物と同じく、有機合成においてはシリルエーテルなどの脱シリル化剤として用いられる。

赤外光や紫外光を透過する。温度によらず水には溶けにくく、溶解度は 3.53 g/100 mL (0℃) であり、暖めても溶解度はほとんど変わらない。MSDSによればエタノールには僅かに溶けるとある。水溶液中では一部が加水分解するため、弱アルカリ性を呈する。

う蝕予防用のフッ化ナトリウムタブレット

フッ化物塩は、歯のエナメル質成分ハイドロキシアパタイトと反応してフルオロアパタイトを形成させて歯牙の耐酸性を強化すると考えられている。アメリカ合衆国では水道水にフッ化物を添加する目的にフッ化ナトリウムが使われていたが、ヘキサフルオロケイ酸 H2SiF6 やそのナトリウム塩(ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム) Na2SiF6 で置き換えられた。歯のう蝕を予防するために、歯磨き粉に添加されることが多いほか、フッ化物療法にも用いられる。

木材の防腐剤や接着剤の保存料として用いられる。ホール・エルー法によるアルミニウムの製造の際に融剤として加えられる。そのほか、以下の用途が知られる。

  • 抗生物質殺鼠剤、セラミックス。
  • ガラス製造用の融剤。
  • 他のフッ化物に含まれる過剰のフッ化水素の除去。
  • 有機合成におけるフッ素化剤。
  • 単結晶は機器分析で光学フィルター、レンズ、プリズムに使われる。
  • 吸光光度分析における鉄イオンのマスキング。
  • 再利用六フッ化ウランの精製。
  • 分子生物学では、脱リン酸化酵素(フォスファターゼ)阻害剤として知られる。

参考文献

  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  3. ^ Halpern, D. F. "Sodium Fluoride." Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis; John Wiley & Sons, 2001. doi:10.1002/047084289X.rs071

外部リンク

関連項目


フッ化ナトリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 08:48 UTC 版)

抗凝固薬」の記事における「フッ化ナトリウム」の解説

NaFカルシウムイオン結合解糖系阻害するので血糖測定用いられる

※この「フッ化ナトリウム」の解説は、「抗凝固薬」の解説の一部です。
「フッ化ナトリウム」を含む「抗凝固薬」の記事については、「抗凝固薬」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「フッ化ナトリウム」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フッ化ナトリウム」の関連用語

フッ化ナトリウムのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フッ化ナトリウムのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフッ化ナトリウム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの抗凝固薬 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS