弗素樹脂とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 植物 > 草木 > 樹脂 > 弗素樹脂の意味・解説 

ふっそ‐じゅし【×弗素樹脂】

読み方:ふっそじゅし

エチレン水素原子弗素置換したものを重合して作られる合成樹脂総称ポリ四弗エチレン商標名テフロン)などがある。耐衝撃性耐薬品性耐熱性にすぐれ、パッキング・パイプ・電気絶縁材などに使用弗素ポリマーフルオロポリマー。フルオロカーボンポリマー。


フッ素樹脂

(弗素樹脂 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/16 18:55 UTC 版)

フッ素樹脂(フッそじゅし、fluorocarbon polymers)とは、フッ素を含むオレフィン重合して得られる合成樹脂の総称である。耐熱性耐薬品性の高さや摩擦係数の小さいことが特徴である。中でも最も大量に生産されているフッ素樹脂はポリテトラフルオロエチレン〈四フッ化樹脂〉である。

また、フッ素ゴムは部分フッ素樹脂あるいはフッ素樹脂の共重合体をフォームに加工したものである。

尚、「テフロン」はデュポン社のフッ素樹脂やその加工製品商標[1]である。

特徴

フッ素樹脂加工されたフライパン

化学薬品に対する耐久力や電気絶縁性が高く、表面の摩擦係数は既知物質では最も低く、高温にも安定で不燃性のため、エンジニアリングプラスチックとして利用されている。デュポン社のポリテトラフルオロエチレンは、フロンを研究していたロイ・プランケット博士によって、1938年にフロンの偶発的な重合反応により発明された。

ポリテトラフルオロエチレンはアメリカ合衆国で第二次世界大戦中マンハッタン計画ウラン235濃縮工程でフッ素やフッ化水素酸に耐えうるライニング素材として開発され、戦後工業化された。フライパンアイロンの焦げ付き防止用や離型剤として日用品にも利用される。

最初に開発されたポリテトラフルオロエチレンは、260 ℃の耐熱性を持つが熱可塑性を示さず、加工性が悪い素材である。加圧成形焼成法、押出し成形法によって成形する。

成形性を高めるために、完全にフッ素化されているポリテトラフルオロエチレンの、フッ素基の一部を水素または塩素で置換したり、オレフィンとしたさまざまなクロロトリフルオロエチレン樹脂やポリフッ化ビニリデン樹脂が開発された。これらの樹脂は耐熱性でポリテトラフルオロエチレンに劣るものの加工性は高く、圧縮、押出し、射出成形が可能な素材である。

金属部品に静電粉体コーティングパウダーコート:英語版)したり、エポキシ樹脂とともにシート状に加工されて、金属製あるいは非金属性輸送コンテナの内張りとして取り付けられる場合もある。

分類

商標

  • テフロン®(Teflon®) - ケマーズ(旧デュポン)のフッ素樹脂類(PTFE, PFA, FEP)の商標
  • テフゼル®(Tefzel®) - デュポンのETFEの商標
  • カルレッツ®(Kalrez®) - デュポンのFFKMの商標
  • バイトン®(Viton®) - ケマーズ(旧デュポン)のフッ素ゴム類(FPM / FKM)の商標
  • テドラー®(Tedlar®) - デュポンのPVFの商標
  • ポリフロン™(Polyflon™) - ダイキン工業のPTFEの商標
  • ネオフロン™(Neoflon™) - ダイキン工業のPFA, FEP, CTFE, ETFEの商標
  • ダイエル™(Daiel™) - ダイキン工業のフッ素ゴム類の商標
  • デムナム™(Demnum™) - ダイキン工業のフッ素オイル類の商標
  • フルオン®(Fluon®) - AGCのPTFE・PFA・ETFEの商標
  • ヘイラー®(Halar®) - ソルベイのECTFEの商標
  • ハイラー®(Hylar®) - ソルベイのPVDFの商標
  • カイナー®(Kynar®) - アルケマのPVDFの商標
  • テクノフロン®(Tecnoflon®) - ソルベイのFKM, FFKMの商標
  • レアフロン®(NOK®) - NOK (企業)のPTFEの商標
  • ダイニオン®(Dyneon®) - 3MのFKM, FFKM, PTFEの商標
  • Kel-F® - 3MのPCTFEの商標(1995年に生産中止)

脚注

  1. ^ テフロンは単一物質に対してではなく同社が販売するさまざまなフッ素樹脂に使用される商標である。

出典

  • 長倉三郎 ほか(編)「フッ素樹脂」『岩波理化学辞典』第5版 CD-ROM版、岩波書店、1998年。
  • 森川正信「フッ素樹脂」『世界大百科事典』CD-ROM版、平凡社、1998年。

関連項目

外部リンク


「弗素樹脂」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



弗素樹脂と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「弗素樹脂」の関連用語


2
弗素ポリマー デジタル大辞泉
100% |||||

3
フルオロポリマー デジタル大辞泉
100% |||||

4
弗素加工 デジタル大辞泉
100% |||||





9
10% |||||


弗素樹脂のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



弗素樹脂のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフッ素樹脂 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS