鳥取白楼高校相撲部
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鳥取県にある全国有数の強豪校。現最強横綱の刃皇の出身校。全国大会六連覇という偉業を達成している。日本全国のみならず海外からの留学生を積極的に取り入れており、そこから多くのプロ力士を輩出している。昨年度のIHと春の全国大会の団体戦で石神高校を破った。 天王寺 獅童(てんのうじ しどう) 声 - 竹内良太 3年生。相撲部主将。身長188cm、体重139kg。国宝「童子切安綱」。 昨年度・一昨年の高校横綱。中学3年で中学横綱、小学6年で小学横綱の座に就いた。高校入学以降から公式戦無敗、さらには全日本選手権においても社会人・大学生らの年上の強者たち相手に優勝、名実共に全アマ力士たちの頂点に君臨する。その実力は白楼出身の先輩である現横綱・刃皇をして、自分に引導を渡すかもしれないと警戒されるほどである。 虎視眈々と自分の首を狙う全国の強者たちの放つ敵意をそれ以上の烈気で跳ね除ける威圧感を持ち、普段は謙虚で礼儀正しいが、内心は鬼の気迫が漲り、高校生にして既に横綱の風格を放つ。また、関西出身で普段はどんな者にも関西弁で気さくに会話する。尊敬・羨望を一身に集める横綱を志す者の心構えがあり、ただ必死に相撲に取り組むことを良しとせず、相撲を楽しみ王者の余裕として笑みを絶やさないようにするなど、独自の拘りと美学を持つ。一方で王者の有り様としては似つかわしくないほど研究熱心で、大会前には自分と対戦可能性のある全力士を研究し、相撲と関連の薄い情報までを網羅する勤勉さは、時に相撲オタクと揶揄される。 今でこそ恵まれた体躯の持ち主だが、小学生時代はあまり身長が伸びず、生き残りのために技を磨いて小学横綱に就いた。その「小さくても勝てる相撲」は当時の火ノ丸に大きな影響を与え、百鬼薙などの豪快な投げ技は元は彼の技であった。しかし、中学時代に身長が急激に伸びたことで、彼が中学横綱になった頃には大型力士の"体"の圧力と小兵力士の"技"の巧みさを併せ持つ怪物と化した。この順調すぎる来歴は「相撲の神が舗装した道」とも比喩された。層が厚いことで有名な鳥取白楼でも1年生でレギュラーを務め、常勝軍団の絶対的エース力士として活躍、自身は2年連続の高校横綱、チームとしては団体戦6年連続優勝という偉業に大きく貢献した。火ノ丸たちが出場できなかった春の全国大会では、団体戦大将戦で沙田をして「勝てる気がしない」と思わせるほどの力量差で圧倒。全国大会前のテレビインタビューで「自分が一番相撲が好きだから自分が一番強い」と全高校生力士に宣戦布告、本戦でも個人戦予選を余裕の相撲で全勝、決勝トーナメント一回戦で火ノ丸と対戦する。当然火ノ丸を見くびらず徹底的な研究で彼の攻手をことごとく封殺し有利に試合を進める。百千夜叉墜からの自分の知らない攻手すらイメージトレーニングで予見し、これをかわすと死に体の火ノ丸に変形小手投げ「六ツ胴斬」をかけ勝負を決めた。試合途中までは火ノ丸に対し「君の相撲は痛々しくて見ていられない」と哀れみとも取れる眼差しを向けていたが、真剣を通り越して死に物狂いで最後まで抗い続けた彼を認め、敬意を払って勝利の笑顔は潜ませた。個人戦準決勝では無敗記録を更新する久世と対戦となる。立ち上がり、久世が自身と完全に互角であることを悟り、挑戦者時代の相撲に切り替えることを決意する。小兵時代に培った足技や超低空の突きを駆使し、草介を押し込むも、それが彼の大和国と同じ「静謐の相」を目覚めさせ、上手を許すことになる。それでもなお、これは自身の試練でありこの逆境を乗り越えるべきだと拘りを見せ、小手投げで勝負をかけたが、久世の力が上回る結果となり、上手投げを残すも寄り切りで敗北した。この際、上記の経歴をして天王寺は「相撲の神に愛された者」とされたが、「相撲の神そのもの」である草介を目覚めさせるために存在したのかもしれないと語られた。その後は3位決定戦にまわり、本気を出さない四方田に不満を漏らしながらも、寄り切りで3位を獲得する。 団体戦準決勝の大将戦では火ノ丸と再戦となり、一戦を交えたことで互いの理解を深めた両者の目まぐるしく攻守が入れ替わる戦いとなる。凶暴性を全面に押し出した「修羅戦黒の相」と、場数の差を活かした引き出しの多さと超低空の攻めで火ノ丸を土俵際まで押し込も、引きから溜めを作ってのぶちかましや、反り手、八艘飛びのフェイントなどを駆使して反撃してきた火ノ丸に自身の想定を覆され、両前ミツを許してしまい百千夜叉墜で態勢を崩される。体が死にきる寸前に投げを見舞い勝負をかけるが、火ノ丸の執念が僅かに勝り、敗北した。二度目の対戦では自身の流儀を貫き、負けるギリギリの瞬間まで笑みを絶やさずにいた。 その後は前年度と同じく高校生枠に選ばれ、全日本相撲選手権大会に出場、火ノ丸との3回目の対戦ではリベンジを果たし優勝した。「三段目付出」の資格を手にした火ノ丸に祝福の言葉を送り、自身も大相撲に進むことを伝えた。 挑戦者時代の守りを捨てて本能だけで戦う「攻める相撲」と、高校横綱の地位を築いてから相手の出方を見て最善の型で勝利する「守る相撲」を主体とする。この2つを場面によって臨機応変に使い分け、どんな形でも高い標準でこなすことができる。前述の小兵時代の経歴と、相手を研究し続ける勤勉さがその基盤となっており、対戦相手に見せ場を与えずに征服する相撲を得意とし、これを自身の「横綱相撲」と称している。大相撲編 四股名は「童子切 安綱(どうじきり やすつな)」。鳥取白楼高校を卒業後、長戸部屋に入門し、幕下15枚目格付出で初土俵。名古屋場所時点の番付は西大関。サービス精神旺盛でプロ意識も高く、人気実力と共に認められており、次期横綱の呼び声も高い。九月場所では優勝候補筆頭と目され、刃皇にも期待される。花相撲では、意図的に刃皇の「憤懣の相」を引き当て接戦を演じるが、同時に複数の相を出せる横綱に想定を上回れ敗北した。9月場所、全勝で迎えた7日目の大包平との取組では、弱腰になった大包平に一度は落胆するも、そこから盛り返してきた彼の姿に笑みを見せる。投げの打ち合いで土俵下に落ちたことにより、左膝を負傷する事態となったが、彼をライバルとして再び認めた。8日の取組では、痛み止めを打って強行出場し、徹底して廻しを与えずに少しづつ確実に圧力をかける戦法で鬼丸を苦しめる。しかし、鬼丸の完璧なぶちかましを喰らい、踏ん張りきれずに土俵を割った。鬼丸に後を託したことにより途中休業を決意し、インタビューにて草薙・三日月・鬼丸の3名を名指して刃皇を止めるよう伝えた。その後は本人が「良いサポーターを見つけた」とのことで復帰しており、九月場所を勝ち越しで終えたようである。エピローグでは初場所を童子切が優勝で飾ったことを鬼丸が語っていた。 天王寺 咲(てんのうじ さき) 声 - 八巻アンナ 1年生。マネージャー。天王寺獅童の妹。身長152cm、体重40kg。兄とは全く似ておらず童顔の美少女。 休みに上京し、相撲部屋入りを考える兄のため各相撲部屋を見学する。柴木山部屋見学時に火ノ丸が来て、その実力をみることで大太刀高校が侮れない存在だと考えるようになり、火ノ丸には冴ノ山と久世は本当はどちらが強いのかと問うなど、小柄で純朴な外見にそぐわぬ観察眼の鋭さ、抜目の無さを垣間見せる。IH千葉県予選にバトとともに偵察に訪れ、その際に礼奈と邂逅し彼女が相撲部のマネージャーとなるきっかけをつくる。IH本戦では、今まで見ることのなかった兄の立て続けの敗北に動揺し、団体準決勝では涙を流していた。 学業優秀な優等生だが、兄とは違いかなりの運動音痴。相撲以外の趣味は麻雀でかなり強い。大相撲編 大学2年生。ライター志望で、堀と同様に修業中。礼奈と火ノ丸の交際を応援するが、デートをストーカーするなど楽しんでいる節がある。兄の獅童によれば、咲には浮いた話はない模様。番外編では国宝の面々にインタビューをしていた。 バトムンフ・バトバヤル 声 - 大河元気 1年生。身長181cm、体重100kg。モンゴルからの留学生。略称でバトと呼ばれることが多い。 子どもの頃、テレビで見た大和国・薫山に憧れモンゴル相撲(ブフ)を始める。ナーダム優勝経験があり、選抜テストをクリアし鳥取白楼に留学して来た。相撲での栄達を求め日本に来たこともあり、当初は徹底した実力主義で、同じモンゴル人留学生の上級生や天王寺にも食ってかかる有様だった。しかし天王寺に格の違いを見せ付けられ礼儀作法を叩き込まれた後は彼をアニキと慕い、多少は節度ある態度を保つようになった。その徹底した実力主義は現在の角界にも向けられ、(薫山ら以前の強豪日本人力士たちには今も憧憬・尊敬の念を抱くが)今の日本人力士たちにはモンゴル人力士より弱い情けない連中とみなし、不遜な物言いが目立つ。しかしながら、横綱を志し相撲にかける情熱は本物で、そういった態度も上昇志向と気迫の裏返しでもある。また元・薫山である柴木山親方のファンでもあり、千葉予選を偵察に来ていた時に柴木山親方を見つけると興奮を露わにし後にサインをもらった。 IH千葉県予選にて初登場した際は、咲と共に偵察に来ており怪我で左腕にギプスをはめていた。県予選ということでさほど真剣に観戦しなかったが、火ノ丸の個人戦優勝を決めてなお緩まぬ雰囲気を垣間見たことで、彼もまた自分と同じく本気で横綱を志す人間であることを知る。全国大会では1年生ながら外国人力士枠を実力でもぎ取り団体戦に出場。モンゴル相撲ならではの多彩な組技で相手を圧倒し常勝軍団の一翼を担う。準決勝副将戦で対峙する佑真には、覇気の感じられない彼に自分を売り込む糧にすらならないと一瞥するが、試合中の彼の覚悟を認め対戦相手として認識し始める。佑真相手に突き合いで勝るなど、類い稀な相撲センスと実力差を見せつけるも、隠してきた奥の手を惜しみ無く繰り出した彼に虚を衝かれる。傾いた形勢を二枚蹴りで返そうとするも、強引過ぎたこともあり返しきれず、反撃を許さない佑真の突き押しにより土俵を割り敗北した。大相撲編 四股名は「白狼 昇(はくろう しょう)」。高校卒業後、元・薫山の柴木山親方に憧れて入門。番付は東幕下9枚目。中々成果が出ないことや同郷の横綱・刃皇の突然の引退発言からの動揺と焦りから十両入りが決定した薫丸に対して八つ当たりに近い発言をしたことで火ノ丸に殴られるが、その後すぐに薫丸に謝罪し、以降も良好な関係を保っている。薫丸が蜻蛉切に重傷を負わされた際には、自身の番付では蜻蛉切に敵わないことから、火ノ丸に蜻蛉切を倒してほしいと懇願する。取組後は火ノ丸に感謝した。 九月場所で大欧牙を破り、幕下優勝をした。来場所は、十両に昇進することが決まっている。 加納 彰平(かのう あきひら) 声 - 増田俊樹 3年生。身長189cm、体重114kg。国宝「大包平」。 相撲をやる時はコンタクトだが、普段は眼鏡をかけている。「天王寺の次に強い」ことがプライド。全国大会団体戦準決勝で、國崎に寄り切りで敗北する。父親は鳥取白楼相撲部の監督。嫌なことがあれば唐揚げを揚げる。大相撲編 四股名は「大包平 彰義(おおかねひら あきよし)」。九月場所の番付は東前頭2枚目。鳥取白楼高校を卒業後、栄華大学に入学、2年生のときに学生横綱となり、幕下付出の資格を得て入門。同部屋であり性格に難のある刃皇を宥められる数少ない人物。9月場所では、刃皇や童子切などが自身のことを見ずに火ノ丸に興味を持つのが疎ましく思い、「無道」へと覚醒し勝つためなら相手を壊すことも厭わなくなっていくが、「無道」を全面に出した火ノ丸との取り組み中に、自身の内面を見つめ直す中で自身が幽体離脱して土俵を上から見下ろしている【離見の見】を習得する。取組後には他の力士たちが火ノ丸に興味や注目する理由を知り納得し、火ノ丸からの言葉で本来の冷静さを取り戻す。その後冴ノ山に負けるも2敗を維持し優勝決定戦での刃皇との取組では、自身がまだ知らない刃皇の一面を知り、惜敗した。九月場所で鬼丸と太郎太刀と共に敢闘賞を受賞した。 榎木 晋太郎(えのき しんたろう) 声 - 田丸篤志 2年生。身長174cm、体重82kg。 合気道を主体にした相撲スタイル。全国大会団体戦準決勝で小関の所見の技に即対応し勝利する。天王寺の中学の時からの後輩で、当時は結果が出ずに1度相撲を辞めようとするも、天王寺の言葉で奮起。相撲に合気道の要素を取り入れることで現在のスタイルを確立、選手層の厚い鳥取白楼のレギュラーにまで上り詰めた。バトとは犬猿の仲。高校卒業後は山陰大学の相撲部に所属している。強豪アマチュア実業団から誘われている。 首藤 正臣(しゅとう まさおみ) 声 - 鈴木崚汰 3年。身長187cm、体重188kg。 小学生の時から相撲大会でよく会っていた天王寺とは仲が良い。全国大会団体戦準決勝で三ツ橋の奇策に翻弄されるも、何とか出し投げで同体に持ち込む。その後の再試合で無難に勝利する。土俵上では一見無気力に見えた三ツ橋の態度に激高し、冷静さを失いかけるが、会場中を敵に回してもなりふり構わず勝ちたいという執念には感じ入るものがあった模様。決勝戦の観戦場所が良い席が埋まっていたからという理由によって、三ツ橋や礼奈たちのいた場所となってしまい、その際に三ツ橋とお互いに謝罪をしあった。高校卒業後は長門部屋に入門するが、相次ぐ怪我で相撲の意欲が低下してしまい廃業。第二の夢である、動物飼育員を目指して動物園で働く。
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