古木
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「長崎県指定文化財一覧」の記事における「古木」の解説
国指定天然記念物の古木には、女夫木の大スギ・大村神社のオオムラザクラ・小長井のオガタマノキ・奈良尾のアコウの4件がある。 名称位置指定日解説大徳寺の大クス 長崎市西小島町 大徳寺 1950年4月10日 指定当時の推測で樹齢800年、根回り23.35メートル・目通り幹回り12.55メートルのクス。主幹が三つに分かれ、低く広がる。大徳寺は楠の名所として知られ、境内に楠にちなんだ大楠神社と楠稲荷神社が合祀されている。 有明町の大樟 島原市有明町大三東 1958年6月5日 大三東の民家敷地内に自生する。根元に洞が生じ、推定樹齢1000年とも言われる県下最大のクス。目通り幹回り11メートル。近年は樹勢の衰えが現れ、枯死枝の伐採と健康診断が実施されたりワイヤーで固定したりしている。 熊野神社の大楠 島原市杉山町 熊野神社 1960年7月13日 大椋とともに熊野神社の代表的な大樹で、本殿わきに立つ。目通り幹回り8メートル・高さ19メートル。伝承では天正12年(1584年)、沖田畷の戦いに勝利した島津勢の伊集院忠棟が戦勝記念に献木したといわれる。 諫早神社のクス群 諫早市宇都町 諫早神社 1966年9月30日 諫早神社境内に自生するクス6本が指定されている。拝殿左側の御神木が最大で、目通幹囲8m・高さ25mに達する。これに次ぐ5本は7メートル級2本・6メートル級1本・4メートル級2本からなる。 子安観音の大クス 佐世保市有福町 子安観音 1970年1月16日 樹齢400~500年と推測される。根回り14.65メートル・目通り幹回り7.6メートル。過去に伐採した痕跡があり、七つに枝分かれしている。伐採後に疫病が流行したために厄払いし、神木としたという伝説が伝わる。 東漸寺の大クス 佐世保市中里町 東漸寺 1970年1月16日 東漸寺山門脇に自生し、注連縄を巡らし、根元に石仏が並んでいる。幹回り8メートル・高さ20メートル・推定樹齢500年のクス。樹勢も強く、山門脇の石垣まで根が食い込み、遠方から眺めると樹形が球形に見える。 五島玉之浦のアコウ 五島市玉之浦町玉之浦 大山祇神社 1950年5月13日 大山祇神社参道をまたぐ巨木で、幹周り10メートルの主幹が参道に向かって傾き、主幹から分岐した周り6メートルの支柱根が参道をまたいで受け支えている。参道と反対側に5本の支柱根で囲まれた狭い空洞がある。 五島樫の浦のアコウ 五島市蕨町 1952年5月13日 久賀島に侵入した個体で、根回り15メートル、高さ10メートル、そして半径30メートルの範囲に広がる県内最大のアコウ株。多数の支柱根が垂れ下がり、絞め殺された宿木の空洞は広く、水神を祀る祠となっている。 壱岐渡良のあこう 壱岐市郷ノ浦町渡良東触 1958年6月5日 アコウは壱岐では防風林として活用されるため、渡良の指定木2本は天然木か植樹木か判然としない。県内最北端の木で、1本は伐採痕があるが、樹勢は衰えず回復中。残る1本は幹周り4メートル、樹高13メートルに達する。 鷹島町住吉神社のアコウ 松浦市鷹島町里免 住吉神社 1980年2月29日 本土最北端の佐賀県高串より北の個体で、社叢の3本のうち、本殿横の1本が指定された。目通り幹周り4.5メートル、高さ18メートルに達する。宿木を上から覆って絞め殺した痕跡がなく、ねじれた支柱根が絡んでいる。 長栄寺のひいらぎ 雲仙市国見町神代 長栄寺 1949年5月20日 長栄寺の庭木として保護されてきた。幹回り3.5m・高さ13.1m。 樹齢400年ほどの古木で、全国的にもヒイラギとしては巨木の部類に入る。葉は棘が失われて丸くなっている。根元近くまで枝が降りて、鬱蒼としている。 壱岐国分のヒイラギ 壱岐市芦辺町国分川迎触 1961年11月24日 旧道脇の雑木林に自然状態で立つ高さ8.8メートル・幹周り2.4メートルの雌株の古木。樹齢を重ねて葉の棘は失われている。樹形は横に広がり、樹勢が強い。 琴海のヒイラギ 長崎市琴海町戸根郷 1983年8月30日 幹囲3.60m・枝張り1.7~7.0mの巨木。庭木として人気のある木本であり、所有者宅の庭木として保護されてきた。支幹が三つに分岐し、横に広い樹形を形成する。国見の老木とは逆に、壮健な姿をしている。 鷹島の公孫樹 松浦市鷹島町三里免 今宮神社 1957年10月29日 今宮神社境内に立つイチョウの雌株。根元から三つの支幹に分岐し、イチョウ特有の乳柱が高さ4メートル付近から垂れている。全長3メートルに達する乳柱は国内でも大型で、しかも乳柱がよく育つ雄株ではない雌株である点で特異である。 対馬琴のイチョウ 対馬市上対馬町琴 1961年11月24日 日本最大級の幹周り12.5メートル、樹高40メートルの大樹で、唐洲のソテツとともに対馬の名木に挙げられる。寛政10年(1798年)の落雷で心材が焼けて空洞が生じ、焦げた焼け跡が確認できる。 六御前神社のイチョウ 対馬市豊玉町千尋藻 六御前神社 1972年8月15日 六御前神社境内に立つ。目通り幹周り6.7メートル、樹高24メートルの雌株。樹勢が強く、遠景では葉が球形に木の上半分を覆う。雌株特有の小さな乳柱がいくつか表面に発生している。 蘇鉄の巨樹 佐世保市宇久町太田江 三浦神社 1958年6月5日 三浦神社境内に立ち、複雑に絡み合った雌株3本。近接した3本が支幹を錯綜させ、半径8メートルの密集群落を形成する。伝説では樹齢1000年とされ、身投げした娘の化身と見なされたり、実を盗むと嵐が来ると伝えられたり、伝承に事欠かない。 対馬唐洲の大ソテツ 対馬市豊玉町唐洲 1978年3月31日 樹高3.5メートルと背の低いソテツだが、支幹が細かく分岐して複雑に絡み合い、枝張りは東西7メートル・南北5メートルに達する。枝振りのよさから琴のイチョウとともに対馬の名木と目されてきた。 是心寺のソテツ 平戸市田平町里免 是心寺 1979年4月27日 是心寺本堂裏の雌株1本。根回り4・1メートル。横に広がる傾向が強いソテツだが、主幹からいくつも分岐して葉を広げ、高さ8メートルの高木に達する。寛永3年(1626年)に住職が植樹したといわれる。 亀岡のまき並木 平戸市岩の上町 平戸城二の丸 1954年11月8日 慶長年間、平戸城築城の際に、のちに二の丸となる道中に植樹されて形成されたといわれる。直線状の地点に12本、角地に12本と2箇所に並べた。400年のうちに幹回り5.5mに生育したものもある。 大村城跡のマキ 大村市玖島 大村神社 1967年2月3日 大村城址の大村神社石段脇に並んだ4本のイヌマキが指定されている。幹回り2.6~4.1ほどの高木。指定当時樹齢350年と推定され、藩政時代に植えられた。一説には初代藩主大村喜前の代に植樹されたともいわれる。 大村神社のクシマザクラ 大村市玖島 大村神社 1967年2月3日 国指定天然記念物のオオムラザクラとともに、大村公園を代表的する変種桜。昭和22年(1947年)に発見された。花の約半数のめしべが葉に変化し、内花を咲かせる二枚咲きで、花弁は一輪に45枚に達する。 西光寺のオオムラザクラ 佐世保市上柚木町 西光寺 1971年2月5日 江戸時代の間に平戸の亀岡神社経由で移植されたといわれる。原木の大村城オオムラザクラと同じく、がくと花弁が多い八重桜で、花弁は最大200枚にも達する。原木の二段咲きの性格も踏襲している。 万松院の大スギ 対馬市厳原町西里 万松院 1966年5月26日 対馬府中藩主宗氏の菩提寺万松院の参道脇には20本の杉並木が整備されていたが、台風被害や枯死で3本まで激減したために指定された。幹周り5~7メートル、樹高35メートル前後の背の高い木である。 壱岐安国寺のスギ 壱岐市芦辺町深江栄触 安国寺 1968年12月23日 室町時代以来の古刹安国寺の本堂前に立つ。目通り幹周り6メートル、樹高25メートル。伝承では樹齢1000年と言われている。多数のヤドリギが先端部に寄生してアクセントになっている。 デジマノキ 長崎市出島町 出島資料館 1966年4月18日 出島資料館脇に立つ東南アジア原産のナンヨウスギ科アガチス・ダマラの通称。時期は不明だが、出島に駐在したオランダ商人が原産地ジャワ島から取り寄せて移植したといわれる。スギそっくりの原産地と樹形が違う。 熊野神社の大椋 島原市杉山町 熊野神社 1960年7月13日 熊野神社社叢の傾斜地に自生し、本殿の大楠とともに熊野神社を代表する巨木。目通り幹回り6.65m・高さ20mと、ムクノキの中では大きな部類に入る。大楠と同様、伊集院忠棟の戦勝記念樹とも言われる。 富川のかつら 諫早市富川町 大雄寺 1965年5月31日 本明川上流の渓流そばに建立された大雄寺が所有する。根回り8~9m、高さ10mに達する巨木の雌株で、県内のカツラでは最大級。北方系落葉樹としては例外的に照葉樹林帯に自生している。 飯盛町のヘツカニガキ 諫早市飯盛町川下 1978年8月22日 ニガキの一種で、明治初期に鹿児島県南大隅町辺塚で発見された新種。熱帯性で長崎県内が北限地とされ、飯盛より北でも若木が散見できる。丘陵地の孤木で、幹回り2.3m・高さ10mに達する巨木。 五島青方のウバメガシ 新上五島町青方郷 1978年8月22日 青方港の出口に立つ樹齢400年前後のカシノキ。目通り幹周り2・5メートル。慶長年間に入植した紀伊国出身の漁民が港口に恵比寿を祀り、同時に紀伊から持ち込んだ苗木を植樹したものといわれ、「紀州樫」と通称される。 森山西小学校のアベマキ 諫早市森山町井牟田下名 森山西小学校 1981年3月27日 アベマキは本来は大陸~山陽地方に自生する。高さ25メートル・幹回り3.2mの巨木。明治30年(1897年)に教職員が台湾出張の土産として持ち帰った苗木を植樹した。二つに分かれた支幹が伸びている。 壱岐報恩寺のモクセイ 壱岐市勝本町本宮東触 1961年11月24日 モクセイとしては珍しい幹周り1.7メートル、樹高9.5メートルの巨木。淡黄色花弁のウスギモクセイに限定すると日本最大になる。昭和53年(1978年)の台風で倒伏した際、石塚に植えられたことが判明した。 福江の大ツバキ 五島市野々切町 1967年2月20日 個人宅の防風林として並べた樹齢300年代のツバキ3本。防風林・椿油採取として栽培されていた。42年指定時には4本だったが、50年(1975年)に1本枯死したほか、樹高10メートル超の木が台風で7メートルに折れる被害にあった。 平戸市戸石川のハルサザンカ 平戸戸石川町 2010年3月5日 旧武家屋敷の庭に植えられた樹齢400年以上の古木。同じツバキ科のサザンカとヤブツバキが自然交配した。園芸種ハルサザンカはツバキ寄りの三倍体とサザンカ寄りの五倍体だが、この木はどちらにも属さない四倍体で、園芸種の原木の一つと推測される。 藤山神社の大フジ 佐世保市小舟町 藤山神社 1970年1月16日 藤山神社はフジの名所で、前庭のノダフジが指定されている。幹回り1.5m、傍のオガタマノキに絡みついて伸びている。その蔓は40mに達する。大木となることの少ないノダフジとしては九州一といわれる。 海寺跡のハクモクレン 平戸市田平町山内免 1979年4月27日 伝説では樹齢1000年といわれ、科学的には600年を下らないと推定される巨木。目通り幹周り2.2メートル・高さ15メートルで、3月の開花期には平戸瀬戸からも見える。折れた枝からの浸水で心材が痛んでいるが、樹勢の衰えは少ない。 福寿寺のイロハモミジ 松浦市福島町里免 1979年4月27日 福寿寺本堂裏の丘に立つイロハカエデの孤木。紅葉の中では一般的な種で、周辺に植生がないため、人工的に植樹されたものと推定される。幹周り3メートル・高さ20メートル。四つの支幹に分かれている。
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