御神木とは? わかりやすく解説

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ご‐しんぼく【御神木】

読み方:ごしんぼく

神木」に同じ。


御神木

読み方:ごしんぼく

名詞神木」に、接頭辞「御」がついたもの。
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神木

(御神木 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/11 14:34 UTC 版)

注連縄の巻かれた御神木:由岐神社
杉桙別命神社の御神木、天然記念物
大塔宮護良親王桂之古跡(山梨県富士吉田市)

神木(しんぼく)とは、古神道における神籬(ひもろぎ)としてのをさし、神体のこと。また依り代神域結界の意味も同時に内包する木々。御神木、神樹[1]とも称される。

一般的に神社神道神社神宮境内にある神体としての木や神聖視される木、その周りを囲む鎮守の森や、伐採をしないとされる木を指す。

この他、神社の所有地、民間の所有地にあって民間伝承などの特別な謂われのある木を指す。神社の造営に当たってその木材となる植林または自生する特別に伐採された木を指す場合もある。

概要

神籬・磐座信仰(いわくらしんこう)という自然崇拝も古神道の一部であり、自然に対する感謝や畏怖畏敬から、環境が変わる場所にある象徴的なものを、木に限らず神体とした。この古神道から数千年を経る中で、形式や様式が器としての神社や内面としての祭礼が、外来の宗教の影響または独自に確立され、神社神道などになっていった。

神の居る場所は、社(やしろ)といわれる神道の神殿に移っていったが、日本に数万ある神社は、もともとは、この古神道における神籬のある場所に建立されたものがほとんどであり、そのことから境内に神籬としての神木や磐座としての霊石(岩)やあるいはが存在し祀られている。また古神道と神社神道は、ある部分では共存し不可分でもあるため、神社によっては社を持たず、神木をそのまま神体として祀っているところもあり、また、神社はなくとも自然そのままにある神木が多くの信仰を集めている場所もある。

先端がとがった枝先を持つ常緑樹が、神が降りる依り代(玉串)として神事に使われることも多い。玉串として最も一般的なものはサカキ(榊)だが、関東以北では植生上サカキが自生しないため、ヒサカキ(姫榊)オガタマノキ(招霊木)を用いることもある。一般に玉串は神前に供えるために伐採された枝を示し、神木は大地に根を張ったままの状態を言う。

依代

神依木(かみよりぎ)、勧進木(かんじんぼく)等は神の依り代とされ、しめ縄などで特別扱いされている。社殿の無い神域などでは御神体として扱われている。ナギモチノキスギなどが多い。

この他、伊勢神宮神宮スギなど景観維持や、荘厳さを醸し出すために依り代とは別に特別視された木などを神木扱いにしている場合もある。山などで仕事をするものにとって、山の神の依り代として目立つ木を一時的に神木とし、祀る場合もある。

神社神道における儀式で使われ、サカキやナギによって作られる御幣も神籬というが、もともとは、古神道における自然にある神木の代用としての、簡易の依り代である。

神域・結界

古神道において神籬は、神の宿る場所としての神域、または常世(とこよ)と現世(うつしよ)の端境と考えられ、恐れ敬った。そして人や現世にあるものや、常世に存在する神やまたは、現世にとって厄災を招くものが、簡単に行き来できないように、結界として注連縄をはり、禁足地とした。現在でも沖ノ島など社や神木や鎮守の森だけでなく島全体が禁足地になっているところも多くある。招福したい時を一定の期間だけ設けて、神木などの結界を解き神を招くという儀式祭礼を行うところもある。

伝承

昔話など、特別な謂われのある木を指す。この他、有名な歌人が歌に詠んだ木などが神木として扱われている。太宰府天満宮の梅(飛梅)など歌人が歌にした木などが多い。

職能民が祀る特定の神木があり、鍛冶師が祀る鍛冶神の金屋子神白鷺に乗っての木に羽休めでとまったことから、たたら場には金屋子神社と共に桂の木が植えられるようになったとされる(安来市観光ガイドの金屋子神社の説明一部引用)。

記念樹

神社等に何らかの関係のある人物が寄進した木などを神聖視し神木として扱われている。中には神話上の人物が手植えをしたとされるものもあり、住吉神社 (下関市)の楠は武内宿禰の手植えと伝わる(当社の説明看板)他、春日大社の3本の楠が合わさった大楠は神功皇后手植えという伝説がある(当社公式HP・「大楠」)。

以下は、倒木・伐採したものの何らかの形で残されている神木について

造営木

神社を造営するにあたりその材木となる木を神木扱いする。

造営木と祟り

日本書紀孝徳天皇即位前記(7世紀半ば)に生國魂神社の木を伐採して宮殿(難波宮)を造営した際、神の祟りにより宮殿が損壊(全焼)したことが記録される[2]生國魂神社#歴史および難波宮)。また斉明天皇朝倉神社の木を切り、朝倉橘広庭宮を造営した際にも祟りが起きたと認識される[3]

神木に由来するもの

古代大和の市場は神木に由来すると説がある(海柘榴市 (大和国)#市と語源)。

明治神宮お守り「心願成就みのり守」は神木で作られた木札に自身の願いを書き記して身につける(当神宮HP・「心願成就みのり守・おみくじ・お守り」)。

神明神社など、倒れた神木をヴァイオリンに再利用する例が見られ(CBCテレビ「CBCドキュメンタリー」としてユーチューブでも視聴可)、宮崎県の「神話の里文化・芸術育成アソシエーション」HPでは御神木ヴァイオリンのプロジェクトとして各神社で倒木した神木から作られている説明がある(同様にユーチューブで視聴可)。

地名

その他

  • 万葉集』巻4・517番には神木に触れて罰に当たる内容があり、神木による祟りという考え方が奈良時代にはすでにみられる。
  • 城山八幡宮の神木は連理木であり、吉兆として扱われ、縁結びとして信仰されている(城山八幡宮#連理木)。
  • 堀出神社 (ひたちなか市)の陰陽の御神木(タブノキ)はそれぞれ女性器・男性器を象っており、子授かりなど子宝の神木として扱われる(ほしいも神社HP)。
  • 峰定寺の神木「花脊の三本杉」は現存する樹木として国内最高の62.3メートル(樹齢推定1200歳)に達し、記録が認定されている(日本記録認定協会公式HP・「自然・地理」)。

脚注

  1. ^ 万葉集』巻4・517番。
  2. ^ 『日本随筆大成第三期』14巻(吉川弘文館、1977年)。
  3. ^ 天野信景の論文『塩尻』。同『日本随筆大成』。

関連項目


御神木

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/05 04:02 UTC 版)

北岡神社」の記事における「御神木」の解説

厄除け夫婦 - 樹齢約1千年一対。特に厄除開運夫婦円満縁結び御利益授かる古くより伝わっている。

※この「御神木」の解説は、「北岡神社」の解説の一部です。
「御神木」を含む「北岡神社」の記事については、「北岡神社」の概要を参照ください。

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