御神木の御旅(御幸)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/07 07:30 UTC 版)
「額田のダシ行事」の記事における「御神木の御旅(御幸)」の解説
御神木は面取りをした4寸(約12㎝)角・長さ2間(約3.6m)の一本の檜の角棒である。先端に定盤樹(榊と檜)の枝と御幣640垂を結わえた極めて古色豊かなものである。御幣は宵宮前日に総代によって準備される。 午後1時半頃から総代以下役員・氏子が社殿に参集して社殿での神事が執行される。神事のあとに「祭典役割帳」に記載された巡行の役割が読み上げられ行列が作られて巡行開始となるのだが、先立って御神木の先端を本殿に突き込む「御神霊遷(ミタマウツシ)」をする。巡行の祭列には多くの役割があり、大勢の氏子が隊列を組み、その長さは200mにも及ぶ。御神木の御幸は神事が執り行われたあとまず下町の八幡神社に向かって祭列は進む。 御旅所での神事が終わると、区内巡行に参加する役以外の者は一宮神社まで戻り、神餅をいただいて解散する。午後3時から御旅所神事の後御神木(神輿)は太鼓や掛け声の音霊に包まれながら動きの速い勇壮な巡行に加わって額田を駆け巡る。御神木は御旅所神事のあとミヤイリまで7名の御神木かき(御神木のかき手)が御神木を奉持し一団となって町内を縦横無尽に巡行する。このとき御神木とともに行動するのは警護役・神名額持ち・区長・太鼓打ちであり、一行と別に太刀持ち神鏡持ちを従えた神官と氏子総代が付かず離れずついて行く。現在は一応順路らしきものを定めているが、本来は気の向くままに移動していたという。このため家々では座敷を開け放ち、正面には鏡餅、お神酒、洗米を供え、屏風を立てて生け花による座敷飾りを行い、軒先には高張提灯を吊るすのである。高張提灯の火は御神木がミヤイリするまで決して絶やさぬように気を配っている。 ミヤイリの頃になると氏子は皆神社に参り御神木が収まるのを待つ。境内へ上がる階段では神社に上がろうとする御神木とそれをさせまいとする氏子たちによる豪快な駆け引きが展開される。御神木の先端が無事本殿に到着し神遷しの儀式を最後に長い巡行の旅が終了する。以上は祭りにおける神事の一面である。
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