カフェ カフェの概要

カフェ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/20 00:09 UTC 版)

ゴッホ夜のカフェテラスクレラー・ミュラー美術館蔵 画題になったこのカフェ「カフェ・ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」は現存する
典型的なパリのカフェ

名称

各国語の表記・発音は以下の通り。

フランス語・イタリア語はコーヒーそのものを意味する名詞からの転用、英語はフランス語からの借用である。 その他日本語を含む多くの言語でフランス語 café に由来する名称が使われている。

カフェの特徴

建築家のクリストファー・アレグザンダーはストリート・カフェの存在理由について、「人びとが衆目のなかで合法的に腰をおろし、移りゆく世界をのんびり眺められる場所としての機能」を挙げている[2]。つまり、カフェは都市空間に溶け込むという都市生活者の潜在的な願望を叶える場所といえる。

また、アレグザンダーは繁盛するストリート・カフェの基本条件を挙げている[2]

  1. 地元の常連客と、その意識を共有するスタッフがコアを形成している。
  2. オープンスペースと、それ以外の空間が別にあり、思い思いの流儀で時間を過ごせる。
  3. アルコールメニューがあったとしても、朝でも夜でも出かけたくなる場所という意味でバーとは異なる。

パリの典型的なカフェ

街路に面し、歩道にせり出してテーブル椅子が置かれている。店内にはカウンターやテーブル席もある。

春、初夏、秋など 気候が比較的穏やかな時期には、一般に屋外の席のほうが好まれ、屋外席から先に埋まる傾向があり、客は道を行き交う通行人の姿や季節で変化する街路樹などをさりげなく鑑賞して楽しみつつ、同席の人と時の話題について談笑したり、あるいは独りでぼーっとしたり、ゆっくりコーヒーを楽しんだり、新聞などを読むことを楽しむ。

料金は立ち飲みカウンター席が最も安く、次に店内テーブル席となり、テラス席が一番高い(1物3価方式)。店のある場所やメニューによって違いがあるが、テラス席はカウンター席のおよそ2-3倍くらいと考えてよい。

芸術家文学者哲学者学者政治家などは、芸術的・文学的・哲学的・学問的・政治的な対話や議論を行い、思索を深めたり展開する場としても活用してきた歴史があり(芸術史、文学史、政治史などでも、しばしば特定のカフェの店名が、キーパーソンらによって議論が行われた場として登場する)、フランスの文化を醸成している場でもある。

会話は部屋の奥では煮詰まってしまう傾向があるが、次々と視界に入ってくる新たな通行人の姿などにも刺激されつつ対話をすると、自然と話題が広がってゆく。逆に客があえて外界と心理的に途絶したい場合は、店の最奥あたりに陣取るという自由もある。カウンター内の従業員と馴染みの人などは、カウンターでいつものたわいのない会話を楽しむ。

基本的にパリのカフェには有名店を除いてクーラーがなく、盛夏時は比熱の関係で涼しい店内テーブル席やカウンター席に座る人が多い。冬はもちろん店内席の方が暖かい。有名店には、冬でもテラス席に座りたい人のために、テラス用屋外ヒーターを設置している店もある(2021年7月可決された「気候変動対策法」により、2022年から禁止されることになった)。こういう人達はもちろん厚着をしている。トワレは地下にあるのが普通である。

給仕は原則としてウェイターで、何か用を頼みたい時は「ムッシュ」(英語の「ミスター」に相当)と呼びかける(「ギャルソン」は「坊主」に相当し、現在ではたとえ悪意がなくても侮蔑語になるので使わない)。

「カフェ」なので必ずコーヒーは提供しているが、それ以外のありきたりな飲料類(紅茶ミネラルウォーター、炭酸入りミネラルウォーター、コーラなど)もそれなりに提供している店は多い。その他、アルコール類ではビールワインなどを提供している場合も。店によってはパティスリーサンドイッチなどの軽食類も提供する。

カフェの濃度の傾向は店ごとに異なっているが、「カフェお願い」(Un café, s'il vous plaît. アン・カフェ・シルブプレ)とシンプルに頼むと、最近では濃いめのもの(日本ではエスプレッソに分類される濃さに近いもの)が出てくることも増えてきた(だがあくまで、店ごとに傾向は異なる)。

フランスにおいても日本の田舎[どこ?]の店で出されるような「普通のコーヒー」(薄めのコーヒー)を注文したい場合(たとえばカフェインの過剰摂取を警戒したり、眠りづらい場合など)は、念のため「カフェ・アロンジェ(Café allongé カフェ、アロンジェ、“コーヒー、薄めで”)」と注文すればよい。


  1. ^ a b Larousse
  2. ^ a b 青山 2015, pp. 114–118.
  3. ^ Antonius Faustus Naironusは17世紀のマロン派修道士で、ガルシュニ英語版文字で書かれたアラビア語新約聖書を編集した。
  4. ^ ラテン語で記されている。
  5. ^ 北山晴一 『おしゃれの社会史』 朝日新聞社〈朝日選書〉1991年、206-215頁、ISBN 4-02-259518-3
  6. ^ レストランの閉店時間でもバールは開いていることがあり、テーブル席はそれに代わる役割もある。
  7. ^ a b 青山 2015, pp. 119–133.
  8. ^ 青山 2015, pp. 119–125.


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