Talent gameとは? わかりやすく解説

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タレントゲーム

(Talent game から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/31 06:17 UTC 版)

タレントゲームTalent game)は、芸能人タレントをメインキャラクターとして起用したコンピュータゲームのジャンル。

概要

製作サイドとしては芸能人・タレントが持つ知名度の高さから一定の販売本数が見込めるため漫画アニメを原作に持つ作品と似た販売戦略が取られることが多く、広い意味でのキャラクターゲームの一種と言える。特に1980年代の作品においては、起用した芸能人・タレントの知名度に依存し過ぎる余りゲームとしての完成度が低かったりゲームとして致命的な欠陥を抱えているケースがしばしば見受けられる点も、キャラクターゲームと共通である。

ジャンルに一定の傾向は無く、アクションゲームアドベンチャーゲームコンピュータRPGボードゲームクイズゲーム対戦型格闘ゲーム育成シミュレーションゲームなど多種多様である。また、野球サッカーゴルフテニスなどのスポーツゲームレーシングゲームではスポーツ選手を冠したゲームも存在する。

なお、厳密な意味でのタレントゲームに該当しないが、PlayStation 2以降の3Dポリゴンを使ったゲームにおいては、モデリング技術やモーションキャプチャの機種を追うごとの高度化により、「鬼武者シリーズ」「決戦II」「武刃街」「龍が如くシリーズ」「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」「仁王」など、登場人物のキャラクターモデルの顔グラフィックやモーションキャプチャに有名な俳優等のタレントを起用するケースもある。また、特にオンラインゲームにおいては、イメージキャラクターとしてのタレントの起用、またそれに伴うゲーム内でのコラボレーションイベントの開催など、スポット的なタレントゲーム化とも言えるプロモーション手法もある。

歴史

昭和

1980年代前半はファミコンMSXが登場し、家庭内でゲーム機や8ビットパソコンが本格的に普及し始めた時期であり、この時期に家電メーカーの系列企業を中心とするレコード会社がゲーム開発に多く参入している。レコード会社にとって所属アーティストは重要な資産であり、CD以外にもビデオクリップを始めとする関連商品を開発する必要に迫られた中でタレントゲームが登場した。レコード会社主導で製作された初期のタレントゲームで代表的なものには、MSXで発売された「堀ちえみ ストロベリーパズル」(ポニーキャニオン1985年)や、ファミコン・MSXで発売された「聖飢魔II 悪魔の逆襲」(CBSソニー1986年)などがある。

その一方、ゲームメーカーが芸能人の所属事務所や広告代理店に企画を持ちかけて開発・発売されたタレントゲームも存在する。「たけしの挑戦状」(タイトー・1986年)や「さんまの名探偵」(ナムコ1987年)がその代表格である。しかし、このパターンでは「名義貸し」のみで当のタレントは実際の開発には関わっていないケースも少なからず存在したと言われる。ただし、「たけしの挑戦状」はビートたけし本人も製作に関わっていた。

また、流行り廃りの激しい芸能界そのものを題材としているため、発売から2か月以内が実質的な「賞味期限」である場合がほとんどで、発売から半年以上経過しても売れ続けるロングセラーとなった作品は極めて稀であった (フライデー襲撃事件の影響で1990年まで販売中断していた『たけしの挑戦状』など)。

平成以降

こうして、1980年代後半は主にレコード会社や広告代理店の主導で数多くのタレントゲームが発売されたものの、少数の例外を除いてタレントの知名度に依存する余り肝心のゲームとしての完成度が低い作品がほとんどであったため、1990年代に入るとタレントゲームは「クソゲーの代名詞」的な扱いをされるようになり、ブームは終わっていく。

その一方で、1988年にはPCエンジンCD-ROM²が発売され当時、子役出身で新人アイドルへ転身を図っていた小川範子を起用したアドベンチャーゲームNo.Ri.Ko」(ハドソン)が本体と同時発売された。このことは、既に芸能界である程度の成功を収めたうえでその知名度に便乗したキャラクターグッズとして発売されるケースがメインであった従来のタレントゲームとは一線を画し、新人アイドルのプロモーション材料としてのタレントゲームの登場を意味するものであった。1990年には、やはりハドソンからバーニングプロダクションの新人アイドルオーディション参加者を一堂に集めて製作された「みつばち学園」も発売されているが、この路線の後続作品はほとんど無く、日本ではゲーム中のグラフィック実写そのものを取り込むことは稀となり、簡易的なアニメーションを採り入れることが多くなった(海外では実写取り込みゲームが一定の規模を持った)。

1980年代後半からのCD-ROM採用による大容量化と1994年の相次ぐ32ビットゲーム機発売は、結果的にコンピュータゲームとアニメの境界を低くすることに繋がり、ゲームで声優が起用されることも珍しくなくなった。その結果、アイドル声優と呼ばれるタイプの声優の存在がクローズアップされるようになり、1990年代後半には「どきどきON AIR」(ボトムアップ)や「ボイスアイドルマニアックス プールバーストーリー」(データイースト)を始めとする声優を顔グラフィックごと起用したタレントゲームも開発された。

2000年代に入ると、かつてタレントゲームの開発・発売において中心的な存在となっていたレコード会社の多くはゲーム機の開発費用高騰に伴う採算悪化を理由にゲーム事業から相次いで撤退[注 1]。その結果、年を追うごとにタレントそのものを起用したゲームの発売本数は減少に向かった。

一方、1990年代以降はタレントそのものを起用したパチンコパチスロは増加傾向にあり、著名な外部版権をモチーフとしたものは『CRルパン三世』(平和)がヒットした頃にあたる1998年以降だが、著名なタレントとタイアップしたものについてはそれよりも早く、『CRフィーバーダウンタウン劇場』(SANKYO)がリリースした1996年以降となる。タレントと外部版権の双方とツインタイアップされた機種もそれなりに存在する[注 2]河内家菊水丸を役物や声に起用したSANKYOからリリースされた羽根モノの『オロチョンパ』(1991年)が最初のタレント機種で、「ピンク・レディー」「中森明菜」「AKB48」などを題材としたタレント機種は、シリーズ化される程の人気機種となった。

2010年代になるとアイドルスマートフォン向けソーシャルゲームの流行を追い風に、タレントゲームが一定数リリースされ続けるようになった。特に『野田ゲー』(吉本興業)シリーズは、お笑いタレント野田クリスタル自身がグラフィックBGM作曲プログラムまでを含めて自主開発したタレントゲームの変種となっている。

復刻に係る問題

近年、バーチャルコンソールゲームアーカイブスといったレトロゲームの復刻や配信が盛んに行われているが、著作権知的財産権こそ発売したゲーム会社のみにあるものの、それらの復刻は題材としたタレントが所属する芸能事務所等が持った肖像権[注 3]の問題等もあり、漫画やアニメを原作とし、原作の権利者にも著作権[注 4]があるキャラクターゲーム並に困難である。よって、現在、配信されているゲームはバーチャルコンソールでは「たけしの挑戦状」や、「高橋名人の冒険島シリーズ」[注 5]のみにとどまっている。

また、タレントがゲームを製作した当時の所属事務所を離れている場合、または芸能界から引退している場合や死去している場合、本人の所在をつかめない場合も新規の復刻は非常に困難となる。特に、タレントが犯罪ないし重大な不祥事を起こしたような場合はほぼ見込みがなくなる。これは、事務所を変えて芸能活動を継続していたとしても製作当時の所属事務所と本人両方の許諾を要するためである。「たけしの挑戦状」のプロデュースを行ったビートたけしも本作発売してすぐに不祥事を起こして新たに個人事務所を設立しているため、当時所属していた太田プロダクションと、2018年まで所属していたオフィス北野との両方から許可を取ったものと思われる。「高橋名人の冒険島シリーズ」の場合にしても配信元で、「高橋名人」のゲーム関係における商標権を有しているハドソン→KONAMIが高橋名人の新たな勤務先である「ゲッチャ・コミュニケーションズ」→「MAGES.」から許可をとったとされる(一部作品のみ)。

許諾が得られる場合であっても、メーカー側としては新規に契約を結ぶ必要があるため、自社の一存で復刻可能なタイトルに比べると契約に手間がかかる上に、メーカーの取り分が少なくなるため、復刻に二の足を踏む場合が往々にして見られる。 一例としては、PCエンジンの「カトちゃんケンちゃん」(ハドソン・1987年)が日本国外(北米フランス韓国)では「J.J.&Jeff」というタイトルで主人公が架空のキャラクターに変更されているため、日本以外で展開していたバーチャルコンソールの配信や日本も含んだPCエンジン miniの収録タイトルに入っている一方、原作の「カトちゃんケンちゃん」はパッケージ版に留まり、各種ダウンロード配信が全く行われていない点が挙げられる。

ゴルビーのパイプライン大作戦』は、ミハイル・ゴルバチョフ本人は公式イラストやタイトル画面に使われたグラフィックのみの起用に留まり、ゲーム本編中には一切登場していない。IPを有するD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービスであるPicoPico版や最初のプロジェクトEGG版では、ゴルバチョフの関連画像とタイトルロゴの『ゴルビーの』を削除するだけで済ませ、タイトルも『パイプライン大作戦』に改題されている。後にD4エンタープライズが親族の了承を得た上で肖像権の問題は解決され、ゴルバチョフ本人は2022年8月31日亡くなったこと、生涯何処の芸能事務所にも所属していなかった一般人ソビエト連邦ロシア政治家)であったことを踏まえ[注 6]、2023年には発売当時のオリジナルバージョンである「ゴルビーのパイプライン大作戦」もプロジェクトEGGで配信されるようになった。

こうした事情のため、ゲームとしての完成度とは関係無く中古市場やネットオークションで発売時の希望小売価格を上回るプレミアム価格で取り引きされるタレントゲームも稀に見られる。

主なタレントゲーム

アクションゲーム
シューティングゲーム
対戦型格闘ゲーム
アドベンチャーゲーム
ロールプレイングゲーム
ボードゲーム
将棋
麻雀
その他
クイズゲーム
スポーツゲーム
音楽ゲーム
恋愛ゲーム
その他

注釈

  1. ^ ほぼ全てがゲーム事業から撤退した訳ではなく、1980年代中盤には早々と撤退した日本コロムビアは、2010年からコロムビアハウス内に置く形で再参入しており、2023年現在唯一存在するレコード会社のゲーム事業となっている。クリエイティヴ・コアから引き継いだ名残で、任天堂携帯機向け女児向けゲームが主。
  2. ^ 特に『銭形平次』とタイアップしたパチンコシリーズは、主演大川橋蔵が晩年まで女性アイドルに造詣が深かったこともあり、女性アイドルグループとのツインタイアップとなっている。
  3. ^ 吉本興業などのように芸能事務所が自らコンピューターゲーム事業を持つことがあり、肖像権に加え、著作権や知的財産権(IP)も自社で管理できるというメリットがある。吉本興業のゲーム作品は1990年代中頃の短い間だけ存在した後、2020年に前述の『野田ゲー』をゲーム機でリリースするためだけに再参入している。なお、1990年代中頃の作品群は外注するソフトウェア開発企業ゲームミュージック作曲家にも発生していたが、『野田ゲー』の場合、吉本側が直接持つのはパブリッシャー側におけるIPや出演タレントの肖像権だが、ソフトウェア開発や作曲側は自社タレントの野田クリスタル自身が著作権を受け持つので、タレントゲームでは初の完全自社版権作品である。
  4. ^ なお、知的財産権は発売したゲーム会社のみにある。
  5. ^ 配信開始当時はハドソン社員で、肖像権も含めて自社にある高橋名人を主役としたため。
  6. ^ 故人となった一般人は親族(遺族)が肖像権の当事者となっている為。ゴルバチョフの場合は一人のイリーナ・ヴィルガンスカヤがそれに該たる。
  7. ^ 第1弾は"SINRI TEST"、第2弾は"SHINRI TEST"と表記されていた

関連項目


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