SC-3000
SC-3000とは、セガ・エンタープライゼス(現セガ)が1983に発売したホビー向けパソコンの名称である。
SC-3000は、同時期に発売された家庭用ゲーム機のSG-1000にキーボードを付けたものである。
SC-3000は、CPUには、Z80Aを搭載し、ソフトウェアの供給媒体には、ロムカセットを採用している。また、カートリッジスロットに、カードキャッチャと呼ばれるカートリッジ型のアダプタを挿すことにより、ICカード型ROMのマイカードを利用することが可能である。
SC-3000向けのソフトウェアには、ゲームソフトの他に、英語や歴史、算数などの学習ソフトや、BASICによるプログラミングが可能なソフトウェアなどが用意されていた。また、3インチのフロッピーディスクが利用可能なフロッピーディスクユニット「スーパーコントロール・ステーション」や、4色カラープロッタプリンタ、カセットデータレコーダーといった周辺機器の接続が可能であった。
ちなみに、SC-3000のSCは、SEGA COMPUTERの略とされる。
※画像提供 / 株式会社セガ ©SEGA
参照リンク
[セガハード大百科] SC-3000
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その他ゲーム: | アーケードゲーム アクションゲーム |
SC-3000
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/17 13:45 UTC 版)
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メーカー | セガ・エンタープライゼス |
---|---|
種別 | ホビーパソコン |
発売日 | 1983年7月15日 1983年 1984年 |
CPU | NEC μPD780C |
対応メディア | ゲームカートリッジ[1] |
コントローラ入力 | ケーブル |
外部接続 | プリンター端子 カセットレコーダ端子 |
オンラインサービス | 非対応 |
互換ハードウェア | SG-1000 SG-1000II SC-3000H オセロマルチビジョン |
次世代ハードウェア | セガ・マークIII セガ・マスターシステム |
SC-3000(エスシーサンゼン)は、セガ・エンタープライゼス(後のセガ)が開発したゲームパソコン[2]。
日本国内では1983年7月15日[3][5][注 2]にセガが発売し、海外ではOEM販売されていた。メーカー希望小売価格は29,800円。
また、1983年12月に初代機のチクレットキーボードをプラスティックの本格的なキーボードに改良した後継の上位機種である、SC-3000H(メーカー希望小売価格33,800円)を展開した[1][8][9]。
SC-3000のSCは『Sega Computer』の略で、3000は約3万円という価格が由来で桁を1つ減らしたものである[4]。
展開
本機はシステムプログラムが別売であるため、単体ではシステムとして使用できない反面、高価だったROMとRAMを本体から切り離すことによって、同年11月発売のMSXと同等の性能で29,800円という当時のゲームパソコンよりも数万円安い低価格を実現した。また購入する言語によって、メモリ容量や、仕様を選択できるという利点もあった。このため発売前の受注段階で数万台の売上を計上したという。
この数字に自信を得たことや、同時期に任天堂がゲーム専用機を開発中であることを聞きつけた、当時社長の中山隼雄の鶴の一声で[要出典]、SC-3000からキーボードやビデオ出力端子、カセット、プリンタ端子などを廃したことにより、ほぼ半額の15,000円という大幅なコストダウンを実現した廉価版SG-1000も同日に発売した[5][10]。なお、任天堂のファミリーコンピュータも同日に発売されている[4][10][11]。
日本国外にも展開され、オーストラリア・ニュージーランドを中心とするオセアニア地域では、オーストラリアではJohn Sands社、ニュージーランドではGRANDSTAND社によってOEM販売され、当時は低価格帯のパソコン市場に競合機が存在しなかったこともあって、市場をほぼ独占する成功をおさめた。日本同様テープ版ソフトやスーパーコントロール・ステーションが発売されたほか、日本未発売のライトペンや3インチディスクのパッケージソフトも発売された。ニュージーランドではSC-3000専門誌「SEGA Computer」も刊行されていた。この人気は、Amstrad CPCがオセアニアに上陸する1986年頃まで続いた。
フランスではYEN-O社によってOEM販売されていたほか、スペイン、イタリアでもOEM販売された。販売台数は欧州だけで初年度で十数万台と「初年度で国内外合わせて20万台」というセガの見込みを超える成功を収めたが、セールスではゲームソフトを遊ぶ事だけに特化したSG-1000の方が圧倒的に売れ行きが良かったことから、以後は家庭用ゲーム専用機の開発へとシフトしていった[12]。
ハードウェア
CPUやVDPはMSX1やSORDのM5等と同じで、ほぼ同等の性能・表現力を持つ。ただし、これらは開発時に意識したという訳では無く、当時のゲームパソコンで低価格を実現するためにチップなどの汎用部品を採用した結果ほとんど同じような構成になったという[13]。そのため、コンピューターとしてのアーキテクチャーはすべて異なり、ハードウェア・ソフトウェア共に互換性は無いが、その類似性を使用し、機種依存部を書き換えコンバートしたMSXソフトウェアの海賊版などが、海外では発売されている。
仕様
- CPU:NEC μPD780C (Z80A互換)(クロック周波数3.58MHz)
- VDP:TMS9918A
- RAM:2KB[2]
- BASIC-LEVEL II A:515Byte
- BASIC-LEVEL II B:1KB
- BASIC-LEVEL III A:16KB
- BASIC-LEVEL III B:32KB
- ホームベーシック:32KB(実利用フリーエリアは26KB)
- VRAM:16KB[2]
- サウンド機能:SN76489(PSGと機能はほぼ等価。ハードウェアによるエンベロープが無い反面、ノイズの出力をトーン出力と独立して制御可能になっている。)
- インターフェイス
- サイズ:幅353mm、奥行210mm、高さ46mm[2]
- 重さ:約1.1Kg[2]
周辺機器
オプションとして、データレコーダSR-1000[1](9,800円)が発売されており、入出力を音でモニタできるほか、音声の入出力の信号に伴い、読み込み終了時にはモーターが停止、書き込み時には自動的にモーターが動作するようになっている。これらの実装に伴い、予約語としては用意されているMOTOR命令や、実際のREMOTE端子はハードウェア的に省略されているが、BASIC内部では、制御が行われている。
また、3インチコンパクトフロッピーディスクドライブ・64KBの拡張RAM・8KBの拡張ROM・プリンターポート・シリアルポートを搭載した拡張ユニット、スーパーコントロール・ステーションSF-7000[1](79,800円)も発売されていた。カートリッジの端子に接続し、ディスクから、起動することが可能になっている。フロッピーへの入出力に対応したF-BASICが添付された。
オプションとして、ジョイスティック(2本)が4,000円で提供された[2]。
ソフトウェア
SC-3000に対応したソフトウェアの供給は主にカートリッジ媒体によって行われ、ゲームソフト、BASIC、学習用ソフトなどが供給された[2][6]。
BASICカートリッジを装着することで、当時一般的だったBASIC言語によるプログラミングをすることができ、レベルII・レベルIII・ホームベーシックのように、RAMサイズ・命令・数値計算の精度が異なる複数のバリエーションが用意されていた(レベルIIのBASICカートリッジは5,800円、レベルIIIは9,800円[2])。レベルIIではSC-3000用のレベルIIAとSG-1000/SG-1000II対応のレベルIIBとがあった。なおレベルII、レベルIIIとも予約語が少なく、M5のBASIC-Gや、MSX-BASICの方が、BASICとしては高機能だった。
後に登場したホームベーシックは、扱う数値が整数型になったために算術関数関連の命令が大幅に削除された。反面、処理速度が向上しPLAYステートメントが追加されたことで音楽演奏は容易となりスプライト衝突割り込み命令も追加されてよりゲーム作成が行いやすくなった。またメニューから呼び出せるサンプルゲームやスプライトエディタが搭載されており、言語のみではなく、単体で使えるユーティリティーを内蔵しているところは、翌1984年6月に発売されたファミリーコンピュータのファミリーベーシックも同様である。
キーボードを活用したソフトウェアとしては、BASICの他に、数学や英語などの学習カートリッジが発売されていた。
派生機種
SC-3000Hや本機のアーケード版とも言える「パソコン学習机」も存在する。パソコン学習机は筐体に内蔵されたBASIC・各種ゲームカートリッジをコイン投入後、一定時間利用できる。
1983年5月25日に東京流通センターで開催された『マイクロコンピュータショウ'83』では、ハードキーボードのSC-5000が発売予定として展示されており[14]、電波新聞ではPC-8001と同等の機能でCPUは16ビットも検討して9月に出荷予定と報じられたが[15]、後のSC-3000Hと考えられている[16]。ただしキーボード配列がSC-3000Hと異なり、SC-3000にあるいくつかのキーが欠けていて、SC-3000にはない「CAN」キーがあるなどの相違がある。
関連項目
- とんねるず - テレビCMなどでSC-3000のイメージキャラクターを務める[10]。
- 斉藤ゆう子 - テレビCMなどでSG-1000のイメージキャラクターを務める。
- マイコンBASICマガジン - SC-3000用投稿プログラムが長期間掲載されていた。
- パソコントラベル君ならどうする - セガのスポンサー・制作協力番組、回答者の端末として使用された。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d “関連・周辺機器 SC-3000”. セガハード大百科(新サイト). セガ. 2018年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 「29,800円のパーソナルコンピュータ セガが発売」『月刊アスキー』1983年7月号、アスキー、95頁、doi:10.11501/3250666。
- ^ 「セガ、ホビー用パソコンに欧州から引き合い殺到、初年度生産50%増の30万台に」『日経産業新聞』、1983年7月13日、13面。
- ^ a b c “【連載】セガハードストーリー第1回 セガはなぜ家庭用ゲームに参入したのか?”. セガハード大百科(新サイト). セガ (2017年7月14日). 2018年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月25日閲覧。
- ^ a b 「本日新発売 売れっ子登場!(「SC-3000」「SG-1000」の発売を伝えるセガ・エンタープライゼス社の新聞広告)」『電波新聞』、1983年7月15日、23面。[注 1]
- ^ a b 「セガ社、超低価格で高性能のパソコン 7月発売へ」『ゲームマシン』第213号(アミューズメント通信社)、1983年6月1日、1面。オリジナルの2019年11月20日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「低価格パソコン開発 セガ・エンタープライゼス 48Kバイトまで拡張可能」『電波新聞』、1983年5月24日、2面。
- ^ 「セガ社が上級機追加などで パソコン部門強化 4色プリンター発売へ」『ゲームマシン』第228号(アミューズメント通信社)、1984年1月15日、4面。オリジナルの2019年11月20日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「セガ・エンタープライゼス パソコン部門を強化 上級機種と周辺機器投入」『日経産業新聞』、1983年12月12日、10面。
- ^ a b c 「セガ社家庭用TVゲームで ゲーム専用機も ──「SG-1000」を発表」『ゲームマシン』第216号(アミューズメント通信社)、1983年7月15日、6面。オリジナルの2019年12月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ 鎌田慧「「ファミコン」で「大儲け」した男たち」『プレジデント』第24巻第4号、プレジデント社、1986年4月、328-341頁、doi:10.11501/2802646。
- ^ 前田尋之『あの頃欲しかったホビーパソコンカタログ』ジーウォーク、2021年7月29日、120頁。ISBN 9784867170410。
- ^ 週刊ファミ通2013年8月29日増刊号別冊付録 SEGA CONSUMER 30th ANNIVERSARY BOOK 佐藤秀樹元セガ社長(SC-3000からドリームキャストまで、セガのすべての家庭用ハード設計開発に関わっていた人物)のインタビュー参照
- ^ 『テクノポリス』1983年7月号、徳間書店、9頁。
- ^ 「パソコン市場に本格参入」『電波新聞』、1983年5月9日、4面。
- ^ 早苗月 ハンバーグ食べ男、石川雅美、奥成洋輔、堀井直樹「[インタビュー]SC-3000&SG-1000発売40周年! セガハードを支えた石川雅美氏,奥成洋輔氏,堀井直樹氏がセガハード史を語る」『4Gamer.net』、Aetas、2023年7月15日、 オリジナルの2023年7月15日時点におけるアーカイブ、2023年7月18日閲覧。
外部リンク
- セガハード大百科 - SC-3000
- SG-1000,II,SC-3000 - ウェイバックマシン(2011年2月9日アーカイブ分)
SC-3000(-):(声優:相沢舞)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 17:46 UTC 版)
「家電少女」の記事における「SC-3000(-):(声優:相沢舞)」の解説
SC-3000の家電少女。
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